曖昧さ回避
同音異名の実在の人物が複数いる。
- 古屋亨:政治家。
- 古矢徹:編集者。
概要
1953年7月31日生まれの獅子座、血液型はA型。神奈川県横浜市出身の男性声優。
子役としては1958年に、そして声優としては1963年に「ローマに咲いた恋」(監督川頭義郎、松竹配給)という映画の吹き替えでデビュー。その後60年以上に渡り、アニメの最前線でずっと活躍し続けている、日本を代表するベテラン声優の1人である。
代表作や役柄の傾向
代表作は数多く、長期に渡る活動期間の中で多数の主役や主要キャラを演じてきた為、幅広い世代に強い印象を残している。
「巨人の星」の星飛雄馬、「機動戦士ガンダム」のアムロ・レイ、「聖闘士星矢」のペガサス星矢といったヒーロー系キャラで名高い。また、現在はあまり知られていないが、あの誰もが知っているゲームキャラクターであるスーパーマリオシリーズの主人公・マリオの役もアニメ映画『ピーチ姫救出大作戦!』から映画放映後のTVCMで演じており、知る人ぞ知る者の中では「『初代マリオ役』の人」という認識をされている(2代目は宮野真守)。
現在は、『名探偵コナン』に登場する安室透(降谷零)の役が有名で、ライバル役となる赤井秀一はアムロの宿敵であるシャア・アズナブルを演じた池田秀一氏である為、ガンダムファンをニヤリとさせている。最近では、髪の色やファッションなども安室に寄せるようなものを選ぶようになっており、古谷氏にとっても非常に思い入れの深いキャラになっていたことがうかがえる。
また、同じく国民的人気漫画(アニメ)となっている『ONEPIECE』においても、主人公・モンキー・D・ルフィの重要な関連人物であるサボ役を担い、この作品でも池田氏はシャンクス役を担っている。
いずれにおいても、物語において重要となるキャラクターの声を演じる事が多いのは確かである。
もちろんヤムチャも忘れてはいけない。
アニメオタクが同じ声優が演じるキャラの共通点を見出すことはよくあるが、古谷氏が演じるキャラは、公認で中の人ネタが出てくることが多い(幻魔大戦が元ネタの春曲鈍、ペガサスの聖衣がホワイトベースに似ているから古谷氏になった噂のある星矢、ドラゴンボールの巨人の星ネタ、セーラームーンの聖闘士星矢ネタ、名探偵コナンの初代ガンダムネタ、YAMUCHAをそのままYUUSHAにしたアベル、ヤムチャと誕生日が一緒のサボ、濫用されるトリコロールや天馬やタキシード、星矢とアベルに似ている騎士アムロなど。オマージュ・パロディであってコラボではなく、本人の話やアニメ誌の投稿欄で突っ込まれるほど)。
中の人ネタが多い声優は他にもいるが、古谷氏は特に色濃い。
特徴的な若々しく爽やかな声質の持ち主で、ヒーロー的な少年・青年役を演じることが多い。経年による声質の変化が殆ど見られないことでも有名なベテランの一人であり、70代となった現在でも、若い頃に演じた少年・青年キャラクターをほぼ変わらぬ声で演じることができる。
ペガサス星矢役は他の青銅聖闘士担当声優が全員代替わりした中、古谷のみは原作者が慰留を求めたくらいである。ただ古谷は現場のチームワークを是としたため、本家シリーズからは降板している。後に『聖闘士星矢Ω』では例外的に古谷だけが再演を果たしたのは有名な話だが、これは過去キャストの一人である鈴置洋孝らが亡くなるなど、オリジナルキャストが揃うことが不可能になったため、こだわりを失った故の心境の変化だという。
上述のヤムチャについては『ドラゴンボール』連載当時は、原作者の鳥山明に直接「扱いが酷すぎる」と嘆いたそうである。しかし現在はネットなどでそんなヤムチャだからこそ愛されていることを知り、もう一度演じ直したいと思うほどになったという。
その願いは『ドラゴンボール改』で叶うことになった。
人物
家族・交友関係など
元妻は小山茉美。1983年に離婚したものの、二年後に再婚し、現在の妻は元声優の間嶋里美とどちらも同業者である。間嶋との間には娘がおり、さらにその娘にも子供(孫娘)が誕生したことでおじいちゃんとなっている。ちなみに間島は結婚に伴い声優を引退した(結婚後に引退するよう古谷氏が頼んだとも言われている)が、現在は「スーパーロボット大戦」シリーズ等のゲーム作品を中心にアフレコの仕事を一部再開している。
