曖昧さ回避
データ
年齢 | 1万7千歳 |
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身長 | 60m |
体重 | 5万8千トン |
変身アイテム | デルタプラズマー |
飛行速度 | マッハ26 |
走行速度 | マッハ9 |
水中速度 | マッハ6 |
潜地速度 | マッハ3 |
ジャンプ力 | 1500メートル |
活動限界時間 | 3分間※1 |
出身地 | M78星雲ウルトラの星※2 |
声優 | 岡部政明(『ウルトラマンG』日本語吹き替え版) |
マシュー・オサリヴァン(『ウルトラマンG』原語版) | |
関智一(『ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀』) |
※1、太陽エネルギーの不足ではなく、大気汚染のため3分間しか体を維持できないとされる。大気の汚染されていない環境でどの程度活動できるのかは不明。
※2、原語版では、ゴーデスに故郷を滅ぼされた一族と自ら語っているが明確な出身地は不明。少なくとも近況を見るに吹き替え版ではM78スペースにあるM78星雲の出身らしい事が示唆されており、設定に差異がある。
容姿
他のウルトラマンとは違い、白い体に赤い模様がある(頭部が銀色で身体が白色となっているため、否が応でも他のウルトラ戦士と比較して「浮いている」デザインとなっている)のが特徴になっている。また、目はパールホワイトである。三角形に縁取られたカラータイマー(普段は緑で、限界が近づくと黄色に点滅する)も印象的。
人間時の姿は地球で一体化していたジャック・シンドー。
性格
それまでのウルトラ戦士とは異なり、変身者のジャック・シンドーとは意識が一体化したわけではない。グレートとジャックは身体を共有する相棒のような関係であり、ジャックの行動中でもグレートが助言や警告、洗脳の回避といった手助けをすることがあった。時としてお互いの方針をめぐって意見が対立する場面もあったが、数々の怪獣との戦いを乗り越えてゆき、固い絆で結ばれていく。
ただし、グレートと会話している際のジャックは事情を知らない他人から見るとブツブツと独り言を言っているように見えてしまう。しかも独り言の後には決まって事件が起きるため、同僚からは不吉な暗示として扱われる始末……。
戦闘スタイル
基本的には格闘戦を主体とする接近型のウルトラマンだが、レオの宇宙拳法とは異なり、空手をアレンジした重い一撃を主軸としたウルトラ戦士の中でも独特なファイトスタイルを取っている。グレートの場合は更に光線技も拳から放つ光弾型の物を多く習得しており、技の発動モーションもさながら空手の正拳突きを取り入れた独自の物となっている(近接ではパンチ、遠距離では光線を使い分けるためキックの使用頻度が極端に少ない)。
一方でレオやゼロらと比較するとその一つ一つの攻撃に重きを置いた戦闘スタイルが故に隙を生みやすいという弱みも抱えており、実際本編では敵の反撃を受けて気絶してしまうという場面も見られた(この間に犠牲者を出してしまったこともある)。無論本人もこの弱点は理解しているのか、敵の光線やエネルギーを吸収、逆に自らの技として撃ち込むマグナムシュートなどのカウンター技も持っており、敵の攻撃を逆に利用して勝利するというパターンも多い(ただし、終盤ではカウンターを更に跳ね返すグレートの天敵とも言えるコダラー相手には流石に受けきれずに敗北を喫している)。
必殺技
光線
手を上下に開いて放つプラズマ。一応グレートの最強必殺技だが、あまり使われない。
- アロービーム
弓を引く体勢からエネルギーを収縮、最後には溜め込んだエネルギーを右腕に集めてナックルシューターの要領で撃ち込む強烈な必殺技で、ディスクビームすら耐え凌いだバランガスを見事に打倒した。
- ディスクビーム
手を開いて突出した先から青い円盤状のエネルギーを集めた後に右腕から放出する決め手の一つ。マジャバ(雌)やバランガスに対して使用されている。
- フィンガービーム
指先を閉じたピースサインから放つ光弾。両手同時発射が可能で、バイオスとの戦いでは高速リロードを繰り返し5連射で倒すことに成功した。なお、この時には銃のようなリロード音が鳴っていたのが特徴。
- ナックルシューター
