概要
正式な線路名称としては日暮里駅(東京都荒川区)から水戸駅(茨城県水戸市)、いわき駅(福島県いわき市)を経て岩沼駅(宮城県岩沼市)までの350.4kmの区間であるが、荒川区には東北本線を走る電車が日中一本も止まらないため、運行される列車は起点側では上野駅(一部上野東京ライン経由で品川駅)から、終点側で仙台駅および利府駅まで東北本線に直通する。
上野駅からいわき駅までの中距離電車区間では特に車内での宴会が風物詩となっている…らしい。
茨城県石岡市柿崎にある地磁気観測所の影響で利根川を渡ってすぐの取手駅以北は交流電化となっており、取手駅から先に向かう列車には交直流両用車両が運用される。
上述の地磁気観測所の影響で直流電化区間と繋げないため、上野東京ラインをもってしても品川駅より先に延伸するのが難しく、横浜駅などのみなとみらい地域やその先まで向かうことが出来ない。
また、緩行線直通先の千代田線含め最初に山手線区間に交わる荒川区西日暮里(日暮里・西日暮里)が成田エクスプレスの競合路線であるスカイライナーのターミナルであることも災いし、JRが 大宮~横浜区間を走行する路線を意地でも止めない姿勢を貫いているため、大宮駅方面に向かう際も上野駅までスイッチバックを強いられることとなる。
地磁気観測所とスカイライナーというこの2つの事象が運悪く重なってしまったことにより、山手線東部を走行するJR路線としてはインフラで大いに遅れを取っている。
東日本大震災
2011年3月11日に起きた東日本大震災と福島第一原子力発電所事故で沿線は大きな被害を受けた。
被害区間の一部は放射能汚染で立ち入り制限区域となっており、長らく不通区間が存在した。
一時全線で不通となった常磐線は、5月14日までには上野〜久ノ浜間と亘理〜岩沼間の運行が再開された。
5月23日には津波によって甚大な被害を受けた相馬〜亘理間で代行直行バスの運行が開始され、10月10日には広野町の緊急時避難準備区域解除に伴い、久ノ浜〜広野間で運転が再開された。
また、12月21日には、原ノ町〜相馬間で運転が再開された。この区間はほかの区間とは離れた孤立区間であったため、運用に必要な車両である仙台車両センター所属の701系2両編成3本を勝田車両センターへ転属の手続き※を経て陸送で搬入した。
※原ノ町〜相馬間は水戸支社の管轄であるため
2013年3月16日に亘理〜浜吉田間が運転を再開した。
2014年6月1日に広野〜竜田駅が運転を再開した。
2015年1月31日に竜田駅〜原ノ町駅間で代行バスの運行が2往復で開始された。このバスは現在は常磐線の運行再開区間拡大に伴い、竜田〜原ノ町間(途中、富岡駅・浪江駅・小高駅に停車)が下り1便のみとなり、残りの1.5往復は竜田〜浪江間(途中、富岡駅に停車)に縮小された。また富岡町の一部の避難指示準備区域解除に伴い、竜田〜富岡間の代行バスが9往復設定された。
2016年7月12日、南相馬市の一部の避難指示準備区域解除に伴い、原ノ町〜小高間が運転再開、12月10日に浜吉田〜相馬間が運転を再開した。運転再開に際し、線路を内陸に移動し新地駅・坂元駅・山下駅が移転した。これにより、孤立区間であった相馬〜原ノ町間が仙台側で線路がつながった。
2017年4月1日には浪江町の一部の避難指示準備区域解除に伴い、小高〜浪江間が開通した。これにより、小高始発・終着の列車は浪江始発・終着に変更された。
さらに竜田〜富岡間が10月21日に運転再開。富岡駅〜浪江駅間は2020年3月14日に運転再開。実に9年の時を経て常磐線は復旧した。
名称の由来
名称については、令制国の常陸(ひたち)と磐城(いわき)の頭文字を合わせたものである(常磐自動車道も同様)。なお、磐城国は明治令制国(戊辰戦争後の令制国)である。
種別(車種)
- 特急「ひたち」「ときわ」:品川駅・上野駅 - (土浦駅)-勝田駅-(高萩駅)-いわき駅-仙台駅(E657系)
- 原ノ町/仙台行き特急は2012年3月のダイヤ改正で正式に廃止されたが2020年3月14日のダイヤ改正で仙台発着が復活
- 快速(E電):品川駅・上野駅 - 我孫子駅 - 取手駅・成田駅 (E231系)
- 快速(中電・普通列車):品川駅・上野駅 - 我孫子駅 - 土浦駅 - 水戸駅・勝田駅 - 日立駅 - 高萩駅 (E531系)
- 特別快速:品川駅・上野駅 - 土浦駅 (同上)
- 各駅停車(千代田線・小田急線直通):(小田急多摩線唐木田駅・小田原線本厚木駅 - 代々木上原駅 -) 綾瀬駅 - 我孫子駅(- 取手駅) (E233系2000番台/東京メトロ16000系/小田急4000形)
- 普通(水戸線直通):(水戸線小山駅 -)友部駅 - 水戸駅・勝田駅(-高萩駅)(E531系)
- 普通(水戸地区4扉車):(土浦 -)水戸駅・勝田駅 - 高萩駅 - いわき駅・草野駅 - 原ノ町駅(E501系(※1.)、E531系(※2.))
