曖昧さ回避
- 建物などの出入り口に取り付けて内外の交通を遮断するための板。本稿で解説。
- 書籍の表紙を開いて最初にあるページ。書籍のタイトルや著者、出版社などが記してある。書籍の体裁によっては途中に「中扉」というページが挿入されていることもある。
🚪概要
扉とは、建物や乗り物などの構造物にある戸口を閉ざして、通行時以外に内部と外部とを遮断できるようにするための板。
ちょうつがいを中心にして動く開き戸、スライドさせて動かす引き戸、折り畳まれる折り戸、上下する落とし戸、回転軸を中心に回る回転扉(回転ドア)などがある。
公共の場や店舗ではガラスをはめ込んで、扉の向こうを視認できるようになっていることが多い。窓のなかには人が立って出入りできる大型のものもあるが、引いて開け閉めする型の場合は、(少なくとも日本では)元が障子の役割に近いためか「扉」のカテゴリーには含まない傾向がある。
開き戸
開き戸は、戸口の穴にぴったりはめ込めるような形と大きさの板で、右側か左側がちょうつがいで構造物に取り付けてある。
建物の外側に開くもの(外開き)と内側に開くもの(内開き)があるが、日本の家屋では、隙間から雨が吹き込まないようにするためと、玄関で靴を脱ぐスペースを確保するためか外開きが多い(広い空間を取れる寺社や城の門は、内開きが基本)。いっぽうヨーロッパ・西アジアなどでは、内部から押さえ付けて固定しやすく、外部からではちょうつがいを破壊できない内開きが主流である。どちら側にも開く開き戸もあり、公共施設でおもに使われている。
なお、左右ではなく上下に開けるものもまれにある。寝殿造りの建物には蔀(しとみ)という雨戸に近いものがあり、外側上方へ吊り上げて開ける。カーフェリーや鉄道連絡船などには、開けると車両などを搬送するタラップに使えるように、下に向かって開く扉も見られる。
引き戸
引き戸は、形と大きさは開き戸とほぼ同じだが、壁面と平行だが外側か内側へずれた面、あるいは、二重になった壁面の間にある空間(戸袋)へ収納されるため、横方向に少しだけ長くなっている。
そのまま横へ(通常は溝やレールに沿って)移動して、壁に沿った空間へ収納される。2枚以上の引き戸を1つの開口部に使用している引き戸の中には、開口部でしか戸を左右に移動させられず(引き戸の収納先が、ほかの引き戸の前か後ろしかない)、戸を外さないと開口部を完全開放できないものもある。
鉄道車両、教室、店舗、倉庫など、大勢の人や貨物が大量に出入りする場所では、できるだけ移動に干渉しないように、引き戸の使用例が多い。日本の家屋でも、玄関を含めて多用され、障子(明かり障子)やふすまは引き戸の一種である。
折り戸
折り戸は、お互いにちょうつがいで結合した複数枚の板で構成されて、縦方向に入った継ぎ目から折れ曲がり、扉の端に収まる。開き戸に構造が近いが、閉めた際に空間をあまり取らないため、空間的に余裕が少ないバスの前方出入口でよく使われる。
落とし戸
落とし戸は、戸が上下に動き、開口部より上に動かすと出入りが可能になり、下に動かすと開口部を閉じることができる。
開けた状態を保つには何か(手、つっかい棒など)で支える必要があり、支えないと落とし戸が閉じてしまうため、人間が出入りする場所には基本的に使われず、動物用の籠・檻、城門に仕込む防壁、川・用水路・運河の水門、貨物用エレベーター(学校の給食用エレベーターとか)、ダンジョンの罠などで使われる。
逆に、下から上へせり上がって閉まる扉もありえるが、「閉じた状態を保つには何かで支える必要がある」「いきなり閉まると上にいる人を巻き込む危険が高い」などの欠点があるため、貨物用エレベーターで落とし戸と連動するものくらいしか現実では見られないだろう。
回転扉
回転扉は、上から見ると両端が欠けた円のような、円筒形の空間の中心に回転軸を置き、そこから放射状に扉の面を伸ばしている。出入りは、扉の面を押して行う。
構造上、完全に開放することはできないため、保温や気密を重視する場所(ホテル、ドーム式球場など)で使われるが、扉の重量があるうえに、動くと弾みがついて止めにくいため、普通の引き戸に取り換えられることも多い。
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※「○○ドア」「ドア○○」は、「ドア」の記事を参照。