概要
ウルトラの父とウルトラの母の実子にして、ウルトラ兄弟6番目の弟。
ウルトラの父とウルトラの母の養子であるウルトラマンエースとは義兄弟だが、本当の兄弟のような関係である。息子にウルトラマンタイガがいる。妻となった女性が誰なのかや、いつ頃結婚してタイガを授かったのかなどは不明。
かつてはウルトラセブンの母がウルトラの母と姉妹であり、ゆえにセブンとは従兄弟の関係である設定が存在しており、結構広まっているのだが現在は否定されている。
後に登場した悪の戦士ウルトラマントレギアは、幼少期から青春時代をともに過ごしたことのある親友であり、彼が悪に堕ちてなお変わらず友として接し続け、光に連れ戻そうとしていた。
タロウという名前は、光の国の言葉で正義を愛する勇気ある者(転じて「正義の勇者」)を意味する。ウルトラの父は後に地球にも同じ名前(太郎)があるという事実を知って驚いたという。
エースの後任として地球防衛に就き、ZATの東光太郎と一体化。放送当時の雑誌記事では生い立ちなどが明かされている。
しかし、『タロウ』劇中では瀕死になった光太郎をウルトラの母とウルトラ5兄弟がウルトラマンとして転生させた存在として描写されており、光太郎の復活がタロウの誕生であった。企画時の段階からも光太郎自身がタロウとなる設定である。事実、第1話の脚本を担当した田口成光は脚本執筆時、タロウ誕生の経緯を曖昧に描いていたとのこと。
そして第53話(最終回)ではウルトラバッジをウルトラの母に返し、光太郎の姿のままバルキー星人を倒した後、地球人として生きることを選び雑踏に消えていった。
シリーズで初めて、最終回で地球を去らない結末を迎えたウルトラマンである。
一方でタロウを主人公にした『ウルトラマン物語』ではタロウ個人の来歴が描かれており、作品自体は正史とは別のパラレルワールドという位置付けだが、幼少期のドックンとの関わりや、成長後のグランドキングとの戦いは正史でも共通の様子(これらに関しては後述)。
上げた右手を開いた独特のぐんぐんカットは、以降のウルトラマンにも何度か踏襲されており、一部例外を除いて全員タロウ一門である。
宝玉のようなものからミルククラウンが発生し、赤いスパークの中からタロウが飛び出す方式となっている。
変身中の台詞や掛け声は、光太郎役の篠田三郎が担当。
データ
人間体: | 東光太郎 |
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変身アイテム: | ウルトラバッジ |
身長: | 53メートル |
体重: | 5万5000トン |
年齢: | 1万2千歳(放映当時は1万8千歳) |
飛行速度: | マッハ20 |
走行速度: | マッハ1(時速1240キロ) |
水中速度: | 160ノット |
地中速度: | マッハ6 |
ジャンプ力: | 600m |
腕力: | ウルトラ兄弟で一番のパワーを誇る(※)。 |
職業: | 宇宙警備隊支部長、宇宙警備隊筆頭教官 |
家族: | ウルトラの父(父) |
ウルトラの母(母) | |
ウルトラマンタイガ(息子) | |
ウルトラマンエース(義兄) | |
嫌いなもの: | まんじゅう、弱い者いじめ |
出身地: | M78星雲・光の国 |
声優 | 篠田三郎(ウルトラマンタロウ・他作品でも掛け声の一部が使用されている) |
石丸博也(ウルトラマン物語、ウルトラマンメビウス、ゴーストリバース、ウルトラ銀河伝説、超決戦!ベリアル銀河帝国、ウルトラマンギンガ&S、ウルトラマンタイガ、ウルトラギャラクシーファイト) | |
野沢雅子(ウルトラマン物語・少年時代のタロウ) | |
塩屋翼(ウルトラマングラフィティ) | |
堀川りょう(OVA版ウルトラマン超闘士激伝) | |
松本健太(ウルトラマンギンガ・少年時代のタロウ) | |
入野自由(ウルトラマンフェスティバル2018) | |
森久保祥太郎(ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀・若いころのタロウ、ウルトラギャラクシーファイト運命の衝突) | |
ビル・サリバン(ウルトラギャラクシーファイト<英語版吹替>) | |
スーツアクター | 長沢寛(タロウ本編) |
城谷光俊(ウルトラマン物語) | |
加藤明人(ウルトラマン物語・少年時代のタロウ) | |
小林峻(ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟 | |
桑原義樹(ウルトラマンジード) | |
大村将弘(ウルトラマンオーブ) | |
岡部暁(ウルトラマンタイガ物語) | |
初登場 | 『ウルトラマンタロウ』(1973) |
テーマ曲 |
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(※)『ウルトラマンオフィシャルデータファイル』(デアゴスティーニ)によれば、拳はダイヤモンドの100倍の硬さを有する(同書の3-4より)。
容姿
典型的なレッド族の容姿で、逞しい赤いスーパーボディーと父譲りのウルトラホーンが最大の特徴。ウルトラホーンは超戦士の証と言われている。
顔はセブンに良く似ているが、ロボットのような無骨さのあったセブンと比べるとわずかにすっきりとした顔立ちをしている。頭部の突起はエネルギー吸収盤(『ウルトラマンオフィシャルデータファイル』3-4より)であり、セブンのアイスラッガーと違い取り外しはできない(昔の児童誌などでは取り外せるという記述も存在したが、現在では設定自体が自然消滅した模様)。
レッド族の特徴であるプロテクターも受け継いでいるが、肩までの範囲しか覆われていない上、セブンにはなかったカラータイマーも付いている。他にも、頭部とプロテクターに鋲のような意匠が並んでいる。『ウルトラマンオフィシャルデータファイル』(デアゴスティーニ)によれば、このプロテクターはタロウプロテクターと呼ばれ、セブン同様に太陽光の吸収も可能。
6兄弟の中では最もスリムで身長が高く、均整のとれた抜群のスタイルの持ち主。
ちなみにウルトラシリーズでは珍しい幼少期の姿があり、ウルトラホーンも小さい(通称コタロウ)。この姿のタロウは2001年のリノールサラダ油のTVCMにも登場し、お使いに行くという微笑ましい姿が描かれた(XIGファイターらしき戦闘機も登場)。
左手首にはウルトラブレスレットに相当するアイテム・タロウブレスレットを装着していたが、バードンとの戦いに際し、ウルトラの母からキングブレスレットを与えられてからはそちらに切り替わっている。
デザインは井口昭彦氏が担当。セブンのデザインをベースにしており、甲冑のような顔立ちや赤いボディカラー、プロテクターなど似通った要素が多い。トレードマークのウルトラホーンは、前作でデビューした父の角が好評だったことから取り入れられた。なお、セブンのデザインを担当した成田亨氏は、タロウのデザインを「セブンに角を生やしただけ」と酷評し嫌っていた。
見た目がよく似ていることから、ギャグ漫画『ウルトラ怪獣かっとび!ランド』でセブンのシルエットクイズに挑戦したエースが「つのなしウルトラマンタロウ」と答えるなど、しばしばネタにされることもあった。
戦闘スタイル
実力者揃いのウルトラ兄弟のなかでもトップクラスの戦闘力を持ち、ストリウム光線やウルトラダイナマイトといった火力の高い必殺技を中心に持つ。
スワローキックをはじめとしたスピーディーな格闘戦が得意で、同じ格闘戦が主体のエースや初代ウルトラマン、ウルトラマンレオと比べてもスタイリッシュな印象が強く、タロウと言えば敵の懐に連続パンチを叩き込むシーンを思い浮かべる方も多いのではないだろうか。
…と思いきやアトミックパンチでメフィラス星人二代目を撃破、再生エレキングの角を(ウルトラチェーンの補助もあったとはいえ)その怪力で無理矢理引っこ抜いてしまう、『ウルトラマンFER』ではウルトラホーンを活かした突進攻撃を披露するなどパワフルな戦術も非常に多く、力と軽快さを組み合わせたハイブリッドなファイトスタイルとも取れるかもしれない。光太郎がボクサー志望だったことが影響しているのだろうか。
