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ウルトラマンギンガ

うるとらまんぎんが

『ウルトラマンギンガ』とは、特撮ドラマ群「ウルトラシリーズ」の作品であり、同作品の主役のウルトラマンである。
目次 [非表示]

君が、ヒーローだ!!


キャラクターとしてのウルトラマンギンガ→ギンガ(ウルトラマン)

概要編集

2013年7月から12月まで放映されたウルトラシリーズのドラマ作品。円谷プロダクション創立50周年記念作品。

後に定義される新世代ヒーローズシリーズの第1作目に当たる。

ウルトラマン列伝』をリニューアルした『新ウルトラマン列伝』にて、30分枠を丸ごと使用した完全新作TVシリーズとして放送され、7月10日の「ウルトラマンの日」に初回放送日を迎えた。

新しいウルトラマン

当初はギンガの全身のシルエット画像が児童誌などに掲載され、2013年4月12日の円谷プロ創立50周年記念日に名前と姿が公式発表された。

2009年にデビューしたゼロから実に4年ぶりの新ウルトラマンであり、地上波全日帯1本30分および地球を舞台にしたテレビシリーズとしては『ウルトラマンメビウス』以来7年ぶりとなる(深夜枠を含めれば『ULTRASEVENX』以来約6年ぶり)。また、『ウルトラマンネクサス』以来8年ぶりにエンディングテーマが復活した作品でもあり、水曜日にウルトラシリーズが放送されるのは『ウルトラマン80』以来32年4ヶ月ぶりである。

シリーズ初の完全地上デジタル放送かつハイビジョンで制作された。


ストーリーはこれまでのウルトラマンシリーズと異なり、高校生を主人公とし小学校周辺を舞台としたジュブナイルテイストの作風になっており、シリーズでは初めて防衛チームが登場しない。物語の舞台が学校及びその周辺という極めて狭い範囲に限定されているのは、制作時の撮影環境の都合による為。

40周年を迎えたウルトラマンタロウがレギュラーとして登場し、主人公達とウルトラ戦士を繋ぐ役目を担っている。また、ウルティメイトフォースゼロのメンバー、ジャンナインジャンキラー)も前半期でのギンガのライバル戦士として登場した。


これまでもノアの神のように、架空の宗教にからめた単発のエピソードはあったが、本作では全編を通して、重要アイテムであるギンガスパークが、より現実的な神社御神体として設定される等、ウルトラシリーズ全体を見ても非常に宗教的な作風となっている。

商品展開編集

本作からバンダイとの連携が強化されるようになり、それに伴って主人公がソフビ人形(実際は似て非なるものだが)を使ってウルトラマンに変身するという、前列のない変身方法が採用された。これには放送時期の近かったヒーロー番組影響も大なり小なり受けていると思われる。

人形というアイテムを利用して、主人公がウルトラマン、悪役が怪獣に変身するのが基本路線となっているが、主人公がウルトラマンだけでなく怪獣にも変身したり、後半では悪役ではない人物も怪獣(場合によってはウルトラマン)に変身したりするなど、従来のシリーズからしたらかなりぶっ飛んだ設定や演出も採用しており、歴代作品の中でも色々な意味で異色を放っている。

もっとも、小物を使った変身アイテム、インナースペースの登場、使役者自身が変身する怪獣など、本作で取り入れられた要素は後続の「新世代ヒーローズ」にも少なからず受け継がれている。何気にダークスパークといった敵専用のアイテムも度々登場し、プレミアムバンダイにて限定発売された。こうした敵専用アイテムも後発のシリーズではたびたび登場している。

全11話編集

話数は全11話という、ウルトラシリーズどころか日本の特撮番組群においても異例と言える少なさ(話数が近いシリーズ作品としては、OVのみで全12話(パイロット版込みで全13話)の『ウルトラマンネオス』、共に海外作品かつ全13話の『ウルトラマンG』と『ウルトラマンパワード』がある)。

放送日程として、7月〜8月期に前半の6エピソード、11月〜12月期に後半の5エピソードが放送された。そして、前半と後半の休止期間である9月と翌年3月に劇場スペシャルが上映され、放送終了後の翌年2月に番外編を放送した。

これらの変則的なスケジュールは、制作環境の制約によって制作話数が限られたため、商戦期やイベント期に集中して放送するという形を取ったことによるもの。休止期間中に映画展開や『新列伝』でのピックアップを行うことで、話題性の維持を図った。

評価編集

久々の地球版ウルトラマンということもあってか、後のシリーズと比べると特撮がまだまだ洗練されておらず、作中においても試行錯誤の様子が見られた。また、(話数の短さ故)良くも悪くも勢いを重視したストーリー展開や挑戦的な演出は好みが分かれるところであり、玩具色の強い変身アイテムに対する抵抗感や批判の声もなかったわけではないが、総集編や単発映画ではない純粋な新規TVシリーズであったことから、新作の制作・放送を待ち侘びていたファンからは歓迎され、イベント性を重視した展開や積極的な玩具販促なども功を奏し、作品としては十分な成功を収めた。


