路線データ
路線名 | 紀勢本線 |
---|---|
路線区間 | 亀山〜和歌山市 |
路線愛称 | きのくに線:新宮〜和歌山 |
路線記号 | W:新宮〜和歌山 |
ラインカラー | 水色:新宮〜和歌山 |
路線距離 | 384.2km |
軌間 | 1,067mm |
駅数 | 96駅 |
信号場数 | 1箇所 |
最高速度 |
|
電化区間 | 新宮〜和歌山市:直流1,500V |
非電化区間 | 亀山〜新宮 |
複線区間 | 紀伊田辺~和歌山 |
閉塞方式 |
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保安装置 |
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運転指令所 |
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ICカード乗車券エリア | ICOCAエリア:新宮〜和歌山市 |
第一種鉄道事業者 |
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概要
亀山駅(三重県亀山市)と和歌山市駅(和歌山県和歌山市)を紀伊半島の太平洋岸に沿って結ぶ総延長384.2kmの鉄道路線で、幹線。三重県と和歌山県を直接結ぶ唯一の鉄道路線である。
亀山駅〜新宮駅(和歌山県新宮市)間の非電化区間は東海旅客鉄道(JR東海)、新宮駅〜和歌山市駅間の直流電化区間は西日本旅客鉄道(JR西日本)の管轄。このうち新宮駅〜和歌山駅(和歌山県和歌山市)間は「きのくに線」の愛称があり、ラインカラーに水色、路線記号に「W」が割り振られている。
JR西日本管内のうち、紀和駅(和歌山県和歌山市)〜和歌山市駅間には南海電気鉄道との境界(分界点)がある。分界点〜和歌山市駅間の1.0km区間は南海が施設を保有しており、和歌山市駅構内にある非電化の連絡線で両社は繋がっている。なお同区間は南海がJR西日本に土地を貸与している為免許上はJR西日本が第一種鉄道事業者となっている。
国鉄時代は南海が直通運転用に保有していた気動車や客車を使用し、連絡線を経由して白浜駅まで急行(運行開始時は準急)「きのくに」が運行されていた。後述するが連絡線はその後南海の新型車両搬入で使用されている。
この連絡線を使用して南海・JR西日本・和歌山電鐵間で相互直通運転の構想があるものの、具体的な計画には至っていない。
またかつては貨物列車が運行されており、亀山駅〜紀伊佐野駅(和歌山県新宮市)間及び和歌山駅〜南海分界点間で日本貨物鉄道(JR貨物)が第二種鉄道事業者だった。
なおJR貨物の免許廃止後も南海の新型車両搬入に伴う甲種輸送が紀勢本線経由で行われているが、紀勢本線内はJR西日本の配給列車として扱われている。また南海所有区間については当初より南海の配給列車扱いである。
JR東海管内の大半の区間とJR西日本管内の一部は紀勢自動車道(紀勢道)と並走している。
シカ
JR東海管内は山間部を経由する為、野生動物との衝突に悩まされている。
特にシカとの衝突事故が顕著であり、2018年(平成30年)6月6日にはイノシシとの衝突を合わせて僅か3時間で4回も事故が起きている。
その為当時特急「南紀」で使用されていたキハ85系特急形気動車及び、普通列車用のキハ25形一般形気動車には衝撃緩和対策が為された特殊な排障器が装備されている。
また野生動物の線路への接近そのものを減少させる為、和歌山県有数のレジャー施設で沿線にあるアドベンチャーワールドからライオンの糞尿を分けてもらい軌道内に散布する実験を行った事もある。
