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怪獣使いと少年

かいじゅうつかいとしょうねん

『帰ってきたウルトラマン』第33話のサブタイトルにして、ウルトラシリーズ屈指の問題作。
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概要編集

1971年11月19日放送。脚本:上原正三 監督:東條昭平


差別や未知なるものへの恐怖心、集団心理の恐ろしさを描いたエピソード。

差別や工業発展に伴う環境汚染等、当時の日本社会が抱えていた様々な社会問題に対する痛烈な批判とも取れるその設定。そして民衆の負の一面を強く描写し、当時も今も多くの視聴者に強烈な印象を残した。本エピソードで、善悪というものについて考えさせられたという人もいるであろう。

そのあまりにも過激な内容ゆえに問題作として有名だが、同時に帰マンでも指折りの傑作としてまず真っ先に名を上げるファンも数多い。

そしてなにより、歴代ウルトラシリーズでも他に類を見ない、ウルトラマンが人々に絶望し、一度は戦いを放棄してしまうという衝撃の展開で知られている。


2020年1月に脚本を担当した上原氏が死去したことを受けて円谷プロダクションはその功績を偲び、同社のプレミアムデジタルメディア「TSUBURAYA・GALAXY」において本エピソードを期間限定で無料公開していた(公開期間は既に終了している)。


登場怪獣編集


第33話予告編集

巨大魚怪獣ムルチ

「やめろ! 乱暴するのはやめてくれ!! 金山の胸に鮮血が散る

怒り狂う巨大魚怪獣ムルチ。吹っ飛ぶ車、燃え上がるビル

ウルトラマンの必殺ブレスレットが飛ぶ。さぁ、来週もみんなで見よう!」


あらすじ編集

ある嵐の夜の事。一人の少年が怪獣から逃げていた。

そこに現れた謎の男は不思議な力を使い、その怪獣を地底深くに封印した。


その少年、佐久間良はボロボロの衣服を身に纏い、河原の土を掘り返していた。

そこに不良中学生三人組がからかいにやってきた。いつからか宇宙人ではないかと噂されていた良は三人から陰湿ないじめを受けていたのだった。

良の家と思われる廃墟に近づいた三人は止めに入った良を振り切り二階に上がろうとしたが、突如中学生たちの体が宙を舞い、放り投げられた。


「あいつが宇宙人ならいろんなことができるはずだ」と良は三人に掘り返した穴の中に埋められた上に泥水をかけられ、自転車ではねられそうになったが、間一髪のところで郷秀樹が止めに入った。

「何で酷いことをするんだ?」という郷に対し三人は「あいつは宇宙人だから倒してくれ」と言ってきた。

三人のいじめはさらに続いた。翌日、昼食のお粥を食べていた良の元に現れ、お粥を取り上げて地面にぶちまけ、下駄で踏みにじったのだった。

始めは耐えていた良だったが、ついに我慢の限界を迎えてしまう。突然の事に中学生たちは連れてきていたをけしかけた。だが犬は突然木っ端微塵に爆発してしまった。


そのころMATでは郷によって良の身元が洗われていた。

良は北海道の出身であり、就職目的で上京した父親が失踪。母も病死したことで天涯孤独となり、父を訪ねて自分も上京してきたのだった。

良はれっきとした人間だった。事情を知った伊吹隊長は語る。


「良くんはあの廃墟の中に父親に似た愛のぬくもりを発見したのではないだろうか。もしその父が宇宙人で、そのために良君が宇宙人呼ばわりされ乱暴されて、情愛の絆を断たねばならないとしたら、それは絶対に許されぬ。日本人は美しい花を作る手を持ちながら、一旦その手に刃を握るとどんな残忍極まりない行為をすることか…」


伊吹は郷に良の見守りを命令する。


雨の降りしきる中、良は商店街にパンを買いにやってきたが、パン屋の店主の女性は「後でいろいろ言われるの嫌なんだよ。悪いけどよそへ行っておくれ」とパンを売らなかった。

