「僕はホヤホヤの先生。君たちもホヤホヤの生徒。お互いこの教室で命懸けで頑張ろう」(第1話)
「僕は怪獣と戦うのと同じような気持ちで先生になったんです!」(同上)
「僕もね、ホントは物凄く怪獣が怖いんだ」
「ビルみたいにでっかいし、火や殺人光線を吐くし、顔だっておっかないしね」
「本当に怖いよ。でも、戦うんだ。怖いものに立ち向かっていく…それが本当の勇気なんじゃないかな」(第33話)
「だがそれでもいい。僕は地球を守る為に、M78星雲からやってきた男だ。地球の為に戦って死んでいけるなら、それで本望だ」(第23話)
演:長谷川初範
概要
外見年齢22歳。ウルトラマン80の仮の姿で、ブライトスティックを掲げて変身。正体を隠すため、浜名湖畔出身という架空の履歴を造り上げている。UGM隊員として地球を守る一方、桜ヶ岡中学校の1年E組で一所懸命をモットーに理科教師として教壇に立っている。
第6話では明男少年の輸血の時「A型」と答えているが、ウルトラマンである彼の本当の血液型は不明(演者の血液型はA型である)。
マイナスエネルギーが新たな怪獣を生み出すことに気づき、それを根本から叩き潰すために桜ヶ岡中学校1年E組に赴任。子供たちに正しい心を持たせることで怪獣出現を食い止めようとした。第1話でクレッセントを倒した後、UGMのオオヤマキャップからスカウトされ、平日の日中は教職、平日夜と休日は地球防衛に尽力するという二重生活を送ることになった(普通の人間なら過労で倒れます)。第12話を最後に学校での描写が描かれておらず、地球防衛に専念するために教職を退いたことや、決して生徒たちを忘れていなかったことが後に判明。
第43話からウルトラの星の王女ユリアンが星涼子として地球に留まることになり、以降は彼女を教え導いた。
最終回(第50話)で以前から正体に気づいていたオオヤマの地球人の手で怪獣を倒すという決意を聞き、戦いに加勢しなかった。UGMがマーゴドンを倒したのを見届けると、涼子とともに地球での最後の1日を過ごしてからにウルトラの星に帰っていった。
そして時は流れ、ウルトラマンメビウス第41話で27年ぶりに生徒たちと再会を果たすのである…。
余談
ウルトラマン80のOPの歌詞は、一切の戦意を高揚させる単語が含まれていない。なぜなら彼こそはまさに、「愛と勇気を教えてくれる」「遠くの星から来た男」なのだから。
初期脚本では、地球人の教師である北条明という24歳の青年がウルトラマンとなる素質を持っていて、ウルトラ兄弟(ゾフィーからウルトラマンレオまででアストラは含まれていない)が「ウルトラマンになれる地球人の誕生を待っていた」と北条にウルトラの力を授ける展開だった。
また、演じた長谷川初範にとって、本作は初主演である。
きっかけは『80』の前年に放映のテレビドラマ『熱愛一家・LOVE』で石野真子の相手役で出演していた長谷川を観たプロデューサーに主役候補に選ばれ、面接に呼ばれたことによる。
しかし、長谷川自身はどういった作品の面接なのか聞かされておらず、プロデューサーの満田かずほに「これは何のドラマの面接なんでしょう?」と尋ねると、「君は知らないで来てるのか? ウルトラマンだよ!」と答えられ、そこで初めてウルトラマンの主演を選ぶための面接だと知ったという。
『80』では「初期の教師編が自身のキャラクターに合っていて好きだった」といい、先生という設定に魅力を感じて仕事を引き受けた部分もあったので、路線変更のあおりで(先生の役回りが)終わってしまったのは残念だったと述べている。
その後、2007年のウルトラマンメビウスにも、厳しいスケジュールを縫って同役に客演している。
オファーに当たり、円谷プロダクションのプロデューサー・渋谷浩康から届いた「矢的先生への同窓会の招待状」としての熱い内容の手紙に、長谷川はいたく感動して出演を快諾したという。
関連項目
モロボシ・ダン、おおとりゲン、ヒビノ・ミライ:仮の姿つながり
アスカ・シン:後輩作品の主人公で、演者であるつるの剛士が2022年3月に幼稚園教諭免許を取得したため、ウルトラマン先生が実現されることになった。また、つるの氏は幼少期に『80』をリアタイ視聴している。
地球戦隊ファイブマン、本郷猛(リメイク)、如月弦太朗:こちらも教師のヒーロー。
レインボーマン:本名の読みが完全一致(ヤマトタケシ)。
風切大和:やまと先生繋がりでネタにされる。 あちらは大和先生、こちらは矢的先生。
歴代ウルトラマンの主人公系譜