概要
鉄道を運営する鉄道会社や第三セクター・交通局は運賃を決定する権利がある。そのため、初乗り運賃および増額に関しては会社および路線によりまちまちであるが、時々法外とも思える運賃が設定されている交通機関が存在する。
海外の場合、非電化路線が多い国ほど高額鉄道が多い(イギリス、アメリカ等)。
主な原因
- 相互乗り入れ(相互直通運転)の関係で初乗り運賃を両方の鉄道事業者から請求される(大都市近辺の郊外開発路線、地方の3セク化路線等)。
- 新しく作られたため、建設コスト回収を理由に加算運賃が設定されている。
- もとから鉄道の需要が少ないところに作ってしまい、乗客が少ないため高運賃を設定せざるを得ない(鉄建公団の地方路線等)。
- 運営元に高収入な副業がない。
- 公共交通という認識が薄く営利目的とされ補助金が出ない。
- 整備新幹線開業による並行在来線3セク転換の際にJR時代と比較して遥かに高額な運賃設定(後述)。
- 海外の地下鉄の場合、終夜運転を行った都市に多く、人件費や維持費の関係で高い上に地下鉄の値上げが頻繁に行われている(ニューヨーク、ロンドン、ベルリン等)。
会社一覧
東北
- 仙台市交通局(仙台市地下鉄、旧:仙台市営地下鉄)
- 日本の主要地下鉄・主要都市のバス路線ではかなり高い部類に入る。
- 地下鉄の初乗りは他の公営地下鉄と同じ料金だが、距離が伸びると極端に高くなる。
- 仙台空港鉄道
- 初乗りは170円とそこまで高くないが、全線乗りつくすと約7kmで410円取られてしまう。
- 最も空港方面の鉄道は加算運賃などが高い影響から他の路線より高くなりがちな為、JRと共通運賃にすればかなり変わってくるかもしれない。
関東
特に千葉県のものが有名。これは、成田闘争の際、千葉県土地収用委員会に中核派が集中攻撃を加えた結果、収用委員会が長期にわたり活動停止し、土地取得のシステムが機能しなくなっていたため。
- 北総鉄道(旧北総開発鉄道、「北総高額鉄道」)
- 1980〜90年代の千葉ニュータウン計画の中で輸送機関として計画されるも、肝心のニュータウン計画が大幅縮小にされたため、沿線人口が当初計画の4分の1と当初の計画予想人口から大幅に下回りこうなった。近年は成田空港の連絡運輸に力を入れているが、建設時の借金の都合で埋め合わせはできていない。
- その結果「財布より 定期落とすな 北総線」と言われるほど高額な運賃設定に。14kmで560円、17kmで620円、そして全区間32.3kmだと衝撃の810円!住民による訴訟にまで発展した(結果は住民側の敗訴)。実は鉄道部門は黒字だが、その利益は借金返済に消えている。
- 地上であるくせに新鎌ヶ谷駅から3.1kmしか離れていない西白井駅まで乗るだけで310円も搾り取られる。もはやぼったくりのレベル。
- 加えて東京都心に出るなら京成電鉄と都営地下鉄の運賃も取られる為、東葉よりも高くなってしまう。
- しかし、この伝説にもついにメスが入った。NHKが2021年9月22日に報じたところによれば、累積損失を解消できる目処が経ったことにより、2022年秋をめどに運賃の値下げを実施する見通しと報じられ、実際に2022年10月1日から、通常運賃で最大100円引き、通学定期は約64%OFFと大幅値下げが敢行され、大手私鉄にかなり近い水準になった。
- 値下げ前の北総の高額運賃っぷりは「交通費が支給されるパート・アルバイトの面接の時に"北総鉄道を使用する"と答えると断られる」「雇用主側が高額な運賃を警戒して最初から交通費支給制度を設定していない」「他線直通の6ヶ月定期をクレカで買うときは与信残高を確認しろと言われる(高すぎて与信枠を越えることがあるから)」等の都市伝説ができるぐらいに有名であった。
- 東葉高速鉄道(「東葉高額鉄道」)
- 埼玉高速鉄道(「埼玉高額鉄道」)
- 東京臨海高速鉄道(りんかい線)
- 首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)