なお、玩具色が濃いことも批判されがちだが、そもそも円谷プロは本来特撮作品にマストな販促をほとんどしてこなかったために倒産寸前に陥っているため、それまでの反省であり、むしろ『メビウス』以前が異常にやってなさすぎでそっちのやり方があってはならないということと、販促とストーリーはどちらかがどちらかを食う存在ではなく両立できるものであるということは忘れてはならない。


その勢いに乗り、2014年7月からは本作の2年後を舞台にした続編『ウルトラマンギンガS』が話数を増やした全16話構成で放送された。

『ギンガ』シリーズの成功は円谷プロの業績改善とともに、番組スタッフにシリーズ制作に対する強い自信を持たせることとなり、結果として「新世代ヒーローズ」の確立に象徴されるウルトラシリーズおよび円谷プロ復活への道筋を作った。


2015年以降『新列伝』とチャンネルNECOでのギンガシリーズ再放送が終了して以降、連動性の観点から『ギンガS』の方が列伝枠や配信で扱われがちであり、オーブ以降は「ジェネクロ」のタロウ特集の際にタロウの紹介でルギエルとの決戦が紹介されたのみである。

「ニュージェネレーションスターズ」でメインでスポットが当たるまで計7年の間まともに扱われておらず「無印ギンガ」というウルトラシリーズ作品としてみるとニュージェネレーションシリーズの記念すべき1作目作品であるにもかかわらず日の目を浴びる機会が少なく「ギンガS」の方が目立つという状況が続いている。


あらすじ編集

はるかな昔、宇宙の彼方で闇の巨大な力により、すべてのウルトラ戦士と怪獣たちが小さな人形「スパークドールズ」に姿を変えられてしまった。宇宙に散らばった人形たちのいくつかは、地球へも流星となって降り注いでいた…。


時は流れ現代。主人公の少年・礼堂ヒカルは、人形となった怪獣やウルトラ戦士たちを再び巨大な姿へと戻すことの出来る神秘のアイテム「ギンガスパーク」を手に入れる。


時を同じく、活動を始めた巨大な闇の力によって凶悪な怪獣や宇宙人が相次いで出現。

大切な人々を守るため、ヒカルはギンガスパークの力で怪獣やウルトラ戦士の人形、そしてギンガスパークに宿っていた謎の戦士「ウルトラマンギンガ」と「ウルトライブ(一体化)」し強大な敵に立ち向かっていく。


いま新たなウルトラ伝説が幕を開ける…。


登場人物編集

本作の主役にして初の高校生ウルトラマンとなる青年。詳細は項目を参照。


ヒカルの幼馴染で、本作におけるメインヒロイン

詳細は項目を参照。


ヒカルの幼馴染。カメラマン志望。

詳細は項目を参照。


ヒカルの幼馴染。アイドル志望。

詳細は項目を参照。

千草役を演じた雲母は当時15歳で、ウルトラマンに変身する役を演じた女性俳優としては最年少記録を更新した。


  • 柿崎太一

町のお巡りさん。ヒカルたちからは「カッキー」と呼ばれている。

かなり人がいい性格。降星小学校の卒業生でもあり、ヒカル達にとっては先輩

なぜか事件に巻き込まれやすい。初期はセリフが棒読みの気がするが恐らく気のせい。


転校生。優等生として知られるが、無口で風変わりな存在。詳細は項目参照


ヒカルの祖父であり銀河神社の神主。なぜか右手にヒカルと同じ「選ばれし者の紋章」があり、ウルトラマンや怪獣のことも知っていた。


廃校になった降星小学校の心優しき元校長。しかし…


  • 石動誠一郎

美鈴の父親。仕事が多忙だったため、いつからか家族のことより仕事を優先するようになってしまっていた。

経緯は不明だが第9話でウルトラマンダーク/ウルトラセブンダークにダークライブし、ギンガと戦った。ダークライブの影響か危険な選民思想も抱き始めていたが、ギンガに倒されたことで正気に戻った。しかし第10話では娘がスーパーグランドキングにダークライブしてしまったのは自分のせいだと気づき、ウルトラセブンにライブしてヒカル達に協力した。