実験期間中は初めこそ衝突事故が0になるなど絶大な効果を上げたものの、沿線から悪臭に対する苦情が多発する、匂いに慣れたシカが近づく等効果が薄れた為抜本的解決には至っていない。
沿革
5区間に分かれて開業している。
参宮線(亀山駅〜多気駅)
紀勢本線最初の開業区間。
1891年(明治24年)8月21日に関西鉄道津支線として亀山駅〜一身田駅間が開通した事が始まり。その後1893年(明治26年)12月31日に参宮鉄道によって津駅〜(初代)相可駅(現・多気駅)〜(現在の参宮線)宮川駅間が開業。
1907年(明治40年)10月1日に関西鉄道と参宮鉄道が国有化され、1909年(明治42年)10月12日に国有鉄道線路名称制定により参宮線となった。
紀勢東線(多気駅〜三木里駅)
1923年(大正12年)3月20日に紀勢東線として相可口駅(現・多気駅)〜栃原駅間が開通。
その後は少しずつ延伸を繰り返し、1958年(昭和33年)4月23日に九鬼駅〜三木里駅間が延伸された事で紀勢東線としては延伸を終了した。
紀勢中線(新宮駅〜串本駅)
1912年(大正元年)12月4日に新宮鉄道の路線として勝浦駅(現・紀伊勝浦駅)〜三輪崎駅間が開通。翌1913年(大正2年)3月1日には三輪崎駅〜新宮駅間が延伸された。
1934年(昭和9年)7月1日に新宮鉄道が国有化され紀勢中線と改称。
1935年(昭和10年)7月18日に紀伊勝浦駅〜下里駅間、1936年(昭和11年)12月11日に下里駅〜串本駅間がそれぞれ延伸された。また1938年(昭和13年)5月20日には新宮駅が現在地に移転し、新宮駅〜三輪崎駅間が新線に切り替えられた。同時にそれまでの本線だった旧線は新宮駅〜(貨)熊野地駅(同日に旅客営業廃止)間が貨物支線となり、熊野地駅〜三輪崎駅間は廃止された。
紀勢西線(新鹿駅〜紀和駅)
1924年(大正13年)2月28日に紀勢西線として(初代)和歌山駅(現・紀和駅)〜箕島駅間が開通。
その後延伸を繰り返し、1940年(昭和15年)8月8日の江住駅〜串本駅間及び新宮駅〜紀伊木本駅(現・熊野市駅)間延伸と同時に紀勢中線を編入した。
1956年(昭和31年)4月1日に紀伊木本駅〜新鹿駅間の延伸をもって紀勢西線としての延伸は終了した。
和歌山線
1903年(明治36年)3月21日に紀和鉄道の路線として(初代)和歌山駅〜南海分界点〜和歌山市駅間が開通。翌1904年(明治37年)8月27日に紀和鉄道は関西鉄道に買収されるが、1907年10月1日に国有化。1909年10月12日の国有鉄道線路名称制定により現在の和歌山線区間と共に和歌山線となった。
全線開通から国鉄分割民営化まで
1959年(昭和34年)7月15日に三木里駅〜新鹿駅間が延伸され、全線開通。亀山駅〜多気駅(同日相可口駅から改称)間を参宮線から分離し、紀勢東線・紀勢西線と統合され亀山駅〜(初代)和歌山駅間が紀勢本線となった。
1972年(昭和47年)3月15日には和歌山線の紀和駅〜和歌山市駅間を紀勢本線に編入し、現在の区間となった。
1978年(昭和53年)10月2日には新宮駅〜(貨)和歌山操駅(廃止)間が直流電化された。
1984年(昭和59年)10月1日には和歌山駅〜和歌山市駅間が直流電化され、現在のJR西日本管内が全線電化された。
1985年(昭和60年)3月13日には南海からの直通列車が廃止。
1986年(昭和61年)11月1日には紀伊佐野駅〜和歌山駅間の貨物営業及び和歌山操駅が廃止された。
国鉄分割民営化後
1987年(昭和62年)4月1日に国鉄が分割民営化され、亀山駅〜新宮駅間はJR東海、新宮駅〜和歌山市駅間はJR西日本が第一種鉄道事業者となる。また貨物営業を行っていた亀山駅〜紀伊佐野駅間及び和歌山駅〜南海分界点間はJR貨物が第二種鉄道事業者となった。