なお、タロウの力で変身する形態はいずれもパワー系の姿である。レッド族のウルトラ戦士はパワー系になりやすい傾向があるのかもしれない。
ストリウム光線やウルトラダイナマイトなど発動に時間がかかる技が多いのも特徴で、実際バードンにはストリウム光線をケムジラに放とうとチャージをする隙を突かれて敗北している(バードンは餌であるケムジラを奪われると思ったため、バードンは先にタロウを攻撃した可能性がある)。
ただし、後のインペライザーやジュダ・スペクター戦ではチャージを短縮した簡易版を使用するなど、ある程度これらの弱点は克服している。
この他にも、タロウ特有の能力として、ウルトラダイナマイトなどで体がバラバラになっても心臓が無傷なら再生することができる。そのためか前述のウルトラダイナマイトの他にも、串刺しにされたり首をはねられたりとかなりエグいやられ方をすることが多い。また、想像以上に大きなダメージを受けると、カラータイマーが点滅していなくても身体が青白く発光しながら消滅する。
キングブレスレットを使った変幻自在の戦法や、ZATの作戦にも勝るとも劣らない奇策やベロンを相手に踊るコミカルな姿も見せているなど型破りなヒーローでもある。
ただ、派手なアクションを見せるだけがタロウの持ち味ではない。
基本的に殺す必要のない相手に対しては(一部の例外や止むを得ない場合を除き)、住処を封鎖する、地底に返す、成長停止光線を放つ、宇宙へ連れていくなどの穏便な方法を取ったり、子供たちのためにキングブレスレットの力でクリスマスツリーや桜の枝を作り出すなどの粋な計らいを忘れない優しさを持つ。
必殺技使用時には掛け声を発することが多い。映像作品ではストリウム光線、ウルトラダイナマイト、スーパーウルトラダイナマイト、コスモミラクル光線、タロウ三段突き、タロウスパウト、ウルトラフリーザー、タロウバリヤー、ウルトラスコープ、リライブ光線、ブレスレットランサーとかなりの数が該当。
他のウルトラマンは戦闘中は常に掛け声を発するの対し、タロウは戦闘中はほとんど無言である。
空に飛び立つ時の掛け声が、第22話までは短く低めの「トアッ!」だったが、第23話以降は長くやや高めの「トアーッ!」になっている。
必殺技
タロウの代名詞とも言える必殺光線。技名を叫んで光線を放つという少年漫画のテンプレを丁寧になぞって発射する。
右手を前へ突き出し、地面と平行になるよう90度の角度で曲げ、左手は拳を作り右掌につけ、彼の頭文字であるTの字を作るという、かなり珍しい型をとる。
腕をX字型に組んで放つ強化版:ネオストリウム光線も存在する(ゲーム『スーパーヒーロージェネレーション』では技名を叫ぶ)。また、スーパーウルトラマンタロウ化すると『スーパーストリウム光線』にバージョンアップされる。
体内にウルトラハートという特別な臓器を備えているタロウゆえの大技。ポケモンでいうならばだいばくはつであり、要は自爆技。発動すると全身が炎で包まれた後に敵ごと大爆発を起こし、敵を粉砕した後で自分のみ再生する。この技を使うと寿命を20年も縮めてしまうという副作用があり、タロウも本編で一度使って以降はインペライザーに使用するまで自ら封印していた。
発動と再生条件が厳しすぎるため長らくタロウにしかできなかったが、後に直弟子であるメビウスがメビウスブレスの力を借りることで、第二の使い手となった(技名は(バーニング)メビュームダイナマイト)さらに、オーブもバーンマイトになることで、似たような技であるストビュームダイナマイトを使用できる。
『タロウ』本編で使用されたのはカタン星人戦の一度きり。しかし、後のシリーズではその派手な演出ゆえかストリウム光線やスワローキックと並んで、タロウの代名詞的な技として頻繁に使用されるようになっている。
これを応用して炎だけを放ち、対象を寒波から守ると言う使用方法も可能。
- シューティングビーム
両腕から放つ破壊光線。「ハンドビーム(スカーレットビーム)」という似た構えの光線も存在する。そちらは赤い光弾を断続的に放つ。また、スーパーウルトラマンタロウになると「スーパーシューティングビーム」にバージョンアップされる。
テロリスト星人を葬った他、漫画『ウルトラ兄弟VS暗黒大軍団』ではユニタングを一撃で倒した。
- ハンドナイフ
手刀で敵の部位を切り裂いて破壊する。
これとは別に「脳天割りチョップ」という技も有する。また『ウルトラマンオフィシャルデータファイル』によると、通常チョップのウルトラチョップでも巨大岩石を真っ二つにするほどの破壊力を持つという。
別名「ホーンレーザー」。ウルトラホーンから放つ青いレーザー光線。ジレンマに舌で拘束された際に使用し、舌を焼き切った。
『ニュージェネクライマックス』ではグリムドに取り憑かれた状態で赤い光線を乱発し、ロッソとブルを瞬殺した。漫画『ウルトラ兄弟VS暗黒大軍団』ではインペライザーの頸部に命中させた。
ウルトラマンギンガストリウムも使えるらしいが、どこから発射するのかは謎。
『ウルトラマンSTORY0』では、巻き付いてきたナースへの反撃として使用。
別名・タロウハリケーン。身体を回転させて虹色の竜巻を巻き起こして、敵をバラバラにする技。いわゆる回れば何とかなる系の技で、ロードラを木っ端微塵にした。
ちなみに、『ロストヒーローズ』で初めてボイスがついた技。
- ファイヤーダッシュ
体を炎に包み、その炎を放って対象を焼き尽くす。ストリウム光線の通じないアリンドウに対して使用した。
漫画『ウルトラ兄弟VS暗黒大軍団』ではグローザムに対して使用したが、まったく効いていなかった。しかし、これはグローザムによって凍りついたウルトラ戦士たちの氷を溶かすための手段であった。
- タロウファイヤー
腕から火炎を放ち、敵を焼き尽くす。熱に弱い怪獣に有効。マシュラの母体である巨大キノコを焼き尽くした。
- ヒーロー光線
ビームランプから発射する熱光線。劇中未使用。
- アロー光線
ウルトラホーンにエネルギーを集め、鏃状の光弾を放つ。主に部位破壊に使用された。
デスレム(GR)戦では同様の破壊光弾を片腕を突き出して発射している。『運命の衝突』ではトレギア戦にて使用され、アブリュート粒子のパワーで強化されたトレラシウム光線と互角の威力を発揮した。
本編ではピッコロとメモールに使用した程度だが、FERでは飛び道具として採用され、漫画『ウルトラ兄弟VS暗黒大軍団』や『大いなる陰謀』などでも使用されているなど意外とメディアでの露出が増えてきている。
- タロウカッター
スペシウム光線の構えで三日月状のカッターを放つ。テンペラー星人の腕を切断した他、『ウルトラ兄弟VS暗黒大軍団』ではインペライザーを撃破している。
- ビーム手裏剣
光の小型手裏剣を投げ付けて敵を切り裂く。ゴルゴザウルス二世を倒した。
流星キックやレオキックなどと同じ、ウルトラシリーズでも有名な蹴り技。一度のみだが、タロウと一体化する前の光太郎も使用している。
空中で素早くムーンサルトスピンを繰り返した後、敵に急降下して攻撃する。威力そのものはそれほど高くないようで、決め技よりも変身して飛び出した勢いからの先制攻撃として使用したり、牽制や状況を変えるために放たれる。彼自身の類稀なる俊敏さや跳躍力が可能にする大技。バードン戦ではスライディング型を発動した。
『FER』でのネビュラコンボはスワローキックを三回放つものとなっている。
ちなみにスワローキックの体制から切断光線を放つフット光線なる技も使える。
後に、オーブの形態の1つであるバーンマイトも使用している。
なお、両足空中蹴りはそのまんま空中キックと呼ばれる。
- ウルトラキック
キック技の総称。スーパーウルトラマンタロウ時には足を赤く発光させて敵に蹴り込むスーパーウルトラキックを発動できる。
- 流星キック
