概要
テレビ東京系で2000年10月4日から2001年6月27日まで放映されたロボットアニメ。全38話。後にCDドラマが3編製作されたほか、スーパーダッシュ文庫からノベライズ前後編、外伝が発表された。コミックボンボンでも今木商事の作画によるコミカライズが掲載されていたが、荒唐無稽な超展開からキャラの進退と結末が異なる。放送当時では珍しかったWebサイトが存在するなど先駆的な作品でもある。
のちに『機動戦士ガンダムSEED』シリーズを手掛ける福田己津央、両澤千晶コンビがメインスタッフを務めた作品である。
企画のコンセプトは『アニメ雑誌が来ない様な作品』。子供向けのロボットアニメを意識して飽きさせない様に1話づつじっくりと描くのではなく、テンポ良くジェットコースターの様に怒涛の展開を選んでいる。テーマも『友情』とド直球であり、それに対応してのダブル主人公と話題も多かった作品である。その一方で謎の少女、戦う母、熱血青年、仮面の男、アイドルグループと、監督らスタッフの考えによるターゲットはかなり幅広い年齢層を意識していたことが後のインタビューなどで語られている。
企画段階では多数のGEAR戦士が試合を行い勝敗を競うというゲーム的展開なども考えられていたが不採用になった。また主人公も双子の兄弟というのが初期案だった。
当時発売された玩具はモーターとギアの連動で手足のタービンが回転し、別売りのギアコマンダーを用いての回転速度の設定やデータウェポンなどの連動など玩具的に画期的なものだった。フルアクションモデルである『メテオアクション』や『メテオファイル』も発売、~アクションは単品版、~ファイルはデータウェポン同梱版となっていた。当時の売れ行きは芳しくなかったものの、デザインと作品自体の高評価によって『スーパーロボット超合金』など立体物に恵まれており、最近発売されたスーパーミニプラでは「フルアーマー電童」のオプションまで立体化されるといったことまで起きている。
『スーパーロボット大戦』ではRとMX、X-Ωに参戦。
元々3クールのため打ち切りではないものの玩具に関しては売上不振だった。しかし作品の出来自体は好評で続編の話があったが、監督が『機動戦士ガンダムSEED』の準備があり断ったとのこと。この際の『電童2』の没デザインは放送終了後に会員制の公式サイト企画『電童ファンクラブ』にて掲載された。
当時、アニメの制作環境が従来のセルアニメからデジタルアニメへの過渡期ということもあり、セル画とデジタル作画を併用して製作されている。バンクや一部のシーンで彩色に違和感があるように感じるのはその為。なお、第27話から全編デジタル作画に完全移行した。(それ以前に第14話で試験的に全編デジタル作画を行っている)
あらすじ
星が綺麗なある夜。遥かな夜空から、一人の美少女と、6つの光が落ちてきた。
それから17年の月日を経て、あらゆる知的生命体を滅ぼそうと目論む機械帝国ガルファが、遂に地球にその侵略の牙を剥いた。月に前線基地螺旋城を建造したガルファは、恐るべき機獣を作り出し、地球抹殺を敢行する。
星見町に暮らす空手少年の出雲銀河と、越して来たばかりの草薙北斗は、機獣から逃げ惑ううちに、廃墟と化したドーム球場の中から現れた青いロボットに捕まり、コックピットに誘導されてしまう。わけもわからぬまま、仮面の美女・ベガに言われるがままに銀河と北斗は青いロボット_電童を動かし、機獣を撃破する。
ベガの所属する秘密組織GEARに入ることとなった銀河と北斗は、世界中に散ったデータウェポンをすべて回収し、ガルファを撃退する為に戦うことを決意する。
登場人物
地球人
- 出雲銀河(CV:松岡洋子)
- 草薙北斗(CV:進藤尚美)
- エリス・ウィラメット(CV:鶴野恭子)
- 出雲みどり(CV:加藤優子)
