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ブラック企業

ぶらっくきぎょう

度を超えた長時間労働やパワハラ、残業代や各種手当未払いなど、労働者にとって劣悪な環境が常態化している企業のこと。
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概要編集

ブラック企業とは従業員を人間扱いしないような企業(及びその経営陣)のことである。「ブラック」とは、労働基準法に違反した「違法」であること、つまり「犯罪」としての「クロ」に由来し、「法的にグレー」「違法ギリギリ」ではなく、「完全に真っ黒」という意味である。


他にも「汚い」や「悪い」という意味での「黒い」というニュアンスも含まれる。「企業」ということで、一般的にイメージされるような「会社」だけでなく、各組合や学校・医療機関などの法人、公営企業や独立行政法人など幅広い組織の労働環境を指す。場合によっては「企業」ではない官公庁も含まれることがある。


法や行政の場における明確な定義はないが、厚労省においては、「ブラック企業」について定義していないが、一般的な特徴として以下の項目を挙げている。

  1. 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
  2. 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
  3. この様な状況下で労働者に対し過度の選別を行う

実は犯罪です編集

前提として労働基準法違反は「犯罪」であると知っておこう。

犯罪者の下で片棒を担がされて過労死するまで働く何て、美徳も美談もへったくれもない。


理不尽や違和感があれば必ず疑う、必ず調べる。相手の言い分に黙って従って行けない。犯罪を合法と思わせる、寧ろそれが当たり前の正しいことであると思い込ませ、同調圧力罪悪感を不当に利用し、十分な対価や休養を与えず搾取するのは常套手段である。やりがい搾取など不当に安価な報酬責任を他に転嫁するものもある。


日本以外のブラック企業編集

日本同様のブラック企業は韓国社会でも横行しており、そのまま「블랙 기업(ブルレッ キオッ)」と言う。就活生をインターンの名目で雇って無給または極端な低報酬で仕事をさせる「熱情ペイ(열정 페이)」(=やりがい搾取)など、「日本のブラック企業の上を行く」と言われる悪どさである。


また、中国では「996工作制」(「朝9時から夜9時まで、週に6日間働く」の意味。実際にはそれ以上の勤務時間が常態化している会社も多いという)がブラック企業に意味合いの近いスラングになっている。


英語では非常に低賃金で違法状態の職場を指す語としてsweat shop(搾取工場)という俗語がある。これは典型的にはアパレル産業の工場や作業場を指し、ホワイトカラーは含めない事が多いのだが、アメリカ合衆国などでも立場の弱い若者の足元を見た無給インターンの搾取(日本では「ブラックインターン」と紹介される事がある)、職場いじめ(Workplace Bullying)などが社会問題として取り上げられることもある。アメリカ合衆国には職場におけるパワハラという概念はないが、上司・部下間のものも同僚間のものも区別せずWorkplace Bullyingに含めて考えられているためである(なので「アメリカにパワハラがない」というのは大嘘で、大手企業でもパワハラに相当する職場いじめが横行しているのが実態)。ちなみに、「アメリカにはサービス残業なんてない」と思っている人もあるが、実際にはそんなこともなく、残業代の支払いを求める訴訟が相次いでいる。


