水戸岡鋭治
みとおかえいじ
岡山県出身のデザイナー・イラストレーター。ドーンデザイン研究所代表取締役。1947年7月5日生まれ。
これまで野暮ったかった日本の鉄道デザインを大きく変えた。JR九州等の鉄道車両に関するデザインで知られているが、乗り物だけでなく、建築物や広告、衣装、家具、インテリアなどを総合的にデザインしている。木目とヘルベチカを使ったレタリングが特徴の一つ。
同氏デザインの車両につけられるタグとしてはドーンデザイン研究所水戸岡鋭治デザインの方が多く用いられている。
GKインダストリアルデザインを率いる栄久庵憲司と共に1990年代を代表する鉄道デザイナーであるが、彼のデザインの車両が広まっていくにつれ「短調」や「利便性を考えていない」など厳しい評価を付けられることがある。例えばJR九州の特急車両は普通車でも革張りで高級感をアピールしているが、885系のような振り子車両ではカーブに差し掛かると遠心力で背面が滑りやすくなり「座っていると疲れる」という指摘があったり(実際後の改造で布地のものに交換されている)、窓が大きかった371系を富士山ビュー特急に転用する際窓の外枠を木で埋めてしまったため「富士山が見えづらくなった」と言われている。他にも「木の上に薄い座布団を載せたような座席のため長時間座るとお尻が痛い」「掃除がしづらく、常に汚れている」といったデメリットも散見されている。
しかしこれらは水戸岡ではなく依頼主に問題があるという指摘もある。たとえばある鉄道会社ではプレリリースで「数千万円で1編成をリニューアル」と発表していたが大幅リニューアルをするには億は必要な業界でこの金額は明らかに格安で、また地域差や環境を考慮せず「(他の鉄道会社のデザインのものがいいから)同じようにしてほしい」という依頼をすることが多いなど、水戸岡はむしろうまくやりくりしているといえる(ピンとこない人のために大改造!!劇的ビフォーアフターでの建築士の苦悩を知れば共感できると思われる)。そもそも鉄道デザイナーが少なく、その確保や依頼に苦悩しているところもあるため、鉄道会社にとって水戸岡は有難い存在である。