- 主な理由は交直流(電車)と都内地下区間の工事費。だが、上記東葉高速と北総鉄道の失敗に学び、無利子で資金調達し地上区間の建設費を圧縮したため近年の首都圏の新線としては比較的運賃は抑えられている。高運賃を強調されがちなのは総距離が長いためで、茨城県民からすれば開業前の通勤時間及び運賃と比較すれば割安になっている。その上都営地下鉄や東京メトロの乗り放題付き企画券まである。ただ、通勤定期はやっぱり高い。つくば-秋葉原と同程度の距離(約60km)のJR線区間(2万円台後半~32,000円程度)に対し45,000円程度はする上、秋葉原が下車駅(TX線のみ利用)ならまだしも他駅が職場最寄りとなれば他社線の運賃が別建てとなりさらに嵩んでしまう。
- ただ、同社の場合は並行国鉄→JR線である常磐線も鬼門と呼ばれるほど利便性に欠いた整備状況であるため、最終的に「どっちもどっち」になることが多い。以前は上記のりんかい線の解説に平塚と並んで土浦が書かれていたのだが、大方の土浦市民には新木場に出るのに武蔵野線は選択肢から除外されており(新松戸駅に常磐線中電(いわゆる「快速」)が停まらない上に、種別複々線であるため常磐緩行線との乗り換えが非常に面倒くさい)、大抵は有楽町駅から有楽町線という感覚のため結局東京メトロの初乗りがかかる。詳しくは→103系、千代田線の項目も参照。
- 多摩都市モノレール
- 上記鉄道に比べれば値段はまだ安い方と見られるが、本当の問題はこれしか通学方法がない線路上の帝京大学八王子キャンパス・中央大学・明星大学に通う学生である。始発の多摩センター駅からわずか1.5kmしか離れていない大塚・帝京大学駅、2.5kmしか離れていない中央大学・明星大学駅まで乗るだけで210円も搾り取られる。もっともバスを思えば安いかもしれないが…。
- 因みに多摩モノレールの1日乗車券は販売されているが、料金は890円と相鉄や横浜市営地下鉄に比べて高額となっている。
- 相模鉄道いずみ野線&新横浜線
- 相鉄自体は運賃は高くないが、いずみ野線及び新横浜線の加算運賃が際立って高い。
- 湘南台駅 - 海老名駅を利用する場合は小田急の相模大野駅経由か大和駅で相鉄線に乗り換えていった方が早い。しかも、大和経由でもいずみ野線とは10円しか違わない。
- 新横浜線の方も決して安いとは言えず、海老名からだと30円の加算運賃で横浜駅と羽沢横浜国大駅が10円だけの差となり、湘南台駅からだと羽沢横浜国大駅は横浜駅より10円高くなる。
- 更に今後開業される東急直通線だと相鉄東急直通線でそれぞれ70円加算(合計140円)もとられてしまいいずみ野線合算を含めると210円になってしまう。
- ちなみにいずみ野線と新横浜線の両方を全線で利用すると100円の加算運賃が取られてしまう。
- いずみ野線や新横浜線を利用する場合は740円を払って1日乗車券を利用する手段も存在する。
- 相鉄東急直通線は両者の境となる新横浜駅までの利用が多く、相鉄沿線~対東京都心利用者の定期客は少ない。理由はJR直通線及び小田急経由、並びに横浜駅経由の方が加算運賃が少なくJR経由の場合、下記のJR東日本の通勤定期の割引率が高くなる為。
- 横浜市交通局(横浜市営地下鉄)
- 東京の地下鉄に比べてたら遥かに高く(初乗りが210円)、横浜都心部では並行路線が多いうえ横浜駅の位置が遠いため、JRや京急などを使った方が安い。
- 初乗りだけでなく運賃区画が12区もある為、どうしても高くなりがちである。
- ただし、地下鉄のみの1日乗車券は740円、地下鉄・市バス双方が使える1日乗車券は830円と比較的、安く買える。
- 京成電鉄(千原線・成田空港線)
- 京成はもともと関東の大手私鉄としては運賃が高いものの、千原線を利用する場合には加算運賃が徴収されてしまう。これは千原線が1998年まで千葉急行という別路線だったためである。
- 京成本線の長距離運賃はJRより安いが、成田スカイアクセスは成田空港線の加算運賃があるうえ、経由する北総線の運賃も加算される。2022年10月から北総線の値下げが行われたため、多少安くはなった。(なおスカイライナーも北総の路線を経由するが、売上に北総線の取り分がないので、北総線の値下げの影響を受けず運賃は据え置きである)時間より値段を取るなら京成本線、時間を取るなら成田スカイアクセスのアクセス特急、とニーズに応じて選ぼう。
