JR西日本の同名の通勤形電車については207系を参照
概要
歴史
日本国有鉄道時代の1986年に製造された国鉄初(そして唯一)の営業用VVVFインバータ制御電車である。
1986年11月1日の国鉄ダイヤ改正に、常磐緩行線および乗り入れ先の営団地下鉄(現東京地下鉄)千代田線の増発用という名目で、試作編成1本(10両編成)が松戸電車区(現松戸車両センター)に配置された。
営業運転を通して悪天候時に空転が多いことが判明し、1980年代当時はVVVFインバータ装置が高価で製造コストが高いことにより、遂にはこの車両を基にした量産車は登場しなかった。
203系と共通の運用で運行されてきたが、E233系2000番台の導入が発表されると同時に203系と本車が置き換えられることが決定し、2009年12月5日のさよなら運転をもって引退、翌2010年1月に廃車となった。
車体・構造
205系を基本としたステンレス鋼製で、車内構造についても同形式を踏襲している。
205系との一番の違いは、地下鉄乗り入れを考慮して中央に貫通扉が設置されていることである。翌1987年、裾を絞っていないステンレス車体に貫通顔を持つ近郊型電車121系が登場している。本形式とは顔が似ているが、細部は異なっている。
武蔵野線の205系は一部の車両を民営化後に足回りをVVVFインバータ制御・誘導電動機に換装しており、205系の皮を被った207系と化している(現在はE231系に代替され全廃)。
機器等
性能比較のため、各電動車全てに異なるメーカー5社(東芝製のみ2両に搭載される)のVVVFインバータ装置が搭載されている。
台車は205系と同形式のボルスタレス台車である。
JR西日本207系との関連
JR西日本が1991年より新製・運用している207系とは、ステンレス車体のVVVFインバータ制御の4扉通勤形電車という共通性はあるが、それ以外はまったくの別の形態の異種車両となる。
当系列にも量産先行車(この編成のみ7両貫通、他はすべて4+3両編成と差異がある)が存在したが、車番は900番台ではなく、1ないし2となっており、番号の重複は一切ない。なお当該量産先行車は体質改善工事の対象外とされ、既に廃車になっている。
鉄道専門雑誌「鉄道ファン」では、毎年国鉄型車両の各形式の残存率を記載しているが、JR西日本の207系を同一車両としてカウントしているため、残存率が異常に高いことになっている(ただし、純粋に国鉄207系のみの残存率も併せて載せている)。
また同誌では「(国鉄207系は)民営化以降は営団東西線乗り入れ用に増備するのでは?」という予想もあったが、周知のとおり増備とはならなかった。しかし、まったく別の形で登場した西日本207系は別の東西線用車両となっため、図らずも予想的中という形となった。
関連タグ
千代田線乗り入れ車両
現役車両
過去
103系1000番台 203系 207系900番台 105系に転用された103系以外全車廃車済
209系1000番台 2018年に中央線快速用に転出