拳を突き出して放つ光弾。正拳突きのように連射できる。基本的には牽制技として使われるためか、グレートの必殺技の中でもそこそこ使用頻度が高い。『UGF大いなる陰謀』においてはリブットの特訓で単体で使用している。リュグロー戦等では両手から光弾を2発同時に発射する場面も見せた(上記イラスト)。
- パームシューター
掌底から繰り出すナックルシューターと判別しづらい技。一応設定上ではナックルシューターの強化版らしい。ダブルグレートスライサーにより致命傷を受けたシラリーにトドメの一撃として使用されたりもした。ちなみにウルトラカプセルの必殺技音声ではこちらが選ばれている。
- ディゾルバー
両腕を突き出して発射する命中したモノを原子レベルで分解してしまうという恐ろしい光線。ぶっちゃけこれが最強技でよくね?とはファンの中でもたまに言われていたりするが、ゴーデス(第1形態)には力尽きた所で照射するも粒子状態となって逃げられてしまい、続く第2形態には格闘戦からシームレスにゼロ距離発射するも全く効かずに逆に吹っ飛ばされてしまう等、完全に消滅できたのはギガザウルスだけとそんなに戦績は良くなかったりする。
恐らくゴーデス(第1形態)やギガザウルス戦のように、爆発せずにゴーデス細胞などの遺恨を残しかける怪獣の死体などの事後処理を行うのがディゾルバーの本来の役割だったと推測される(第2形態戦を見る限り、純粋な攻撃技としても使用できるようだが)。
- スタービーム
星型手裏剣を発生させて、敵に投げつける。
※日本ではこのように名前が付いているが、現地では「同じ光線(パーニングプラズマ)を必要に応じて形を変えてるだけ」という解釈だったらしく(いくつかの光線のポーズが定まっていないのはそのため)、そういう意味ではパーニングプラズマの派生技といえよう。
その他
- マグナムシュート
相手の放つ光線、冷気、火炎などのエネルギーを吸収して撃ち返す攻防一体の技。ある意味ではグレートの奥の手とも言える技であり、ギガザウルス、ゲルカドン、デガンジャなど多くの強敵を打ち倒した。実際これを破ったのはコダラーのみとバーニングプラズマより戦績が良いという中々優遇された必殺技と言えるだろう。
グレートの技で1番多くの敵を倒しているため、ビデオ『ウルトラマンVS仮面ライダー』ではバーニングプラズマではなくこの技がグレートの必殺技として紹介された。
- グレートスライサー
光の剣を作り出し相手を切り裂く技で、マジャバの腕を切断するほどの威力を持つ。光の剣をアグルやマックス、メビウスなどに先駆けて使用している。
- ダブルグレートスライサー
グレートスライサーを両腕から放出した強力な必殺技で、核にすら耐え抜く頑強さを誇るシラリーの首を連続で切り裂いて致命傷を負わせた。後のマックスギャラクシーやメビウスブレスなどの道具に頼らないグレート独自の技なためか、若干光剣が不安定であるという違いが存在する。本人も意識していたかは定かではないが、マックスらと比べると短時間しかスライサーを出現させていない辺りグレート自身も使い辛いとは思っていたのかもしれない。
- ナックルボルト
握り拳に電撃を発生させる。映画版でのみブローズに対して使用している。
- 透視光線
目から物体を透視する光線を放つ。
- スピンガード
体を回転させて敵の攻撃を防ぐ。
- グレートガード
敵の吐き出す光弾を両腕で防ぐ。グレート自身が格闘戦が主体なウルトラマンなのもあってか、敵の攻撃を防ぐ際にはよくこちらが使用されている。
- トライアングル・シールド
両腕の間に発生させた三角形のバリヤーで敵の攻撃を防ぐ。防御範囲が顔の周辺のみと絶妙に狭いためか、使用されたのは僅か1回だけと実はバーニングプラズマより使用頻度が低い。
- 十字光線
『レグロスファーストミッション』で初使用。
両拳を胸の前へ添えた構えの後、腕を十字に組んで光線を放つ。
グレートはウルトラ戦士の大半が持つことが多い、両腕を十字、またはL字型に組む形の必殺光線を使う描写がなかったが、長い年月を経て漸く使用された(ただし『新世紀ウルトラマン伝説』では他のウルトラマン共々スペシウム光線を放つ描写がある)。
スーツについて
ボディの素材は化学繊維で、他のウルトラ戦士と違った柔らかな印象を与える。これは西洋人の体型を魅せるという意図があり、スーツアクターの身長は2メートルあったという。また、ファスナーが前に付いたスーツもあり、カットによって使い分けている(玩具宣伝には従来のウェットスーツ版もあった)。