- 東武鉄道
- 長距離の場合、JRや京成より安くなるが、8km~20km位の利用だと他の神奈川や埼玉の大手私鉄より高くなってしまう。
- 加えて群馬や栃木の地方区間だと運賃ランクが隣の駅利用で2ランク上がる事もある。
- また、スカイツリーライナーなどの一部列車を除いて本線系統の日光線方面及び『りょうもう』号は他の大手私鉄より高くなりがち。
- JR東日本(主に首都圏)
- 電車特定区間内で短距離利用(20km以内)しているならそうでもないが、20km以上の利用や電車特定区間外(要は幹線運賃区間)になると私鉄各社より高い運賃を徴収されてしまう。
- ただし、通勤定期の割引率だけは非常に高く、6ヶ月定期の割引率が特に高いのでその割引率のお陰で会社側の指定で意外とJR経由が多いのも決して珍しくない。
- 電車特定区間内で短距離利用(20km以内)しているならそうでもないが、20km以上の利用や電車特定区間外(要は幹線運賃区間)になると私鉄各社より高い運賃を徴収されてしまう。
- 東急新横浜線
- 相鉄新横浜線と同じく新横浜駅利用なら加算運賃70円とられる。加えて新横浜線開業時に運賃が値上げしたので東急自体の運賃も高くなっている。
- 時間面では新横浜線の方が有利だが、運賃面では菊名駅経由の方が安い事例も。
- ただし、日吉駅~新綱島駅間に関しては加算運賃がない点から新綱島駅絡みでは有利な場合も。
- 京浜急行電鉄
- 2023年10月の運賃改定で中距離での運賃が高額化。7km〜20kmを利用する場合、東武鉄道や京成電鉄並みの運賃となった。特に割引運賃が適用されない横浜駅以南で顕著。
- 41km以上は値下げされたため、東京都内〜逗子、横須賀方面間の利便性は向上した。
かつての高額路線
- 東京モノレール
- 当時の国鉄線の6倍超の単価という高額な運賃設定。理由としては主な理由の2つ目と、飛行機の利用者が少なかったのが関係する。あまりに高額だったため、経営が傾くほどに。現在でもJRより高いが、10km分加算という程度でまだ常識の範囲に収まる。
- 京急空港線
- かつては建設費の為に加算運賃170円と高額運賃が設定されていたが、2019年10月の消費税増税時に50円に値下げされ利便性が大幅に向上された。
- 余談だが、コロナ禍の時に京急の羽田空港関連駅はその値下げのお陰で並行するモノレールや成田空港アクセスの京成に比べて打撃が少なく、なおかつ回復率が高まった影響で羽田空港へのアクセスは京急が圧勝する事になった。
北陸・甲信越
- 富士急行(富士山麓電気鉄道)
- 大月駅から富士山駅までの23.6kmで1,020円と八王子駅から大月駅までの40.4kmで760円と比較すると非常に高い。特急富士回遊が河口湖駅まで乗り入れているが、富士急行線に入った途端知らないうちに高額な運賃が加算されていくので注意が必要。
- 但し、観光路線でもあり観光客誘致に積極的であることからJR東日本が販売している「週末パス」が富士急行全線で利用可能、富士急行管内でも系列の路線バスも利用かつ割引率も高い周遊きっぷが設定されている(但し、「週末パス」を含め土休日のみ利用可能・平日は利用不可能であるものが多い)。
- なお、富士急行の鉄道事業は21世紀になってからずっと黒字で、一部で噂される「富士急ハイランドと高速バスの利益で鉄道事業の赤字を補填している」というのは大きな間違いである。
- 立山黒部アルペンルート
東海
- 東海交通事業城北線
- 名古屋鉄道
- 近鉄の大幅値上げまでは大手私鉄では最も高い運賃(2018年時点で初乗り170円)を設定しており、近距離ではJR東海よりも高い(来春以降は結局近鉄と同水準になるが)。少し遠出をすると軽く4桁に突入してしまう。空港線や知多新線・豊田線・羽島線では加算運賃も適用されており、名駅からの距離も相俟って運賃が高くなってしまう。だが、運賃上昇させるタイミングが早いだけであって、100km越えや名豊間では逆にJR東海より安い。
- 名古屋駅や豊橋駅、名鉄岐阜駅周辺に交通系金券ショップが多いのはだいたい上記の所為と思ってよい。賢く使おう。