1989年(平成元年)2月20日に松阪駅〜多気駅間でワンマン運転を開始。同年7月22日からは新宮駅〜和歌山駅間できのくに線の愛称を使用開始した。
また10月20日には和歌山駅〜和歌山市駅間でワンマン運転を開始する等、以後ワンマン運転区間は徐々に拡張される。
2003年(平成15年)4月1日には和歌山駅〜南海分界点間、2008年4月1日には鵜殿駅〜紀伊佐野駅間におけるJR貨物の第二種鉄道事業がそれぞれ廃止された。
2015年(平成27年)8月30日には海南駅〜和歌山駅間が「ICOCA」エリアに指定された。
2016年(平成28年)4月1日には亀山駅〜鵜殿駅間におけるJR貨物の第二種鉄道事業が廃止され、全線における貨物営業が終了した。同年12月17日にはICOCAエリアが新宮駅まで拡大。特急停車駅で乗車券機能のみ利用できるようになった。翌2017年(平成29年)7月15日には和歌山駅〜和歌山市駅間、2020年(令和2年)3月14日には紀伊田辺駅〜海南駅間の各駅、2021年(令和3年)3月13日には新宮駅〜紀伊田辺駅間の各駅で「ICOCA」を利用出来るようになった。
運行形態
基本的には亀山駅方面から和歌山市駅方面に向かう列車が下り、その逆が上りだが、きのくに線区間においては上下列車が逆となる。
特急
詳細は「南紀」「くろしお」「WESTEXPRESS銀河」を参照。
- 南紀
名古屋駅〜新宮駅・紀伊勝浦駅間で運行されている。
定期列車は新宮駅発着1往復と紀伊勝浦駅発着3往復。繁忙期には紀伊勝浦駅発着が2往復増発される。
また三重県熊野市の「熊野大花火大会」開催時には名古屋駅〜熊野市駅間で臨時特急「熊野大花火」が運行される。
- くろしお
京都駅・新大阪駅〜海南駅・白浜駅・新宮駅間で定期列車が15往復運行されている他、週末や繁忙期には臨時列車も設定されている。
- WESTEXPRESS銀河
臨時特急列車。「紀南コース」として京都駅〜新宮駅間で運行される。新宮行は夜行、京都行は昼行。
快速みえ
詳細は当該列車の記事を参照。
名古屋駅〜伊勢市駅・鳥羽駅間を結ぶ快速列車。ほぼ毎時1本程度運行されている。
快速
京橋駅・天王寺駅・和歌山駅〜御坊駅・紀伊田辺駅で運行されている。線内運用及び天王寺行は快速、大阪環状線直通列車は和歌山駅以北は紀州路快速として運行される。
朝に和歌山駅方面、夜に快速のみ紀伊田辺駅方面の列車が運行されている。
普通
全区間を走破する列車及び新宮駅を跨ぐ列車は設定されていない。
2000年(平成12年)9月30日まで「太公望列車」と呼ばれる夜行列車が新大阪駅〜新宮駅間で運行されていた。後述するがこの列車は後に紀伊田辺駅、次いで御坊駅発着と徐々に運転区間が短縮されているが、きのくに線最終列車として現在も運行されている。
現在は一部を除き、亀山駅〜多気駅〜参宮線、多気駅〜新宮駅、新宮駅〜紀伊田辺駅、紀伊田辺駅〜御坊駅、御坊駅〜和歌山駅、和歌山駅〜和歌山市駅間で運行系統が分かれている。
- 亀山駅〜多気駅
概ね毎時1本運行されている。大部分が参宮線直通で亀山駅〜伊勢市駅・鳥羽駅間の運行だが、少ないながらも熊野市駅・新宮駅発着(早朝の下り1本は松阪駅始発)の列車も設定されている。基本的に多気駅で新宮駅方面の列車と接続する。
一部は亀山駅〜津駅・多気駅間及び松阪駅〜多気駅・伊勢市駅間の区間運転。
- 多気駅〜新宮駅
JR東海管内の閑散区間。概ね2時間に1本程度の本数だが3時間以上間隔が開く時間帯が存在する。
区間内を走破する列車が基本だが紀伊長島駅・熊野市駅発着及び多気発三瀬谷行の区間便や、亀山駅方面直通列車も少数存在する。
- 新宮駅〜紀伊田辺駅
JR西日本管内の閑散区間。概ね1〜3時間に1本の運行。