とぼとぼと帰る良。


「あの子宇宙人なんだって」

「やあね気味悪い」

「悪さしなきゃいいけど……」


するとパン屋の娘が後を追い、彼にパンを渡したのだった。


「同情なんかしてもらいたくないな」

「同情なんかじゃないわ。売ってあげるだけよ。だってうちパン屋だもん」


良は初めて笑顔を見せた。

嬉しさのあまり、駆け出して河原に帰る良。その良に手を振って見送るパン屋の娘。


その後パン屋の店主が

「あの子超能力使えるんだって、毎日買いに来るよこれから…」

と娘を叱るが、

「でも、いいんじゃない。うち、パン屋だもん」

と笑って店主を説得。

店主は呆然とした表情で良を見送るのであった。



廃墟へと帰ると、郷が来ていた。「出ていけ!」と噛みついてきた良を止め、一人の老人が現れる。

ぼさぼさ髪に片目が見えない老人。彼こそがリョウが守っている「おじさん」であった。

おじさんの正体はメイツ星人という宇宙人であり、すでに郷に正体を明かしていた。

リョウが上京したのと同じ時期に地球の気候風土の調査のためにやってきたのだが、怪獣に追われている良を見捨てられず、念力を使って封印し、寒さと飢えに苦しむ良を保護したのだった。

星人はその後人間に変身して「金山」と名乗り、良と河川敷の廃墟で共に暮らし始めた。

その暮らしの中で、良と金山の間には親子愛にも似た絆が芽生え、金山も良とこのまま地球で暮らしてもいいと思い始めていた。


だが地球の環境汚染は徐々に金山の体を蝕んでいき、埋まっている宇宙船を掘り返せないほどにまで衰弱してしまった。良が掘り返していたのは彼の宇宙船だったのだ。

全てを知った郷は、宇宙船探しを手伝う事を決めた。

一緒に河原を掘り返す中、郷は父親について尋ねたが、良は「父親なんかいらない。地球は今に人間の棲めない星になるから宇宙船が見つかったらおじさんと一緒にメイツ星に行く」と返した。


複雑な表情を浮かべる郷。だがその時、町の男達が大挙して押し寄せてきた。


「呆れたもんだ!宇宙人を倒すべきMATが宇宙人と仲良くしてるなんてな!」


「MATが手を下さないなら俺たちがやる!」


MATがいつまでも宇宙人を倒さないと業を煮やし、暴徒と化した人達が武器を手に攻め入ってきたのだ。


「何をするんだ!?僕が何をしたって言うんだ!?」


「宇宙人をつまみ出せ!」


「これには種も仕掛けもあるんですよ!」


「君はそれでもMATなのか!?」


人々に引きずられていく良の悲鳴も、郷の制止の声も、我を忘れ、暴徒と化した人々には届かなかった。

だがそこに金山が飛び出してくる。


「待ってくれ!宇宙人は私だ!良くんは私を守ってくれていただけだ、宇宙人じゃない!さあ、良くんを自由にしてやってくれ!」


一瞬静まり返り、良を解放する人々だったが、宇宙人を放っておくと何をしでかすか解らないと金山に武器を向ける。

大混乱に陥る中、良は「おじさんに酷い事をすると今に大変なことが起きるよ!」と叫ぶ。

だが、警官が放った銃弾が金山に命中。

金山は良を守るために「殺すなら、私を殺せ!」と警官に対して自分を撃つように言い、警官はもう一発銃弾を放ち、それを受けた金山は倒れ伏せ、死んだ。

泣きながら金山の亡骸にすがる良。最悪の事態に陥った悔しさから地面に拳を叩き付ける郷。


その時、地底から怪獣が現れた。

金山が死んだ事で封印が解かれた大怪獣ムルチが復活したのだった。

帰ってきたウルトラマン 第33話「怪獣使いと少年」

驚き逃げ惑う男たちはついさっきまで「宇宙人と仲良くしているなんて呆れたもんだ」と侮辱していたMAT隊員の郷に、怪獣が現れた途端に掌を返し怪獣を退治してくれと叫ぶ。


「頼む!!早く怪獣を退治してくれよ!!」


ムルチはつい先ほどまで残忍な行為をし、今やただ逃げ惑う人々に向かって熱線を吐く

その光景を見ても郷はその場に座り込んだままだった。


「勝手な事を言うな。怪獣をおびき出したのはあんた達だ。まるで金山さんの怒りが乗り移ったようだ…」


金山から事情を聴く事も、良少年の警告に耳を傾ける事もせず、自分達の一方的な偏見で子供に乱暴し宇宙人を死に追いやったのにもかかわらず、その結果現れた怪獣の退治は全部MATに押し付ける身勝手な人々に心底絶望した郷は怪獣と戦うことを放棄し、人々を見捨てた。