- ちなみに名鉄は路線によって運賃が異なり、最安のA区間は名古屋本線にしか適用されていないので注意が必要となる。
- Linimo(愛知高速交通)
- 営業キロが8.9㎞なのにも拘らず、全区間乗り通すと370円。新交通システム(HSST方式のリニア)、地下や高架での建設というのを考えると仕方ないのかもしれないが。
- 養老鉄道・伊賀鉄道
- 1区間での料金は距離もそこまで長くない箇所が多いが最低でも200円(伊賀鉄道は全て1区間200円)。そして、鉄道統計年報によると、養老鉄道は定期券比率が最も高く79%。学生の利用が多いためだが、通学定期で少しでも出費を抑えようという意図も読み取れる。実際、現状の運賃に不満を持つ高校生をはじめとした沿線民も少なくない。
- 伊勢鉄道
- 伊豆急行
- 伊東線と直通しているため常に比較され、更に熱海方面から利用すると合算になるので余計に高く見える。
- つまり、伊東線と同じ路線にすれば運賃が大幅に安くなるが、それでなくても共通運賃を採用して伊豆急区間を加算運賃にするとかなり改善する。※
※伊豆急行・伊勢鉄道両方に言えることであるが、その場合乗客数が全く変動しない、あるいはある程度増加すると仮定しても総体の運賃収入が増える保証はなく(単価は激減し、同じ客数なら確実に減収)、一方で企業単体の管理運営費用は今と同じであるため、採算が大幅に悪化する可能性が内在することを肝に銘ずる必要がある。上の言説は単にひとりの客の立場でならありうるが、全体を見ていない可能性が高い。仮に経営破綻すれば、今以上に高額な運賃になるか、廃線になり地域全体が観光に行ける土地でなくなることもありうる。
実際、日光市はリゾート地である奥日光へ通じる軌道線とケーブルカーを廃止してしまった結果(東武から不採算と言われていたのもあるが日光市側も諸手を挙げて賛成する有様だった)、日光の市街地部からのアクセスが悪くなったことで東武の看板特急だった『けごん』はたちまち自家用車にシェアを奪われてしまった(1720系デラックスロマンスカーが私鉄特急としては異例の長寿車となったことと無関係ではない。なおスペーシア投入の辺りから東武は『けごん』よりも鬼怒川温泉方面への『きぬ』にシフトしている。こちらは野岩鉄道開通・会津鉄道との直通化により利便性が上がった。
大手私鉄線の新線区間の加算運賃制度とは全く性質が異なるので、同列に論じられるものではない。
ただし、伊勢鉄道は国鉄から分離せずJR東海が継承すればよかっただけの話なのだが(国鉄から分離される際、紀勢本線のショートカット分の需要を考慮せずに算出したため赤字路線扱いとなってしまい、結果分離されてしまった)。
近畿
- 近畿日本鉄道
- 長距離ではJRよりも安いものの、5km~20km程度の距離だと鬼のように高く、さらにローカル区間では割増運賃を適用されており、下手にローカル線を使えば高額な運賃を徴収される。また、鳥羽線やけいはんな線では路線の特性上、加算運賃が徴収される。 特急料金も初乗り500円台と強気。
- ただ、特に愛知・三重周辺では、本数や所要時間、線路規格や伊勢鉄道を挟む面で近鉄の方が圧倒している現状は変わらないため、高くても近鉄を選ぶ客も多い。
- 2023年4月1日に運賃が2割近くも値上げされ、元々高かった運賃が更に高くなった。100kmでJR幹線運賃とほぼ同額になった(値上げ前は280円安かった)が、それよりも遠距離の利用だと近鉄が安いのは変わらない。
- 週末フリーパスの値上げは僅か200円程度(4200→4400円)で済んでいるので、利用価値が相対的に増している。
- 泉北高速鉄道
- 中百舌鳥から和泉中央までの区間を結んでいる。「日本一高い運賃」と言われる事もあり、確かに初乗り運賃は高いが、それでも東京臨海高速鉄道にわずか届かないぐらいである。しかしながら高額に見えるのは一駅の距離が長いことに起因するため、他と比べるとそこまで極端に高いわけではない。(南海電気鉄道と同じ基準。ただしその南海も他と比べると運賃は高いほうである。)むしろ揶揄される原因は南海から乗りとおした場合で、2社分の初乗り運賃を要求されるためであった。2014年7月に民営化され、南海グループ傘下に入った事から、運賃の値下げが実施。乗り通し時の割引も設定され、以前よりはマシになった。
