小田急初のオールステンレス製通勤電車。4両編成、6両編成、8両編成、10両貫通編成がある。小田急の通勤形車両としてVVVFインバータ制御を初めて採用した。
現在は、小田急線の地上区間全線で各駅停車から快速急行まで幅広い運用に入っているが、投入当初から4000形投入開始までは東京メトロ千代田線の直通運用(多摩急行など)にも入っていた。
1000形
ドアの幅が通常サイズの編成は、6両編成6本、4両編成19本、8両編成1本(1081F)、10両編成4本(1091F~)が製造されている。後輩の2000形は、前面をはじめとした1000形のデザインを踏襲しているが、外観のうえではワイドドアか否かで両者の判別ができる。
最盛期の2020年4月時点で4両編成17本、6両編成4本、8両編成1本、10両編成6本が在籍していた。
特別塗装
4両編成のうち1058F・1059F・1060F・1061Fの4編成が直通先の箱根登山鉄道に合わせたカラーリングに変更され、「赤い小田急」として話題になった。ちなみにこのカラーリングは塗装ではなくラッピングによるものである。
主に箱根登山鉄道線の小田原~箱根湯本間運用(朝夜に送り込みを兼ねた相模大野~小田原間の運用がある)に充当された。リニューアルはせず余剰廃車。
リニューアル・廃車
- 2014年度よりリニューアル工事が順次行われている(すでに1回小規模ながら改造されているので、今回が2回目ということになる)。また、4両編成・6両編成を10両貫通編成化(中間に組み込まれる先頭車の中間車化改造)する改造も2編成を対象に行われ、改造車は既存の10両編成の続き番号になっている。
- 小田急社内では通勤形車両の8両→10両化を推進していたが、8両編成で製造された1081編成については「1編成しかない特殊性」と「機器構成の関係」からリニューアル工事の対象外となり、サハ1181・1381号車を他編成の10両化に活用する以外は2020年に廃車除籍にされている。
- ワイドドア車両以外は全てリニューアルする予定だったが、5000形の大量増備や2022年のダイヤ改正に伴う本数削減・保有車両数削減の影響を受け、余剰車が廃車されている。
編成表
※2021年4月時点
4両編成
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車両構成 | クハ1050 | デハ1000 | デハ1100 | クハ1150 | 備考 |
MT構成 | Tc1 | M1 | M2 | Tc2 | |
号車番号 | 10 | 9 | 8 | 7 | |
機器構成 | CP | VVVF,SIV,PT | VVVF,SIV,PT | CP | |
第1編成 | 1051 | 1001 | 1101 | 1151 | 廃車済み |
第3編成 | 1053 | 1003 | 1103 | 1153 | 廃車済み |
第4編成 | 1054 | 1004 | 1104 | 1154 | 廃車済み |
第7編成 | 1057 | 1007 | 1107 | 1157 | |
第8編成 | 1058 | 1008 | 1108 | 1158 | 廃車済み |
第9編成 | 1059 | 1009 | 1109 | 1159 | 廃車済み |
第10編成 | 1060 | 1010 | 1110 | 1160 | 廃車済み |
第11編成 | 1061 | 1011 | 1111 | 1161 | 廃車済み |
第12編成 | 1062 | 1012 | 1112 | 1162 | 廃車済み |
第13編成 | 1063 | 1013 | 1113 | 1163 | |
第14編成 | 1064 | 1014 | 1114 | 1164 | |
第15編成 | 1065 | 1015 | 1115 | 1165 | |
第16編成 | 1066 | 1016 | 1116 | 1166 | |
第17編成 | 1067 | 1017 | 1117 | 1167 | |
第18編成 | 1068 | 1018 | 1118 | 1168 | 廃車済み |
第19編成 | 1069 | 1019 | 1119 | 1169 |
6両編成
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車両構成 | クハ1250 | デハ1200 | デハ1300 | サハ1350 | デハ1400 | クハ1450 | 備考 |
MT構成 | Tc1 | M1 | M2 | T | M3 | Tc2 | |
号車番号 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | |
機器構成 | CP | VVVF,SIV,PT | VVVF,PT | PT | SIV,VVVF | CP | |
第1編成 | 1251 | 1201 | 1301 | 1351 | 1401 | 1451 | 廃車済み |
第3編成 | 1253 | 1203 | 1303 | 1353 | 1403 | 1453 | 廃車済み |
第4編成 | 1254 | 1204 | 1304 | 1354 | 1404 | 1454 | 廃車済み |
8両編成(80番台)
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車両構成 | クハ1080 | デハ1030 | デハ1130 | サハ1180 | デハ1330 | サハ1380 | デハ1430 | クハ1480 | 備考 |
MT構成 | Tc1 | M1 | M2 | T1 | M3 | T2 | M4 | Tc2 | |
号車番号 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | |
機器構成 | CP | VVVF SIV PT | VVVF SIV PT | VVVF PT | PT | SIV VVVF | CP | ||
第1編成 | 1081 | 1031 | 1131 | 1181 | 1331 | 1381 | 1431 | 1481 | T車2両を除き廃車 |
10両編成(90番台)