区間内を走破する列車の他に新宮駅〜紀伊勝浦駅・串本駅間、串本駅・周参見駅〜紀伊田辺駅間の区間列車が存在する。また周参見駅始発の1本は御坊駅まで直通する。
- 紀伊田辺駅〜御坊駅
概ね毎時1本の運行。区間内運行が基本だが朝夕を中心に和歌山駅方面発着の列車が設定されている。また御坊駅で紀伊田辺駅方面と和歌山駅方面の列車が接続する。
この他に前述の周参見発御坊行と、土休日のみ和歌山駅から紀州路快速となる紀伊田辺発京橋行が1本ずつ運行される。
- 御坊駅〜和歌山駅
御坊駅〜箕島駅間は概ね毎時1本、箕島駅〜和歌山駅間は概ね毎時2本の運行。
御坊駅・箕島駅〜和歌山駅間の列車を基本とし、紀伊田辺駅・湯浅駅・海南駅発着の列車も一部設定されている。
この他に阪和線直通列車が設定されており、和歌山駅以北を紀州路快速として運行する。なお京橋発御坊行の最終列車はかつて「太公望列車」と呼ばれた夜行列車の名残で、2018年(平成30年)3月17日のダイヤ改正まで新大阪駅発着、2010年(平成22年)3月13日ダイヤ改正までは紀伊田辺駅発着、2000年9月30日まで新宮駅発着で運行していた。
また、1992年(平成4年)11月30日まで藤並駅〜湯浅駅間で有田鉄道の列車が乗り入れていた。
- 和歌山駅〜和歌山市駅
日中は毎時1本、朝夕は毎時2本程度の運行。区間内の運用のみで他区間及び他線への直通運転は行わない。
駅一覧
亀山駅〜新宮駅
●:停車 レ:通過 ‖:非経由
駅名 | 特急 | 快速 | 乗換路線 | 備考 |
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亀山 | ‖ | ‖ | ||
下庄 | ‖ | ‖ | ||
一身田 | ‖ | ‖ | ||
↑特急・快速は伊勢鉄道経由関西本線名古屋まで直通運転 | ||||
津 | ● | ● |
| 当駅発着あり |
阿漕 | レ | レ | ||
高茶屋 | レ | レ | ||
六軒 | レ | レ | ||
松阪 | ● | ● | 当駅発着あり | |
徳和 | レ | レ | ||
多気 | ● | ● | 参宮線 | 運行系統上の境界 |
↓参宮線鳥羽まで直通運転 | ||||
相可 | レ | ‖ | ||
佐奈 | レ | ‖ | ||
栃原 | レ | ‖ | ||
川添 | レ | ‖ | ||
三瀬谷 | ● | ‖ | 当駅止あり | |
滝原 | レ | ‖ | ||
阿曽 | レ | ‖ | ||
伊勢柏崎 | レ | ‖ | ||
大内山 | レ | ‖ | ||
梅ケ谷 | レ | ‖ | ||
紀伊長島 | ● | ‖ | 当駅発着あり | |
三野瀬 | レ | ‖ | ||
船津 | レ | ‖ | ||
相賀 | レ | ‖ | ||
尾鷲 | ● | ‖ | ||
大曽根浦 | レ | ‖ | ||
九鬼 | レ | ‖ | ||
三木里 | レ | ‖ | ||
賀田 | レ | ‖ | ||
二木島 | レ | ‖ | ||
新鹿 | レ | ‖ | ||
波田須 | レ | ‖ | ||
大泊 | レ | ‖ | ||
熊野市 | ● | ‖ | 当駅発着あり | |
有井 | レ | ‖ | ||
神志山 | レ | ‖ | ||
紀伊市木 | レ | ‖ | ||
阿田和 | レ | ‖ | ||
紀伊井田 | レ | ‖ | ||
鵜殿 | レ | ‖ | ||
↑三重県/↓和歌山県 | ||||
新宮 | ● | ‖ | JR西日本きのくに線紀伊田辺方面 | JR西日本管理駅 |
↓JR西日本管内紀伊勝浦まで直通運転(特急のみ) |
新宮駅〜和歌山駅
●:停車 ○:一部停車 レ:通過
駅名 | 特急 | 快速 | 乗換路線 | 備考 |