『ウルトラマン物語』にてジャックの戦いを参考に、父との特訓で使用。こちらはつま先が赤熱化しているのが特徴。
- ブレスレットランサー
キングブレスレット以前に装備していたタロウブレスレットが変形した両刃の槍。片手に持って敵を貫く。
FERではキングブレスレットが変形したタイプが登場しており、こちらは投槍の要領で敵を貫き、タロウの元に戻ってくるという使用方法だった。また、タロウブレスレットで敵の口をふさぐセット光線も使用していた。
漫画『ウルトラ兄弟VS暗黒大軍団』では久々に近接武器として使用していた。
正拳突き。怪獣や宇宙人の腹を貫くほどの威力を持つ。パンチ一発がダイナマイト10万発分に匹敵する、らしい(学年誌の記述)。ものすごく痛そう。(『ウルトラマンオフィシャルデータファイル』(デアゴスティーニ)の64-3の記述では爆弾数百発分換算となっている)
メフィラス星人2代目に対して使用し、土手っ腹に風穴を開けた。漫画『ウルトラ兄弟VS暗黒大軍団』ではインペライザーを一撃のもとに粉砕した。オカリヤンとの戦いでは飛行しながら放つフライングアトミックパンチを使用、あまりの痛さにオカリヤンの顔にはコブができていた。
他にもメドウーサ星人との戦いでは急降下パンチ、ミエゴン戦ではタロウ三段突きという連続パンチでミエゴンを大きく吹っ飛ばしている。
- ウルトラフリーザー
両腕を突き出して放つ冷凍光線。ライブキングとコスモリキッドをカチカチに凍らせた。
ゲランに対しては重ねた両腕から霧状のタイプを使用。
漫画『ジャッカル軍団大逆襲!!』ではジャックのウルトラフロスト、80のフリージィングレーザーとともに発射し、ガロウラーを凍らせたが、すぐに復活されてしまう。
- ガッツニードル
握り拳を突き出し、無数の針状光線を発射する。劇中未使用。
- ダッシュワープ
初代ウルトラマンのテレポーテーションと同等の技。劇中未使用。
- 餅つき大作戦
モチロンへの必殺技。臼になったモチロンに対し、巨大な杵を持って餅つきを食らわせる。これには、モチロンに食われた餅を人々に作って返すという意図があった。
ゲーム版の『大怪獣バトル』シリーズでは小さくした敵を杵で何回も打つえげつない技となっている。
- 塩漬け作戦
モットクレロンの吐いた液体を緑色の煙幕として返し、気を引く。そして、雑貨店から拝借した塩を吹き付けて吸引させ、巨大化させた桶の中に入れて塩漬けにするという技。塩漬けにされたモットクレロンは体からビタミンCを排出し、体が小さくなってしまった。
- 豆まき作戦
巨大化させた升から豆を取り出し、オニバンバにぶつける。なんとも見てくれがショボい技だが、オニバンバには効果覿面であり、かなり痛がっていた(大質量化した豆をぶつけられるんだからオニバンバでなくとも痛い…はず)。
なお、その場にいた子供たちも豆を投げていた。
- ボール作戦
子供たちの持っていた玩具ウルトラマンボールの中に入り込んでテンペラー星人の油断を誘い、うっかり口に含んだタイミングを見計らって巨大化し、爆殺してしまうえげつない戦法。
2体目との戦いでも6兄弟同様の手段で登場している。
ワイプレーザー
青いリング状の特殊光線。ガンザが吐き出した泡を消し去った。
- 反重力光線
トンダイルの沼に発射して、カプセルを浮かび上がらせ、捕らえられた人々を吸収した赤色の光線。
- 成長停止光線
両腕の先から放つ黄色の光線。生物の成長を止める。
ガンザが遺した卵から孵った子蟹が大怪獣になるのを防ぐ為に使った。
- リライブ光線
突き上げた両掌から放つ粒子状の光線。死んだ生物や壊れたメカを復活させたり(こちらのバージョンは両腕を前に突き出して直線状の光線を放つ技)、傷ついた生物を癒す効果がある。
ギャンゴに対してはカラータイマーに手を当て、傷口に光線を照射するタイプを使用。
- アイ・ビーム
目から透視光線を放ち、敵の居場所を特定する。ケムジラとの戦いでは「ウルトラスコープ」とも呼称された。
ゴルゴザウルス二世の位置を特定した。
合わせた両手の先から放つ消火液。山火事も一瞬で消し去る。水流と霧状の2種類が確認できる。
ゴンゴロスの体を構成していた落書きを拭き取る際にも使用された。
また、アリンドウ戦のように牽制で用いられる場合も(こちらは水流タイプ)。
ウルトラ噴流という劇中未使用技との関連は不明。
- クロス光線
両腕をクロスし、高速回転。周囲に強力なエネルギー波を放射する。
- タロウバリヤー
青い光波状のバリヤーを張り、敵の火炎などを防ぐ。そのまま移動したり、配置して囮に使うことも可能。
ミエゴン戦で大いに活躍した。
- プッシュリターン光線
半月状のバリヤーを張り、敵の攻撃を受け止めつつ、押し返す。
- 投げ技
巴投げ、首投げ、背負い投げ、ウルトラスロー、ウルトラスウィング、岩石落とし、ウルトラリフターなど投げ技が豊富に存在し、元祖投げの鬼とも言うべき存在。
- ウルトラスロー
敵を空の彼方へ投げ飛ばす技。相手を担ぎ上げ、回転させて投げ飛ばすタイプはスクリュースローと呼ばれる。
- 6兄弟リフター
ウルトラ6兄弟がテンペラー星人を放り投げた技。俗に言うウルトラワッショイとは、この技のこと。
- ウルトラパワー
体を虹色に発光させて怪力を発揮する能力。再生エレキングの角を引き抜いた。
また、ガラキングとの戦いでは球体になったガラキングをサーブする形で宇宙空間へ返した。
- タロウショット
ワイドショットの構えで打ち出す。スペシウム光線に似た光線。幼少期のタロウが使用していたが、一向に完成する機会が見えなかった。未完成に終わったのか、完成させたのかは永遠の謎。
ちなみに息子はプラズマゼロレットでワイドタイガショットを発射することができる。
- ウルトラチャージ
両腕から緑色の光線を放ち、他のウルトラ戦士にエネルギーを分け与える。Uキラーザウルス・ネオに苦戦するウルトラ兄弟にエネルギーを分け与えた。
ダークルギエルに敗れたギンガに対しては金色の粒子状のバージョンを使用し、再起させた。
- ウルトラ念力
ウルトラ戦士共通のサイコキネシス。劇中ではエンマーゴの首を切るために使用し、エンマーゴに斬られた自らの首は再生パワーを行使して引っ付けている。『ウルトラマン物語』でも両拳を合わせて特訓の際に使用し、球体を浮遊させてどこかへ消失させた(集中力が途切れると十分な効果を発揮できない。習得の際にはイカルス星人やガンダーと戦うセブンを参考にした)。
スパークドールズと化した際にはまともに使える必殺技がこれぐらいしかなく、敵の動きを封じるために使用された。
- トリプルスピンビーム
ウルトラマンやセブンとスクラムを組んで回転。発生した風状の光線で囚われた対象を救い出す技。
- ウルトラフラッシャー
ウルトラマンがスペシウム光線、セブンが両腕をX字に組んでエメリウム光線、タロウがストリウム光線を放つ。ゴモラの作り出したバリヤーを破壊する。
- ウルトラ6重合体
ウルトラ6兄弟と一時的に融合して、身体能力を強化する。
いわゆるスーパーウルトラマンとしての合体とは異なる合体方法で、ウルトラタワーの内部に安置されたウルトラベルを取り出すために使用した。しかし、この方法をもってしてもウルトラタワーを守る聖火には1分しか耐えられない。
『新世紀ウルトラマン伝説』で使用。
- トゥインクルウェイ
太陽系から光の国へ瞬時にワープできるほどの光の通り道を発生させる。
また、他のウルトラマン同様に光の球を作り出して宇宙空間を移動することもできる。
『ウルトラ銀河伝説』では、ウルトラマンメビウスとウルトラマンダイナもこの能力を使用した。
- コスモミラクルダイナマイト
『ウルトラ兄弟VS暗黒大軍団』で使用。
カブト・ザ・キラーの模倣したスペースQを逆にウルトラホーンで吸収して放つ、ウルトラダイナマイトの強化版。あくまで撤退に追い込んだだけで撃破は成し得なかった。
ウルトラホーンで吸収できたのも、スペースQが元はウルトラ兄弟の必殺技であるから(コスモミラクル光線もスペースQもウルトラ兄弟の力を結集させて初めて放てる技という共通点がある)。
