概要
特撮作品として製作される通常のシリーズとは区別するために、ファンの間で使われことのある非公式用語である。
「ウルトラニャン」「大怪獣ラッシュ」「怪獣娘」のようにウルトラ戦士が一切登場しない作品も存在する。
もともとウルトラシリーズが特撮作品をメインに展開しているシリーズであるため、アニメ作品はかなり数が少なく、知名度も通常のウルトラシリーズと比べるとお世辞にも高いとは言えないものが多い。実写作品への客演もしにくく、特撮関連の書籍でも扱われにくいため、これも知名度が向上しない要因の一つとなっている(
こうした特殊な作品群であるため、ともすれば異色作としてスルーされがちだが、中にはアニメであることを活かして、特撮作品では技術的にも演出的にも困難な描写・展開を巧みに取り入れて高い評価を得たものもある(その最たる例が、アニトラマンの先駆けとなった『ザ☆ウルトラマン』である)。
テレビマガジンデラックスといった公式ムック本ではウルトラマンは紹介されているのにもかかわらず、登場怪獣の紹介がハブられるといった扱いの低さを受けたこともある。
一方、アニメではあれば、実写では表現しきれない描写やキャラクターの造形、さらには特撮と比べて予算を大幅に抑えられるために、採算を意識している現在基準からみても予算を特撮より少ないため条件的な縛りも少なく、そして新規怪獣を出しやすいというメリットもある。
最近ではアニメーション技術の向上や、CGの進歩などもあり、アニメ作品の中にも実写作品に負けず劣らずのクオリティを誇っているものも製作されている。
特に、2018年以降は「怪獣娘」「ULTRAMAN」、ウルトラシリーズ以外では「SSSS.GRIDMAN」と円谷プロダクション版権のアニメ作品が3作品も制作されるなど、円谷も近年のアニメ市場の拡大を受けてか、アニメ作品に再び本腰を入れ始めたらしいことが窺える。
そして、2019年以降はジョーニアス、リブット、ウルトラフォース全員の着ぐるみが新造され、各種イベントに登場し始めると、リブットが『ウルトラギャラクシーファイトニュージェネレーションヒーローズ』、ジョーニアスが『大いなる陰謀』、ウルトラフォースの面々は『運命の衝突』という正史作品に新スーツで登場。特に『運命の衝突』ではリブットとウルトラフォースのもとにジョーニアスがセブンおよびレオ兄弟と共に援軍にきたこと、さらにジョーニアスとスコットがタッグを組んだことでアニトラマン出身同士の共演が実現した。
作品一覧
テレビ放送
- ザ☆ウルトラマン:1979年4月4日~1980年3月26日
- 長編アニメ映画ザ☆ウルトラマン ウルトラの星へ!!※
- ウルトラマンキッズ
- 大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア:2013年~2014年(新ウルトラマン列伝のコーナードラマ)
- 怪獣酒場カンパーイ!:2015年7月7日~9月29日
- かいじゅうステップワンダバダ:2019年9月~2021年3月26日
※ザ☆ウルトラマンのBlu-rayBOXに収録される映像特典。最終4部作を一本化した映画作品。
OVA
インターネット配信
- 怪獣娘〜ウルトラ怪獣擬人化計画〜(dアニメストア・YouTube・ニコニコ動画 他) ※1
- ULTRAMAN:2019年4月1日~2023年5月11日(Netflix)
- ULTRAMAN:RISING:2024年6月14日(Netflix)
- ザ・ウルトラマン ジャッカル対ウルトラマン ※2
※1 2期からはテレビ放送も開始。
※2 日本アニメ(ーター)見本市で配信されたアニメーションの一つ。
劇場版作品
- ウルトラマンキッズ M7.8星のゆかいな仲間:1984年3月17日
- ウルトラマンUSA:1989年4月28日 ※
- ウルトラマンカンパニー:1996年3月9日
- ウルトラニャン
- ウルトラマンM78劇場 Love & Peace:1999年3月6日
- 怪獣娘(黒)〜ウルトラ怪獣擬人化計画〜:2018年11月23日
その他
コラボレーション
- ウピンとイピン(マレーシアで放送。円谷プロ公認の新ウルトラマン:ウルトラマンリブットが登場する)
- はいたい七葉(ウルトラ怪獣擬人化計画(POP版)とのコラボが行われた)
- PeepingLife×怪獣酒場かいじゅうたちがいるところ(ショートアニメ「Peeping Life」と居酒屋「怪獣酒場」のコラボアニメ)
制作中
余談
