俺達には救いなんかいらない
概要
1999年10月6日から2000年3月29日にテレビ東京系で放映されたサンライズ製作のSFアニメ。全26話。
『十五少年漂流記』や『蝿の王』をモチーフとしており、宇宙船という閉鎖空間で、大人達から追われる立場となった少年少女達の苦悩を描く群像劇が展開される。(やや年齢が上の視聴者からは『人数が多くて暗いバイファム』と言われることも)
谷口悟朗が監督として初めて手掛けたTVアニメであり、本作で主演を務めた白鳥哲などは以降も谷口の作品でキャスティングされる事が多い。
余談だが、本作でシリーズ構成を務めた黒田洋介も、サンライズからオファーが来た際に「ガンダムを書かせてもらえる」と勘違いしており、黒田がガンダムの脚本を手がけるまで、それから7年の年月を要している。
ストーリー
2137年、大規模な太陽フレアによって出現した高密度のプラズマ雲が黄道面を境に太陽系の南半分を覆いつくし、地球も南半球が壊滅、17億もの人命が失われる被害を受ける。
2225年、地球の衛星軌道にあった航宙士養成所リーベ・デルタは何者かの襲撃によって制御不能になる。
その時、リーベ・デルタ内部に隠されていた外洋型航宙可潜艦「黒のリヴァイアス」が起動。
リヴァイアスに避難できたのは少年少女ばかり487人。
彼らはなぜか自分たちを救助してくれるはずの軌道保安庁から攻撃を受け、戸惑い、混乱しつつもこれと戦い、そして更には密閉された極限状態にある艦内で生き残りをかけた物語が始まる。
(公式サイトより引用)
登場人物
本作のキャラクターデザインなどの特徴として、過去のアニメやゲームのキャラクター、当時話題だった有名人やサンライズスタッフをモチーフにしたものが多いという特色がある。
メインキャラクター
ツヴァイ
キャラクター名 | CV |
---|---|
ユイリィ・バハナ | 氷上恭子 |
ルクスン・北条 | 島田敏 |
シュタイン・ヘイガー | 千葉一伸 |
アインス・クロフォード | 永澤菜教 |
ケヴィン・グリーン | 保志総一朗 |
チック・クラート | 遠近孝一 |
クライス・モラーテ | 遠近孝一 |
グッド・タートルランド3世(チャーリー) | 桜井敏治 |
ラン・ラックモルデ | 豊口めぐみ |
カラボナ・ギニー | 南央美 |
ブライアン・ブラブ・ジュニア | 江川央生 |
グラン・マクダニエル | 檜山修之 |
チーム・ブルー
ファイナーズ
その他の乗組員
大人たち
キャラクター名 | CV |
---|---|
コンラッド・ヴィスケス | 若本規夫 |
エリック・キャンベル | 堀内賢雄 |
セルゲイ・ベルコビッチ | 中嶋聡彦 |
下村由吉 | 菅原正志 |
矩継真琴 | 遠近孝一 |
ギッター・ペンティアム | 辻親八 |
アリス・アスターシャ | 愛河里花子 |
アンナ・ド・ポンパドゥール | 豊口めぐみ |
マーヤ | - |
回想のみの登場
キャラクター名 | CV |
---|---|
相葉律子 | - |
耶麻沢ケイコ | - |
アゼリア・キャンベル | - |
尾瀬カオリ | 氷上恭子 |
ソリス・マクベイン | - |
アンジェ・ヴィスケス | 佐久間レイ |
各話リスト
話数表記に用いられる「Sere」は劇中でゲドゥルトの海を潜航時の深度単位である。
Sere1 | きたるべきとき |
---|---|
Sere2 | よけいなこと |
Sere3 | うなばらをこえて |
Sere4 | リヴァイアスのわ |
Sere5 | ちいさなまとまり |
Sere6 | ぼくのせつな |
Sere7 | かわりゆくとき |
Sere8 | なにもしらなかった |
Sere9 | ヴァイタル・ガーダー |
Sere10 | しんじられなくても |
Sere11 | まつりのあと |
Sere12 | みらいのありか |
Sere13 | ふれあうことしか |
Sere14 | いしきしすぎ |
Sere15 | ながされるまま |
Sere16 | ゆがむせかい |
