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概要編集

前頭葉をのその他の部分から切り離す手術のこと。前頭葉白質切截術とかロイコトミーとも呼ぶ。

その目的は精神疾患の患者の人格改善

凶暴なことで知られるチンパンジーの前頭葉を切断したところ、性格が穏やかになったという報告を受け、同年に人間に対して手術が行われた(1935年)。その後、世界各地で難治性の精神疾患患者に対して熱心に施術されるようになった。

しかし脳というのは繊細な臓器で、一定の効果があった患者もいたが、ほとんどは後述の副作用に見舞われることとなり、死亡者も出た。後に抗精神病薬が発明され、ロボトミー手術自体の副作用の大きさもあいまって行われなくなった。

日本では昭和50年に日本精神神経学会が「精神外科」の否定を採決し、ロボトミー手術の廃止を宣言した。


今でこそ倫理観もへったくれもないようなイメージが強いが、当時はロボトミー以外に統合失調症患者を治す方法が無く、放っておくよりはマシであったという事情がある。


pixiv内のイラストでは本来の意味のほかに脳改造や脳への機械埋め込みといった意味でも使われている。また、稀にダジャレも混じっているが、本来は到底ネタにできるようなものではない。だからといって不適切だと決めつけてもいけない。

 

副作用編集

  • てんかん発作
  • 人格変化
  • 無気力化
  • 抑制の欠如
  • 衝動性の発生
  • 死亡

副作用に悩まされた末に担当執刀医に恨みを抱くようになった患者が、担当医やその家族を襲撃するという、副作用による重大な事件も起こった。⇒実際にあった事件の一つ(外部リンク)


手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』の中で、このロボトミー手術を扱ったエピソードがあったが、「美化している」としてバッシングを受けた末、欠番になったという話も残っている。

ロボトミーという単語編集

英語ではlobotomyと綴り、「葉切除(ようせつじょ)」を表すlobectomyと同義語。

ちなみに、葉(よう)とは臓器を構成する大きな単位のこと。そのため、ロボトミー手術はロベクトミー手術ともよばれる。

 

他所での用例編集

なんJでロボトミーと言った場合は、主に投手が受ける肘の治療「トミージョン手術」と用語を混同した上、それを指摘された事に開き直って暴れた荒らしにまつわるネタを意味する。


関連タグ編集

R-18G 手術 脳改造


カッコーの巣の上で∶アカデミー賞受賞映画。ロボトミー手術の是非を問う議論を巻き起こすきっかけになったと言われている。



ロボコップ:2014年リブート版で反応速度を高める為にロボトミー手術が為されたと思しき描写がある。


ジェフリー・ダーマー:アメリカのシリアルキラー。被害者の1人をゾンビ化する目的で睡眠薬で眠らせ、穴を開けた脳に塩酸を注入するも失敗し結局殺害している。

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