具体例編集

どこの会社でも当たり前…っぽいが、労働基準法に違反しているものがほとんど。


具体的にブラック企業でどのようなことが行われているのかというと…


  • 365日24時間、死ぬまで働け
  • 根性論で何とかしろ。根性があれば何でもできる。具体的な案?てめえで考えろ。
  • 労働基準法労働三法何て知ったこっちゃない。企業コンプライアンス?なにそれ美味しいの?
  • 残業代?ねぇよんなもん。サービス残業が横行している。または残業や割増賃金代の全額を支給しない)
    • 一般にブラック企業と呼ばれない場合でも多いパターンとしては本来の業務時間前に朝礼等の作業を強制しつつ(時間外労働)も業務時間外であることを理由に給料には反映させないということがある。それに参加していない人間は、例え業務時間前に出勤していたとしても遅刻等の何らかの罰則に相当する場合も。
  • 仕事ミスに罰金請求をする。
    • 遅刻など時給換算を超えた金額を罰金として請求する。
  • 生産したり契約とって利益を生み出してないのに給料を貰おうなんて厚かましい。だから、研修や試用期間の教えて貰っている間に給料を払うのはおかしい。
  • 自爆営業。ノルマを達成出来なかった従業員に自社製品を購入させる。
    • 仮にノルマを達成しても、一切手当が出ない(ノルマ達成を当たり前と思い込む)。
  • 経費は飽くまで申請であるから、義務ではない。正当な手続きでも、難癖付けて却下するか、会社の金庫から不当に金を持ち出すブラックリスト入りさせて問題社員に認定。
  • 帰宅時間は終電が当たり前。あ、終電過ぎても仕事終わるまで帰れると思うなよ? どうせ終電までに仕事が終わらないのなら、職場近くに部屋を借りなさい。
  • 有給休暇がない。取らせない。
    • 一応システムとしては存在するが取らせて貰えない。取らせて貰える場合においても、業務上休んでも何も問題ない状況での申請においてもその申請理由を事細かく書かせて、気に入らなければ却下する、等といったバリエーションもある。いずれにせよ、権利としては一応ある筈なのに結局自由に取らせて貰えないという点では共通している。
      • 逆に会社からの命令で有給休暇扱いとして有給を取った扱いとして、1年で5日分という国が定めた有給取得義務日数を書面上達成したことに偽装される場合もある。
  • 仕事外のプライベートな時間においても行動を強制する。
    • 何らかの会合やセミナー等の社外の催し物に強制参加させる。仕事ではないので当然給料は出ない。強制なのに参加費は自腹という場合も。背けば勿論罰則対象に。
  • 不当な要求を行うクレーマーカスハラから従業員を守る気何てない。全て現場へ丸投げ、問題がある現場として給与やボーナス査定を下げる。
    • お客様は神様です」何だから6時間罵声を浴びせられても丁寧に応対しろよ?
    • 「貴重なお客様」の意見を反映してクソみたいなルール増やすので宜しく!
  • 社長や役員には絶対服従。背けば虐待・鉄拳制裁。給与ボーナス減給もアリ。
    • ワンマン会社となってる場合も多々あり、その場合は会社運営方針転換が絶望的。
  • あからさまな社長含む上司のミスであろうと社員へと責任転嫁し、その罰を与えられて責任を取らされる。
  • 会社を辞めさせて貰えない。退職を申出た従業員を「懲戒解雇だ」「賠償金を支払え」「無事に辞められると思うなよ」などと恫喝・脅迫。
    • いかなる理由でも、絶対に「会社都合」(の解雇)としない。疾患や家族の介護を理由に退職する場合でも、コード33(「自己都合」の退職であるが、病気療養や家族介護を理由としたやむを得ない退職)にすらして貰えない。
      • 何が問題なのかというと、コード40番台「事業者都合」の解雇・退職であると、その翌月から失業保険給付を受けられるのであるが、コード30番台「自己都合」の解雇・退職の場合、失業手当給付が始まるまで3ヶ月待機期間がある。
      • ただし、上記の様に30番台でもコード33であると、事業者都合退職と同じ扱いとなる。コード40番台で離職票を出すと会社の恥となるから、という場合でも、精神疾患などで辞めざるを得ない場合、常識がある会社ならコード33で発行してくれる。
  • 従業員に危険・違法・反社会的な仕事をさせる。地域住民などから公害などの訴訟を起こされても、絶対に責任を認めない。
  • 新人教育内容が、あからさまに「新人の心を1度折ることで会社への忠誠心を植え付ける」などの洗脳を目的とした過剰に体育会系的・軍隊式・カルト宗教の新人信者への「教育」「修行」との共通点が多いもの。
  • 大企業など、下請けへの無茶振りや過酷な値下げ要求といったいじめで巨額の利益。断れば契約打切や生産ラインを止めた損害賠償といった制裁措置が豊富。お前の代わりはいくらでもいるといった殿様商売
  • 「うちは労働基準法を採用してないんで」と訳が分からない言い訳をする事例も一部ある。
  • うつ病精神崩壊過労死自殺? 根性がないのが悪い。俺は悪くない。
  • 企業理念や環境対策など、公式サイトやパンフレットだけは立派な場合も。お前が言うな

