概要
「塔」とは、その太さ(建坪)に比して高さの値がとりわけ大きいとみなされる建築物の総称である。英語の「タワー」と同義に扱われる。
言葉としての意味
住居などの建物としての利用を求めず、高さを主体とした(装飾的)建築物を指す。
本来は宗教(仏教)的意味をこめた建築物のことを指す。
なお一部の辞書には頑なに「装飾的建築物」と表記しており、それに従えば以下の「望楼」のように、本来実用的な「高層建築物」には「塔」ではなく「楼」を用いるべきである。
「今はこう使うんだから」と言ってしまえばその通りであるが。
通常用いられている意味
一般に、その上部・頂上が主な利用部位・利用目的となり、基部や中部は上に登るための通路として利用されためにあるような建物を指す。背が高くても、煙突のように人が入ることを想定していないものや、高層ビルのように低層階や中層階の利用がむしろ多く、利用に際して高所まで登る意義をあまり持たない建築物とは区別される。
ただし、高層ビルのなかには、最上階に展望台やレストランなどの集客施設を持つことも多いため、愛称などで「○○タワー」と呼ばれるものもある。
形状
中世ヨーロッパの城に見られるような、屋上が平らで人が立つことのできるものと、イスラム教のモスクのような尖塔状のとがった屋根を持つものとに分類できる。
現代に一般的なエッフェル塔型の塔は後者といえよう。
塔のおもな利用法
- 望楼、展望台:遠くを見渡すための塔。観光名所としても利用される。
- 電波塔:ラジオ、テレビ、無線通信などの電磁波を送受信する。
- 管制塔:空港で航空機の運航を管理する。
- 灯台:海岸で船舶の航行のための目印となる。
- 寺院:神仏を祀るための建物。
- 鉄塔:高圧線を張り渡したり、原油や天然ガスを掘削するための櫓となったりと、その利用は幅広い。
- 吊り橋:ケーブルを吊るための柱は「主塔」と呼ばれる。
有名な塔
実在する・実在した世界各国の塔
塔のようにきわめて背の高い高層建築も含む。
- ブルジュ・ハリファ(ドバイ)
- ペトロナスツインタワー(クアラルンプール)
- オスタンキノタワー(モスクワ)
- CNタワー(トロント)
- 世界貿易センタービル(ニューヨーク)9.11で崩壊
- ウィリスタワー(シカゴ)
- ゲートウェイ・アーチ(セントルイス)
- エッフェル塔(パリ)
- ピサの斜塔(ピサ)
- ロンドン塔(ロンドン)
- ベルリンテレビ塔(ベルリン)
- 台北101(台北)
- 広州塔(広州)
- 東方明珠電視塔(上海)
- シドニータワー(シドニー)
実在する・実在した日本の塔
塔のようにきわめて背の高い高層建築も含む。
- 五重塔(日本各地、奈良県斑鳩町にある法隆寺のものは世界最古の木造建築)
- 凌雲閣(東京都)
- 東京タワー(東京都)
- 東京スカイツリー(東京都)
- 通天閣(大阪市)
- 京都タワー(京都市)
- 福岡タワー(福岡市)
- 五稜郭タワー(函館市)
- ひめゆりの塔(沖縄県)
- あべのハルカス(大阪市)
- 渋谷ヒカリエ(東京都)
- 横浜ランドマークタワー(横浜市)
創作作品に登場する塔
塔?
タロットにおける塔のカード
大アルカナ16番。
- 正位置の意味
崩壊、災害、悲劇。環境の突然の変化(正逆ともに)。
- 逆位置の意味
緊迫、突然のアクシデント、誤解。
正逆どちらの位置でもネガティブな意味しかない唯一のカードである。
詳細は別項参照を参照のこと。