「ヒビノ・ミライです。よろしくお願いします」
「メビウース!」
演:五十嵐隼士(ウルトラマンメビウスの声も兼任)
概要
外見年齢18歳。ウルトラマンメビウスの仮の姿で、メビウスブレスを使用して変身。
メビウスが、仲間を守るために自らの命を投げ出した宇宙飛行士バン・ヒロトの姿を元に変身した人間態。名前の由来は、ヒロトの父・テツロウから「君のこの星での日々の未来に幸多からんことを・・・」と言われたことから。
新生クルー第1号としてCREW GUYSに入隊し、ルーキーだらけのGUYSで地球の平和を乱す怪獣たちと戦った。性格は、それまでの主人公たちがエリートや熱血漢だったのに対し、非常に純粋無垢で心優しいもの。
元々は、ヒロトを救えなかった(メビウスが地球へ向かう途中で彼が乗った宇宙船に遭遇したが、あと一歩のところで救出に間に合わなかった)謝罪と身代わりになるためにこの姿となってテツロウの元を訪れ、一緒に暮らしたいと申し出たが、テツロウからは「あの子(ヒロト)のことはとっくに割り切っている」「自分のくだらないエゴのために君の人生を無駄にするわけにはいかない」と断られる。そして、地球での身元引受け人として、テツロウがあらかじめ連絡を入れておいた友人のサコミズ・シンゴに引き取られ、GUYSに入隊した。
入隊直後に初めて食べたカレーライスが大好物(第2話で初めて食した)。第35話や、第36話のリュウの「早く来ないとカレーがなくなっちまう」という台詞から、結構な頻度で食べているようで、レシピを覚えて以降はテッペイにも振舞っている。
その言動を不思議がられ、不思議ちゃんと呼ばれている(理由は後述)。
「ウルトラマンは正体を知られたら地球を去らなければならない」というそれまでのウルトラシリーズの流れとは異なり、第29話・第30話で正体がバレてからも地球に留まり、最強の敵エンペラ星人を倒すまで最後まで決して諦めず、不可能を可能に変え続けた(この展開は以降のシリーズでも踏襲されており、中には最初から正体を隠す気がまったくなかったウルトラマンもいる)。
最終回(第50話)でエンペラ星人を倒した後は地球での経験を後進に伝えていくと隊員たちに約束し、光の国に帰っていった。
「最後の戦いが終わった今、僕には新しい使命ができました。この星の人たちとともに得た大切なものを、光の国の新たなウルトラマンたちに伝えていきます。さようなら。今まで、ありがとうございました!」
その後
ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス
エンペラ星人が遺したアーマードダークネスを追って再び地球を訪れ、かつての仲間たちとともにアーマードダークネスと戦った他、新生クルーのハルザキ・カナタと対面。戦いの後、宇宙警備隊から休暇を与えられて暫し地球に滞在することとなった。
大決戦!超ウルトラ8兄弟
地球防衛に就いていた際、劇場版の後から第29話以前に、赤い靴を履いた少女に導かれてウルトラマンが存在しない世界に迷い込んでいる。自分たちが別世界でウルトラマンと知らず平和な日々を送っているマドカ・ダイゴやウルトラ兄弟と対面した他、キングパンドンと戦った。巨大影法師を倒して世界を救った後、もとの世界に帰った。
ウルトラ銀河伝説
光の国がウルトラマンベリアルによって凍結した際、身動きが取れない初代ウルトラマンやウルトラセブンからの指示で地球人のレイオニクス・レイのもとに向かい、ウルトラ一族の真実=ウルトラマン誕生やベリアルの乱を話して協力を仰ぐ。
レイを連れて光の国に戻った後はハヤタやモロボシ・ダンと合流し、ベリアル配下のシャプレー星人と交戦。メビウスブレスが傷つけられて一時的に変身不能となるが、ウルトラマンタロウが守っていたプラズマスパークタワーに残されたわずかな光によって変身可能となり、メビウスに変身して兄たちやレイとともに怪獣墓場に向かって怪獣軍団と戦った。
ベリアルや怪獣軍団が倒されて光の国が復活した後、光の国を訪れたレイやZAPをハヤタやアスカ・シンとともに出迎えた。
このときの衣装は、ウルトラ兄弟が『タロウ』や『ウルトラマンレオ』に客演した際と同一のものである。
性格
ウルトラマンとしては史上初の、地球のことをよく知らないウルトラマンである。例を挙げると以下の通り。
- ツーリングを「釣り」と間違える
