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曖昧さ回避


概要

主に、東南アジアマレーシアインドネシアシンガポールブルネイベトナムで盛んである。インドネシア語ではプンチャック(Pencak)といい、インドネシア式のシラットは『プンチャック・シラット』と呼ばれる。


拳法武器術を含む武術であり、地域によって500以上の流派があり 、組手を通じて稽古を行う。

また、精神修行の一面もあり、呼吸法瞑想などの修行を通じて精神統一を行い、集中力を養うことで「インパワー(気の力)」の習得し感覚を養うなどの練功法も存在するとされている。


シラットには「稲穂の教え(イルム・パディ)」という基本思想があり、鍛練を積むに従って

礼節や他人への思いやりを身に付け、心豊かに生きる」ことを理想としており、

崇高な精神と品格を備える

同胞を尊敬し、友愛と平和を守る

常に前向きに考え行動し、創造性と力強さを持つ

真実、公正、正義を守り、 試練や誘惑に立ち向かう

常に自身の言動に責任を取る

といった「5つの誓い」が存在する。


それぞれ伝えられている土地でのアニミズム(精霊信仰)やシャーマニズムなどの土着信仰とも関わりがあり、イスラム文化圏ではイスラム教との繋がりもあるという。


シラットを行う者は「プシラット(pesilat)」と呼ばれる。


国による名称

インドネシア式

マレーシア式


日本との関係

当時のインドネシアはオランダ植民地として、現地民族は白人奴隷同然に支配されており、シラットは反乱の火種になるとしてオランダ当局から禁止されていた。

復興するのは戦後独立してからであるが、実はシラットの復興には日本も関係している。

第二次大戦中において、日本は蘭印作戦によってオランダをインドネシアから撃退した後、予てより白人からのアジア解放を目標とし、更に「インドネシアのオランダによる支配からの解放」を強く志向していた今村均将軍が統治を行ったこともあり、日本当局は逆にシラットを奨励した。


さらに日本軍は簡潔で習得が容易な「近代シラット」とでもいうべき体系を作り、 広める事でインドネシア人の戦闘能力を短期間に上げることを計画した 。

そのため日本当局はジャカルタに各流派の師範を集めて統一型の制定を依頼し、その結果12のジュルスが制定され 「プンチャック(Pentjak)」という教本にまとめられた。

この時期には日本とインドネシアの武術家の交流も行われたという。


当初この体系はインドネシア人には不評であったが、戦後再びオランダがインドネシアを支配しようとした時、現地の人々が独立を求めて立ち上がった(インドネシア独立戦争)際に、近代シラットは短期間に独立軍兵士の戦闘能力を高め、戦いにおいて白兵戦術として活かされインドネシアの独立に大いに貢献した。


この頃にインドネシア語の「プンチャック」とマレー語の「シラット」をあわせて「プンチャック・シラット」という名称が生まれたという。


また、琉球時代の沖縄は、後にイギリスオランダ植民地下から日本による解放を経て、マレーシアインドネシアとして独立する地域に存在した『マラッカ王国』と、古来から盛んに交易を行っており、後に空手の源流となる琉球古武術手(ティー)』には、稽古法や武器術など、シラットの影響を強く受けたとされる共通点がある。


武器との関わり

シラットはフィリピンの格闘技(エクスリマ(別名:カリ)程ではないが、武器との関わりが強い。

というのも銃器が誕生する以前は素手の格闘よりも武器の修練を行った方が価値があると考えられていた為、現在でも武器を併用するシラットの修練を行っていない者は修練が不完全だと考える伝統的な流派も存在する。


そのため、シラットの格闘は打撃をナイフやマチェーテによる斬撃に置き換えても成立するように作られている。

ただし、インドネシア国内の現在のシラット流派はそれらを古い考えとして扱い、そこまで重要視していない。

現在併用して使用される武器で最も有名なのはカランビットナイフである。

使い手

創作物では強者が遣う武術として描かれることが多い。

映画の中での使い手

ラマ/演:イコ・ウワイス(ザ・レイドザ・レイドGOKUDO)

マッド・ドッグ/プラコソ/シノビ#2/演:ヤヤン・ルヒヤン(ザ・レイドザ・レイドGOKUDOジョンウィック:パラベラム)

キラーマスター/シノビ#1/演:セセプ・アリフ・ラーマン(ザ・レイドGOKUDOジョン・ウィック:パラベラム)

ラム・ロワン/演:タナーヨング・ウォンタクーン(アジョシ)

ドラマの中での使い手

井上薫/演:岡田准一(SP警視庁警備部警護課第四係)

伊佐山菜美/演:綾瀬はるか(奥さまは、取り扱い注意)

ウルトラマンリブット(ウルトラシリーズ)

アニメ、マンガの中での主な使い手

シルクァッド・ジュナザード(史上最強の弟子ケンイチ)

ラデン・ティダード・ジェイハン(史上最強の弟子ケンイチ)

インダー・ブルー(史上最強の弟子ケンイチ)

狡噛慎也(PSYCHO-PASS)

槙島聖護(PSYCHO-PASS)

片原烈堂(ケンガンアシュラケンガンオメガ)

三朝(ケンガンアシュラケンガンオメガ)

ロロン・ドネア(ケンガンオメガ)


また、この他にもシラットそのものは登場しないにしろ、ザ・レイドでのアクションが呪術廻戦チェンソーマンにも影響を与えている。


動画

インドネシア映画『ザ・レイド』より


関連タグ

東南アジア

インドネシア

マレーシア

インドネシア独立戦争

武術


外部リンク

日本プンチャック・シラット協会

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