本人曰く親馬鹿らしい。


石丸博也

皆さんご存じウルトラマンNo.6。人形にされているがなぜか自分の意思を保っている。

散々「早く大きくなりたーい」と口にしていたが最終話でついに大きくなり、短時間ながら

大活躍した。


声:杉田智和

本作における悪役であり、ダークスパークの力を持って、全てのウルトラマンと怪獣を人形に変えてしまった。


用語・舞台編集

全高14センチの人形に変わってしまったウルトラ戦士&怪獣たち。

詳しくは上記リンクを参照。


  • 銀河神社

ヒカルの祖父・ホツマが神主を務める神社。本編開始時の1ヶ月前に隕石落下によって焼け落ちたため、以後は祠を降星小学校の音楽室に移している。

この神社で御神体として祀られていたのがギンガスパークである。


  • 降星町

ヒカルの生まれ故郷。喉かな自然が残る地方都市。小説『マウンテンピーナッツ』によると、鉄道が通っておらず、電車に乗るためにはバスで三十分離れた隣町の駅まで向かう必要があるほどほぼ山道であるようだ。


  • 私立降星小学校

ヒカル達がかつて通っていた小学校。しかし、少子化のあおりを受けてか、現在は廃校になってしまっている。

第7話以降は時空の歪みによってヒカル達が学校内に閉じ込められてしまう。


世界観編集

本作及びその派生作品である『ギンガS』『ウルトラファイトビクトリー』の世界観は、今までのウルトラマンの宇宙とは別次元の宇宙とされている。


『ギンガ』世界の地球は現実世界とほぼ同じで、物語開始時までウルトラ戦士や怪獣も存在しなかった。

本作に登場するウルトラ戦士や怪獣は、ウルトラ戦士や怪獣がいた宇宙からスパークドールズとなって飛来したものである。故に彼らの間では過去作(自分達がいた本来の宇宙)での出来事が語られることこそあるが、『ギンガ』世界における「地球」の人間は、何らかの形で彼らから情報を伝聞されない限りウルトラ戦士や怪獣のことを知ることはできない。


当然ながら防衛チームも存在せず、戦いも専ら舞台となる小学校の裏山で人知れず行われたため、最終回までウルトラマンや怪獣の存在が世間に認知されなかった。防衛チームや市街地戦の登場は、降星町の事件によって怪獣の存在が認知されるようになった『ギンガS』からとなる。この辺りは『ネクサス』前半に雰囲気が似ているが、ある理由で物理的に怪獣が市街地に行けなかったと設定されている『ネクサス』と異なり、特に理由は設定されていない(黒幕の思惑によって怪獣の登場範囲が限定されていた可能性もあるが)。

ただし、後に『ギンガS』で実は認知されていなかっただけで、ウルトラマン怪獣も以前から存在していたことが判明している(むしろ地底人すら存在している)。


こうした世界観が形成された理由として、『大怪獣バトル』の時系列は『メビウス』のときから数千年が経過しており、また「ギャラクシークライシス」以降、様々な別宇宙の怪獣出現と同時に地球の文明も別宇宙の技術が流入したおかげで外惑星にホイホイ行けるレベルまで進化していたため、映像の描写的に無理が生じるためと思われる。

また、『ギンガ』シリーズ以降もマルチバースの設定が継承され、各作品の物語開始時ではウルトラマンがおらずその存在が認知されていないケースが多い(一方、怪獣や宇宙人は本編開始前から存在し認知されていることが多い)。


主題歌編集

オープニングテーマ編集

  • 『Legend of Galaxy 〜銀河の覇者』

歌:Takamiy with 宮野真守

正式には『新ウルトラマン列伝』の第1クールOPテーマ。

第1期では1番、第2期では2番の歌詞が使用されている。

再放送および他媒体の配信ではOPが『ウルトラマンギンガの歌』に差し替えられているため、(YouTubeでの公式動画を除けば)リアルタイム以外ではまずお目にかかれず、地味にレアだったりする。

なお、番外編のOPは放送時『ULTRA BRAVE』だったが、ソフト化の際にこちらの楽曲に差し替えられている。


エンディングテーマ編集

  • 『Starlight』

歌:ウルトラ超特急

『ネクサス』以来8年ぶりに復活したエンディングテーマ。歌を担当した「超特急」が今作では「ウルトラ超特急」名義で参加。ちなみに同グループには、友也役の草川拓弥が所属している。


挿入歌編集

  • 『ウルトラマンギンガの歌』

歌:ボイジャー、千紗(girl next door)、降星町の仲間たち

ギンガの勝利が確定する場面で流れるため、処刑用BGMとの渾名を戴いている。

再放送などではOPがこちらに差し替えられている。

ちなみにキャラソンに限定すれば、『すすめ!ウルトラマンゼロ』以来の歌詞に「ウルトラマン」のワードが入った歌でもある。


スタッフ編集

監修:大岡新一
製作統括:岡崎聖
チーフプロデューサー:北浦嗣巳
音楽:小西貴雄
オーケストラ編曲:原文雄
シリーズ構成:長谷川圭一
脚本:長谷川圭一、谷崎あきら荒木憲一赤星政尚足木淳一郎
監督:アベユーイチ原口智生梶研吾石井良和、村上裕介