マスクは覗き穴が目立たない処理が施されており、次作『パワード』でも受け継がれている。ただし平成三部作や『ウルトラマンコスモス』には、従来通り覗き穴がある。覗き穴の処理が再び行われるのは『ネクサス』以降。
以降のシリーズでの扱い
映像作品
新世紀ウルトラマン伝説
第1作で登場したほか、第2作でウルトラマンキングの誕生日を祝うために登場し、観客としてダンスを鑑賞する(他のウルトラマンにも言えるが、扱いとしては完全にモブであり、そこまで目立った活躍をしていたわけではない)。
ウルトラ銀河伝説
ウルトラマンベリアルが宇宙牢獄から脱獄して光の国を襲撃した際に、他のウルトラ戦士と共に立ち向かうが、見せ場らしい見せ場も与えられずに蹴散らされてしまった。
その後、光の国の凍結に巻き込まれてしまうが、終盤に無事に復活。
聴衆に交じってウルトラマンキングの演説を聞いていた。やはりというか、今回も扱いはモブに近いものである。
ちなみに、この時期の光の国はまだ別次元への移動技術は発展途上にあり光の国の全人口の光を結集してやっと1人別世界へ送り込めるという状態で、複数人が他世界へ移動できるようになるのは『キラーザビートスター』や『ウルトラマンサーガ』まで待つことになる。この事から『銀河伝説』は時系列的に本編『G』よりも前の時間軸なのではないか?という考察もされている。
ウルトラマン列伝
第100話では放送100回を祝してウルトラマンゼロが番組冒頭でグレートからのお祝いのメッセージを伝えようとしたが、ウルトラマンベリアルとダークネスファイブがビーコンの能力で番組をジャックしてしまったため、グレートからのメッセージを伝えることはできなかった。
ゼロはグレートのことを「グレート先輩」と呼んでいたが、それまでウルトラマン列伝ではグレートに関する紹介などは殆ど無かったため、ゼロの口からいきなりグレートの名が出て驚いた視聴者も多かった。
おそらくウルトラマンジャックが活躍する『帰ってきたウルトラマン』に登場する怪獣ビーコンが電波ジャックするという番組の内容を考えると、グレートが話題に出たのは「ジャック」繋がりということだろう。
新列伝最終回でのウルトラ戦士総出演のカットにも登場した。
UGF大いなる陰謀
「時間が惜しい…悪いが、手荒な特訓になるぞ?」
本編映像作品に久々の登場が決定。
声を演じるのはグレンファイヤーと同じ関智一。本作ではエンペラ星人も兼任。
K76星で、パワードと共にリブットの特訓をする。『G』本編での経験からかゴーデス細胞の恐ろしさをリブットに説き、3日かけてリブットの潜在能力を解き放つべく言葉通りパワードと手厳しくリブットを鍛えた。
リブットはこの時の特訓について、「倒されては起き上がり、起き上がってはまた倒され、その連続だった」「もう駄目だと思う瞬間も何度かあった」と後にボイスドラマで述懐しており、視聴者が想像しているよりも遥かに厳しく壮絶なものであったようだ。
リブットが力(シラットや覚悟)に覚醒すると、合格の証として装備品のリブットブロッカーを授け、そのままパワード、リブットと共にマックスを救出すべく惑星ミカリトへと向かうも、スラン星人の妨害に遭い戦闘になる。スラン星人の格闘攻撃を的確に裁き、原典と同じく重々しい攻撃を喰らわせ、最後はバーニングプラズマを放ち撃破した(地味に高速移動中のスラン星人に一発で命中させるという離れ業をやってのけている)。
マックス救出に成功した後、光の国に帰還し、宇宙警備隊本部でゾフィーに今までの経緯を報告した。
大いなる陰謀の監督を務めた坂本浩一監督は、ウルトラ銀河伝説の監督も務めておりウル銀では前述のようにパワードとマックス含めモブキャラ同然のあんまりな扱いだったため本格的に演出するのは初めてである。
パワードと共にグレートの師匠になったのも海外ウルトラマン同士を絡ませたいという監督がやりたかったことに加えリブットがシラットグレートが空手パワードが相撲の張り手と異種格闘技によるコミュニケーションを取らせるという狙いがあって設定された。
ウルトラマンレグロスファーストミッション
「お前がベリアルを誑かしたレイブラッド星人か」
ウルトラフォース、パワードと共に惑星マイジー近郊をパトロール中、ゾフィーからウルトラマンレグロスの救援の指示を受け急行。レグロスにレイバトス(レイブラッド星人)を任せ、自身は用心棒怪獣ブラックキングの相手を引き受ける(実はお互いジャックが関係している)。