- 京都市交通局(京都市営地下鉄)
- 初乗り運賃の高さでは埼玉高速鉄道と並んでトップ。流石に距離がかさむと埼玉高速鉄道ほどではない。高額になっちゃった理由として、古都ならではの「文化財に傷をつけないようトンネルを掘り進める」という難解な課題を達成する為に多額の費用をかけたことが挙げられる。それだったら京都市電を残せばよかったのに。
- 竹田~京都間では西大寺・奈良方面の相互直通相手の近鉄京都線との誤乗が後を絶たないが、こっちはまだマシ。
- 本当の地獄は1997年開業の東西線。開業と同時に並行する京阪京津線三条~御陵を廃止した為に浜大津方面との行き来で京都市営地下鉄の運賃も余計に取られるようになり、更にその影響による乗客減で京阪は2018年ダイヤ変更で毎時4本を3本に減らす羽目になる悪循環に陥っている。誰がどう見ても不良インフラとしか言いようがない。まるで横軽じゃないか。
- また、ここを走る京阪800系は路面電車と地下鉄と登山鉄道を兼任する性能が必要になったため、値段が超高級車に。
- 大阪市高速電気軌道(OsakaMetro、旧大阪市交通局)
- 神戸市交通局(神戸市営地下鉄)
- 初乗りも高いけど、距離を重ねると高くなる。その為、距離を合わせると仙台市営地下鉄を除く地下鉄よりも高くなってしまう。尚、1日乗車券も仙台に次いで高い。
- わかりやすく言えば、「大阪/梅田~三宮間の運賃と三宮から総合運動公園駅(ほっともっとフィールド神戸の最寄り駅)間の運賃がほぼ同価格」(JR410円、阪急と阪神が320円、地下鉄340円)という状態である。
- 更にかつては北神急行電鉄の影響で三宮まで行く際には更に高くなってしまった(北神急行電鉄は初乗り360円で北総鉄道の新鎌ヶ谷駅-西白井駅間の310円より高かったため日本の鉄道事業者のなかでもっとも高かった初乗り運賃とされることが多いが、高額に見えたのはほぼ全区間山岳トンネルであると同時に駅の距離が長いこと(新鎌ヶ谷駅-西白井駅間の2倍以上の7.5km)に起因するため、他と比べるとそこまで極端に高いわけではなかった)。
- なお、北神急行は2020年6月1日に市営化され、谷上-新神戸間、谷上-三宮間共に280円に値下げされた。特に三宮まで乗ると550円もかかっていたが、これで半額程度になった。しかし、まだ高いほうである。
- 叡山電鉄
- 叡山線本体の運賃が高いだけでなく、接続する京阪鴨東線も高い(加算運賃適用路線)為、かなり高く取られてしまう。
- 対策として京阪電車と京都市営地下鉄で共通運賃制度を採用する事で叡山電鉄・京阪電鉄(本線系統と京津線系統との乗り継ぎも可能。)・京都市営地下鉄・京都市バスが乗り継ぎできる。
- 南海電気鉄道
- 大阪モノレール
中四国
- 井原鉄道
- 高松琴平電気鉄道
- ただでさえ高額運賃なのに横柄な労働争議により運休が多いという一時期の国鉄の様な状況であったため香川県民は「怒りの青息吐息」状態になる。ただし民事再生法適用後はそのままの状態であると流石に県民に見捨てられかねないために労働争議での運休を激減させ、さらに運賃値下げを行った。
- アストラムライン(広島高速交通)
- 有利子負債が多すぎて高額運賃になっており利用者が少ない。
並行在来線
整備新幹線開業時に第三セクターに転換されたJR路線である。転換後は利用者が青春18きっぷやジャパンレールパスといった、JRの切符が軒並み使用不能になる上に運賃負担が急上昇(何れも更に不採算の筈の地方交通線の方が軒並み激安)する等々のデメリットを一方的に負わされる。共通点が多い為、独立した節で紹介する。
- 東北本線盛岡駅~目時駅~青森駅(現・IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道)
- 値上げ額の平均倍率はJR時代の約1.6倍で、どれ程えげつないかと言うと、盛岡駅~新青森駅を利用した場合、東北新幹線の方が安い逆転現象が発生。