……等々。


つまり、激務でありながら対価に見合わぬ薄給でやりがいもへったくれもなく法律無視の俺ルールが横行し、ただ馬車馬の様に働かされ続け使えなくなったらポイ捨てするか、文字通り「死ぬまで働かせる」ような企業であり、「もう回すべきでない、回らないと素直に認めたほうがいい仕事」を無理矢理回している職場でもある。


社内ではしばしばハラスメントが横行しており、中には従業員への「教育」などと称した体罰やイジメが公然と行われ、黙殺されている会社さえもある。裁判に訴えられてさえ、「あ、うちは有休、やってないので」と違法な状況をキッパリと話してしまい、裁判官達に失笑されてしまうというケースもある程。


下手すりゃ刑務所より酷いとすらいわれている。


これらは主に外食業界やIT・不動産業界などに多く見られ、他にもパチンコ風俗店など、世間からは余り良い目で見られない業種・職種に多く見られる傾向があるが、役所学校などの公務員や、老人ホーム病院などの福祉施設といった、社会的イメージの悪くない業種にもブラック企業並みに劣悪な労働条件の場所は多々存在する。


ブラック企業は本当の反社会的組織(ヤクザ・カルト宗教など)が営んでいる場合もある一方(本来のブラック企業はこの意味であった)、有名企業で且つ有名商品を多数抱えている、クリーンな体制の大企業であっても、支社や店舗など末端従業員にとってはブラック企業として名を連ねていることもある。


ブラック企業か否かは、基本的に従業員と会社の2者間での話ではあるが、遵法意識に欠けたブラック企業はしばしば労働三法以外の法律も平然と無視するので、地域社会や顧客(消費者・エンドユーザーなど)とのトラブルや公害などの社会問題を起こすことも多い。また、従業員への過酷な扱いが、結果としてプロジェクトの破綻や事故に結びつくこともままあるため、顧客への不利益にもなり、結果としてグループ会社や同業者全体の信用を落とすことにもなり得る。


ブラック企業は自然発生的に誕生したという訳ではなく、古くからの日本企業の体質と繋がっている。


また、似た言葉である「ブラック校則」について「理不尽校則」というより実態を的確に言い表した別表現が有るが、早い話が「ブラック企業」とは、より実態を的確に言い表したドギツい言い方をするなら「理不尽企業」「不条理企業」であろう。



性別役割分業とブラック企業編集

かつての日本企業でも、中核的な業務を担う男性正社員には単身赴任や長時間労働の様に企業の強大な指揮命令による重責が課されており、これが「企業戦士」たる中堅男性社員の過重な労働やそれによる過労死発生をもたらしているとして問題視されることがあったが、年功序列の賃金(真面目に働いていれば毎年給料が上がって行く)、入社から定年退職するまでの長期雇用、企業福祉が保障されていたので、強大なムチとそれに見合った大きなアメのバランスが取れていたともいえる。


また、かつての日本企業では女性従業員には中核的な働きをさせず、主に男性従業員補助としての業務を行わせるのが一般的であり、これには女性差別といわざるを得ない側面があったとはいえ、女には大きなアメを与えないが、ムチも緩いというバランスがこれまた取れていたともいえる。


バブル期の頃から日本社会においても規制緩和女性社会進出が叫ばれる中、当時はマスコミ等で称賛された。しかし実は、これは性差解消と称する雇用側に一方的に有利な規制改革であった。バブル期には顕在化しなかったが、バブル崩壊後からはリストラやアウトソーシングで人減らしが進められる中、女性を男性給与水準へ引上げるのではなく、男性を女性給与水準へ下げる方向へ向かい、従来の日本企業の多くが若手の男女従業員に対し、「旧来の女性職務並みの不安定な身分と給与(僅かなアメ)で、旧来の男性職務並みに働かせる(強大なムチ)」という体質へと変化して行った。