---|---|---|---|---|
↑JR東海管内経由名古屋まで直通運転(南紀のみ) | ||||
新宮 | ● | JR東海管内亀山方面 | ||
三輪崎 | レ | |||
紀伊佐野 | レ | |||
宇久井 | レ | |||
那智 | レ | |||
紀伊天満 | レ | |||
紀伊勝浦 | ● | 当駅発着あり | ||
湯川 | レ | |||
太地 | ● | |||
下里 | レ | |||
紀伊浦神 | レ | |||
紀伊田原 | レ | |||
古座 | ● | |||
紀伊姫 | レ | |||
串本 | ● | 当駅発着あり | ||
紀伊有田 | レ | |||
田並 | レ | |||
田子 | レ | |||
和深 | レ | |||
江住 | レ | |||
見老津 | レ | |||
双子山信号場 | レ | |||
周参見 | ● | 当駅発着あり | ||
紀伊日置 | レ | |||
椿 | レ | |||
紀伊富田 | レ | |||
白浜 | ● | 当駅発着あり | ||
朝来 | レ | |||
紀伊新庄 | レ | |||
紀伊田辺 | ● | ● | 運行系統上の境界 | |
芳養 | レ | ● | ||
南部 | ○ | ● | ||
岩代 | レ | ● | ||
切目 | レ | ● | ||
印南 | レ | ● | ||
稲原 | レ | ● | ||
和佐 | レ | ● | ||
道成寺 | レ | ● | ||
御坊 | ● | ● | 紀州鉄道 | 運行系統上の境界 |
紀伊内原 | レ | レ | ||
紀伊由良 | レ | ● | ||
広川ビーチ | レ | レ | ||
湯浅 | ○ | ● | 当駅発着あり | |
藤並 | ○ | ● | ||
紀伊宮原 | レ | レ | ||
箕島 | ○ | ● | 当駅発着あり | |
初島 | レ | レ | ||
下津 | レ | レ | ||
加茂郷 | レ | ● | ||
冷水浦 | レ | レ | ||
海南 | ● | ● | 当駅発着あり | |
黒江 | レ | ● | ||
紀三井寺 | レ | ● | ||
宮前 | レ | レ | ||
和歌山 | ● | ● | ||
↓阪和線経由京都/京橋まで直通運転 |
和歌山駅〜和歌山市駅
現在の使用車両
JR東海所属
名古屋車両区所属のハイブリッド式特急形気動車。
特急「南紀」及び臨時列車で運用中。
名古屋車両区・美濃太田車両区所属の一般形気動車。
快速「みえ」で運用中。通常は名古屋車が使用されるが、定期列車の増結時や臨時運用で美濃太田車が使用される事がある。
また過去には多気駅以南で臨時列車として入線実績がある。
名古屋車両区・美濃太田車両区所属の一般形気動車。
JR東海管内の普通列車で運用中。通常は名古屋車が使用されるが、定期列車の増結時や臨時運用で美濃太田車が使用される事がある。
名古屋車両区所属の事業用気動車。
キヤ95系は検測車、キヤ97系はレール運搬車。
JR西日本所属
吹田総合車両所日根野支所(283系・287系)・京都支所(289系)所属の直流特急形電車。
特急「くろしお」で運用中。このうち283系は初め「スーパーくろしお(オーシャンアロー)」、次いで「オーシャンアロー」として運用されていた。
- 117系7000番台「WEST EXPRESS銀河」
吹田総合車両所京都支所所属。直流近郊形電車の改造車両。
同名臨時特急で運用されている。
吹田総合車両所日根野支所所属の直流近郊形電車。
紀伊田辺駅〜和歌山駅間及び阪和線直通列車で運用中。過去には周参見駅まで定期運用が存在した。
- 227系1000番台