ムルチは愚鈍な人々たちに制裁を加えるかのように口から吐く火炎を武器に暴れ回り、町に入った。


誰もいなくなった河川敷。座り込みを続ける郷の前に、一人の托鉢僧が近づいてきた。


「郷、町が大変なことになっているんだぞ。郷、解らんのか?」


立ち上がり怪獣に向かって走り出す郷。

郷を見送るその托鉢僧は伊吹隊長の姿をしていた。

怪獣使いと少年

決意した郷はウルトラマンに変身。降りしきる豪雨の中ムルチと戦い、スペシウム光線でムルチを粉砕した。その断末魔は人間の悲鳴に似ていた。


雨が上がった。だが良は再び穴掘りを始めた。


「おじさんは死んだんじゃない。メイツ星へ帰ったんだ。だから自分も宇宙船でメイツ星へ行くから、その時は迎えに来てくれ」


「彼は一体いつまで掘り続けるつもりだろう?」(上野)

「宇宙船を見つけるまではやめないだろうな。彼は地球にサヨナラが言いたいんだ」(郷)


そんな良の様子を郷と上野は遠くから黙って眺めていた。


その後の良少年の消息…編集

この回以降、良がどうなったかは劇中では一切明かされる事はなく、その最終的な消息や生死は不明であるが、後にウルトラマンメビウス第32話『怪獣使いの遺産』や、その小説版である『アンデレスホリゾント』などで、断片的にではあるもののその後の良がどういう人生を送ったのかが描かれている。


メビウス第32話では、良と幼少期に出会ったという保育園の園長が登場。

園長の話によると、金山=メイツ星人亡き後も一人で宇宙船を掘り進めていた良は、育ての親を殺されて尚も地球に対して絶望する事はなく、メイツ星人が抱いていた『メイツ星と地球がひとつになる』という夢を引き継いで、2つの星を結ぶ架け橋になることを望んでおり、その夢を少女(後の園長)に語った。

そんな良の話を聞いて感銘を受けた少女は、 いつかその言葉を他人にも伝えていきたいと思うようになり、保育園の園長となった。

やがて数十年の時を経て、メイツ星人の息子 ビオと出会った彼女は、地球人に対する憎しみに駆られていたビオにその時の話を聞かせ、彼の怒りを鎮めるきっかけを作った。


小説版『アンデレスホリゾント』ではメイツ星人の事件の後、何度も孤児院に保護されるも、その都度脱走して最終的には件の場所に戻り、宇宙船を探すべく穴を掘り進めていたというが、ある日を境に件の場所からも忽然と姿を消し、その後は完全に行方不明になったという。

因みに、怪獣使いと少年の本編にも登場した良に唯一優しく接していたパン屋の娘は後年、結婚して家庭を設けるも交通事故により他界したというが、その後、残された息子の教育費を送ってくれた『足長おじさん』なる存在がいたとされ、作中では断言されてはいないもののその正体が良である事を窺わせる記述がされている。

同作では少年らが佐久間少年をいじめた理由についても掘り下げられ、佐久間少年がつっけんどんなひねくれ者に見えた事からいじめが始まり、それがエスカレートした結果、あの惨劇が起こったとのこと(仕返しに真空投げ(星人の念動力)を食らわされた事も一因らしいだが、その事を説明した当時の少年らの一人は自分が犯した過ちについて、然程悪びれる様子もないばかりか、「人間には誰しも、誰かをいじめたくなる心があるのではないか?」と半ば正当化or責任転嫁するかのような旨の発言をする始末だった。


しかしメイツ星人の「地球の風土、気候を調べていた」理由も明かされておらず、その来訪目的に悪意は介在しなかったのか、仮に金山に悪意がなかったとしても、彼を派遣した母星の方はどうだったのかについては怪しい部分もある

特に金山からの連絡が途絶えたにもかかわらず、救援一つ送っていない点もメイツ本星側の不穏さを感じさせる。

さらに、金山・メイツ星双方に悪意が介在せず、本当にただ地球の風土や気候を調査するためだけに彼が派遣されたとしても、来訪目的を現地住民に伝えていない以上、彼らから侵略者ないしその仲間と勘違いされてしまうのも無理ない話である。

