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電気機関車

でんききかんしゃ

架線等からの電力供給によって、モーターを駆動させ走行する機関車。
目次 [非表示]

概要

架線等からの電力供給によって、モーターを駆動させ走行する機関車


鉄道路線の電化が進んでいる日本における機関車は、電気機関車が主流である。

現在は主に貨物列車で使用されている。

2000年代まではブルートレインのような旅客列車の牽引にも使用されてきたが、列車の廃止もしくは電車への置き換えで廃れてしまった。


新造された車両を発注業者のもとに送り届ける際、JR貨物の電気機関車が東海道本線山陽本線のような幹線を通じて牽引するのが一般的(甲種輸送)。

ただし、JRと連絡可能な条件である場合に限る。


電化率の高い欧州(英国除く)・ロシア中国などは電気機関車が主流だが、幹線でも非電化路線が多いアメリカ英国カナダなどはディーゼル機関車(電気式ディーゼル機関車が主流)が主流となっている。


余談

  • 操縦に必要な運転免許は電車と同じであるが、扱い方がかなり異なるため、各事業者で専用に乗務員訓練を行うのが基本。現在のJRグループでは、貨物を除いて電気機関車の定期運用はないため、この手間と管理を嫌いJR東海は2009年をもって電気機関車を全廃。乗務員の養成も行っておらず、同管内を旅客用の電気機関車が走行することは出来なくなっている(貨物列車はJR貨物の運転士が担当するので問題ない)。
  • 民営化以降に新造された形式ではブレーキが従来のブレーキ配管の空気弁から機関車の電子装置へのブレーキ指令と変わっており、今まで職人技でブレーキ空気圧を調整していたのがブレーキレバーを所定のノッチに入れる操作となったため、熟練した機関士からは「運転が(簡単すぎて)つまらんなぁ……」という寂しげな愚痴が聞かれるとか。言うまでもないが、「簡単すぎる」といっても素人が運転できるような代物ではない。
  • EF65形から取り入れられた自動進段(出力を徐々に上げて高速にしていくノッチ操作を、自動でやる方法で電車では戦前から主流)を危うく思う運転士(JRの旅客会社には機関士という役職はなく、「機関車運転士」になる)も多くいるという。特にEF66形、EF510形などは平坦線では食堂車つきの寝台列車の牽引にはもてあますほどの怪力のため、「こんな加速をしたら食堂車から苦情が来る!」とか。
  • 国鉄時代の機関車では車内の補機類のうち容量の大きいスイッチは断続の際に派手な火花が散るので、それを使って煙草吸う際に横着してマッチライター代わりに使う機関士がよくいたそうである。(当時は嫌煙活動がまだ盛んではなく、クレーマーもあまりいない時代なので火事にでもならない限りは大した問題ではなかった)
  • 国鉄・JRの直流・交直流電気機関車パンタグラフは圧縮空気を送り込んで上げ、ばねで下げるという構造のため、数日間留置しておくと圧縮空気が抜けてしまう。このままではパンタグラフが上げられなくなるためかつては大ジスコン(ディスコン)棒と呼ばれる絶縁材の長い棒(と言うより竿)でパンタグラフを押し上げ架線に接触させて空気圧縮機を稼動させ、パンタグラフを上げるだけの圧縮空気をつくり起動していた。ちなみに交流区間(交流機関車・交直流機関車)は架線電圧が高く、この方法は危険なためパンタグラフを上げられるだけの圧縮空気をつくる小型の空気圧縮機とそれを動かす蓄電池を搭載していた。近年は直流機でも交流機と同じように小型の空気圧縮機と蓄電池という構成に変わっている。交流機であるEH800は新幹線共用区間の列車防護の考え方が在来線と全く異なる(緊急時は強制接地で変電所のブレーカーを落とす)ことからパンタグラフが勝手に畳まれない電車同様のばね上昇式を採用している。
    • 大ジスコン棒は、長さ6m程度は必要になるが流石に長いので、折りたたみ式のものが多かった。
    • 西武鉄道E851はJRなみの出力を持つ大型の直流電機としては珍しく、電車同様のばね上昇式パンタグラフを用いている。当然ながら、関節部を迂回して電流を流すコーベルワイヤなどの部品は、電気機関車の大きな所要電流に耐えうるものになっている。
    • E851を除く大多数の私鉄の機関車は電車から旅客設備を取り払って車体を極小化したようなものが殆どで、出力も400~600kW程度が多い。そのため、電車と同じパンタグラフで対応できる程度の電流しか流れないため尽くばね上昇式が普通で、エアが足りなければ引きヒモで鈎を外すだけの話である。
  • JR貨物は、設備を最低限しか持たず、他社の路線を利用し、入線した機関車1両、貨車1両の単位で線路使用料を支払うため、新車をそれまでの電気機関車2台分以上のパワーを持つ8軸の電気機関車で入れ替えるようにして重連運転を極力避けるようになった。

主な電気機関車

鉄道省 国鉄が設計・新製したもの

直流専用

旧型電機

D,B型機 ED11 / ED13 / ED14 / ED16 / ED17 / ED18 / ED53 / ED55 / EB10

F型機 / EF10 / EF11 / EF12 / EF13 / EF15 / EF16 / EF55 / EF57 / EF58 / EF59 /

H型機 / EH10 / EH50

新性能機

D型機 / ED60 / ED61 / ED62 / ED63 /

F型機 / EF60 / EF61 / EF62 / EF63 / EF64 / EF65 / EF66 / EF67 / EF90


アプト式

ED40 / ED42

交流専用

ED72 / ED73 / ED74 / ED75 / ED76 / ED77 / ED78 / ED79 / EF70 / EF71 /

交直流両用

EF30 / ED46 / EF80 / EF81

それ以外が設計・新製したもの

JR

EF210 / EH200 / EF510 / EH500 / EH800

私鉄

デキ3020(東急電鉄)

E851 / E31(西武鉄道)

デキ300 / デキ400 / デキ600 / EL120形(名古屋鉄道)

デキ100形 / デキ500形(秩父鉄道)

E10 / ED90(大井川鉄道)

国鉄以外の官庁

E5000(東京都交通局)

海外

タウルス


主な製造メーカー

国内

川崎重工業 日立製作所(現在は撤退) 東芝 三菱電機 三菱重工業(現在は撤退)

海外

シーメンス ボンバルディア アルストム



関連タグ

EL / ブルートレイン / 寝台列車 / 貨物列車 / JR貨物 / 客車 / 碓氷峠 / 鉄道

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