社会問題としてのブラック企業編集

バブル期当時は成田闘争国鉄分割民営化阻止闘争などが世間と乖離した状態で続いているという状況であり、当然ながら日本の労働運動は衰退して行った。冷戦が終結するとこれからは新自由主義の時代ということが叫ばれ、労働者に権利がないのは自己責任であるということが前提とされ、労働運動は具体的な対抗が出来ないまましぼんで行く。


これは上のみならず、下にもその意識があった。というのは、当時の日本人は世界的に見れば超富裕層であったから、特権階級意識みたいなのが一般民衆レベルでも大いにあったのである。ところが海外経済発展が無視出来ない程となって来ると、今度は「若者をこき使って低賃金労働させないと海外企業に滅ぼされる」といった様な言説が広まる。さらに若者自身もこの意識を共有する様になって行った。


こうして人々が労働問題について考えることを拒絶して行った先にあったのは、新自由ではなく新封建社会であった。程度が甚だしいブラック企業はアメすら用意せず、ムチばかり振るい続けて労働者を使い潰すため、心身を壊す労働者が激増している。また、プライベートな時間が満足に確保出来ないために、若者が結婚相手を探すことが出来なくなったり、既婚者であってもパートナーや子供との関係が崩れ、家庭崩壊が起こるケースも珍しくない。こうした事態が続けば、日本経済のみならず、ただでさえ深刻化している少子化問題が一気に加速化するなどの2次被害が生じかねず、日本経済のみならず日本社会全体に対する大きな脅威・課題となっている。


しかし、企業側はビジネス雑誌などのマスコミを通じて「労働運動は何とかの手先」「低賃金労働しないと海外に滅ぼされる」といった言説を撒いており(有名企業での過労死とかの話題には食い付くこともあるが)、新自由主義全盛期を知る世代にはこちらの方が浸透力があり、また彼らは選挙において若者より数が多いため、全く状況は改善しないのである。


2010年代以降はまとめブログなどでも労働争議を行った側を「恥ずかしい」「お前が悪い」として叩く風潮がある。労働争議は匿名ではできないため、労働争議を行った側に非が無い場合でも炎上リスクを抱えることになる。


ブルーカラーとブラック企業編集

過去は過酷な労働環境というと、過去に「3K」(汚い・危険・きつい)と呼ばれたブルーカラー(建設業や農林業)や工員……というイメージが強かったが、現在の日本でブラック企業と呼ばれるのは意外にもホワイトカラーや接客業がほとんど。ブルーカラー職種の職場環境が改善された主な理由は過酷な職場環境により過去に続発した労働災害で規制が強化されたためである。その他に長年の人手不足も関係している。


勿論、労働安全衛生規制を無視・隠蔽する企業も全くない訳ではなく、日本でありがちな多重下請け構造の底辺では労働環境劣悪化が起こりやすい。また、職場環境安全・衛生や給与面は良くても、派遣労働者を大量に雇っては使い捨てる様な工場も存在するため、ブルーカラーがブラック企業と無縁な訳ではない。


経営者の個人的な問題とブラック企業編集

企業経営者には労働法保護がほとんどない。特に企業を設立したばかりの頃は、経営者自身が寝る間も惜しんで働かないと会社が潰れてしまいかねないことが多い。そのため、経営者自身が「労働者も自分同様に寝る間も惜しんで働くのは当然」というブラックな認識を持ってしまうことは決して少なくない。


さらに、経営者が人を雇うに当たっては、特に労働法基礎知識を持っていることは必要とされない。労働法を全く無視する様な企業でも強制的に解散させられたりはしないので、経営者個人の問題からブラック企業が出来てしまうということは起こるのである。また、中間管理職が成果を勝ち取ろうと暴走し、経営者がその管理職問題に気付かなかった結果としてブラック企業化してしまうこともある。