地球側が似た立場になったケースとして『ウルトラセブン』に登場したアンノンペダン星人がいる。

彼らが地球にやって来たのは、地球からの探査船を侵略目的と誤解した為である。

また、当のMATも本来なら『メイツ星人を保護して、現地住民には本当に悪意のない宇宙人だと伝える』、『それをした上でメイツ星人の宇宙船の発掘作業を行う』のような行動を起こすことが出来たはずだが、それをしなかった以上、MATも一概に被害者とは言えない所があるのは事実ではある。


他方、不法侵入する一方で超能力を行使して怪獣を抑えるなどはまさにウルトラマンがこれまで取ってきた行動と同じであるものの、ウルトラマンがヒーローと認められるだけの積み重ねと、現地の人々を始めとした多数の目撃者がいたのに対してメイツ星人にはそれが無く、その行為の目撃者が良少年一人という状況から起きた悲劇でもあった。

同じセリフが「ウルトラマンパワード」のパワードジャミラのエピソードで言及されている。

「ジャミラとウルトラマンの違いは一つしかない。バルタン星人を撃退したから地球人はウルトラマンを信じたが、そういう相手がいなければジャミラも敵と思える」と。

実際、パワードも前作ウルトラマングレートも、初登場時は地球人からエイリアンと警戒されている。


宇宙人が恐怖の対象であるにもかかわらず、原始的な武器と数を頼りに取り囲むというある意味では滑稽な事態は群集心理の恐ろしさを示しているともいわれている。

また、前述の通り作中の地球は毎週のように怪獣による災害や宇宙人の侵略に晒されている「事実上の有事体制下」であり市民一人ひとりが「宇宙人及びその疑惑の立った人間をかばう」という選択を取りづらくなる同調圧力がかかっていたとも考えられる。

そのようなことをすれば、自分自身も「地球人全体の裏切り者」の誹りを受け、敵対される立場になるという恐怖により皆が極端な行動をとらざるを得ない心理状態に置かれていた。

この心理状態をわかりやすく言うと、怪獣や宇宙人も恐ろしいが「隣人の目も恐ろしい」ということである。


なお、良少年との交流や彼の巻き込まれた事件は郷秀樹(ウルトラマンジャック)にもまた大きな影響を与えており、メビウス第45話における客演の際には前話蛭川光彦との一件やデスレムの策略により、地球人の身勝手で冷酷な一面に触れた事で幻滅しかけたミライ(メビウス)に対し、ミライと同じく地球人の暗部に触れた者として彼を激励している。


「人間を愛するには人間を知らなければいけない」


「人間の強さも、弱さも、美しさも、醜さも。その両方を知らなければ、お前はこの星を愛することはできない」



当時の反響編集

いつか、地球にさよならを

あまりにも過激な演出と救いようのない陰惨な結末ゆえ、TBSの上層部から痛烈な酷評を受け、監督の東條昭平は助監督に降格、脚本を担当していた上原正三最終回まで仕事を干される羽目になった。

また、東條は後年、鳥人戦隊ジェットマンにおいて、スーパー戦隊シリーズ屈指の問題回として有名な『帝王トランザの栄光』の監督を務める事となる。


なお、最初にクランクアップされたフィルムでは、金山老人は「一般市民から竹槍で突き殺される」という、さらに陰惨な最期を遂げており、TBSは受け取りを拒否。やむなく、「警官による銃殺」にトーンダウンしたリテイク版を納品したという(それでも十分以上にショッキングだが)。


実は制作当初はここまで暗い話になる予定ではなく、脚本の中には「次郎とアキが登場し、アキが良にパンを笑顔で譲る」「暴徒と化した市民を止めようとした郷が石をぶつけられて出血。さらには次郎までも木ぎれを投げつけられ倒れる」など坂田家の人々のやさしさとMATのいつもの風景が描かれる予定であった。

こうなった理由は脚本担当の上原正三が「差別はどこにでもあり、立場により変わる」 「本土に行くよりもここで沖縄人として生きてみよう、自分の肌で感じる差別、それが何なのか突きとめてみよう」といった思想や自分の体験を重ね合わせ、単に差別だけを上げただけでは意味がなく一歩を踏み出す勇気が必要であるといった考えがあった故のことであったのだが、監督の東條昭平が映像では坂田家やMATの場面を全てカットしてしまい救いようのない物語として生まれたのがこの物語であった。