- ファイナル・クロス・シールド
『ウルトラ兄弟VS暗黒大軍団』で使用。
本来はウルトラ4兄弟がUキラーザウルスを神戸へ封じ込めた技。
ゾフィーから預かったウルトラコンバーターのエネルギー補給により使用が可能となり、ヒカリ、エース、ジャックとともに発動。必殺技を浴びせても復活するグローザムを封じ込めた。
- スパーク光線/サクシウム光線
『ウルトラマン物語』にて、タロウがレオや80の戦い方を参考にする際にポーズを取った。
ただし、作中で実戦に使うことはなかった。
本編終了後の活躍
本人が登場した作品は〇、台詞なしか回想、イメージのみの作品には△を付記する。
なお、本編終了後の客演において本編時の声優、もしくは人間態の役者が一切演じていないのは、昭和の主役ウルトラマンではタロウとジョーニアスの2人のみである。
『ウルトラマンメビウス』〇
第1話(イメージのみ。姿がほとんど見えないように演出されている)、第24話、第29話・第30話、第50話(最終回)、劇場版、『ゴーストリバース』に登場。
『タロウ』最終回以降、光太郎の姿のまま地球での生活を続けていたが、本編の20年前となる1986年にヤプールを封印したウルトラマン、セブン、ジャック、エースの4兄弟が力をほぼ使い果たし帰還できなくなったために、彼らに代わって光の国に帰還。
このとき、こうなる事態を予見していたセブンにウルトラの母から預かってきたウルトラバッジを渡され、自分の代わりに宇宙警備隊の筆頭教官となって後進を鍛えるように頼まれている。そのため、現在は宇宙警備隊の筆頭教官を務めている。主役のメビウスはタロウの弟子である。
時系列順に解説。
劇場版ではゾフィーとともに、Uキラーザウルスに苦戦する他の兄弟とメビウスを助けるために駆け付け、自身は初代マンやセブンにエネルギーを分け与えた。第24話冒頭でゾフィーに止められたが、ヤプール復活を察知してメビウスの救援に向かおうとした。
第29話・第30話で地球に途方もない脅威が迫っていることから、それに対抗しうる力をメビウスが蓄えるまでの間、再び地球防衛に就くことになった。メビウスを追いつめていたインペライザーを倒せなかったものの、撃退させることに成功した。
インペライザーが再び現れた際、自ら封印を解いてウルトラダイナマイトを使用するも倒すには至らなかった。しかし、仲間との絆によってバーニングブレイブの力を覚醒させたメビウスがインペライザーを倒すのを見届け、自身もメビウスがメビュームバーストを撃ち込む隙をインペライザーに突かれないようサポートを行った。
メビウスから命懸けで戦う理由を説かれたことや、GUYSがメビウス=ヒビノ・ミライの正体を知っても受け入れたことでメビウスの成長や、彼とGUYSの絆を確認。メビウスとGUYSに地球防衛を託して地球を去っていった。
「インペライザーは先兵に過ぎない。この先に待つのは、途方もない脅威だ。だが、君と君の仲間たちなら、どんな試練もきっと乗り越えられるな」
第29話の戦闘シーンには『タロウ』へのオマージュが見られ、スタッフはこだわって演出。地味にストリウム光線を3発とウルトラダイナマイトを連続して使ってもなお力尽きないという追い込まれはしたが、相変わらずの実力を見せつけた。
メビウスからタロウ教官と呼ばれていたが、第31話以降はタロウ兄さんと呼ばれている。
当初は、この役目はゾフィーが担う予定だったが、作中での立場が確定していなかったためタロウに変更されたとのこと。これがなければ、タロウが『メビウス』本編で本格的に活躍することはなかったかもしれないとなると、結果としては名采配だったのかもしれない。
第50話では他のウルトラ兄弟とともに、エンペラ星人の手によって異常発達してしまった太陽の黒点を除去するために活動。
『ゴーストリバース』では怪獣墓場にてエース、メビウス、ヒカリとともに復活した暗黒四天王と交戦。デスレムを倒し、エンペラ星人復活の阻止に貢献した。
『ウルトラ銀河伝説』〇
「ウルトラの星は必ず復活する!それまで、俺がこの光を守る!」
ウルトラマンベリアルが牢獄から脱獄した際、ベリアルの圧倒的な戦闘力を前に敗北し、光の国侵入を許してしまうことになったものの宇宙警備隊員を率いて真っ先に立ち向かった。
ベリアルがプラズマスパークタワーからエネルギーコアを奪い去った際には、ウルトラダイナマイトの原理を応用し、残されたわずかな光を炎の力で守り抜きながら凍り付いていった。この光は最終的に生き残ったウルトラマン、セブン、メビウスへと託されることとなる。
ウルトラマンゼロがエネルギーコアを取り戻したことで復活し、他のウルトラ戦士たちとともにウルトラマンキングの演説を聞いた。
『超決戦!ベリアル銀河帝国』〇
ゼロがアナザースペースに旅立つ際、他のウルトラ戦士たちとともにエネルギーを分け与えた他、光の国に襲来したダークロプスの軍勢に立ち向かった。
『ウルトラマンギンガ』〇
11話すべてに登場。
すべてのウルトラ戦士が次元を超えてスパークドールズに変えられてしまった中で唯一自我を保っており、主人公たちを導いていく司令官的役割を果たす…のだが、ポジションがほとんど魔法少女アニメのマスコットである。セブンが多用していたウルトラ念力で援護をする傍ら、よく振動や風にふっ飛ばされたり不憫な瞬間も。女性が近くで着替えていた際には顔を真っ赤にさせて動揺するというウブな一面も見せた。
元の姿に戻りたい思いは強く、番組最後のプチコントで「早く大きくなりたーい!!」と叫ぶのが定番であった。
第6話ではティガダークに苦戦するギンガを助けるために異形の手のモノに対し、「バルキー星人を無事に返してほしければ今すぐティガダークに攻撃をやめさせろ!」と正義の味方らしからぬ発言をしていた(バルキー星人からも突っ込まれている)。
また一条寺友也が憎しみを抱いていることを見抜き、偉大な親を持つ子供と言う似たような立場から自らの少年時代のことを話して、彼を説得したこともあった。
第11話(最終回)では異形の手のモノ=ダークルギエルによってギンガが倒され追い込まれながらも、諦めなかった人々の思いが生み出したギンガライトスパーク(多数)の力で遂に巨大化(ギンガを踏みつぶすほどの大きさを誇るルギエルと渡り合えるほど)。
「ウルトラマンが人間を救うのではない!人間と力を合わせ、戦ってきたのだ!!」
主題歌が流れるなかで戦うなど、短い間ながら番組をジャックするほどの活躍を果たした。人間と一体化しておらず、単体で巨大化。また、ぐんぐんカットは新撮。
「負けぬ!私は今、やっと理解した…!ギンガ、君は未来から来たウルトラマンなのだな?だからヒカルを選んだ!」
最終的にストリウム光線とダークスパークから放たれた光線の撃ち合いの後、バリアを破られルギエルによってまた人形に戻されてしまうが、その間際にギンガ=ヒカルに後を託している(このとき、ギンガが未来からやってきたウルトラマンだと気付き、上記の台詞を発した)。
すべてが解決した後は、ギンガやジャンナイン、他のスパークドールズとともに地球から去っていった。
『劇場スペシャル』〇
美鈴がギンガライトスパークでウルトライブした。
『ウルトラマンギンガS』〇
「ヒカル、君が呼べば…私はいつでも駆けつける…!」
第3話から登場し、主人公に自らを含むウルトラ兄弟の力をストリウムブレスとなって与えた…が、ブレスになってからというものの主人公との絡みがほとんどなくなってしまい、良くも悪くもアイテム化してしまった。
なおタロウ再登場には前フリがあり、『新ウルトラマン列伝』ギンガS直前スペシャル2(ウルトラマンビクトリー登場編)でギンガのウルトラサインを受け、新たな危機を知ったタロウがウルトラ兄弟の力を与えられて地球に向かった…という、列伝と連動するネタになっていた。
当初はチブル星人エクセラーに洗脳されてウルトラマンタロウダークとして登場するという案もあった。その名残からか、当時はウルトラヒーロー500シリーズのダークイメージカラーVer(ライブサインの仕様は通常版と同じ。エクスデバイザーに没音声として「タロウダーク」の音声がある)や指人形が販売された。
