解説
少林寺拳法とは、開祖である宗道臣によって、戦後すぐの頃に創始された日本の武術・護身術である。
誤解されやすいが、中国拳法の一つ少林拳とは別の、日本で生まれた武術である。しかし、少林拳の発祥地嵩山少林寺とは、宗が嵩山少林寺の門派の1つである北少林義和門拳の第21代正統継承者であり、少林寺拳法も少林拳を参考に再編された経緯から、現在も交流がある。
元は、宗道臣が戦後の混乱を目の当たりにして、青少年指導のための教えを説いたところ、まったく相手にされなかったので、若者へのアピールのために格闘技を教え始めたのが始まりである。
このため、格闘技であると同時に宗教でもあり、統括団体の一つ「金剛禅総本山少林寺」は宗教法人格を持っている。
かつては卍をシンボルマークとしていたが、ハーケンクロイツと混同されることを防ぐために、現在は0が二つつながったような「双円」に変更している。
金剛禅
少林寺拳法におけるスピリチュアルあるいは宗教的側面である。「天」(ダーマ)を命の源とし、人の内心に神仏を見いだす。その教えは短い「教典」に要約されており、巻物のような形で制作される。
「拳禅一如」の信念のもと座禅を組み、呼吸を整えて行う「鎮魂行」において読み上げられる。「教典」とは「経典(お経)」ではない、という意味でのネーミングである。実際、様々な武道・格闘技の書籍でも「マニュアル」「教本」の意味で使われることがある。
少林寺拳法の出自を語る起源譚(歴史学的には証明されない団体・流派側の主張である)において、禅の初祖とされる達磨大師が言及されている。彼がインドから中国に持ち込み、少林寺拳法の源流となるに至った、と想定されているのが「天竺那羅之捔(てんじくならのかく)」「阿羅漢之拳」である。
少林寺拳法の道場には祭壇がもうけられ、達磨の像が安置される。達磨像の両側に金剛力士(仁王)像が配される事もある。とても立派なものでその部分はさながら仏教寺院かお堂のようである。
達磨が亡くなったとされる10月には「達磨祭」が執り行われ、改めて、より修行に励むという誓いがなされる。
少林寺拳法の実践者には様々な宗教的背景の人がおり、拳士のスタンスによって鎮魂行で唱える部分から上述の東洋思想的な内容を含んだ礼拝詞と道訓を除外する事もある。
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