上原氏は後年、このシナリオばかりが話題に上がる状況に「あの作品は僕のなかの差別に対する反発がちょっと出すぎている」「自分の本音は殺して書くんですけれども、あのときはナマ(生意気)過ぎたというか」など複雑な心境で語っており、ウルトラセブンの未制作シナリオ「300年間の復讐」が映像化された際に脚本解説の會川昇が「脚本と映像は必ずしも同一でなくてもよいのだ」と言及している。


佐久間良を演じた二瓶秀哉は『ウルトラマンタロウ第31話でもゲスト出演しているが、こちらは対照的に不良中学生役として出演している。


なお予告編では必殺ブレスレットが飛ぶとあるが、本編ではウルトラブレスレットは使われていない。


1分以上の長回しカット編集

ワンダバダバワンダバダ♩ ウルトラマンジャック対ムルチ

とまあ、そのシナリオばかりが語られがちな『怪獣使いと少年』であるが、この話で注目すべきは何もストーリーだけでない。

この回の特撮もかなり気合が入ったものになっており、中でも豪雨の中でウルトラマンとムルチが泥臭い戦いを続ける様をカメラを動かしながら1分以上ワンカットで映すシーンは特に有名。

人間の悲鳴のようなムルチの鳴き声、目の前で金山を失った良の悲壮感を表すような雨、街の人々を守る為にワンダバが流れる中で戦うウルトラマン…といった考え尽くされた様々な演出がその悲劇とも呼べるストーリーをより際立たせるものになっており、精巧に作られた広大なミニチュアセットと相まってその見栄えは現代でも全く見劣りしないレベルである。

その一方でムルチやウルトラマンが何度乗っても全く壊れないどころか亀裂すら入らないやたら頑丈なビルがある点をツッコまれる事もしばしば…。


ムルチの強化態であるゾアムルチが登場する『ウルトラマンギンガS』第12話「君に会うために」では上記の長回しカットが(やたら頑丈なビルも含め)オマージュされている。

この話ではメトロン星人も登場する為、戦う場所は雨の中ではなく晴れた夕焼けが照らす工場地帯であり、二つの話が組み合わさった少々珍しいオマージュがなされている。

ちなみにどちらも知名度があって、初登場した回の放送日が11月19日であるという共通点がある。


余談編集

メイツ星人の地球名・金山十郎の姓は在日コリアンに多い姓を名乗らせたもので、また佐久間良は本編中では北海道江差出身とまでしか述べられていないがアイヌであるという裏設定があると上原氏が沖縄タイムスのインタビュー記事で述べている


また、映画評論家の町山智浩は金山十郎について「関東・関西の工業地帯に居た沖縄からの出稼ぎ労働者」の暗喩とする説も述べている。


関連タグ編集

帰ってきたウルトラマン


怪獣使いの遺産デスレムのたくらみ:後日談。


ウルトラマンタイガ:地球人と宇宙人の共存共栄問題をテーマにしたウルトラシリーズの作品。こちらも宇宙人に対する差別が描かれているが、陰惨な描写はある程度抑えられており、救いのある結末が少なくはない。


ウー:本エピソードの先駆けと言えるウルトラ怪獣。こちらは村社会による差別がメインとなっている。


ウルトラマンデッカー:こちらでは複数の友好的な宇宙人が怪獣対策の中核を担うTPUに所属していることもあり、悪さをしない宇宙人には割と寛容。スフィアの襲撃で母星に帰れなくなったスフィア難民への福利厚生も積極的。


メッセージ(ウルトラマンアーク)お前はギヴァスウルトラマンアークにて描写された、既に死亡していた侵略する意思のない宇宙人の遺産ロボットであるギヴァスが誤解により地球の防衛隊に破壊されるところだったエピソード。だが、こちらはSKIPが助けた別の善良な宇宙人の助言もあり真意が判明し、ユウマの説得が何とか間に合いギヴァスは亡きご主人の悲願であったにたどり着くことができたという、『怪獣使いと少年』とはちがい救いのある結末で終わっている。


空想法律読本:本エピソードを題材に、宇宙人の人権享有主体性を認めるべきであると主張している。

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