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概要編集

首都圏新都市鉄道が運営する秋葉原駅東京都千代田区)よりつくば駅(茨城県つくば市)までの58.3km(営業キロ)の鉄道路線。略称TX

茨城県南部と東京都を結ぶ常磐線の混雑緩和を目的とし、2005年8月24日に開業した。建設当時は鉄道要覧での名称「常磐新線」が仮称であった。


開業時から全駅にホームドアがあり、ワンマン運転している。ATOによる自動運転で、運転手は出発ボタンを押すだけである。(ラッシュ時はTASCを使用)

やや離れて並行している常磐線と同じく、つくば駅の北東にある気象庁地磁気観測所(茨城県石岡市)の関係で、守谷駅みらい平駅間のデッドセクションを境につくば駅側が交流電化となっている。

JRとそこから転換した第3セクター以外でデッドセクションを有する日本唯一の鉄道会社でもある。


運転最高速度は130km/h。設備上、160km/hも十分可能であるが、「当面」で130km/h運転が続いている。

国鉄時代からの「常磐新線」として工事終盤に至るまで、JR東日本が直接運営することが予想されていたが、民営化後の混乱や採算が不透明で、降りてしまったため(出資は続いている)別途運営事業者を作ることとなった。


高速かつ自社線での都内への乗り入れを実現しているほか、開業時期がちょうどアキバブームと重なったこともあり、同じ第三セクター鉄道である北総鉄道や東葉高速鉄道と比べ、経営状況が良好。筑波研究学園都市と東京都心を結ぶ最速の交通手段となっており、沿線開発とあわせて利用客の増加が著しい。

通常の乗車券代はJRとさほど差がないものの、割引率が低いため定期代はほぼ同じ距離の東京~相模湖が29500円なのに対し秋葉原~つくば42510円と、高額鉄道である(さらに遠方になる土浦や熊谷辺りでさえ、それぞれ32860円・34100円にとどまる)。


上記の沿線開発に加えてそれに絡んだ常磐線からの利用客の転移(※1)などで利用客の増加が予想以上に大きかったことと、女性専用車両の画一的な設定もあって現状では増強が追い付いておらず、混雑の悪化を招いている。

その為、現在は8両化工事が行われており、2030年代半ばに完成する予定である。




列車種別編集

express の express」になってしまう所為か、急行特急も無い。


快速編集

  • 停車駅:秋葉原~北千住間の各駅・八潮・南流山・流山おおたかの森・守谷

当路線の主役。同区間を最短45分であっという間につくば。取り分け北千住駅〜つくば駅間は35分で結ぶ早さ。

埼玉県内の停車駅はなかったが2024年3月16日のダイヤ改正で八潮駅が追加された。

八潮駅が追加されても待避線がある駅なので所要時間は変わらない。


通勤快速編集

  • 停車駅:秋葉原~北千住間の各駅・六町・八潮・南流山・流山おおたかの森・柏の葉キャンパス・守谷・研究学園

快速停車駅に加え、六町・八潮・柏の葉キャンパス・研究学園に停車する。2012年10月のダイヤ改正で新設、平日朝ラッシュ時の上り列車と夕ラッシュ時の下り列車が設定されたが、2020年3月のダイヤ改正で平日朝ラッシュ時の上り列車は全て区間快速へ格下げ。


区間快速編集

  • 停車駅:秋葉原~北千住間の各駅・八潮・三郷中央・南流山・流山おおたかの森・柏の葉キャンパス・守谷~つくば間の各駅

開業前の新聞では「準快速」の併記も見られた。

同区間の前後で各駅に停車する。守谷〜つくば間は守谷発着の普通を補完する役割を担っている。行先表示器には「区快」と表示。平日朝ラッシュ時の上り秋葉原行きは六町にも停車する。