放送リスト編集

太字は新怪獣、もしくは亜種怪獣

話数サブタイトル登場怪獣脚本監督放送日
1星の降る町サンダーダランビア(SD)ブラックキング(SD)長谷川圭一アベユーイチ2013年7月10日
2夏の夜の夢ケムール人(SD)、サンダーダランビア(SD)長谷川圭一アベユーイチ7月17日
3双頭の火炎獣キングパンドン(SD)、ケムール人(SD)谷崎あきら原口智生7月24日
4アイドルはラゴンラゴン(SD)、キングパンドン(SD)、ジャンキラー荒木憲一原口智生7月31日
5夢を憎むものドラゴリー(SD)、ジャンキラー、ティガダーク(SD)赤星政尚梶研吾8月7日
6夢を懸けた戦いジャンキラー、ティガダーク(SD)、バルキー星人(SD)赤星政尚梶研吾8月14日
7閉ざされた世界ダークガルベロス(SD)、ブラックキング(SD)長谷川圭一原口智生11月20日
8奪われたギンガスパークザラガス(SD)レッドキング(SD)ウルトラマンダーク(SD)長谷川圭一石井良和11月27日
9漆黒のウルトラ兄弟ウルトラマンダーク(SD)、ウルトラセブンダーク(SD)アントラー(SD)ジャシュライン(SD)荒木憲一石井良和12月4日
10闇と光スーパーグランドキング(SD)ナックル星人グレイ(SD)谷崎あきらアベユーイチ12月11日
11きみの未来ダークルギエル長谷川圭一アベユーイチ12月18日
番外編残された仲間マグマ星人(SD)ゼットン(SD)足木淳一郎村上裕介2014年2月26日

映画編集

2回に渡って『劇場スペシャル』が公開。

第一弾は第6話と第7話の間の物語で、第二弾は本編後の後日談となっている。

詳細はリンク参照。


スピンオフ編集

『ギンガ』の本編と予告の間に挟まれるミニコーナー。

詳しくは上記リンクを参照。


余談編集

放送当時は一応『新ウルトラマン列伝』内の番組という体であったため、「新ウルトラマン列伝」のタイトルロゴが表示された後にそれを突き破る形で「ウルトラマンギンガ」のロゴが出現するという演出が採られており、この方式は『ウルトラマンX』まで続いた。

再放送や配信では『ギンガ』単体で扱われるため、「新列伝」のロゴは表示されなくなった。

なお、見方によっては『ウルトラQ』の後に『ウルトラマン』のタイトルが出現した初代の演出のオマージュと捉えることもできる。


企画当初は小学生や中学生を主人公とする案があり、脚本の長谷川圭一は、自身も携わった『仮面ライダーフォーゼ』との差別化も考えて本作では主人公を中学生とする案を構想していたが、最終的には子供たちが憧れを持てる世代として高校生が選ばれた。

また、2013年は『ウルトラマンガイア』放送15周年となる事から、大学生を主人公とした上で同作品の主人公だった高山我夢を大学教授として登場させる案もあった。ちなみに本作の10周年を迎えた2023年7月10日に長谷川はTwitterで女優の薬師丸ひろ子を美鈴の母親で出したかったと語っている。


何かと低予算だと囁かれている作品だが、若干誇張されている面もあり、実際の予算額は後の「新世代ヒーローズ」シリーズと比較しても極端に低かったわけではないらしい(むしろ撮影期間の制約の方がはるかに厳しく、2ヶ月で1クールと映画2本を撮るという過密スケジュールが組まれていたという)。

とはいえ、(通常の特撮番組では)1クールにも満たない非常に短い話数や変則的な放送スケジュール、極めて狭い範囲の舞台設定などを見るに、様々な制約の中で番組制作に取り組まざるを得なかった当時の円谷プロの窮状を窺わせる。


本作が放送開始された8年後の同じ7月10日には『ウルトラマントリガー』が放送開始された。


関連イラスト編集

ウルトライブ!!ウルトラマンギンガ祝!ウルトラマンギンガ


関連動画編集

公式番宣PV編集


第1話予告編集


第1期オープニング編集


第2期オープニング編集


関連タグ編集

ウルトラシリーズ 新世代ヒーローズ 新ウルトラマン列伝


ウルトラマン80:同じく学校を舞台にした作品だが、こちらは主人公が教師を務めている。


ウルトラマントリガー:本作と同じ「ウルトラマンの日」に放送開始されたウルトラシリーズ作品。


ウルトラマンゼロウルトラマンギンガウルトラマンギンガSウルトラマンX


外部リンク編集

公式インフォメーション

Wikipedia

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