概要
アメリカのハンナ・バーベラ・プロダクションと日本の円谷プロダクションが製作したアニメ作品。アメリカでは『ULTRAMAN:THE ADVENTURE BEGINS』の題で1987年~1988年にTV放映され、後に日本でも1989年4月29日に劇場公開された。興行成績は宜しくなかったが、高クオリティのアニメーションとアメリカナイズドされた作風に惹かれたファンも少なくない。
あまり知られていないが、日本において元号が平成に代わってから公開された初のウルトラ作品でもある(あくまで公開時期が平成にずれ込んだだけで、製作時期はギリギリ昭和であることに注意。平成に代わった後、最初に製作された作品はウルトラマンGである)。
アメリカの作品だけあって、登場するウルトラ戦士たちは70m越えの巨体であり(初代マンが40m、ウルトラマンタロウでも53m、超大型巨人ですら60m!)、実写のウルトラ戦士以上にスタイルが良い。
海外モノの宿命として、『ウルトラマンUSA』は版権が二社にあるが故に長い間DVD化やBlu-ray化がされていなかったが、2018年9月26日にBlu-rayが発売された。
また、ウルトラウーマンの名詞が初登場した作品にして男性ヒーローと全くの同格で扱われている作品でもある。
ロゴにもアメリカ国旗がプリントされているだけでなく(英語版のロゴはワシがモチーフ)、ウルトラマンにも星の意匠が加わり、「ウルトラチーム」というウルトラ兄弟とはまた違った少人数のヒーローチームの設定も導入されるなどアメリカ文化を多分に含んでおり、後のウルトラシリーズにてトライスクワッドなどをはじめとするウルトラマンによるヒーローチームは珍しくなくなってきているなど後の作品の先駆けとなった要素も少なくはない。
また、クリーチャーデザイナーの一人として雨宮慶太も参加している。
ストーリー
M78星雲にあるソーキン星が謎の爆発を起こし、残存生命体のソーキン・モンスターが地球に飛来した。
三人のウルトラ戦士はソーキン・モンスターを倒すため、アメリカ空軍の三人の兵士たちと一体化し、地球を守る。
登場人物
ウルトラフォース
- スコット・マスターソン/ウルトラマンスコット(CV:古谷徹)
- ベス・オブライエン/ウルトラウーマンベス(CV:鶴ひろみ)
- チャック・ギャビン/ウルトラマンチャック(CV:小川真司)
※詳細は各項目を参照。
- ウォルター・フリーマン(CV:宮内幸平)
- ユリシーズ(CV:田の中勇)
- サムソン(CV:大竹宏)
- アンディ(CV:山田ふしぎ)
生物研究所
米軍
主題歌
作詞:阿久悠/作曲:都倉俊一/編曲:風戸慎介/歌:石原慎一/コーラス:こおろぎ'73
時代を超えて生き続けるヒーローの心構えとあり方を歌ったED主題歌。歌詞中には全く「ウルトラマン」が登場しない。
ウルトラマンワールド「ウルトラ戦士の仲間たち」ではUSAのウルトラマンが全く登場していないにもかかわらず、EDに採用されているものの、驚異のシンクロ率を見せている。
その後の登場
作中ではぼかして表現されていたが、彼ら三人も実はM78星雲(ただし、光の国とは別の星の惑星アルタラ)出身であり、『ウルトラ銀河伝説』ではウルトラマンベリアルを倒すために、馳せ参じている。
上述の通り、他のウルトラ戦士よりも長身という設定であるはずだが、この作品では他のウルトラ戦士たちとほぼ同じくらいの背丈となっている(もっとも、ウルトラマンはミクロ化も超巨大化も可能であるため、上述の身長もソーキン・モンスターたちの体のサイズに合わせていたためのサイズで、本来の大きさじゃないのかもしれない)。
そして2022年放送のネット作品『ウルトラギャラクシーファイト運命の衝突』において33年ぶりにウルトラフォースが本編に登場が決定。
声もスコットは原典と同じ古谷徹が続投、他の二人は担当声優が亡くなっている為、てらそままさき氏と瀬戸麻沙美氏が後任となる。
スーツも、劇場版アニメ当時に近いデザインの新規スーツとなっている。
どういうわけか、同じアメリカのウルトラマンであるパワードと異なり、3人の口調がルー大柴の様な英単語を交えたものとなっている。
余談
長年VHSを除いてソフト化されなかった理由として、上述の版権以外にも脚本を担当した"ジョン・エリック・シーワード"という人物の所在が以前から不明であったことから、発生する印税の入金先の問題でソフト化が難しかったのではとの憶測が立っていた。その後、円谷プロが彼の連絡先を探していることが2018年4月に判明し、程無くしてアメリカの有志が情報提供に協力する旨がTwitterで伝えられた。このことからBlu-ray化はその進展の結果とも推測されている。なお、その有志によれば"ジョン・エリック・シーワード"は個人名ではなく、3〜4人ほどの人物の合同ペンネームであるらしい。
本作で劇伴を担当した風戸慎介は続く海外作品である『ウルトラマンG』でも続投しており、本作のBGMのひとつである「ウルトラマンフォースマーチ(M-27)」はアレンジを加えて「G」のメインテーマとして使用されている。
本作に主演した声優の多くが『ゲゲゲの鬼太郎』や『ドラゴンボールシリーズ』でも共演している。
関連動画
Blu-ray告知動画
関連項目
ウルトラマンパワード:同じくアメリカで戦ったウルトラマン。
ウルトラマンR/B:最終的なメンバーが男性二人+紅一点となった作品。
ウルトラマンZOFFY/ウルトラマン物語←ウルトラマンUSA→ウルトラQザ・ムービー星の伝説