🛕概要
古代中国の漢では役所のことを「寺」と呼んでおり、外国から来た人間の身元管理や世話を「寺」でしていたことに由来する名称である。
普通は「お寺」と呼ばれ、他に「寺院」や「仏閣」とも呼ぶ。音読みは「じ」。英語でtemple。
本来は仏教用語だが、広義では他宗教の教会や神殿にも使われる場合がある。
地図表記は「卍・まんじ」。ナチスが使っていたハーケンクロイツ「卐(を45度回転させたもの)」と間違えられやすい。
インドで釈迦(仏陀、ブッダ)の教えを継承した僧侶の修行や生活の場として建物が建てられ、遺骨の一部(仏舎利)を祀る墓(もしくは記念碑)である塔や仏像も併設されるようになった。
インドからスリランカ、東南アジア、中国、朝鮮、日本など各地へ伝わり、その土地の環境や変化した教えに対応して、構造も変化して行った。
主に入口の山門と参道、本堂・金堂・仏殿、塔、宿坊、鐘楼、墓地などがあり、建物群を伽藍、敷地を境内と呼ぶ。時代や宗派、地域によってその様式も色々異なる。
日本古来の神道では、明確な建築物を作らなかった場合が多かったと見られているが、寺の影響で神社も拝殿や本殿を建てるようになった。ただし、構造は中世までは瓦屋根や礎石を避け続け、今でも外見を寺とは若干異なるところがある。
巫女さん雇うところもあるが、色仕掛け作戦というわけではなく神仏習合の結果である。
建物だけでなく、日本の地名や「寺」の字を入れた日本人の苗字(名字)も多い。
古代にはまず、朝廷や大貴族の支援で大規模な寺院が建てられる一方、小さな豪族や庶民の手により小規模な寺院が建てられるようになった。当時の朝廷は表向きだけ寺院の建立を規制していたが、布教の助けになる小規模な寺院に対する規制は本末転倒であり、基本的には放任していた。
中世には寺院の数が増え、権力も強くなり、一部の大寺院は僧兵と称される侍身分出身の武装した僧が大勢加わっていた。俗世の権力が弱体であった分、高度な技術は寺院やその領内の住民がほぼ独占していた。
近世には寺院の権力は弱くなるが、小規模な寺院の数は大幅に増え、安定して存続する事ができるようになる。
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神社(神道) 寺社 聖堂・教会・修道院(キリスト教) モスク(イスラム教)
国内の寺
- 岩手県:中尊寺
- 千葉県:成田山新勝寺
- 東京都:浅草寺
- 神奈川県:川崎大師、円覚寺
- 長野県:善光寺
- 静岡県:修禅寺
- 滋賀県:延暦寺
- 京都府:平等院、金閣寺、銀閣寺、清水寺、東寺
- 奈良県:法隆寺、薬師寺、東大寺
- 和歌山県:道成寺