『ウルトラマンオーブ』△
ガイ「熱いヤツ、頼みます!!」
本人は直接登場していないが、かつて地球を訪れて魔王獣戦役にてマガグランドキングを龍脈の力を利用して封印したことが、古文書「日本太平風土記」に記されている。
封印に使用した力は、後にウルトラフュージョンカードとしてオーブの手に渡り、バーンマイトへのフュージョンアップに使用されることになる。
『ウルトラマンジード』〇
第1話冒頭のクライシス・インパクトのシーンではセブン、レオ、アストラ、80、ゼロとともにベリアルとの戦闘シーンで燃え盛る町に登場。他の兄弟とともに負傷したゼロを庇おうとしていた(しかし続く宇宙のシーンではいなくなっていており、一部でネタにされていたりした)。
『つなぐぜ!願い!!』△
宇宙警備隊の隊員たちとともにギルバリスを追い詰めるも、コアを破壊できずに後一歩のところで取り逃がした様子が回想シーンで描かれていた。とはいえ赤き鋼なしで撃破寸前まで追い込んでいるのは、さすが筆頭教官と言うべきか。
この時のストリウム光線使用時の掛け声は、篠田氏によるライブラリ音声が使われている。
『ウルトラマンR/B』△
「纏うは火、紅蓮の炎!」
タロウは直接登場しておらず、主人公の湊兄弟が初めて入手したルーブクリスタルの1枚として登場。主に湊カツミが変身するウルトラマンロッソの基本形態でもあるフレイムを担当する。炎属性という共通点を除くとあまりタロウ要素は確認できないが、これはどちらかと言うと慎重派で大胆な戦術を苦手とするカツミの性格と、必殺技がすべて球状というロッソの特性が絡んでいるからと思われる。
『UGFニュージェネレーションヒーローズ』〇
「私の力の一部を再び預ける。さあ、ともにダークキラーを倒すぞ!」
復活したウルトラダークキラーに、ウルトラウーマングリージョが護衛として派遣したゼロともども攫われてしまったため、海外に留学に行っていたロッソ、ウルトラマンブルの2人を光の国に呼び寄せ、兄たちとともに姿を見せた。
事情を知ったロッソとブルはいても立ってもいられずに妹がどこに行ったかもわからぬまま、制止する間もなしに光の国を飛び出してしまうが、そんな2人を見て「これも若さか…」と呆れつつ、ウルトラマンリブットに要請して連れ戻してもらい、ウルトラダークキラーには力を合わせて挑まなければならないことを冷静に語るという落ち着いた姿勢を見せている。
もっとも、ロッソもブルもどこかの組織に所属しているわけでもなく、ましては人間としての日々を送って中で急に前触れもなく別次元に呼び寄せてられており、タロウというか光の国のやり方と説明にも問題はある。
第5話では、兄たちとともにウルトラダークキラーを倒した経緯が描かれている。「頼もしい後輩ができた」とニュージェネレーションヒーローズに期待を寄せた。
『ウルトラマンタイガ』〇
第0話、第1話、第13話(イメージのみ)、第16話、劇場版に登場。
令和ウルトラマンシリーズ初の作品にて、息子のタイガが主役デビューを果たす。タイガの登場により、セブンに続いてタロウも父親になっていたことが明らかになった。
『R/B』の劇場版『セレクト!絆のクリスタル』で初登場した悪のウルトラ戦士・ウルトラマントレギアはタロウの元親友であり、タイガを付け狙う敵として登場。なお、ウルトラの父とタロウは親子二代にわたって親友が悪に堕ちるという奇妙な因縁が展開されている。
第0話では慢心するタイガをたしなめている。
「闇に堕ちた者を光の国に近づけるわけにはいかん!」
第1話冒頭でニュージェネレーションヒーローズを退けたトレギアの前に現れ、戦闘に突入。お互いに光線技を駆使した互角の戦いを展開するが、そこに息子タイガの率いるトライスクワッドが助太刀として乱入。最強のチームワークを披露するチャンスと息巻く彼らを「お前たちに敵う相手ではない」と制止するが、そのまま3人はトレギアに挑んでしまい、力及ばず敗北。
タイタス、フーマと次々にトレギアの光線の手にかかり光の粒子となって消滅してしまった上、さらに息子であるタイガをも目の前で失ってしまう。
悲痛に息子の名前を叫びながら感情の昂ぶるままにウルトラダイナマイトを発動し、トレギア(青いオーラを纏ったウルトラダイナマイトに酷似した技を使用)と激突。2人が衝突して大爆発したところで冒頭シーンは幕を閉じる。その後生存が判明するも...。
なお、後述の『大いなる陰謀』にてダイナマイト炸裂時にて一緒に光の国に帰るよう説得していたことが判明した。
第16話では冒頭のタイガの回想にのみ登場。トレギアとともに開発したタイガスパークをタイガに授けた。
「かつて友と一緒に作った。仲間との絆を深めるものだ。私も地球人と絆を深め、ともに巨大な悪と戦った」
「タイガ、広い宇宙をその目で見てこい。強さとは何か?仲間とは何か?そして、お前自身が真の絆を見つけたとき、大いなる力を引き出すことができるだろう」
『ニュージェネクライマックス』〇
宇宙遺跡ボルヘスの墓場でトレギアと対峙。そこで友人時代の話をしながら光の国に戻るよう説得を試みるが、一蹴されてしまう。トレギアから昔のよしみと称して、グリムドがタイガのいる地球へ向かっていることを聞かされ、現地に向かった。
グリムドに苦戦するタイガを救出し、自らの手でグリムドを倒さんとウルトラダイナマイトを繰り出すが、それこそがトレギアの狙いで、爆発のエネルギーを逆流させる形でグリムドに体を乗っ取られてしまう。そのままタイガに襲い掛かり、彼とともに戦っていたロッソやブルもろとも蹴散らして、彼らを変身解除に追い込むとトレギアとともに一時姿を消した。
トレギアや、リングから召喚された怪獣とともに新世代ヒーローズとの総力戦となり、闇に堕ちたタロウはタイガを相手取る。攻撃を躊躇するタイガを苦戦させるが、一瞬正気に戻って攻撃を止め、その隙を突いてタイガからウルトラダイナマイトで突撃される。
グリムドが肉体の主導権を握ったタロウもダイナマイトで迎撃してタイガを圧し初め、タイガの肉体もグリムドに蝕まれるが、「僕たちの炎を燃やすぞ!!」と工藤ヒロユキたちが心の炎を燃やし、トライスクワッド4人分の心の炎が加わったダイナマイトには敵わず、グリムドをタロウの体から追い出すことに成功する。その結果を認めないトレギアによって完全体となったグリムドを前に、タロウはニュージェネレーションヒーローズともども窮地に追い込まれる。
タイガのウルトラホーンにニュージェネレーションすべての力を集めるように指示を出し、グリムドを正面から抑え込み時間を稼いだことで、ウルトラマンレイガが誕生。その圧倒的な力によって、グリムドは撃破された。
グリムドが撃破された際、胴体の顔からトレギアが浮かび上がり、今際の際にタロウの名を呼んだ。タロウもまた彼の名をどこか悲哀の混じった声で呼んだが、親友の最期を目の当たりにして、どんな心境だったのだろうか…。
一連の事件の収束後、ヒロユキにタイガが成長できたことへの感謝を述べて、トライスクワッドとともに地球を後にした。
『ウルトラマンZ』△
ハルキ「真っ赤に燃える、勇気の力!」
第1話に爆発したゲネガーグから飛散したウルトラメダルの1枚として登場し、比較的近場に落ちたのかエースのメダルとともにハルキが入手。さらに第3話で手に入れた初代ウルトラマンのメダルと組み合わせることで、プロレスを思わせるパワフルなファイトスタイルを得意とするパワー重視の形態ベータスマッシュへと変身可能になった。
第6話で朝倉リクがデビルスプリンターを語る回想シーンに登場。宇宙牢獄の上でのベリアルとの闘いの新撮シーンとなっている。なお、内容は『ウルトラ銀河伝説』とよく似ているが、そのままではなくリメイクのように細部の描写が変更されている。そのため、『ウルトラ銀河伝説』ではタロウがストリウム光線でベリアルに発射した時は躱されたのに対し、回想シーンではベリアルの左肩にかすめる形で命中していることになっている。また、『つなぐぜ!願い!!』同様、ストリウム光線の掛け声が篠田氏のライブラリ音声に変更されている。
