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2002年(平成14年)10月31日に設立された第三セクター鉄道会社

2004年(平成16年)3月13日九州旅客鉄道(JR九州)九州新幹線部分開業に伴い、鹿児島本線のうち並行在来線として経営分離された区間を「肥薩おれんじ鉄道線」として運営している。


なお新幹線の並行在来線を引き継いだ第三セクター鉄道会社のうち、県境の僅かな区間だけはでなく大部分が2県に跨っている路線は肥薩おれんじ鉄道だけである。


以下は運営路線の「肥薩おれんじ鉄道線」について記載。


路線データ編集

路線名肥薩おれんじ鉄道線
路線記号OR
ラインカラーオレンジ
路線区間八代〜川内
路線距離116.9km
軌間1,067mm
駅数28駅
信号場数1箇所
電化区間全線(交流20,000V)
複線区間湯浦〜津奈木
単線区間
  • 八代〜湯浦
  • 津奈木〜川内
最高速度95km/h
閉塞方式自動閉塞式
保安装置ATS-SK
運転指令所
  • JR九州博多総合指令所(博多指令):八代駅・川内駅構内
  • 運転統括指令室(おれんじ指令):上記以外
第一種鉄道事業者肥薩おれんじ鉄道
第二種鉄道事業者日本貨物鉄道(JR貨物)

概要編集

八代駅(熊本県八代市)と川内駅(鹿児島県薩摩川内市)を結ぶ肥薩おれんじ鉄道の鉄道路線。前述の通りJR九州鹿児島本線のうち並行在来線として経営分離された区間を第三セクターとして転換した路線である。その為0キロポストは八代駅ではなく門司港駅にあり、キロ程はJRからの通算である。

また鹿児島本線時代の交流電化設備を維持しているが、これはJR九州の臨時列車及びJR貨物貨物列車の為であり、肥薩おれんじ鉄道の車両を使用する列車は経費節減の為全て気動車での運行である。


営業キロの総延長116.9kmは単一路線としては第三セクター鉄道で最長であった。しかし2010年(平成22年)12月4日JR東日本東北新幹線八戸駅新青森駅間延伸に伴い東北本線八戸駅~青森駅間が青い森鉄道青い森鉄道線に転換されると、2002年(平成14年)12月1日に転換された区間と合わせて総延長121.9kmとなって抜かれた。


2017年(平成29年)から『月刊ヤングチャンピオン烈』で連載され、2020年(令和2年)4月9月アニメ化された『放課後ていぼう日誌』とのタイアップが2020年12月から行われている。車体にラッピング施され、出演声優による車内アナウンスが実行された。当初は2023年(令和5年)5月までの予定だったが、本項編集時点(2023年10月)でもタイアップ車両は運行されている。


車両基地編集

出水駅構内に出水車両基地があり、自社車両は全て同所に所属している。


直通運転編集

一部列車が鹿児島本線八代駅〜新八代駅間及び川内駅〜隈之城駅間に乗り入れている。2019年(平成31年)3月15日までは快速が新八代駅〜熊本駅間及び隈之城駅〜鹿児島中央駅間にも乗り入れていた。


沿革編集

肥薩おれんじ鉄道(株)設立以降について記載。それ以前については鹿児島本線を参照。



運行形態編集

現在の運行形態編集

  • 定期列車

定期列車は全列車がワンマン運転の普通列車

概ね毎時1本設定されており、全線通しの運行の他、主に夕方以降に鹿児島本線新八代駅・隈之城駅発着の直通列車が運行される。なお新八代駅〜隈之城駅間の両端がJR線となる列車はの上り1本のみ。

この他に通勤通学時間帯を中心に区間列車も設定されている。


  • おれんじ食堂

2013年3月から週末に運行されている観光列車。九州の鉄道ではお馴染みのデザイナー水戸岡鋭治がデザインを担当した。

沿線の農産物・海産物を活かした季節ごとの料理が提供され、ビュッフェ、ダイニングテーブルやドリンクカウンターなどの設備が実装されるほか、アテンダントも乗務する。完全予約制で、値段は1号車が大人1万2800円〜(子供8200円〜)、2号車が座席指定料1400円+乗車区間の運賃。なお29万円〜で貸し切りも可能。


JR九州787系を使用して2020年11月9日から毎週木曜日のコース「赤の路」として肥薩おれんじ鉄道へ乗り入れる。博多発鹿児島中央行の片道運行。肥薩おれんじ鉄道線内のみの利用は出来ない。JR九州の乗務員が乗務する。

