概要
1983年10月21日から1984年3月30日までおよび同年4月から9月まで、毎日放送、CBC、TBSほかにて放送された全46話のロボットアニメ。
ジュール・ヴェルヌの小説『二年間の休暇』(『十五少年漂流記』)をモチーフにしている。いわゆる、ホームシックアニメである。
その後1984年10月から1985年9月にかけて、挿話と後日談のOVAシリーズ4作がリリースされた他、1998年には外伝となる『銀河漂流バイファム13』(通称:バイファム13)が制作され、毎日放送、テレビ埼玉、チバテレビ、tvkにて放送されている。なお、『バイファム13』に関してはキャスティングの変更が行われている(1998年の時点で声優ばかりか芸能界から引退してしまった人がいたため)。
少年少女達の漂流生活を描く作品ではあるが、前半ではジェイナス号に乗り組んだ大人たちが艦や避難民を守る為に次々と犠牲になっていくかなりシビアな展開が為されている。
2023年には放送40周年となり、それを記念としたBlu-rayBOXも2024年に発売予定(全3巻)。それを記念した第1話(のみ)放送をTOKYOMXで実施されることになった。
画期的な試み
- アバンタイトルを導入。
- 次回予告はテキストとアイキャッチのみ。
- オープニング主題歌の歌詞がすべて英語。
- 主役どころか、主要キャラの大半が非戦闘員。
- 主役ロボットは量産機で、地味なカラーリング。ただし半年前に放送開始の『装甲騎兵ボトムズ』で既にこの手法が採用されていた。
- 主役ロボットは1クールにわたって登場せず、序盤に少し出た後は2クール目まで登場しなかった。
あらすじ
西暦2060年。地球から遙か四十数光年離れた植民星クレアドが、ある日異星人ククトニアンに襲撃される。
護衛の連邦守備隊は全滅、取り残された13人の子供達は、異星人に囚われた家族や友人達を自分達の力だけで救出するために、異星人と戦いながら地球軍の練習艦ジェイナス号で旅をする。
登場人物
※CVはオリジナル/13版
スコット・ヘイワード(CV:鳥海勝美)
クレア・バーブランド(CV:冨永みーな)
フレッド・シャッフル(CV:菊池英博)
マルロ・Jr.・ボナー(CV:佐々木るん)
ルチーナ・プレシェット(CV:滝沢久美子)
ガイ(CV:真柴摩利)
ホルテ(CV:吉田美保)
ルービン(CV:綾崎みき)
ジェダ(CV:西宏子)
ルルド
メカニック
ラウンドバーニアン
ウェア・パペット
オールオーバー
パペットファイター
艦艇
アストロゲーターラウンドバーニアン
スタッフ
- 原案: 矢立肇、富野由悠季
- 原作: 神田武幸、星山博之
- 監督: 神田武幸/川瀬敏文(バイファム13)
- キャラクターデザイン: 芦田豊雄
- メカニックデザイン: 大河原邦男
- 作画: 叶内孝行、長岡康史、平田智浩、伊藤富士子、富田悦子、岩永しのぶ他
- 美術監督: 水谷利春/丸森俊昭(バイファム13)
- 撮影監督: 三浦豊作/桶田一屡(バイファム13)
- 音響監督: 太田克己/太田克己(バイファム13)
- 音楽: 渡辺俊幸
- プロデューサー: 植田益朗(バイファム13も担当) → 井上幸一、丸谷嘉彦 (バイファム13も担当)→ 藤井睦子
- アニメーション制作: サンライズ(旧作では「日本サンライズ」名義)
各話リスト
話数 | サブタイトル |
---|---|
第1話 | 異星人来襲!開拓星から全員脱出せよ! |
第2話 | 緊急発進!傷だらけの練習艦ジェイナス |
第3話 | 生存確率0.29%!絶望への挑戦! |
第4話 | ベルウィック軌道へ!地上基地応答なし |
第5話 | 憧れの操縦席(コックピット)ラウンドバーニアン始動 |
第6話 | 博士をさがせ!異星人との遭遇 |
第7話 | 孤立した14人 異星人飛行物体襲来! |
第8話 | 高ゲタ作戦!?小さな戦士の出撃だ! |
第9話 | 雷鳴の中の敵襲 僕達だけで戦うんだ! |
第10話 | 宇宙(そら)か地かー 基地攻防の大決戦!! |
第11話 | さらばベルウィック ジェイナスの旅立ち |
第12話 | 発進準備完了!地球へ向けて出発だ!! |
第13話 | 射撃訓練開始!恐怖の宇宙戦闘初体験!! |
第14話 | 敵のスパイか!?舞いこんだ謎の逃亡者 |
第15話 | 衝撃!!異星人が残した意外なメッセージ |
第16話 | 総員援護体制!!カチュアをつれもどせ! |
第17話 | さよならケイト めざせ新たなる目的地 |
第18話 | 落書き天国 キャプテン自信喪失!? |
第19話 | もう一つの戦争 ジェイナスの小さなママ |
第20話 | 立てスコット!リーダーはきみだ |
第21話 | 敵ビーム波状攻撃?僕たちに明日はある |
第22話 | ジェイナス応答せよ!地球軍からの通信 |
第23話 | ジェイナスは僕らの船だ!!新たなる出発 |
第24話 | ケイトさんの日記 |
第25話 | ザ・グラフィティロディ・シャッフル |
第26話 | 新型R・V出撃!! |
第27話 | ロディ帰艦せず! |
第28話 | 囚われのロディ |
第29話 | タウト星脱出命令 |
第30話 | 決死の大気圏突入 |
第31話 | みしらぬ星ククト |
第32話 | 雨あがりの再会 |
第33話 | さよなら愛しの船 |
第34話 | ククトを探索せよ |
第35話 | ケンツを助けろ! |
第36話 | 収容所に向かえ! |
第37話 | 囮になったロディ |
第38話 | 輸送機をうばえ! |
第39話 | 包囲網を破れ! |
第40話 | ミューラァの秘密 |
第41話 | カチュアを撃つな! |
第42話 | パパ!一瞬の再会 |
第43話 | 奇襲作戦開始! |
第44話 | 大宇宙のうた |
第45話 | とっておきの贈物 |
第46話 | いつまでも13人 |
こぼれ話
企画部長である山浦栄二が企画書として常に挙げていた『十五少年漂流記』と『太閤記』を下地にした
『サバイバル』と『立身出世』モノを富野由悠季に書かせたのが原案(機動戦士ガンダムの初期企画案)を元にした作品。
そのため「原案」として富野由悠季がクレジットされ、「原作」は本編の内容を一から構成し直した監督の神田とメイン脚本家の星山両名の名前がクレジットされた…。
また一方で放送局とスポンサーに富野の名前を残した方が企画書が通りやすいための対策であり、当時毎年作品を発表、監督業をおこなっていた多忙の富野由悠季がバイファムにかかわっているわけではない。
本作から15年後に放送された外伝作品『銀河漂流バイファム13』で、アラン・チェンバーを演じた声優の子安武人氏は、高校生の頃に本作を見てファンになったという。後に、ぷろだくしょんバオバブに所属していた頃に、同じ事務所に先輩声優の鳥海勝美氏が移籍してきた時は『スコットの人だ‼』と内心とても喜んだ旨を、鳥海氏と千葉一伸氏がメインパーソナリティーを務めたインターネットラジオ番組『夜のサンライズアワー』にゲスト出演した際に、鳥海氏本人に告白した。