- 出雲乙女(CV:根谷美智子)
- 出雲源太郎(CV:河合義雄)
- 出雲源一(CV:速水奨)
- 草薙圭介(CV:一条和矢)
- 渋谷長官(CV:西村知道)
- 吉良国進(CV:野島健児)
- 浅野愛子(CV:芳野美樹)
- 早瀬久美(CV:根谷美智子)
- ダン・マクレガー(CV:石塚堅)
- クリス・ウェルナー(CV:一条和矢)
- ケニー松村(CV:石川大介)
- リンダ・スー
- Dr.井上(CV:高戸靖広)
- リズ
- 西園寺実(CV:岸野一彦)
アルクトス人
機械帝国ガルファ
登場メカニック
各話リスト
話数 | サブタイトル |
---|---|
1 | 始まりの日-電童出撃- |
2 | 出現!ユニコーンドリル |
3 | 騎士凰牙来襲! |
4 | 戦慄の螺旋城 |
5 | 炸裂!バイパーウィップ |
6 | レオサークルの勇気 |
7 | 突撃!ブルホーン |
8 | 新しい仲間 |
9 | 消えたデータウェポン |
10 | 電童破壊0秒前 |
11 | 決戦!電童対凰牙 |
12 | 危機の予感 |
13 | 銀河の父、帰る |
14 | 電気が無い! |
15 | 怪談!学校のデータウェポン |
16 | 月の悪魔 |
17 | ラゴウの牙 |
18 | 深度8000Mの戦い |
19 | よみがえる命 |
20 | 燃えろ!銀河!! |
21 | 黒騎士復活! |
22 | 母の秘密 |
23 | 閉ざされた記憶 |
24 | 長い夜 |
25 | 炎の中で |
26 | 螺旋城の落ちる日 |
27 | 忍び寄る影 |
28 | スバルの挑戦 |
29 | 北斗の危機! |
30 | 最大の敵! |
31 | 北斗の叫び、銀河の涙 |
32 | 飛べ!スバル! |
33 | GEAR壊滅! |
34 | ゼロ・アタック!! |
35 | 発進!宇宙(そら)へ |
36 | 嵐の海 |
37 | アルクトスの真実 |
38 | 星の伝説-そして、始まりの日- |
余談
本作は当初同じサンライズ作品である無限のリヴァイアスの後番組として、2000年4月開始~12月放送予定で製作される筈だったのが、製作遅延で半年延期となった(半年分の穴埋めは別の番組で補った)。最終展開で放送が6月なのに劇中の季節が冬だったのもそれが原因である。
当初は「20世紀最後のロボットアニメ」というキャッチコピーで放送する筈だった。
スパロボでの電童
上述の通りスパロボには2回参戦しているが、プロデューサーの寺田貴信曰く「スタッフとしても嫌いな作品ではないが、原作再現などの様々な制約のせいで「スパロボ殺し」な作品」らしく、そのせいで再参戦が中々叶わないとのこと。
例を挙げるなら
- 補給装置で回復できず、弾数制で補給では補充できないハイパーデンドーデンチ
- ファイナルアタックを使用すると強制的に残りENが10。しかも威力もそこまで高くない。
- データウェポン装備は『変形』扱いで能力はそのデータウェポン装備時しか使えない
- ただでさえ最近のスパロボは作画コストが高いのに、凰牙は1機ごとに最低7種類のフォームが必要となり、おまけに電童はそれに加えてDWを全部装備した形態とフルアーマーも含めて9種類必要となる
などデメリットがかなり強調され、扱いにくい。シナリオの中核を為すせいで強制出撃が多い。下手したら生身ユニットのベガのほうが強い。
フルアーマー形態や挿入歌の実装も、発売延期によって生じた開発期間の中でかなり無理して入れてもらったらしい。
関連タグ
イェーガー(パシフィック・リム)…「2人の操縦者が」「左右に並んで」「動きを同調させる必要がある」つながり。
熱血最強ゴウザウラー…舞台となる春風町の外観デザインが流用されている。