古川登志夫とは互いの家を行き来するほど仲が良く、趣味での音楽活動から発展する形で、古川や他の声優仲間と、ロックバンド「スラップスティック」を組んで活動したこともある。
故・鶴ひろみとは恋愛の絡む役での共演が多かった。
神谷明にはヒーロー役として活躍していた時期にライバル心を持っていたことを、著書「ヒーローの声」の中で明かしている。
名探偵コナン
2021年5月7日に放映された「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBS系)によると、ガンダムファンである原作者の青山剛昌からの会食のお誘いで自身のサイン色紙を持って行った後に青山自身からのサイン色紙を交換したと言う。古谷の家族全員が「名探偵コナン」のファンであるため。ちなみに古谷の娘が子供の頃に「名探偵コナン」が好きで、キャラクターでは怪盗キッドが好きだと言う。古谷が担当している安室透の愛車はマツダの白のRX-7。察しのいい方はお気づきだろうが、これはガンダムの型式番号「RX-78-2」から来ており、ナンバー『と73-10』は古谷自身の誕生日の7月31日からである。
パソコン
インターネットの前身であるパソコン通信時代からのパソコンユーザーであり、パソコン通信でファンと直接交流するなどの活動を行っていたほか、パソコン雑誌でのコラムを持っていた時期もある。現在でもプログラミングやパソコンの自作までこなしてしまうほどのヘビーユーザーであり、BTOパソコンメーカー「ドスパラ」のイベントに出演したり、パソコンの自作の様子をドスパラ公式チャンネルで公開している。
「蒼月昇」の名義
『機動戦士ガンダム00』のナレーター兼ラスボスであるリボンズ・アルマークを演じた際に使用した名前。
この名義は『ガンダムネットワークオペレーション』で、古谷が隊長をしていた部隊名が「蒼月隊」だったことに由来する。「蒼月」の由来は青い薔薇の品種「ブルームーン」のもじり。
当時は初代ガンダムを意識したコラボ、宣伝も多く、メインキャラの声優の一人に古谷が起用されるだろうとは誰もが思っていたため、リボンズ役は誰が聞いても古谷だとバレバレであったが、古谷に声質が似ている「“超大型新人”の蒼月昇」として発表されたため、その設定を信じてしまった声も多かった。
リボンズはアムロの声質とは違う雰囲気のため、偽名を使って別人としたとしても、そのままアムロのようなキャラの登場を望んでいた一部のファンにも、受け入れられやすかった背景があり、本名を公開した今でも、リボンズ役を演じる際は古谷ではなく蒼月と呼ばれている。
わざわざ偽名にしたのは、当初アムロ・レイというキャラクターが古谷の中で大きかったため、アムロ以外のガンダムキャラを演じたくないと思っていたことに由来する。「だったら、ナレーターならいいでしょう?」と監督から口説かれた事で参加したが、結果的にセカンドシーズンではCVも担当することになった(同様に高い人気を得ているアムロのライバルである「シャア・アズナブル」を演じた池田秀一はシャア役に拘らず他のガンダム作品キャラを演じており、同業者としてそういった姿勢に感化された可能性もある)。
だがその後、無関係のBL作品「世界一初恋」でまたこの偽名を使うなど、それなりに思い入れがあるようだ。
不祥事
2024年5月22日、2019年から2023年9月までの4年半の間37歳年下のファンの女性と不倫関係にあったこと、当該女性への暴行及び妊娠中絶強要疑惑を週刊文春によりスクープされた。当該女性からの告発がきっかけとなった模様。
尚、家族や担当マネージャーにもこれを話しており、マネージャーからは女性と関係を解消するよう忠告されていたそうである。
こうした事情もあってか、本人は文春の取材を拒むことなく受け入れ、即日でファンに向けた謝罪文を掲載。報道内容を概ね認めた上で「私を長年応援してくださったファンの皆様を裏切り、関係者の皆様にご迷惑をかけ、自分が演じたキャラクターを自身が汚すこととなってしまい本当に申し訳ございません。」「私の残りの人生をかけて誠心誠意償っていく所存です。どんな制裁も受ける覚悟でおります。」とコメントした。
影響
古谷氏の担当マネージャーは、今後の活動については「古谷氏や関係各所と1つ1つ調整しながら決めていく」と発表していたが、そもそも古谷氏は60年代から様々なアニメに出演してきた大ベテランであった経歴もあり、多方面に極めて甚大な影響が出る事態に至った。