フィンガービームの連射で怯ませた隙にグレートスライサーで切り裂いて撃破した。
別次元から帰還してレイブラッドに加担したザラブ星人を倒したリブットも合流し、合体光線でレイバトス(レイブラッド星人)を倒すもレイブラッドの思念には逃げられてしまう。
その他のメディアミックス
ウルトラマン超闘士激伝
漫画版では一匹狼のような性格。第4章での彼の扱いに関してはショッキングな展開がみられる。
コンパチヒーローシリーズ
彼の登場した1990年代前半はウルトラマン、仮面ライダーがともに不作の時代であり、同シリーズでは仮面ライダーBLACKRX、機動戦士ガンダムF91と共に「新コンパチ御三家」としてかなり長い間登場し続けていた。ある意味当時と現在とではまるっきり立場が逆転している。直撃世代でも「キャラクターは知ってるけど原作は未見」「グレートは知ってるけどジャックは(ry」な人は多いんじゃなかろうか…
バトルドッジボールでは他所のグレートとの名前被りのためかグレ「イ」ト表記で登場した。
新作であるスーパーヒーロージェネレーションでは相方と言えるガンダムF91が参戦したためまさかと思われたが結局不参戦だった。
表記について
作品名の表記は『ウルトラマンG』だが、キャラクター名としては専らカタカナ表記の「ウルトラマングレート」で紹介されている(エックス、ゼット、ルーブについても同様であるが、Aはちょっと特殊)。
例外として、日本語版本編のテロップ上においては「ウルトラマンG」表記となっている。
pixivのタグとしては、「ウルトラマングレート」ではウルトラマンGに登場する他の怪獣やキャラクターも多くヒットしてしまい、「キャラクターとしてのウルトラマングレート」用のタグとしてはあまり機能していない。
小ネタ
グレートの掛け声とカラータイマーの警報音は吹き替え版で、どちらも初代ウルトラマンのものに差し替えられているが、これは「原語版の音声がウルトラマンとして違和感が大きいのではないか?」という日本語版でジャックを演じた京本政樹氏の意見を反映したもの(特にカラータイマーの音はブザーの様で歴代トップクラスで浮く)。ただし原語版がいいというファンもおり、他媒体では原語版の掛け声が使われている場合もある。
上述の『大いなる陰謀』でも、関智一の新録による掛け声が使われたが、原語版の雰囲気を再現したものになっていた。
企画時、海外スタッフが設定書を見ながら日本スタッフに「なぜ彼は何も装備していないのに飛べるんだい?」と聞いた(彼はスーパーマンが空を飛べるのはマントがあるためと勘違いしている節がある)。日本スタッフはこう答えた。「それは彼が宇宙の神だからだ」。すると一神教信者であるはずの彼は思わず納得した。
…というエピソードがしばしば語られるが、これは正確には同じく海外制作の「ウルトラマンUSA」に関する逸話であり、さらに言うとこのようなやり取りが実際にあったという明確な出典も不明な都市伝説である。
二見書房『ウルトラマン99の謎』によれば、「マントがないと飛べない」というのも日本人スタッフの彼らはそう思っているのであろうという一方的な主観として語られているのみである。
変身アイテムのデルタ・プラズマーは、ヒーロー物では珍しいペンダントだったりする。変身法もポーズや掛け声ではなく瞑想である。
エイプリルフールの円谷プロダクションWEBサイト(円谷ッター)では、ガチムチパンツレスリング風のキャラクターとして扱われており、ウルトラマンタロウに恋愛感情を抱いているかのような扱いをされている。
ただし、このネタを公式設定と誤解して、場を弁えずに振り回すのは不快感を与えるので注意。
ゾフィーに関しても言えることだが、あくまでエイプリルフールネタであることを忘れずファンを不快に思わせないことが肝要である。
マンガ家島本和彦によるコミカライズ版(テレビマガジン)がある。 ⇒ 単行本は中古書で入手可能…だったが2016年12月に新装版が発売。
1995年にPSで発売されたソフト『PDウルトラマンインベーダー』では、【地球の大気汚染に対応しきれず、十数回戦って去った戦士。オーストラリアでこれだから、東京だったら三日もたなかったかも】というあんまりな解説文がステージ開始前に挿入される。