線内は牛ノ浜駅にのみ停車し、停車中にホーム上に出る事は可能だが牛ノ浜駅で下車する事は出来ない。

787系は転換前の鹿児島本線時代にL特急つばめ」や夜行特急「ドリームつばめ」として運行されていた実績があり、転換以来16年ぶりの同区間への入線となった。また運行区間が「つばめ」の博多駅発着便と全く一緒の為、ある意味形を変えて復活したと言える。


  • 貨物列車

第三セクター転換後も各地と鹿児島方面を結ぶ大動脈である事には変わらず、鹿児島貨物ターミナル駅発着のJR貨物による貨物列車が多数運行されている。

前述の通り、高価な交流電化設備を維持している理由の大部分は貨物列車の運行の為である。


過去の列車編集

  • 快速「スーパーおれんじ」「オーシャンライナーさつま」

土休日に新八代駅〜川内駅間で運行されていた観光快速「海風」「潮彩」を前身とする土休日運行の定期快速列車。

運行区間は「スーパーおれんじ」が熊本駅〜出水駅・川内駅間でJR線内はノンストップ、「オーシャンライナーさつま」が鹿児島中央駅〜出水駅・新八代駅間でJR線内は串木野駅伊集院駅停車で運行されていた。

2019年3月16日ダイヤ改正で「オーシャンライナーさつま」の八代駅〜新八代駅間を除くJR区間への直通運転を中止。2021年(令和3年)3月13日ダイヤ改正で廃止された。


停車駅(廃止時)編集

  • スーパーおれんじ

八代 - 日奈久温泉 - 佐敷 - 水俣 - 出水 → (川内までの各駅)


  • オーシャンライナーさつま

川内 - 上川内 - (阿久根米ノ津 → 新八代間の各駅)


駅一覧編集

●:停車 レ:通過

※:転換後に開業した駅

接続する路線は全てJR九州


駅番号駅名特急食堂乗換路線備考
鹿児島本線新八代まで直通運転
OR01八代
  1. 鹿児島本線
  2. 肥薩線(えびの高原線)
OR02肥後高田当駅発着あり
OR03日奈久温泉
OR04肥後二見
OR05上田浦
OR06たのうら御立岬公園
OR07肥後田浦
OR08海浦
OR09佐敷
OR10湯浦
OR11津奈木
OR12新水俣九州新幹線
OR13水俣
OR14
熊本県/↓鹿児島県
OR15米ノ津
OR16出水九州新幹線当駅発着あり
OR17西出水当駅止あり
OR18高尾野
OR19野田郷当駅止あり
OR20折口
赤瀬川信号場
OR21阿久根
OR23牛ノ浜
OR24薩摩大川
OR25西方
OR26薩摩高城
OR27草道
OR28上川内
OR29川内
  1. 九州新幹線
  2. 鹿児島本線
↓鹿児島本線隈之城まで直通運転

使用車両編集

自社車両編集

全車出水車両基地所属。

気動車列車で使用される。HSOR-150形はイベント用車両。


JR九州所属編集

  • 787系BM363編成

南福岡車両区所属の特急型電車。「36ぷらす3」専用車両。


JR貨物所属編集

門司機関区所属の電気機関車。ED76形・EF81形はEF510形300番台に置き換え予定。


その他編集

  • 肥薩おれんじ鉄道では様々なラッピング列車を走らせている。主なものとして、くまモンラッピング列車、ぐりぶーファミリートレイン、薩摩川内市ラッピング列車など。かつては銀河鉄道999のラッピング列車もあった
  • 肥薩おれんじ鉄道の阿久根市内にある無人駅に、地元の漫画家はまさきちいによってデザインされた萌えキャラの看板が存在する(参考)。
  • 2018年11月公開の有村架純主演映画『かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発』は肥薩おれんじ鉄道が舞台になった作品である。

関連タグ編集

路線関連編集

JR九州 九州新幹線 鹿児島本線 肥薩線

山野線:JR時代に水俣駅で接続していた。

宮之城線国鉄時代に川内駅で接続していた。

列車関連編集

つばめ はやぶさ 有明

その他編集

第三セクター 熊本県 鹿児島県 オレンジ 有明海 放課後ていぼう日誌


外部リンク編集

肥薩おれんじ鉄道

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