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アルストム

あるすとむ

アルストム(フランス語: Alstom [alstɔm])はフランスに本拠地を置く多国籍企業。
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概要編集

本社はパリ近郊のサン=トゥアンに置き、鉄道車両をはじめ、通信・信号・メンテナンスなど、鉄道に関連する総合的技術およびソリューションを提供する車両製造メーカー。


かつては電力インフラを担当する『アルストム・パワー』(Alstom Power、1999年設立)、送電・配電部門の 『アルストム・グリッド』(Alstom Grid、2010年に国営電力会社アレヴァより送電・配電部門を買収)、交通インフラを担当する『アルストム・トランスポール 』 (Alstom Transport)の3部門があったが、アルストム・パワーとアルストム・グリッドは2015年に売却、鉄道専業になった。


電力送配電系のノウハウを持っていたこともあり、単に車両製造を行なうというだけではなく都市型LRT等の「交通インフラ」としての鉄道システム全体としての販売を得意とする。


また戦前に植民地としてフランスの影響下であった西アフリカ諸国やベトナムなどの東南アジアにおいても販路を持っており、当地それぞれの経済の発展状況に対して資源輸送鉄道の運行システム及びDL、都市型LRT、地下鉄等の運行システム及び使用車両などの導入販売やメンテナンスを行っている。


高速鉄道としてはTGVの立ち上げから現在に至るまで常に関わっており、TGVタイプの高速鉄道車両・システムを世界各国へ積極的に売り込んでいる。


高速鉄道や在来線車両、地下鉄やLRT等の都市型鉄道を含め、地元である欧州を中心に全世界の2割強の鉄道車両のシェアを有していると言われている。


略歴編集

1928年、トムソン・ヒューストン社とアルザス地方のソシエテ・アルザシエンヌ・コンストリュクシオン・メカニック社が合併してアルストム(Alsthom)設立。

その後、電気機関車のCEF社(1932年)、トロリーバスのヴェトラ社(1937年)、イタリア・フィアットの鉄道部門(2000年)、スペインの風力発電製造会社エコテクニア(2007年、現:アルストム・エコテクニア)、ボンバルディア・トランスポーテーション(2021年)など製造会社を買収している。

一方で、ガスタービン事業(1999年)、アルストム・パワー社とアルストム・グリッド社(2015年)をゼネラル・エレクトリック社に売却にしている


主な製品編集

フランス国鉄(SNCF)向け:TGVの全車両を含め各種機関車・客車・電車・気動車など多数。

パリ交通公団(RATP)向け :地下鉄(メトロ)、路面電車(トラム)、近郊電車(PER)の各車両。

リヨン交通局(TCL)向け:地下鉄車両、路面電車、など。

都市交通編集

「コラディア」シリーズ:電車・気動車。

メトロポリス」:セミオーダーメイド型の地下鉄用車両ブランド。世界各地に導入。

高速鉄道編集

フランス国鉄:TGV

イギリス国鉄 :ユーロスター

ベルギー国鉄・オランダ国鉄・ドイツ鉄道:PBKA型タリス

韓国高速鉄道:KTX-I

中国高速鉄道:CRH5型

機関車編集

「Prima」シリーズ:セミ・オーダーメイドタイプの電気機関車、ディーゼル機関車ブランド。

NJトランジット:PL42ACディーゼル機関車

路面電車・LRV編集

「Citadis」(シタディス)シリーズ:低床電車のブランド


珍しい技術として子会社のイノレール(INNORAIL)社が開発したLRV用地表集電システムがある。フランスのボルドー市などの世界遺産指定地域において、景観規制により架線が張れない路線に向けて使用されている。


アルストムリンク式台車編集

アルストムが開発した台車の軸箱支持方式は、アルストムリンク式と称され、日本では一部の大手私鉄(小田急電鉄東武鉄道旧営団名古屋鉄道阪急電鉄京阪電気鉄道など)で1960年ごろの一時期採用、小田急は近年(1000形車両20000形車両)まで継続的に採用されていた。

日本では住友金属(現:日本製鉄)が 製造ライセンスを持っていた。

小田急以外は短期間の採用で終わったのは、軌道状態が良くないと不都合が発生することが多い事や整備調整に手間がかかるなどが挙げられた。国鉄キハ91系キハ181系キハ65にも近似の構造が採用されたが、整備の手間がかかることや亀裂が発生するなど使いこなせず、使用条件がきついキハ181系は台車枠と支持装置を製造約20年で単純なペデスタル式へと交換して終わっている。


関連項目編集

フランス 鉄道

ボンバルディアカナダ)・シーメンスドイツ):アルストムと共に鉄道車両製造の『ビッグスリー』といわれた。

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