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車両構成 | クハ1090 | デハ1040 | デハ1140 | サハ1190 | サハ1290 | デハ1240 | デハ1390 | サハ1340 | デハ1440 | クハ1490 | 備考 |
MT構成 | Tc1 | M1 | M2 | T1 | T2 | M3 | M4 | T3 | M5 | Tc2 | |
号車番号 | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | |
機器構成 | CP | VVVF SIV PT | VVVF SIV PT | VVVF SIV PT | VVVF PT | PT | SIV VVVF | CP | |||
第1編成 | 1091 | 1041 | 1141 | 1191 | 1291 | 1241 | 1341 | 1391 | 1441 | 1491 | |
第2編成 | 1092 | 1042 | 1142 | 1192 | 1292 | 1242 | 1342 | 1392 | 1442 | 1492 | |
第3編成 | 1093 | 1043 | 1143 | 1193 | 1293 | 1243 | 1343 | 1393 | 1443 | 1493 | |
第4編成 | 1094 | 1044 | 1144 | 1194 | 1294 | 1244 | 1344 | 1394 | 1444 | 1494 | |
第5編成 | 1095 | 1045 | 1145 | 1195 | 1295 | 1245 | 1345 | 1395 | 1445 | 1495 | 旧1056F+1256F |
第6編成 | 1096 | 1046 | 1146 | 1196 | 1296 | 1246 | 1346 | 1396 | 1446 | 1496 | 旧1052F+1252F |
第7編成 | 1097 | 1047 | 1147 | 1197 | 1297 | 1247 | 1347 | 1397 | 1447 | 1497 | 旧1055F3両+1255F5両+1081FのT車2両 |
1000形ワイドドア車(1500形・1700形)
標準ドアの1000形をベースに開発されたワイドドア車。6両固定編成のみが存在する。
もともと4両編成6本、6両編成2本が製造されたが、ドア幅を2mとした場合、却って乗降時間が増加してしまい、更には座席定員が減少するなどデメリットが多かった。
1998年にドア幅を1.6mに縮小する改造を全車両に施行し、その後2004年に4両編成6本が6両編成4本に改造されて全編成が6両編成に揃えられた。この改造に関しては先頭車の中間車化改造が行われている。
なお、余談であるが、ドア幅縮小と6両化は現在の総合車両製作所、旧東急車輛で行われ、東急車輛製である1551,1553,1554は生涯二度にわたってメーカー返却を受けていることとなる。
両端が優先座席かつ着席定員が少ない。ドア全開時2mになるため、縦よりも横幅の方が広かった。現在は改造されて、左右0.2mずつ引き残す(幅が1.6mになる)。車内からはそれ程違和感は無いが、外から見ると違和感を感じる。
因みに、某変態私鉄はドアの大きさではなく、数で決まると言う論理の通り、この失敗により多ドアの方が効果あるとまで述べられた(その後、多扉車はホームドア導入事情で圧倒的に不利となってしまったが)。
- 6両編成6本組成となったが、この車両は最初からリニューアル工事の対象外であることから、8000形の非VVVF(界磁チョッパ制御)車共々、5000形投入に伴い順次廃車が行われた。2022年5月31日に1754Fが廃車となり、ホームドア問題などを含めてワイドドア編成は消滅した。
- 晩年の1000形ワイドドア車は区間運転の各駅停車としての運用が主で、新宿方面への10両編成運用には入らず。江ノ島線各停や小田原線相模大野駅以西の運用に使われていた。
編成表
Aタイプは新造時から1700形、Bタイプは4両編成からの改番車両。
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車両構成 | クハ1750 | デハ1700 | デハ1800 | サハ1850 | デハ1900 | クハ1950 | 備考 |
MT構成 | Tc1 | M1 | M2 | T | M3 | Tc2 | |
号車番号 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | |
機器構成 | SIV,CP | VVVF,PT | VVVF,PT | SIV,PT | VVVF | CP | Aタイプ |
機器構成 | SIV,CP | VVVF,PT | VVVF,PT | SIV | VVVF,PT | SIV,CP | Bタイプ |
第1編成 | 1751 | 1701 | 1801 | 1851 | 1901 | 1951 | Aタイプ |
第2編成 | 1752 | 1702 | 1802 | 1852 | 1902 | 1952 | Aタイプ |
第3編成 |
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| Bタイプ |
第4編成 |
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| Bタイプ |
第5編成 |
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| Bタイプ |
第6編成 |
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| Bタイプ |
検測対応編成
総合検測車両『クヤ31形テクノインスペクター』を牽引する車両として、1051F(4両)、1751F・1752F(6両ワイドドア)の3編成が2003年よりクヤ31連結対応工事(ケーブルなどの追加)を受けていた。
2021年までにこれら編成は廃車され、8000形(4両)2編成が代わりにクヤ31牽引対応車になった。