吹田総合車両所日根野支所新在家派出所所属の直流近郊形電車。
JR西日本管内全線で運用中。
吹田総合車両所京都支所所属の事業用気動車(検測車)。
網干総合車両所宮原支所所属のディーゼル機関車。
工事列車の牽引や南海所属車両の甲種輸送時に運用されている。
過去の使用車両
国鉄民営化後の車両のみ記載。
JR東海所属
- キハ82系(メインイラスト)・キハ85系
名古屋車両区所属の特急形気動車。
特急「南紀」、「ホームライナーみえ」(キハ82系のみ)及び臨時列車で使用されていた。
名古屋車両区・伊勢車両区(廃止)所属の急行形気動車。
名古屋車は快速「みえ」及び臨時列車で、伊勢車は普通列車で使用された。
伊勢車両区所属の一般形気動車。いずれもJR東海管内で運用されていた。
キハ30形は国鉄時代から民営化直後までの運用。
キハ11形とキハ40系はキハ25形に置き換えられるまで運用されていたが、キハ11形の0・100番台はトイレが無い為、多気駅以南で運用される際はトイレ付の300番台と併結していた。
JR西日本所属
所属の記載のない物は日根野電車区本所→吹田総合車両所日根野支所所属。
直流特急形電車。特急「くろしお」「スーパーくろしお」及び臨時列車で運用された。
直流急行形電車。電化時に普通列車用として導入され、「太公望列車」でも運用されていた。
直流通勤形(103系)・近郊形(111・113系)電車。
定期運用区間は周参見駅〜和歌山駅間だった。
103系は過去には森ノ宮電車区(現・吹田総合車両所森ノ宮支所)所属車(USJラッピング)による臨時列車が新宮駅〜和歌山駅間で運行された。
113系は後に中間車を改造した2000番台が登場したが、こちらは紀伊田辺駅〜和歌山駅間の運用だった。
直流通勤形電車。
3扉車は新宮駅〜紀伊田辺駅・南部駅間、4扉車は和歌山駅〜和歌山市駅間で運用されていた。
元和歌山線用の4扉車が3扉車の代走を務める事もあった。
- 117系0・300番台・221系
吹田総合車両所日根野支所新在家派出所(117系)・奈良支所(221系)所属の直流近郊形電車。
定期運用区間は紀伊田辺駅〜和歌山駅間だったが、団体列車として新宮駅まで入線実績があった。また221系は臨時急行列車(マリン白浜221)としての運用実績もあった。
宮原総合運転所(現・網干総合車両所宮原支所)所属のディーゼル機関車及び新和歌山車両センター(現・吹田総合車両所日根野支所新在家派出所)所属の客車を改造したジョイフルトレイン。
同名臨時列車として運用されていた。
JR貨物所属
- DD51形
愛知機関区所属のディーゼル機関車。
亀山駅・津駅〜鵜殿駅・紀伊佐野駅間で貨物列車を牽引していた。
有田鉄道所属
- キハ58003
キハ58形気動車に準じて製造された。
富士急行(現・富士山麓電気鉄道)から国鉄中央本線(中央東線)直通用気動車を有田鉄道が譲受し、紀勢本線では有田鉄道からの直通列車として運用されていた。
余談
- 冒頭のイラストにあるように紀勢本線といえば近年まで使用された381系の「くろしお」というイメージが強いが、国鉄末期頃に一部列車に485系が使用された事がある。しかし振り子式の381系に比べてカーブでの制約が大きく所要時間に大幅な差が生じた為、民営化を待たずに短期間で他線へ転属した。
- 民営化初期の1987年に京都駅〜白浜駅間を奈良線〜関西本線〜阪和貨物線〜阪和線〜紀勢本線というユニークな経路で結んだ臨時特急「ふれ愛紀州路号」が運行された。なお現在では阪和貨物線の廃止によりこの経路での運行は不可能である。また1989年には天王寺駅構内の短絡線の使用開始に伴い、京都駅方面の列車は原則天王寺駅を経由する事となった。
関連タグ
近鉄山田線:競合路線