報道の翌日には、同年8月に出演予定であった朗読会を「諸般の事情により」降板すると発表。更に出演予定だったアトラスの『メタファー: リファンタジオ』も降板が決定してしまった。
更に1ヶ月後の6月22日には、関係各所との協議の結果、とうとう『コナン』『ONEPIECE』両作品からの降板が発表された。
尚、古谷氏は『ONEPIECE』ではサボ以外にもアニオリキャラのダディ・マスターソンの声も担当した過去があり、こちらも今後代役を立てた上で出演分の再録が行われる可能性が濃厚となった(過去にエンポリオ・イワンコフを演じたいまむらのりお氏の逮捕を受け、同キャラが登場するDVD/Blu-rayの全パートを新たに後任の岩田光央氏で収録し直した前例がある)。
尚、サボ役には後任として入野自由氏が就任した。
また、2024年秋に放送予定の『ドラゴンボールDAIMA』でもヤムチャが続投するが、こちらも古谷氏の降板が決定となり、後任には鈴木崚汰氏が就任した。
特撮界隈に目を向けた場合『ウルトラマンUSA』のウルトラマンスコット(こちらは約30年ぶりに同役を演じた上、ウルトラフォース最後のオリジナルキャストでもある)や、『スーパー戦隊シリーズ』のアカレッド等々も存在しており、こちらにも影響があるだろう(特に2025年はスーパー戦隊放送50周年記念の年であり、アカレッドの再登場が濃厚なのもあり、やはり何らかの対応が迫られるだろう)。
何より大きな影響があるのは、古谷氏の代名詞であるアムロ・レイが登場する『ガンダムVSシリーズ』や『スーパーロボット大戦シリーズ』であろうか。
前者の場合はガンダムシリーズの原典である以上、アムロとRX-78(並びνガンダム規格)は外せない上、後者は主に『逆襲のシャア』仕様のブライト・ノアと共に歴戦の勇士にして、新兵や民間人上がりのメンバーを導くベテランと、どちらの作品でも外そうにも外せないポジションの常連となっているからだ。
ファンの間では、今回の降板の影響で降谷やサボの今後の処遇や、(古谷氏の公式Xが閉鎖されたのもあって) 古谷氏自身の引退を心配・憂慮する声も上がっており、問題はまだまだ尾を引きそうである。
……尚、今回の騒動で一部の声優オタクからは「もう古谷の後任は若井おさむで良いだろう」 との声が(ネタとも本気とも取れる調子で)上がっている。
テレビアニメ出演作品
70年代以前
| ||
|
イラスト未確認・無し
80年代
| ||
| ||
イラスト未確認・無し
90年代以降
イラスト未確認・無し
- 名村慎一@ママレード・ボーイ
- アカマタ@ゲゲゲの鬼太郎4期
- ベレーボン/ターザンボン@Bビーダマン爆外伝
- オルオル@ポケットモンスターサン&ムーン
- 亜室麗矢@BIRDIE_WING
- ナレーション@バキ
- ナレーション@範馬刃牙
- デールラント・オスフェ@異世界でもふもふなでなでするためにがんばってます。
※1後任は鈴木崚汰(『ドラゴンボールDAIMA』以降の関連作品)。
※2後任は入野自由(第1116話〈2024年8月18日〉以降)。
その他の出演作品
アニメ映画
| ||
| ||
イラスト未確認・無し
OVA
イラスト未確認・無し
特撮
※4話まで演じたが降板。その後はレッドタイガーのスーツアクターの中屋敷鉄也が声も担当した。
イラスト未確認・無し
※いずれも子役時代の出演。
灯台付近の少年@大怪獣ガメラ
野球帽の少年@マグマ大使(第1話)
※ このエピソードには、後に『ドラゴンボール』シリーズなどで共演することになる中尾隆聖氏も子役として出演していた。
ゲーム
イラスト未確認・無し
吹き替え
|
|
担当俳優
ナレーション
カーグラフィックTVは第2期からナレーションを担当しており、淡々としつつエスプリの効いた独特のナレーションで知られている。
クローズアップ現代+ではやや淡々さがないナレーションとなっている。2016年から6年間ナレーターを担当し、2022年3月16日放送を最後に番組を卒業。
外部リンク
- 古谷 徹 | 株式会社青二プロダクション - 所属事務所のプロフィール紹介
- Toru's Home - 本人のウェブサイト
- 古谷徹Twitter - 本人のTwitter(2024年6月22日に削除)
- 古谷徹 - Wikipedia