しかし、本編では時期が明言されなかったことと、リクが「宇宙で暴れまわっていたころ」と言っていたことともあり、一部では「クライシス・インパクトの時ではないか?」と予想するファンも一定数存在しており、実際にタロウは『ジード』第1話では他の宇宙警備隊員とともにベリアルと戦っており、ベリアル側も光の国の近くでウルトラ戦士たちと交戦しているなどその根拠も多いが、明言はされていないため具体的な時期は不明である。
『UGF大いなる陰謀』〇
第1章から登場。宇宙警備隊基地にてゾフィーとともにリブットと80たちの報告を聞き、事態の収拾を図ると同時に、リブットにK76星に向かうよう指示し、ウルトラマンマックスの救出に成功させたリブットにギャラクシーレスキューフォースの派遣を命じた。
第2章では若いころの彼が登場。『トレギア物語/青い影』にて描写された、トレギアとの友情関係が描かれることとなる。所々でアブソリュートタルタロスによる歴史改変の影響が出ているが、この世界線においても『タロウ』本編の出来事を経験したようだ。
この時期では上記にもある通り他の兄弟が諸事情によりまともに活動できなくなったために、彼らの抜けた穴を埋めるべくウルトラ6兄弟の一角として相当な多忙を強いられていたが(恐らく教官として後任の指導なども兼任していたと思われる)、仕事の合間を縫って度々トレギアと交流を重ねていたようで、タイガスパークの名を命名したシーンも映像化されている。
しかし、惑星アーブの事件でヒカリがハンターナイトツルギへと変貌したことで自身が気付かぬうちにトレギアとの間で溝が広がり続け、どこまでも光の使者としての任務を全うするタロウの思想とは少しずつ相反するようになってしまう。
あるとき、異常なエネルギーが観測された惑星デスターにてトレギアに科学技術局の協力を得たいと同行を持ち掛け、ともにデスターへ向かう。そこでタルタロスが召喚したナイトファングと対峙、先に戦闘を始めたタロウをトレギアが援護しようとするも、掛けた者に強制的に悪夢を見せつける攻撃「ナイトメアウェイブ」をモロに食らってしまい、一人で相手をして最終的にウルトラダイナマイトで撃破するも、タルタロスからの誘いに乗ったトレギアがワームホールへと消えていってしまった……。
そして、本編の時間軸『ニュージェネクライマックス』においてトレギアとの別れを経験した後のタロウは、衛星ゴルゴダにて兄たちとともにジュダやモルドのグア兄弟と対峙。
既にギンガとビクトリー、そしてエックスによって倒されたはずの彼らが現れたことに驚愕しつつも対決。互角以上の激戦を繰り広げた後に、兄弟たちの力を結集させたコスモミラクル光線で辛くも撃破。
だが突如、アーリースタイルのベリアルとトレギアが襲来。ベリアルとともにかつての姿で現れたトレギアに一時呆然とするが、ゾフィーの分析から別の時間軸からやって来た並行同位体であることを悟る。
そのまま戦闘へ突入するが、グア兄弟との死闘による疲弊もあってか追い詰められる。遅れて到着したゼロの救援により難を逃れた後、光の国にて父に報告して精鋭部隊を結成することを提案。ゼロに一任されることが決定する。
第3章では惑星マイジーにてゼットン軍団と激闘を繰り広げたトライスクワッドに対し、ウルトラサインによる帰還命令を出す。タイガがウルトラの父やウルトラの母との久々の再会に喜ぶあまり2人のことを「じいちゃん」「ばあちゃん」と呼び、公の場での言葉遣いを注意する場面もあった(当の2人はまったく気にしておらず、優しくフォローしていた)。
タイガへの注意をよくよく聞いてみると「こらタイガ」や「〜なさい」など、タロウ自身も教官として指導するのではなく父親として叱っているのも、クスッとくる要素である。
ブリーフィングにてタルタロスの情報を共有した後、トライスクワッドにタルタロスへの対抗訓練を受けるよう命じた。
しかし、突如ユリアンからのウルトラサインによる救難信号を知り、救援部隊を要請する。
なお、今回若いころのタロウの声が石丸氏ではなく森久保氏となり、シリーズ初となるダブルキャストで演じられることとなった。このせいか、石丸タロウに対するトレギアの「老いたな光の使者」発言は妙にリアル。
そのため、後述のイマジンあにめにあったウルトラマンタロスの他のネタにさらに大きく関与していることに。
なお、石丸氏は2023年に「余力のあるうちに引退したい」と声優業を引退したため、石丸氏によるタロウは現時点では本作が最後となっている。
『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』〇
トレギア「2人一緒とはちょうどいい…」
タロウ「行くぞ、タイガ!!」
タイガ「ハイッ!!」
前述の石丸氏の引退により、本作から前作『大いなる陰謀』で若いタロウを演じた森久保氏にキャストが統一され、過去作で石丸氏が演じていた時系列のタロウもすべて演じることになったため、掛け声も森久保氏が担当している。
なお、ライブラリー音声ではあるが劇中で篠田氏と石丸氏が演じたタロウの掛け声が流れるため、昭和・平成・令和のタロウの声を聞くことができるという事態になった。
光の国からユリアン王女レスキュー隊をキャッチして仲間たちと惑星ブリザードに急行し、アブソリューティアン軍団と一大激戦を繰り広げる。アブソリューティアンのパワーで強化されたトレギア相手に食らい付く歴戦ぶりを披露し、途中で参戦したタイガとともに親子で共闘してトレギアと対決する。
『スーパーパワー!ウルトラヒーロー超百科』
今回ではタイガと組手を行っており、以前よりも見違える成長を遂げた息子に対して座学方面の勉強を教えるためゾフィーに個別指導を頼んでいた。教官となった現在でも兄には頭が上がらないらしく、1度タイガを叱った際に嗜められる場面もあった。
その他
そのアットホームなキャラクターゆえにか、放映終了後もなんと昭和50年代末に至るまで様々なCMなどに登場した。永谷園のすし太郎シリーズは有名である。中の人は誰だか分からないが、演歌界の大御所と世間話までしている。なんて顔の広さだ。
本作ではウルトラマンタロス名義。名前的に『タロウ』本編でのタロウのイメージから生まれたイマジンのようにも思えるが、どう考えてもタロウ本人。
イマジンあにめ3にて、自分を差し置いて『太郎、太郎』とイマジンたちが持て囃されたために、イマジンあにめをウルトラマンタロスに改名しようと現れたのだが…さすがに公式コラボとはいえ、色々とマズかったのか地球の平和を電王に任せて宇宙に帰っていった。
ちなみに、本作には中の人繋がりのネタが他にも見られる。
パチンコメーカー京楽
メーカーとのタイアップ、『CRウルトラマンタロウ』で活躍中。本作オリジナルウルトラダークキラーが誕生、好評につき第2弾、第3弾が出された。
ウルトラ兄弟を苦戦させた怪獣たちとのドリームマッチが本作の魅力であり、『2』ではバルタン星人、初代ベムスター、初代メフィラス星人、ゼットン、ゴモラ、レッドキング、改造パンドン、ダダ、『暴君SPEC』ではエースキラー、キングジョー、初代エレキング、ヒッポリト星人との対戦カードが実現。
オリジナル怪獣のスーパータイラントやウルトラダークキラーも登場した。
また、テンペラー星人は『2』からはメビウス版の個体も登場する。
第8話「タロウ怪獣退治に行く!!」では桃太郎役として登場時、ベムスターやゴドラ星人をお供に鬼退治へ向かう(おじいさんとおばあさん役はレオ兄弟である)が、肝心の鬼がおらず、ベムスターとゴドラ星人が離脱しようとしたため、歯向かった罰として2人をシメる。どっちが鬼だかわかったものではない。
第10話「さすらいのウルトラマンタロウ」では弱い者いじめが饅頭の次に嫌いという設定になっており、ギターを抱えながら各地をさすらっている。改造パンドンがペガッサ星人と戦っている場に居合わせ、改造パンドンを懲らしめたが、今度はペガッサ星人がかつて同胞の故郷を滅ぼした(実際は地球人が破壊した)セブンだと勘違いして襲って来たため、返り討ちにした。
