概要
大手私鉄など鉄道事業者は、その朝のラッシュ時の混雑の緩和を図ろうと車両の増結を行うか列車の増発を迫られることになるが、ホームの長さの制約や、運転間隔における地上設備の制約などがあって苦労を強いられることになる。そこで車両側に工夫をすることで列車の増発を図る、という方針のもとにその1つとしてうまれたのがドアの幅を広げる「ワイドドア」である。
停車時間の短縮を図る事で運転間隔を詰めることが出来るのが最大のポイント。また、「5ドア車」「6ドア車」などの多扉車とは異なり(工夫をすれば)ホームドアの規格に対応できることも利点として挙げられる。
一方で、扉の幅を広げる分だけ座席の数が減るという弱点も存在する。実際、小田急1000形ワイドドア車は「扉幅2000mm」から「扉幅1600mm+引き残し」へ改造して座席数を増やしたり、東京メトロ15000系は座席数減少を最小限にするため新造時から扉間は6席、車端部は2席とした。
また、ドアの開閉に時間がややかかることから、駆け込み乗車が発生しやすい難点がある。
利用客からの評判は悪く上記の通り小田急はドアの縮小改造をしたため失敗作であることを暗に認めその後は標準より僅かに広いドアを採用し横浜市も同様のため現在ワイドドアを正式に謳ってるのは東京メトロのみである。
採用事例
- 小田急1000形:6両編成のうち1700番台のグループのみ。扉幅1600mm
- 小田急2000形:扉幅1600mm
- 小田急3000形:1次車の6両編成4本のみ。扉幅1600mm