タキシード仮面
たきしーどかめん
『美少女戦士セーラームーン』の主人公・月野うさぎの恋人である、地場衛が変装した姿。女性の味方を称するお助けヒーロー的存在。
シルクハットとタキシードに身を包み(より厳密にいえばタキシードではなく、変則燕尾服だが)、仮面で素顔を隠し、ステッキを持っている。
セーラームーンよりも戦闘力は低め。
スタイルモデルは原作の連載当時、麻布十番に進出し始めていたディスコの黒服。キャラモチーフは『まじっく快斗』に登場する怪盗キッド。キッドを演じた山口勝平氏は、実写ドラマではアルテミスを演じた。
原作漫画及び『Crystal』シリーズ
幻の銀水晶を探している宝石専門の怪盗として登場。まっとうな少女漫画のヒーローであり、旧作アニメより自然に活躍する。決戦に於けるセーラームーンの相棒で、彼女よりも非力なことを気にしているものの、事実上勝利の鍵でもある。
金のタイをつけ、シルクハットはすぐ脱げる。「危ないから下がって」とセーラームーンにキスされて赤面するシーンも。
サイコメトリーによる治癒能力の使い手で、それを利用した「タキシード・ラ・スモーキング・ボンバー」という攻撃技も存在する。原作ブラックムーン編では、未来で浄化能力を行使出来ないセーラームーンの代わりに敵を倒した。
デッド・ムーン編終盤では体中に眠っていたゴールデン・クリスタルを顕現させた。セーラームーンたちが数々の困難な事態を乗り越え、強大な悪を倒し続けてこれたのも、銀水晶と同等の力を宿すこのゴールデン・クリスタルが、間接的に彼女たちの力を増幅していたためであった。
旧作テレビアニメ
愛称は「タキシード仮面様」。セーラー戦士がピンチになると高所から登場し、1輪の赤い薔薇を投げる。ちなみにステッキは伸びる。
当初は衛の中の別人格が変身している設定だった。セーラー戦士の変身を感知して出現する。庶民の味方も自称する。亜種は給食当番こと月影の騎士。
ちなみにセーラー戦士は毎話必ずピンチになるので、彼も必ず登場する。しかし攻撃技を持たず敵と直接戦う描写は少ないため、主にサポートを担当している。
トランプカード代わりに薔薇を投げてはキザな台詞を言うだけ言って去っていくことも多い。だが彼の登場でセーラー戦士のピンチは必ず解決する。
解決の方法が強引で明らかに不自然なストーリー展開になっていることもままあるが、「タキシード仮面なら仕方がない」と思わせる勢いもまた旧作の魅力である。
設定上はダークキングダム側の人間だからか、どちらかというとダークヒーローに属する。初期はニヒルなキャラクターだったが、次第にシュールなギャグ演出が増え、敵からツッコまれたり呆気に取られることもあった。
使用する薔薇はエナジー(生命力)から作られ、固いコンクリートにも突き刺さる。使用頻度は低いが薔薇の本数を増やすと威力が増し、並べて結界を作ることも可能。ダークキングダムに洗脳された時は黒薔薇を投げた。
ネット上での扱い
アニメ放送当時は、多くの少女たちが月野うさぎと同様「タキシード仮面様!」と心をときめかせたものだが、しかし、改めて見てみると何かおかしい。見た目からしておかしい。台詞もおかしい。コレジャナイ。どうしてこうなった。現在は旧作担当声優の古谷徹のアドリブや、アニメのインパクトの強さから、懐かしの変態仮面として定着している。
2024年に旧アニメの中の人がやらかした不祥事が発覚し、リアル変態仮面となってしまった事で前述の変態ネタに引っ掛けたタキシード仮面への風評被害も懸念される。
なお、こうした態度や言動は旧作アニメのみであり、原作・実写版・『Crystal』シリーズでの彼は少女漫画らしくカッコ良く描かれている。但しネーミングやスタイルは原作者当人の好みによるもの(単行本1巻余白談より)。
旧作アニメの衛自身は常識人に近いのだが、タキシード仮面になると何故かこうなる。しかし仮面が透けて目元が見える時は格好良くなる。ギャグモードとシリアスモードの違いという奴だろうか。
アニメ名言集
無印編
「泣いているばかりでは何も解決しないぞ、セーラームーン」
「どんな不利な時でも絶対にあきらめないことだ」
「今日の主役は君だ、セーラームーン」
「運転手は私だ」
「夢を見るのは、眠っている時だけにしたまえ」
「か弱い女の子をいじめて楽しいか?」
「罪無き人々を魔力で翻弄する悪党め、許さん」
「チャンスを逃すな、セーラームーン」
「私の名を騙りラブレターを出したのは、セーラームーンを誘き出すためだったのか。許さん」
「美しきセーラームーンに敗北は似合わない」
「紳士たるボクサーは麗しき乙女を殴るものではない。優しく抱きとめてあげるものだ」
R編
「若い女の子の肌はピチピチしてフレッシュだ。厚化粧など意味がない」
