登場までの経緯
従来福岡市営地下鉄空港線に乗り入れていた103系1500番台は老朽化により車両故障が多発しており、地下鉄側からも車両更新を要求されていた。そのため2014年1月31日、JR九州は同系置き換え用として新車36両(6両編成6本)を、2015年2月より順次投入することを発表した。
この地点では新車の詳細は不明だったが、同年6月末より熊本で開かれた某展覧会にて、水戸岡鋭治氏がデザインしたイメージ図を見ることができた。同年7月31日、ついにJR九州の公式発表に至った。
概要
アルミ合金製車体の4扉車両で、4M2Tの6両編成。
実は、国鉄・JRグループ通算で地下鉄直通車両へのアルミ車体採用は203系以来約30年ぶりとなる。
コンセプトは「人にやさしく、環境にやさしいスマートトレイン」。
全体の雰囲気は817系2000・3000番台に似ているが、前照灯が4灯になり、貫通扉も助手席側に寄せられるなどといった相違点がある。
車内案内表示機はJR九州としては初めて液晶式のものが採用され、全扉上に配置されている。VVVF制御の制御装置はPMSMがJR旅客6社の量産車として初めて採用され、行先表示機はこれまたJR九州初採用のフルカラーLED式のものが採用、さらに303系にはなかった扉半自動扱いボタンも設置されている。また、1号車(クハ305形)の床は木のフローリングになっているのも特徴である。303系に続き地下鉄で運用する車両としては珍しいトイレも設置されている。運転台は地下鉄線内のワンマン運転に対応。
2014年11月から翌年3月にかけて6両編成6本が落成して唐津車両センターに配置され、2015年2月5日より営業運転を開始し、同年3月のダイヤ改正から303系と運用が共通化された。
なお、303系同様、大規模な定期検査は福岡市が保有し、JR九州の系列会社が業務を受託する姪浜車両基地で施行される。
関連タグ
東武60000系 阪急1000系:同時期に製造されたA-train車両。前者は車体企画故かファンの間では305系のベース車両ではないかといわれている。