普通編集

  • 停車駅:各駅

基本的に秋葉原〜八潮・守谷・つくば間の運転。八潮・流山おおたかの森の両駅では区間快速・快速と接続(八潮は快速通過駅)。


駅一覧編集

凡例編集

普通列車は各駅に止まるので省略。●:停車、レ:通過、▲:平日朝ラッシュ時の上り列車が停車


駅番号駅名快速通勤快速区間快速乗換備考
TX01秋葉原
  1. JR山手線(JY03)/京浜東北線(JK28)/中央・総武緩行線(JB19)
  2. 東京メトロ日比谷線(H16)
  3. 都営新宿線岩本町駅(S08)
TX02新御徒町都営大江戸線(E10)
TX03浅草※東京メトロ、都営地下鉄、東武鉄道が乗り入れる浅草駅より、やや離れている。徒歩連絡は可能。
TX04南千住
  1. JR常磐快速線(JJ04)
  2. 東京メトロ日比谷線(H21)
TX05北千住
  1. JR常磐快速線(JJ05)
  2. 東武伊勢崎線(TS09)
  3. 東京メトロ日比谷線(H22)/千代田線(C18)
TX06青井
TX07六町
TX08八潮⚫︎
TX09三郷中央
TX10南流山JR武蔵野線(JM16)
TX11流山セントラルパーク
TX12流山おおたかの森東武野田線(TD22)
TX13柏の葉キャンパス
TX14柏たなか
TX15守谷関東鉄道常総線
TX16みらい平
TX17みどりの
TX18万博記念公園
TX19研究学園
TX20つくば当駅から土浦駅圏央道経由成田空港行きの高速バスが発着。

走行動画編集

つくばエクスプレス 快速 つくば駅→秋葉原駅


使用車両編集

いずれも6両編成。輸送力増強のため、2030年代前半をめどに8両編成の運行を始める予定。

  • TX-1000系:秋葉原~守谷間の直流区間でしか使えない。
  • TX-2000系:主力車両。交直流電車。
  • TX-3000系:輸送力増強に合わせ2020年にデビューしたモデルチェンジ車。交直流電車。

延伸計画問題編集

首都圏新都市鉄道としては新規の大型投資には消極的で、今のところ車両増備による輸送力増強に集中(延伸計画で基準となる乗客数は達成している)させている。


北進案編集

建設段階初期から路線をさらに延長して水戸方面で常磐線と合流する計画があるが、これが水面下で問題となっている。というのも、配線の関係でこのまま石岡市方面を目指した方が短距離で既存の密集地を避けられ建設コスト的にも有利なのだが、これに対して土浦市がすさまじい不快感を示していることである(土浦市としては「土浦市内の新駅」ではなく、あくまでも「土浦駅」を経由させたがっている。しかも土浦市は市政60年のプライドがある為つくば市優先の延伸計画はとても気に入らない)。


「シカトして飛ばせばいーじゃん」と思うかもしれないが、困ったことに土浦市は県内どころか全国でも23区以外では数えるほどしかないレベルの財政健全自治体(市役所新庁舎の新規建設をしないなど市の雑費をケチっている為なのだが)の為、土浦市の出資が受けられないと延伸計画そのものに支障が出る……という状況に陥っているのである。


あれだけボロ天国の“国鐵水戸”状態が続いていた常磐線の車両が一気にE531系に置き換わったのも、土浦市がそのプライドの為に、牛久市龍ケ崎市を誘ってJR東日本に出資し「つくばエクスプレスに負けない新車をとっとと投入しろ!」(超意訳)とか言い出したためである。ことほど左様に土浦市の影響力は県南地区においてはまだまだ強い。


このほか、石岡駅茨城空港方面への延伸計画もある。


南進案編集

成田~都心直結線を建設する際に一緒に延伸して東京駅を目指すとか、銀座有明間に敷設する地下鉄新線と合流させるとか、様々な構想はあるが、構想止まりになっている。


東京駅延伸の場合、大深度地下で多額の工事費用がかかるうえに、現状でも北千住駅で乗り換えれば簡単に東京に行けるうえ、東京駅止まりでは品川駅渋谷駅方面への移動がJR利用に比べて不便で利用客が見込めないなどの問題点が残る。

更に東京延伸問題としてTX利用者の大部分が北千住駅で乗換えて都心へ向かう事例が多く、秋葉原駅~北千住駅間の所要時間が最速種別である快速でさえ全区間の約4分の1の時間(45分の内、10分はこの区間)をかけて走る事も影響している。


日比谷線以外は東京駅(大手町駅)を通るのでどうしても重複になりがち。この他、大深度設計や東京駅の地下水問題もある。

いずれにせよ都心直結線自体が廃案に近い状況になっているため進展は無い。


備考編集

※1:流山おおたかの森駅南流山駅の乗降人員は2012年度に各駅で6万人を越え、守谷駅は近年、45,000人を越えたのに対して、常磐線松戸駅は2010年に乗車人員が10万人を下回り、取手駅も減少している(柏駅に関しては北総線の運賃の問題があるからかそこまで減少していない)。


関連項目編集

筑波 つくば エクスプレス 高額鉄道 秋葉みらい 首都圏新都市鉄道


外部リンク編集

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