第15話「怪獣の師弟愛」ではペガッサ星人と子分であるウーにちょっかいを掛けられるが、途中で2人が喧嘩を始めてしまったため、怒って両者をぶちのめし、死に際(?)に師弟愛を取り戻した2人の腕を握らせて去っていった。
『フュージョンファイト』
本人も登場し、ウルトラマンマックスとフュージョンアップしたストリウムギャラクシーが参戦している。
本編中の過去話に登場。面影こそあるが、姿がほとんど変わってしまっている。
ヒーロー活動を行っている光太郎が、自分の正体がばれないように作ったハンドメイド・スーツとして登場。
ちなみに、当初は光太郎と呼ばれていたが、ヒーロー活動に友人を巻き込んで死なせてしまった自責の念から、光太郎が自分に『光』の文字を冠する資格がないと感じ、ただのタロウと呼び捨ててほしいと仲間に申し出たことから、以降は仲間たちからもタロウと呼ばれるようになった。
『ウルトラヒーローズEXPO2020』
ウルトラ6兄弟やウルトラマンリブットとともにバルタン星人配下の怪獣軍団を討伐し、E.G.I.S.のバルタン星人とフック星人逮捕に協力を行った。
本編中では大切なものを失い、力を求める幼少期のタイガに力は確かに必要なものだと肯定した上で、それを制し、守れなかった者への悲しみを乗り越えるための「心の強さ」の大切さを説いたことが語られた。
この教えはタイガを通し、仲間を操られた挙句にトライスクワッドを封印されて悲嘆に暮れるヒロユキに受け継がれた。
ヒロユキに地球人の「信じる心」をトライスクワッドに集めるよう伝え、一度は待ち伏せていたトレギアの貫手で死んだかのように思われたが、信じる心が集結してトライスクワッドとともに復活。それに応えるかのようにウルトラマンゼロビヨンドと新世代ヒーローズも集結した。暴走するトレギアの身を案じ、制止を試みるも聞き入れられず、彼の召喚したスーパーグランドキングと対峙することに…。
『ウルトラヒーローズEXPO THE LIVE ウルトラマンタイガ』
時系列はタイガ本編よりも前。
第1部では宇宙警備隊への正式な所属を願うタイガに対して、仲間と絆を紡ぐ事で真価を発揮するアイテムタイガスパークを授け、視野を広げさせるために彼をU40に向かわせた。このアドバイスが後のトライスクワッド結成の遠因となった。
『ウルトラ6兄弟 THE LIVE ウルトラマン編 in 博品館劇場』
ウルトラ6兄弟の1人として登場。現生人類が生まれる前という設定のため、1973年に入手したキングブレスレットは腕に装着しておらず、タロウブレスレットを装備している。
ウルトラマン個人としての性格
『タロウ』ではウルトラマン個人としての性格があまり掘り下げられることがないことに加え、後述の設定の変遷にあってタロウ本人としての性格は長らく謎であった。
『メビウス』では上記のように教官設定が追加され(篠田氏が『メビウス&兄弟』に出演しなかったことで誕生)、声優が石丸氏に変更固定、ニュージェネレーションシリーズで各ヒーローのフォームアイテムになった影響もあってメビウスやヒカル、タイガなど弟子や息子を導く師匠や指導者的役割が強くなっていった(師弟としての彼らはタロウ一門に記載しているので、参照してほしい)。
ただし、同じ立ち位置のセブンと比べると『メビウス』の場合、実父にして大隊長のウルトラの父の判断で強大な脅威のインペライザーの襲来から弟子の命を失わせるわけにはいかない事情があるとはいえ、「私を見縊るな!!」とウルトラダイナマイトを使用して逆にピンチに追い込まれ、最終的にアイハラ・リュウたちの必死の説得で思い留まったり、『ギンガ』ではダークルギエルに追いつめられるギンガを見てSD化状態で心を残したウルトラの父と母に対して「自分にだけ心を残したのは残酷な結末を見届けさせるためなのか」と嘆く、ロッソとブルを召集した際のやり方に問題があったりと、師匠や指導者として未熟で心の弱い部分が見られている(この頃は昭和時代の末っ子設定がまだ少し残っていたとも言えるか)。なお、現実の温室育ちの人間がパフォーマーとして成功しても、その後指導者に回った際に自身の成功経験故に苦労している相手の気持ちがわからずに苦しむということも少なくないが、タロウがそれに該当するのか不明。
『タイガ』ではトレギアとの関係を息子のタイガに言い出せなかったことが明かされているが、時系列的には『ウルトラギャラクシーファイト』の前であり、この時期にはトレギアが悪事を起こしていたことが光の国(タロウ)に把握されていなかった上に、「トレギア物語/青い影」でもタロウ視点からすればトレギアは突然行方不明となった形でもあり、わざわざそれを息子にそのまま伝えていなかったのも仕方ない部分もあるだろう。
無論、教官となった後でもベリアルの反乱やギルバリスの事件でも部下を引き連れる形で度々自ら先陣をきって戦っていたり、グリムド戦ではタイガのウルトラホーンにエネルギーを集めるために単身時間稼ぎを買って出るなど、シリーズを通して勇猛果敢な場面も多い。『ニュージェネクライマックス』のラストではそれまで息子とともに戦い抜いたヒロユキに対しても礼を言うなど、『タロウ』と比べると幾分か落ち着いた様子も見せていることから、彼自身も成長を続けてきたのは明白。
トレギアが隠居して(表向きには行方不明扱いと思われるが)最終的に闇に堕ちた後も、自身とトレギアの2人で製作したタイガスパークの名からあやかって息子の名前を命名していた上に、『ニュージェネクライマックス』でもトレギアに光の国に戻って罪を償うことを薦めたり、傷を負った今の体では邪神に飲み込まれてしまうことを止めようとするなど、最後までタロウはトレギアを見捨てようとしなかった。しかし、『大いなる陰謀』の公式サイトの説明では「強すぎるタロウの光は少しずつトレギアの心に影を落としてしまっていた」とも称されており、結果的に言えば変わらず親友として接し続けていたタロウの対応が、皮肉にもトレギアがその身を闇に堕とす遠因となってしまったとも解釈できる。
『ウルトラマン基金』の映像ではギャンゴの様子を見て、足に刺さった棘を抜いて傷を癒すなど心優しき勇者としての側面が描かれている。
パラレル作品ではあるが、『ウルトラマン物語』における少年時代のタロウはやんちゃな面があり、怪獣はすべて凶悪な存在と認識していたためにドックンを怒らせてしまう。これに懲りて母と父から正義を愛する怪獣の存在を教えられ、考えを改めている(もし諭してくれる人がいなければ…)。
成長しても自分を一人前と認めてくれない父に苛立ちを覚え、地球での任務後(こちらでの初任務はメフィラス星人二代目(初代と同一人物扱い)と再生エレキングの討伐ということになっている)は自分をウルトラ戦士の仲間入りをしたと自惚れるなど、ここでも若さゆえの心の弱さが描写された。とはいえ訓練自体はいたって真剣に取り組んでおり、平和を守りたいという心は本物である。
名前の表記
名前が名前なのもあってか番組名の「ウルトラマンT」と呼称されることがたまにある。
しかし、現在の公式玩具などを参照すれば分かる通り、基本的に彼の名前の表記はタロウが正解。劇中のサブタイトルでもあくまで「タロウ」表記がほとんどな上に、タロウ自身の名前が日本人に馴染み深いからか、もっぱら片仮名表記で「タロウ」と書くのが一般的となっている。
なおエースや80、ジャックもタロウ以上に名前で揉めやすいが、ジャックに関しては元々大人の事情が絡んでいた上に、エースと80も後年の作品では基本的にそれぞれカタカナと数字表記で区別されている。
ジャックから80までのウルトラマン達は皆それぞれ名前に事情があるので、キャラクター名すべてを安易にアルファベットやカタカナ表記にしたり番組名を呼び名に使うのはなるべく避けることが望ましい。人によっては、セブンをウルトラマンセブン呼びすること並みに地雷になりかねないので気を付けよう。
