105系
ひゃくごけい
地方の電化線区で運用されていた旧形国電を置き換える目的で1981年に登場。
大都市圏の通勤型電車の標準形式であった103系をベースに、1M方式を採用するなど(後述)短編成を組めるように設計された。
新規製造の3扉車0番台、103系1000番台改造の4扉車500番台(クハ103→クハ105については0番台)と2つのグループに大別される。
主回路構成
103系と同じ端子電圧375V・最高耐圧900VのMT55系主電動機を4個永久直列1群として、抵抗制御と弱め界磁だけで制御(213系のような定格750V・耐圧1800Vのものは用意されていない)、103系と同じ直並列制御は行わない。そのため、速度の制御段が1つ減ることになるが103系の並列(=105系の抵抗最終段)での定格速度は33.5km/hと大変低く、103系の直列段のみの運転は実質使う場面がないことから割り切られた。
車体構造
新製車
車体幅が2800mm、裾絞りなしの幅狭車体であるが、車体の割付は通勤形というより近郊型のそれである。元々ローカル向けであり、ラッシュ時も東京のようには混まないので単純化されている。
201系量産車より前の登場であり、車体腐食対策での側板切り上げ連続溶接などの工法は採られていない。従来どおり、コ形の台枠側面下部までの長さのある側鋼板をスポット溶接で貼っている。
但し、のちの更新修繕で201系・119系などに類似した防錆配慮型の接合方法に改められた車両が多数存在する。
元々このグループには中間車も存在したが、全て先頭車に改造されたため今はそれらは存在しない。
改造車
地下線トンネル内で排熱の激しさが問題となっていた103系1000番台(数量調整でクハ103一般車も含む。JR移行間際の仙石線用は0番台から改造。)が203系への置き換えで余剰となったものを活用するため、モーター以外の電気部品のほとんどを交換し編入した車両。運転台を取り付けた部分以外は、基本的に元の103系の車体をそのまま引き継ぐ。
ただ制御付随車の種車の数両バランスの関係か、電装解除して制御車にした車両も多数あり、これらは元のDT33をTR64・212など付随車用台車へ取り替えている。
103系の車体は極力改造をせずコストダウンを計画したものの、新造である電気部品のコストがかさんだうえ半数以上の車両への運転台ブロック新造・接合などの工程が増え、非冷房であった内装は1950年代前半のデザインである72系全金車と両開き扉以外変わり映えがせず、のちにさほど経たぬうちに更新工事・特別保全工事や冷房改造が必要となるなど、完全新造と比較しても実はさほど安くはならなかったといわれる。
後年、事故で大破したクハ105-7は、廃車の上前頭部だけを切除し、余剰の電装解除したモハ102-385に接合、クハ104-551という異端車として再生した。