Sere17 | じゆうなちつじょ |
Sere18 | わかりあえない |
Sere19 | えがおできみと |
Sere20 | ゆずれないもの |
Sere21 | あしたなんかいらない |
Sere22 | いきのこるために |
Sere23 | ちぎれたかこ |
Sere24 | あいばこうじ |
Sere25 | おれであるために |
Sere26 | あした |
提供読み
開始時は昴治、イクミ、あおい、こずえ、ユイリィ、ブルー、ルクスン、パットの8人の集合絵で終了時は各キャラクターたちが個別に描かれている。また、最終回における開始時は第26話予告映像でも使われた昴治のシーンが用いられた。
Sere1 | 昴治 |
---|---|
Sere2 | イクミ |
Sere3 | ユイリィ |
Sere4 | ルクスン |
Sere5 | 祐希 |
Sere6 | あおい |
Sere7 | ブルー |
Sere8 | ファイナ |
Sere9 | ヘイガーとカラボナ |
Sere10 | グランとソン |
Sere11 | フーとリュウ |
Sere12 | ラーフラ |
Sere13 | チャーリーとクリフ |
Sere14 | エリナとカレン |
Sere15 | ブライアンとミシェル |
Sere16 | アインスとクライス |
Sere17 | ケヴィンとチック |
Sere18 | こずえ |
Sere19 | レイコ |
Sere20 | ニックスと明弘 |
Sere21 | キブレとラダン |
Sere22 | ランとパット |
Sere23 | イクミ |
Sere24 | あおい |
Sere25 | 昴治 |
Sere26 | ネーヤ |
主題歌
オープニングテーマ
「dis-」
歌:有坂美香/作詞:岩里祐穂/作曲:M Rie/編曲:M.I.D.
エンディングテーマ
「夢を過ぎても」
歌:有坂美香/作詞:北川恵子/作曲・編曲:服部克久
メディアミックス
漫画版
月刊コミック電撃大王 2000年1月号から10月号まで連載。作画は栗橋伸祐。単行本全2巻。
あおい視点からの物語をダイジェスト的に描いており、アニメ本編とは細部が異なっているところも見られる。
小説版
2000年9月1日に電撃文庫でリリース。
アニメ本編の第1話から第7話がアレンジされて描かれており、本編では明かされなかった過去も描写されているが小説という媒体から性的な表現もいくつか見られる。
余談
- 当初構想時のタイトルは『可限のリヴァイアス』で未知の知的生命体との遭遇から真実が明らかになるというストーリーだったらしい。
- 放送後に出版されたムック本では「最悪の結末」もギリギリまで予定されていた事がスタッフより明かされている。
- 詳細は相葉昴治を参照。
- なお、この番組の30分後に『ビーストウォーズメタルス』が放送されていたが、その最終回において「学校や仕事から帰って一息付いてる、そんな時間(家族団欒の時間)に小難しいことやって誰が喜ぶ!?」とこの番組のことを揶揄するかのような台詞が出ているがこれは元々メタ発言上等なREMIX回で原典版では真面目で重い設定であるビーストウォーズと日本版の違いに愚痴を漏らしたキャラに対しての発言であり、揶揄の対象はあくまでも原典版である。
- 監督の谷口悟朗氏によれば、「自分が面白いと思った事をこれでもかと言わんばかりに畳み掛けて詰め込んだ作品で、アニメファンが喜びそうなサービスシーンなどの要素は徹底的に排除して作った独善的な作品」と語っており、事実この作品を終えると「もうサンライズでの監督の仕事はないだろうな」と思ってたら、『スクライド』の監督の仕事のオファーが来てビックリしたという。
- 後に『プラネテス』や『コードギアス反逆のルルーシュ』で、谷口氏とタッグを組むことになる脚本家の大河内一楼氏は、本作を見て谷口氏のファンになり、『プラネテス』のシリーズ構成のオファーが来た時に、監督が谷口氏であると知ると喜んで仕事を引き受けたという。