概要
脳卒中とは、脳の血流に何らかの障害が生じた疾患の総称であり、脳血管障害ともいう。
がん、心臓病に次いで、日本人の死因の第三位である。
脳卒中は大きく分けると三つの種類がある。
脳の血管が詰まる脳梗塞、脳の血管が破れる脳出血、脳を覆う膜(くも膜)の内側に出血が起こるくも膜下出血である。
脳卒中予防の基本
夏場は脳梗塞が多く、冬場は脳出血とくも膜下出血が多いという。夏場は、体から水分が抜け、血液が濃いくなり、その結果として血管が詰まりやすくなるためである。冬場は、寒さから血管が縮まり血圧が上がり、その結果として血管が切れやすくなるためである。
このため、「水分をとる」ことがまず必要である。猛暑の日はもちろんのこと、家庭の風呂やサウナ・温泉を使ったあとは一口でも水を取るように習慣づけることが望ましい。
そして「過度の飲酒」「運動不足」「高血圧」もリスクをあげる。
適度な運動とバランスのいい栄養の食事を心がけ、肥満の人は無理のないペースでダイエットを行い血行改善と体重減少による血圧低下を目指そう。
急激な血圧の上昇を避けるため、便秘を解消したり厳冬期に気温の寒暖差の激しい場所を移動する際には体を温めることも大切。
アルコール依存症もしくはなりかかっている恐れのある人は専門医(精神科もしくは心療内科)に速やかに受診し治療を開始すること。依存症まで行かない人も深酒は慎み、休肝日を必ず設けること。
詳細は不明な部分も多いが、遺伝によるなりやすさも指摘されている。喫煙は健康面では「百害あって一利なし」なのですぐにやめるべきだが、親族に脳卒中患者がいる場合には特に危険。また脳卒中家系でデスクワークや運転手など血行が悪くなりやすい職業の人は、特に定期検診を受けて早めの対策を常に打っておくことが大事。
過労、過度のストレスもリスクの1つであるためブラック企業勤務の人は早めに転職し、悩み事は早めにケリをつけること。
上記の対策は、脳卒中だけでなく心臓病などの循環器疾患の予防にもつながる。またいわゆる「生活習慣病」やガンの予防と共通するところも多い。