- 八戸駅~青森駅は地図を見ての通り、東北新幹線と東北本線が大きく離れ、盛岡へ利用する花輪線の客が盛岡~好摩で会社跨ぎによる運賃急上昇のとばっちりを喰らっている。
- IGRと青い森の会社境界は目時駅付近の岩手・青森県境と同位置にある。
- 信越本線横川駅~軽井沢駅~篠ノ井駅(現:JRバス関東・しなの鉄道しなの鉄道線)
- 信越本線長野駅~妙高高原駅~直江津駅(現:しなの鉄道北しなの線・えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン)
- 北陸本線金沢駅~倶利伽羅駅~市振駅~直江津駅(現:IRいしかわ鉄道・あいの風とやま鉄道・えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン)
- 海峡線・江差線五稜郭駅~木古内駅(現:道南いさりび鉄道)
- 鹿児島本線八代駅~川内駅(現:肥薩おれんじ鉄道)
- 交流専用車はコストが嵩む為、電化区間でありながら気動車が投入された。
- 八代以北については鹿児島本線なのに鹿児島県を一切通らない、路線名と実態の食い違いが生じている。
- しかも鹿児島県内は快速を含めた優等列車が全滅、鈍行が3時間に1本程度、新幹線も1時間に2本程度という三重のサービスダウンとなった。
海外
欧米の鉄道(英国など一部を除く)は日本とは異なり独立採算制でない事(税金の投入が前提)が多いので東欧・南欧地区を中心に運賃が安い事例が多い一方、西欧・北欧を中心に高額鉄道も多い傾向にある。
特に、ゾーン制運賃制度を敷いている国・都市程高額に陥りやすい傾向が強い。
- ロンドン地下鉄
- 英国は元々、鉄道運賃が高い傾向があるものの(これは日本と同様民間企業による独立採算を前提としているため)、ロンドン地下鉄はかなり高額な部類に入る。しかもゾーン制を採用しており、ゾーンによっては高額に陥りやすい。一応、オイスターカードで割引してくれるものの、それでも高い。
- ナショナル・レール(英国)
- 上記の通りの高額運賃。しかも値上げが頻繁に行われており、長距離になるとかなり高額になる。
- 割引こそしているもののそれをしているので余計に高く見られてしまう。
- ドイツ鉄道(ドイツ)
- ドイツは電気料金の高さや検札員の人件費などが原因で鉄道運賃も高くなりがち。鉄道以前の根本的な問題を抱えている例である。加えて、予約や制約などの問題で余計に高くなってしまう。
- 一応、割引料金をおこなって日本の新幹線より安く移動できる手段があるものの、割引制度そのものが「普段の料金は高い」という逆の印象を持たれる結果となっている。
- ベルリン地下鉄
- 高いのは地下鉄も例外ではない。短距離券(3駅まで利用可)が東京メトロ(初乗り5km170円)やOsaka Metro(初乗り3km180円)の初乗りより高い。
- しかもこの鉄道で問題なのは打刻制で打刻しても1日券を短距離券と勘違いしてしまう検札員が多く、違反すると60ユーロ取られる。しかも、冤罪罰金や検札詐欺も多い為、そのリスクも考慮すると運賃が高くなってしまう。因みに利用者は1日約130万人と主要国の地下鉄では少ない部類に入る。
- しかもこちらも悪名高いゾーン制を採用している。
- スイス連邦鉄道(スイス)
- スイスはトンネルの数が多い事、20世紀後半以降の路線再編の影響で運賃が高くなりがち。
- こちらも他の欧州諸国と同じように割引料金制度がある他、『ハーフフェアカード』で安くしてれるものの元の料金が高い為、「普段の料金が高い」印象を持たれがちである。
- スイスでの鉄道旅行者必見!ハーフフェアカードの使い方やおすすめ度を徹底検証!も参照に。
- ニューヨーク市地下鉄(米国)
- 均一料金なので、長距離だと安くなるものの、基準が安くないため短距離だと鬼のように高い。
- また、値上げも頻繁に行われており、終夜運転やアメリカ連邦政府、ニューヨーク市の財政難などが大きな要因だと言える。
- 加えて事故も多発しているなど、安全性や乗り心地は良いとは言えない。
- ニューヨーク地下鉄 日曜日より値上げ実行へも参照。
関連動画
関連項目
外部リンク
運賃の高い鉄道会社-借力-:こちらにも詳細が掲載してある。