なお、80のみ番組名とキャラクター名は統一されているのは、「A(エース)」や「T(タロウ)」のように番組名にルビが振られなかったこと、そもそも番組中のサブタイトルで「80」表記であることも大きい。
設定の変遷
出自
記事冒頭の通り『タロウ』本編では、光太郎にウルトラの母がウルトラの命を与えたことで誕生したウルトラマンがタロウであるという設定で一貫している。
例を挙げると、
- タロウと光太郎が一体化する際、母は5兄弟に「あなたたちも同じように誕生した」と告げている
- その後も光太郎と別個のタロウとしての人格は描写されず、光太郎も自身を完全にタロウと認識した上で他の兄弟と接している
等々。
一方で、児童誌などでは前述のように放送当時から
- ウルトラの父と母の実子にして、年齢1万2000歳のM78星雲人
- 小学校時代に初代マンの引率で地球に遠足に来たことがある
- 光太郎と一体化した
など、光太郎とは別個の存在と解説されている。
児童誌の情報が正式な設定として扱われないのはよくあることだが、幼少期の姿に関しては、これも記事冒頭の通り映像化までされて公式設定となっている。
そもそも本編においてもタロウのペットであるラビドッグの設定があるため、前者にまったく粗がないわけではなかったりする。
後者の設定が主流になったのは劇場版のストーリーもさることながら、篠田氏が出演していないがゆえに人間体を登場させられない都合上、2人を別人にしておく必要が出てきたためであろう。
『トレギア物語/青い影』では設定変更後を意識したタロウの青春時代が描かれている。
光太郎はどうなったか
実は歴代作品で唯一、その後の人間体がどうなったのかは明確に描かれていない。
設定変更に合わせてか、タロウは光太郎が人間として生きることを選んだということが『ギンガ』のDVD第3巻封入の作品解説書にてタロウ本人の口から言及されているものの、詳細・経緯は不明瞭で謎が多い。
解説書にてタロウは上記の通り「彼(光太郎)は地球人として生きる道を選んだ」とは言っているが、その際に分離したとは言っておらず、それがいつのことなのかも明言されていない。
最終回にてウルトラバッジを返すシーンには第1話でタロウと光太郎が一体化する映像が回想として流用されているが、その旨のナレーションなどがないこともあって光太郎とタロウが分離する瞬間と誤解するファンがリアタイ視聴世代・再放送世代問わず多く存在。だが、少なくとも『タロウ』最終回以降の十数年間は一体化したままなのは公式でも言及されている。仮に最終回で分離していたとしても、そうであれば『レオ』に登場しなかった理由やメビウスの師匠となった経緯を新たに描かなければならなくもなる。
加えて『メビウス』の前史「ザ・ウルトラマンメビウス」によると、4兄弟の代わりに光の国に帰還した際は一体化したまま地球を去っている模様。
そもそも『ギンガ』は、『メビウス』最終回から遥か未来となる『ウルトラ銀河伝説』の後の物語のはずであり(舞台は別次元だが)、ここから光太郎といつ分離したのかを想像するのは難しいだろう。
シリーズや設定の多様化や描写や、媒体ごとに異なる解説によって様々な解釈ができるようになったこと、さらには人間態にならないと心に誓っているタロウの息子の戦友などの存在もあり、未だに考察・議論が続く話題となっている。
没映画『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟2』はタロウと光太郎は分離している設定で構想されており、分離するシーンも描く予定があったとのこと。
どちらにせよ、篠田氏が自らの意向で再出演をしていないため、今後その真実が明かされる可能性は極めて低いと思われる。
余談
主題歌ではウルトラマンNo.6と歌われているが、劇中でそう呼ばれたのは『ギンガ』第5話冒頭が最初。
没ネームがウルトラマンジャックだったのは有名。様々な事情と思惑からタロウとなった。
この他にもウルトラマンファイター、ウルトラマンハンター、さらにウルトラマンキングも候補だったとのこと。ちなみにジャックは英語圏でいう「太郎」などに相当する至極一般的な名前なので、名称変更したところで大差はなかったのかもしれない。
近年では、火属性のヒーローとして扱われている。恐らく、赤い身体とウルトラダイナマイトのイメージが強いからだろう。この他にも、
- 上記にもある通りタロウの力を借りて変身するオーブの形態バーンマイトは炎を操るパワー形態であり、その後もパワー系の姿に使われることが多い。
- フュージョンファイトでのタロウの属性は「火」
- メビウスのバーニングブレイブは「教官であるタロウの炎の力を教わったことで習得した」と説明される
- ジードの形態ロイヤルメガマスターがタロウカプセルを用いて放つ光線ストリウムフラッシャーには、ストリウム光線の効果を持つにもかかわらず、態々炎を纏った光線となっている
- 上述のタロウカプセルを所持していたリトルスターの持ち主の能力は、対象を炎で爆発させる
- ロッソとブルがタロウのルーブクリスタルを使用すると、火のエレメントを持ちパワフルな戦いをするフレイム形態となる
など、近年では「炎の能力者」としてのイメージが強くなっている。
ウルトラヒーローが初参戦となるバトルスピリッツコラボブースターウルトラヒーロー大集結にウルトラマンオーブテレビシリーズのフュージョンアップ元のヒーローがすべて参戦しているのに対し、何故かバーンマイトのフュージョンアップ元でタロウだけ省かれているという事態が発生した(ベリアルに関してはウルトラ怪獣超決戦で既に参戦しており、代わりにカイザーベリアルが本弾に収録)。…と思っていたらコラボスターター『光の巨人たち』でやっとこさ参戦。これでテレビシリーズのフュージョンアップ元が揃ったことになる。
『ウルトラヒーローからのメッセージ《SPECIAL LIVE MOVIE》』ではウルトラマンのソフビ人形を持つ少女を守るべく、昭和2期世代代表としてタイガやグリージョとともにウルトラダークキラーと戦った。
「ウルトラマン公式ch登録者100万人達成記念「ありがとう」スペシャルメッセージ動画」と同様、視聴者へのメッセージは韓国語で行われた。
NHK-BSで2022年9月10日に放送された『全ウルトラマン大投票』では第9位にランクインしており、そのうち32.1%が女性である。また、昭和ウルトラマン第2期のウルトラマンの中では最高記録である。
関連イラスト
こちらの絵はpixiv最古のウルトラマンの絵でもある。
関連タグ
ウルトラマンタロウ スーパーウルトラマンタロウ 東光太郎 ウルトラ戦士
仮面ライダーBLACKRX - 変身者の名前が光太郎、二枚目、超絶的に強い等、共通点がある。
仮面ライダー電王/ドンモモタロウ - 同じく昔話を意識して『太郎』というネーミングになっているヒーローたち。それぞれ『(良)太郎』、『(暴)太郎』となっている。ちなみに、タロウも前者の本編外外伝作品にゲスト出演を果たしている。
兜甲児 - 中の人繫がり。特に上述したように『UGF大いなる陰謀』では若い頃のタロウを、『マジンガーZ/INFINITY』で兜甲児役だった森久保祥太郎氏が担当することとなっている(作中時間だけ見れば、甲児とタロウで担当声優の関係が逆になっているが)。『マジンガーZ/INFINITY』において森久保氏は(当時の)石丸氏の声質を求められての起用であったが、『大いなる陰謀』では若い頃の石丸氏だけでなく、寺島拓篤氏の演じるタイガにも近い声色と演技を披露しており、ファンからは称賛の声とともに「これはトレギアも拗らせるわ」とネタにする声も出ている。また、一部では光太郎役の篠田三郎氏にも近い演技と称賛されることもある。ある映画では同名の必殺技名を叫んでいた。
すし太郎 - 1983年版のCMに出演。
北島三郎 - 1983年版のすし太郎CMで共演。
コメットさん - 大場久美子版の第43話でゲスト出演。なお、同作は『タロウ』を含めたウルトラシリーズとは無関係。