- 「地球上には同じ顔の人が3人いる」という噂を嬉しそうに聞く
- 外伝小説では電車を乗り継いでたらいつの間にか仙台まで行ってしまい、帰り方が分からず迷子になってしまう
以上のような行動をやらかしては、隊員たち(主にリュウ)に突っ込まれている。その上、序盤は自分の正体をうっかり喋りそうになることもしばしばあり、唯一最初から事情を知っているサコミズをハラハラさせた。
とはいえ、天然ながらも本質を突いた発言をすることもあり、メロンパンを最初はメロンが入っているものだと思っていたが、ハルザキの指摘でたい焼きと同じく形を似せているものだと理解しつつも、そこまでメロンと似ているわけでもないという評価を下している。
他にも、ウルトラ兄弟から教えられた地球人の善意を信じきっており、それゆえに後半には、地球人にも宇宙人に対して決して許されざる行いをした過去があったり、弱い者いじめをする者たちやウルトラマンを怪獣・侵略者同然に嫌悪する者がいること、そして状況によっては防衛チームやウルトラマンに対して酷薄な言葉を投げかける醜い一面もあることを知って、酷くショックを受けてしまう場面も多々あった。
しかし、優しさと純粋な心は随一であり、前述したように自分やGUYSを非難した市民や、自分を化け物と侮辱した男に対しても、失望こそしたものの見捨てようとはしなかった(後者からは恩を仇で返されているが)。
そんなピュアな心は隊員たちや、地球人と共存を望む宇宙人たちはもちろん、ハルザキや、ウルトラマン80=矢的猛を後押しするのに一役買っている。そのため、涙脆いところがあり、涙を滝のように(現実的な表現ではなく文字通り)流したという一幕も。
基本的には地球人や先輩ウルトラマンに対しては、敬語で接する。その丁寧さはマリナやコノミのように外見年齢より年下の人間であっても、同じ職場の同僚ともなれば敬語で接しているところにも表れている。
一方、子供や女子高生などの若い世代が相手であったり、感情が昂ぶると年上相手でも敬語でなくなる描写が見られたりと、敬語一辺倒というわけではない。
初めて覚えた地球の言葉は「ありがとう」と「ごめんなさい」。前者は女の子が手放した赤い風船をキャッチして彼女に返した際、後者はテツロウから共同生活を拒まれた際。以降、嬉しいことがあったときは必ずお礼を言い、悪いと感じたときは必ず謝っている。人間が歳を重ねるにつれてできなくなることをしている。是非見習わねば。
『ウルトラ銀河伝説』では数千年が経過していることもあって、大人びた言動を見せている。一時的に変身不能となった際には、かつてのミライなら絶対に口に出さない言葉を口に出している。
余談
映像作品での客演は、前述のように『超ウルトラ8兄弟』や『ウルトラ銀河伝説』で活躍し続けていたが、2013年に五十嵐氏が芸能界から引退したため、以降の出番があるかは不明。ウルトラシリーズの主演俳優の引退はウルトラマンGの主役のジャック・シンドーを演じたドーレ・クラウス氏に続いて2人目である。なお、メビウスの掛け声は、近年の作品でも五十嵐氏のものがライブラリ音声として使用され続けている。
ミライとカレー
ミライがカレー好きであることを反映し、フジパンの「金城軒カレーパン」のパッケージイラストにはメビウス、ガンクルセイダー、グドンが描かれた(もう一つのパッケージにはカレー繋がりで初代ウルトラマン、スカイドン、ジェットビートルが描かれている)。
なお、なぜグドンとガンクルセイダーが描かれているのかというとミライがカレーを初めて食べたのが、グドンが登場した「メビウス」第2話であり、この回でガンクルセイダーの後継として運用されたのが「俺たちの翼」ことガンフェニックスである。
そも、ガンフェニックスにファイヤーシンボルが施されているのも、ミライの戦友であるリュウがガンクルセイダーから受け継いできたものであり、いわばセリザワ隊長から続くGUYSの絆の象徴というべきものなのである。
なお、ガンクルセイダーは終盤で改造機である「ガンクルセイダーMX」がリュウの機体として出撃するも、エンペラ星人に撃墜されてしまっている。
以上の理由から、あえてガンフェニックスでないのもリュウを象徴するアイテムだからと言えるのかもしれない。
関連項目
アスカ・シン、高山我夢、藤宮博也、神永新二:最終的にウルトラマンであることが世間一般にバレてしまった変身者つながり