「強くなるために鍛えるのもよいが、優雅さだけは失わないでほしいものだな」
「太鼓は打楽器。正しく使えば人の心を感動させる。それを武器に使うとは、音楽芸術の恥さらし」
「どうせなら、太鼓は正しく叩いてチャンチキおけさでも踊るがいいぞ!」
「スーパーは庶民の健康の泉。新鮮な高原野菜や、とろけるようなしゃぶしゃぶ肉が怒っているぞ」
「陽炎にゆらめく愛の姿。さあ悲しきさまよい人よ、心の響きを聞くがよい」
「ポーンの気持ちのわからぬ者にクイーンを手にする資格はない」
「砂糖菓子は乙女の夢が育む芸術。美しさに憧れる少女達の可憐な心も溶ける時がある」
「甘い砂糖菓子は心の悩みを溶かしたい。だが、その砂糖も溶ける時がある」
「プロミスリングは希望のリング。美しい乙女達の信頼を悪用する心醜きドロイド、このタキシード仮面が、許さん!」
「病院は病に倒れた人々を救う命の館。それを汚れたエナジーで満たし悪用するとは、断じて許せん!」
「負けるなセーラームーン。元気を出せセーラームーン、私は元気な君が大好きだ」
「高校入試に備えて勉強するための塾に、ダルクヘンジを植え付けて純粋な若者の心を翻弄する悪しきドロイド、許せん。この私、タキシード仮面が相手だ!」
「神聖な学問の場を戦場にするとは、許し難き暴挙」
「さあセーラームーン、彼等に正義のいろはを教えてあげるのだ」
「邪悪なパワーで強引に女性を我が物にしようとする卑劣な悪魔、許さん!」
「可憐な花も、邪悪なエナジーが蝕めばやがて枯れる」
「邪悪な幻覚で純真無垢な乙女心を弄ぶ卑劣な行い。このタキシード仮面が……許せん!」
S編
「春爛漫。心地よい日差しの中で騒動の嵐を起こす不届き者め、立ち去るがいい!」
「ピュアーな心を弄ぶ者は、いずれピュアーな心によって裁かれる」
「美しい月夜にはセレナーデがよく似合う。耳障りな雑音は即刻消え去るがよい」
「汚れた心の持ち主にはピュアーな心の結晶は似合わない。ただちに結晶を返し、この鉄屑と共に埋もれるがいい」
「汚れなき乙女のピュアーな心を傷つける者は、この私が許さん」
「純粋な心は闇をも照らす一条の光。ピュアーなハートの輝きは、この私が守ってみせる!」
「ひと時の出会いを大切に。温かくもてなす心こそ茶道の真髄。その心を踏みにじる行い、許せん!」
「音楽は音を楽しむもの。人を苦しめるためのものではない」
「美しい音楽を冒涜する者は私が許さん」
「バラ攻撃はとっておきの私の技。猿真似は迷惑だな」
「人々を苦しめる悪しき星は、この私が封じたぞ。もうお願いはできまい!」
「花は人に安らぎを与える物。悪用することは私が許さん」
「友を慕う少女の想い、そのぬくもりすらも感じぬ程に心凍らせた哀れな戦士よ」
「心と心が真に打ち解け合うためには、時に激しい衝突も必要だ」
「人を想う乙女の心は、何より強く美しい。麗しき乙女を脅かす者は、このタキシード仮面が許さん。セーラームーン、友情を信じるんだ」
「星の光に濡れた夜を無粋な邪悪で騒がす輩は許さない」
「黙れ。貴様に言われたくはない。私は悪を切り裂く一輪のバラだ」
「清らかな乙女の純情を汚す者は、このタキシード仮面が許さない」
「乙女の祈りを妨げる心貧しき者よ、このタキシード仮面が許さん」
「美しい乙女に鎖は似合わない。鎖につながれるのは悪人と凶暴な犬だけで十分だ」
「性懲りも無く女性を襲う不埒な奴め、覚悟しろ!」
「危ないことに女の子を巻き込むとは、男の風上にもおけぬ危ないヤツ」
「ぶ~らぶら~!」
「セーラームーン、また太ったな。重いぞ」
「すまん」
「流行りのファッションで美しく装いたいのは女性の永遠の願い。女性の願いを守るため、私はいる!」
「お待たせ!」
「美しい花園を無惨に蹴散らす不埒者」
「水着美女の花園サマービーチに爆弾は似合わない。多量の火薬は夜空を彩る大輪の花火とするがよい」
「たとどんなに離れていても、愛さえあれば私は駆け付けるだろう」
「真夏の夜の夢にうなされてさまよう怪しい人形よ。このタキシード仮面が許さん」
「タキシード仮面と言っている」
「麗しき乙女よ! 何!?」
「甘い物をこよなく愛する純粋無垢な乙女達よ。卑怯な罠におとしめる偽歯医者は許せん」
「食べ物を粗末にする者に人をもてなす資格はない」
「今だーー! セーラームーーン!!」
「恋に苦しむ乙女がいれば、私はそこに現れる」
「夢多き未来を信じぬ心貧しき者達よ。戦いをやめ、平和の中に明日への希望を見出すがよい」
「生き物の命を育む太陽の光。それを遮り人々の夢を曇らせる小悪魔達よ、私が許さん」
「さらばだ。また会おう」
「俺はカバじゃない!」 ※ドラマCDより
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