概要
1986年に国鉄(日本国有鉄道)が設計・新製し、同年11月1日ダイヤ改正より四国の予讃本線・土讃本線において特急「しおかぜ」「南風」として営業運転を開始した。翌年の分割民営化を控え、新規投資に不安があった四国へのテコ入れ策として、当時同地で急行列車に運用されていたキハ58系の置換と特急格上げを目的として開発された。この関係で、当初より普通列車での運用も想定されている。
それまでの国鉄特急形気動車と異なり、どちらかといえば一般形気動車に近い編成の自由度を重視した造りとなっているのが特徴。なお、国鉄の特急形車両としては最初で最後のオールステンレス車両でもある。国鉄分割民営化後は承継したJR四国でも14両が追加新製され、製造数は52両。その後2000系の増備によって余剰が発生し、1992年に国鉄時代に製造されたグループのうち20両がJR九州に譲渡された。
2021年に東日本の185系電車が定期運用を離脱、2023年に北海道のキハ183系が定期運用を離脱、全車廃車(九州の同系は民営化以降に登場したほぼ別車両)、2024年に西日本の381系が定期運用を離脱したことにより、キハ185系が最後の定期運用を持つ国鉄型特急用車両となる。
使用列車
JR四国
特急
※2000系登場までは「しおかぜ」「南風」「宇和海」「あしずり」にも使われていた。即ち、ほぼ全てのJR四国の昼行特急に使われた車両でもある。
特急以外(観光特急含)
- 牟岐線・予讃線・内子線の普通列車(予讃線、内子線は普通列車仕様の3100番台使用)
- 観光特急「四国まんなか千年ものがたり」(キロ185系1000番台)
- 観光特急「志国土佐時代の夜明けのものがたり」(キロ185系1000番台、1867・1868号車)
- 観光特急「伊予灘ものがたり」(キロ185系1400番台)
- トロッコ列車「藍よしのがわトロッコ」(キハ185-20。トロッコ車両はキクハ32形、2017年〜2019年は「志国高知幕末維新号」として運行)
- トロッコ列車「アンパンマントロッコ」(キロ185-26。トロッコ車両はキクハ32形)
2012年には東日本大震災復興支援で、JR東日本の常磐線などをアンパンマントロッコ号が運転。(当時の)キハ185がキクハ32の控車として連結され、ATSの都合上機関車牽引ではあったが、団体臨時列車として東日本管内で営業運転していた。
JR九州
普通列車仕様化
JR四国所属分のうちN2000系の導入で余剰となった一部の本系列が、老朽化したキハ58系の置き換えを目的に普通列車仕様へと改造された。
座席のリクライニング機構の固定化、シートカバーのビニール化、収納式テーブル・灰皿の撤去、ジャンパ栓の増設など改造内容は小さく、後に特急仕様への復元も行われている。
廃車
本形式は今のところ、キロハ186-1が余剰廃車となったほかは全車健在である。
JR四国車は2000系より経年こそ高いが、走行距離が少ない事もあり置き換えの予定はないようである。
関連イラスト
関連タグ
鉄道 気動車 185系 キハ181系 キハ183系 JR四国2000系
アイランドエクスプレス四国Ⅱ:JR四国管内で運行されていたジョイフルトレイン。中間車は「〜ものがたり」へ再改造された。