上の項目の通り、最近の作品ではウルトラ戦士一切が登場しない作品も多いが、かいじゅうステップワンダバダでは、初代ウルトラマンとウルトラマンコスモスを意識した人形が登場した。
また、最近の円谷アニメでは、アニメに出演した声優がその後ウルトラシリーズ本編に登場したり、逆にウルトラシリーズに出演した声優がその後アニメに出演することもある。
下記がその一部である(一部の声優は一作で何役か兼役。なお、本家ウルトラシリーズにカウントされるザ☆ウルトラマンは除く)。
- 井上喜久子:女性社員、女子大学生(ウルトラマンパワード)→メフィラス星人(怪獣娘)
- 飯田里穂:宮下アキ(怪獣娘)→パーテル(THE_ORIGIN_SAGA)→エレちゃん(かいじゅうステップワンダバダ)
- 三森すずこ:レム(ウルトラマンジード)→クララ・ソーン(怪獣娘)→ウルトラの母(ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀)
- 稲田徹:ウルトラマンコスモス(掛け声)(劇場版2、3作目)→ダークファウスト(ウルトラマンネクサス)、マグマ星人(ウルトラマンメビウス)→アレクシス・ケリヴ(SSSS.GRIDMAN)
- 湯浅かえで:道理サチコ(怪獣娘)→ダーリン(ウルトラマンR/B)→ベビーザンドリアス・ケダミャー(ウルトラマントリガー)
- 江口拓也:チブル星人エクセラー(ウルトラマンギンガS)→諸星弾(ULTRAMAN)
- 潘めぐみ:北斗星司(ULTRAMAN)→湖上ラン(怪獣娘)→ペガッサ星人ペガ(ウルトラマンジード)→ソラ(ウルトラウーマン)(ウルトラマンフェスティバル)→ケムちゃん(かいじゅうステップワンダバダ)→ウルトラマンジャスティス(ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀)
- 田中秀幸:ウルトラマン(ウルトラマングラフィティ)→ウルトラマン・ザ・ネクスト(ULTRAMAN(映画))→ゾフィー(ウルトラマンメビウス〜劇場版ジード)→早田進(ULTRAMAN)
- 坂本千夏:ウルトラマンレオ(ウルトラマングラフィティ)→デジタルカネゴン(ウルトラマンゼアス2)
- 郷里大輔:ウルトラマン80(ウルトラマングラフィティー)→サタンビゾー(超時空の大決戦)→バルタン星人ベーシカルバージョン(劇場版コスモス1)→ゴドラ星人(平成ウルトラセブン)→サンドロス(劇場版コスモス2)→テンペラー星人(劇場版メビウス)→デスレム(メビウス)
- 二又一成:ウルトラマンキング(ウルトラマングラフィティ)→ナレーター(ウルトラマンティガ)→円盤竜(平成ウルトラセブン)→アナウンサー(ウルトラマンネクサス)
- 山田ふしぎ:マー(ウルトラマンキッズ)→ディーンツ(ウルトラマンガイア)
- 堀川りょう:闘士ウルトラマンタロウ(ウルトラマン超闘士激伝)→テレビのナレーター、怪獣コロシアム音声(ウルトラマンダイナ)
- 森川智之:闘士ウルトラマン(ウルトラマン超闘士激伝)→ダダ(劇場版タイガ)→ウルトラマンパワード(ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀)
- 関智一:ガルト星人(平成ウルトラセブン)→ガヤ(劇場版メビウス)→グレンファイヤー(超決戦!ベリアル銀河帝国以降)→イカルス星人(ギンガ)(X)→レッド(かいじゅうステップ)→バロッサ星人(ウルトラマンZ)→ウルトラマングレート(ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀)
- 福圓美里:カネちゃん(かいじゅうステップワンダバダ)→カネゴン(ウルトラマンZ)
- 真堂圭:ダダちゃん(かいじゅうステップワンダバダ)→イザナ女王(ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀)
- 岩崎諒太:クレロンちゃん(かいじゅうステップワンダバダ)→ウルトラマンゼノン(ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀)
etc…
特に関智一や潘めぐみは出演作が非常に多く、今や円谷作品の常連と言えるだろう。
また、円谷アニメの多くは本編からのリメイクキャラが多く、アニメと本編とでは全く異なるキャラクターもいるが、福圓美里のように、元キャラとリメイクキャラ両方を演じた声優もいる。
また、この他にもウルトラマングラフィティでメルを演じた久川綾は、ウルトラマンパワードにもジュリー隊員の吹き替えで出演している。