- 普通(仙台地区)(一部震災前):原ノ町駅 - 仙台駅・利府駅(701系、E721系)
- この車両からのいわき駅以北からの運用は草野駅発の1本のみ
- この車両からの高萩駅以北は基本的に5両編成で10両編成はE501系10両編成代走時に基本編成(この時はグリーン車は普通車扱いとなる)または付属編成2本(この時しか見られない)で運用される
なお、普通列車においてグリーン車は2022年3月のダイヤ改正を境に日中は土浦駅以南のみの運用となる。
主な駅
品川駅 新橋駅 東京駅 上野駅 日暮里駅 北千住駅 松戸駅 柏駅 我孫子駅 天王台駅 取手駅 藤代駅 龍ケ崎市駅 牛久駅 ひたち野うしく駅 荒川沖駅 土浦駅 石岡駅 友部駅 赤塚駅 水戸駅 勝田駅 大甕駅 常陸多賀駅 日立駅 高萩駅 いわき駅 原ノ町駅 岩沼駅 仙台駅
駅一覧
品川駅〜取手駅
取手駅〜いわき駅
駅名 | 乗り換え路線 | 備考 |
---|---|---|
取手 | 特別快速停車 | |
藤代 | 特別快速停車 | |
龍ケ崎市 | 関東鉄道竜ヶ崎線(佐貫駅) | 特別快速停車・ときわが一部停車 |
牛久 | 特別快速停車・ときわが一部停車 | |
ひたち野うしく | 特別快速停車・ときわが一部停車 | |
荒川沖 | 特別快速停車・ときわが一部停車 | |
土浦 | 特別快速は当駅以南の運行。ひたちが一部、ときわが全列車停車 | |
神立 | ||
高浜 | ||
石岡 | ときわが全列車停車 | |
羽鳥 | ||
岩間 | ||
友部 | 水戸線(一部が水戸方面へ直通) | ときわが全列車停車 |
内原 | ||
赤塚 | ときわが一部停車 | |
(臨)偕楽園 | 梅まつりの時期の下りのみの臨時駅・特急も停車 | |
水戸 | 全列車停車 | |
勝田 | ひたちなか海浜鉄道湊線 | 全列車停車 |
佐和 | ||
東海 | ひたち・ときわが一部停車 | |
大甕 | ひたちが一部、ときわが全列車停車 | |
常陸多賀 | ひたちが一部、ときわが全列車停車 | |
日立 | 全列車停車 | |
小木津 | ||
十王 | ||
高萩 | ひたちが一部、ときわが全列車停車 | |
南中郷 | ||
磯原 | ひたちが一部停車 | |
大津港 | ここまで茨城県 | |
勿来 | ここから福島県。ひたちが一部停車 | |
植田 | ||
泉 | (福島臨海鉄道) | 全列車停車 |
湯本 | 全列車停車 | |
内郷 | ||
いわき | 磐越東線 | 全列車停車 |
いわき駅〜仙台駅
駅名 | 乗り換え路線 | 備考 |
---|---|---|
いわき | ||
草野 | ||
四ツ倉 | ||
久ノ浜 | ||
末続 | ||
広野 | 全列車停車 | |
Jヴィレッジ | 2019年4月開業 | |
木戸 | ||
竜田 | ||
富岡 | 全列車停車 | |
夜ノ森 | ||
大野 | 全列車停車 | |
双葉 | 全列車停車 | |
浪江 | 全列車停車。Suica首都圏エリアおよびSUGOCA北九州エリアから連続するJR在来線交通系ICカードエリアの北限 | |
桃内 | ||
小高 | Suica仙台エリアの南限 | |
磐城太田 | ||
原ノ町 | 全列車停車 | |
鹿島 | ||
日立木 | ||
相馬 | 全列車停車 | |
駒ケ嶺 | ||
新地 | 運転再開時に内陸に移転。ここまで福島県 | |
坂元 | 運転再開時に内陸に移転。これより宮城県 | |
山下 | 運転再開時に内陸に移転 | |
浜吉田 | ||
亘理 | 全列車停車 | |
逢隈 | ||
岩沼 | 東北本線(福島方面) | ここまで常磐線。以降は東北本線。全列車停車 |
館腰 | ||
名取 | 仙台空港鉄道仙台空港アクセス線 | |
南仙台 | ||
太子堂 | ||
長町 | 仙台市地下鉄南北線 | |
仙台 | 全列車停車 |
関連タグ
非常に多岐にわたる。乗車の際は混同などに注意したい。
- 常磐快速線
- 常磐緩行線
- 上野東京ライン(2015年3月14日開業)
- 水郡線
- 磐越東線
- はつかり
- ゆうづる
- みちのく
- 東京メトロ千代田線
- 小田急電鉄小田原線/多摩線
- つくばエクスプレス
- 関東鉄道
- 鹿島臨海鉄道
- 仙台空港鉄道
- EF80
- EF81
- ED75
- 485系
- 103系
- 203系
- 常磐自動車道