社労士とブラック企業編集

労働条件整備において専門士業といえるのが社労士(社会保険労務士)である。真っ当な経営者であれば、人を雇うに当たっては社労士に依頼して、労働法が定める条件に沿った就業規則制定など、労働条件整備を頼むことが多い。それすらしないというのは、それだけでブラック企業であることを疑った方が良い。そして、多くの社労士は、真っ当な職場環境を作るために自らの労働法知識を生かして努力している。


ただし、社労士が付いている企業でも

  • 折角真っ当な社労士が定めた真っ当な労働条件を現場が良く理解していなかったり、現場運用で守ろうとしない。
  • 社労士主要顧客が経営者であるため、経営者寄りな対応を取ろうとして超えては行けないラインを超えてしまう。中には、ブログで社員を鬱病として追放する方法を指南して国から業務停止処分を受けた社労士もいる。

…といった事態も起きている。

多くの良識的な社労士の努力虚しく、一部悪質社労士の指南や各企業現場で行われるブラック対応はなくなっていないのが実情である。


就職活動における見分け方編集

最良策は就職を検討している会社の先輩にどの様な状況なのかを聞くことであるが、それは実際の所難しいので、以下のポイントに注意して見分ける。

  • 募集人数や掲載回数(やたらと多い場合は離職率が高い可能性があるので要注意。年度末の引っ越しやイベント補助の様に、一時的な人手不足を補うよう、予め雇用期間を明示した仕事は除く)
  • 説明会の段取の良し悪し(段取が悪い場合は要注意。企業側が「説明会開催自体をドタキャン」「直前となって日時変更を求めて来る」「そもそも資料送付だけで済まそうとする」などの場合はかなり怪しい。仮にブラック企業でなかった場合でも、突然の倒産や経営者逝去など、悪い兆候であるケースが多い)
  • 説明会やパンフレットで「やりがい」「社会貢献」など、精神的な部分を強くアピールする(福利厚生や給与などの具体的にアピール可能な魅力がないことを意味する。労働条件が悪い会社の典型)
  • 「夢」「伝説」など抽象的な大言壮語を使う(精神論に依存した企業体質である可能性が高い。同上)
  • 「頑張った分だけ報われる」「少数精鋭」といった、労働者1人の裁量を強く意識した文言を使う(過重労働を正当化する典型的な大義名分。同上)
  • 説明会で採用担当者若しくは社長始め幹部の経歴を偉業の様に自慢する(宗教染みた崇拝を強要する社風である可能性が高い)
  • 面接担当者の服装や態度(現場職でもないのにスーツを着崩している、面接者を見下すなど、態度が悪い場合は要注意。中でも圧迫面接を行う企業は、余程自信がない限り辞退した方が無難)
  • 初任給が同業界平均より異常に高い(残業、休日出勤などの手当を「法令で認められる限界」まで加算した合計額を示しており、基本給と手当内訳を説明していない)
  • 内定 - 入社までの期間に、特定書物の読書や感想文提出などの課題が課せられる(入社日までは社員ではないため、課題を遂行する義務はない)
  • 就労者、特に幹部平均年齢が低い(離職率が高い可能性あり)
  • 求人広告が年がら年中掲載されている(同上)
  • 学歴不問、未経験者歓迎であることを強調している(人さえ集まれば誰でも良いことを意味し、待遇が良い企業がこの様な条件を提示することはほとんどない)
  • 会社ホームページSNSで、社員旅行やパーティー、バーベキュー等懇親会の様子を頻繁に発信する(アットホームを謳うブラック企業が良くやる手段。そもそも社員の休日の姿をみだりにネットに公開する時点でコンプライアンスを疑って掛かるべきである)
  • 事務職など内勤職を募集しているのに、募集資格に要普通自動車免許とある会社(自家用車持ち出しを要求される可能性がある。ただし、特に小会社では営業や経理などの仕事と兼任で社用車を使うこともあるため一概に否定出来ない。また近隣に公共交通機関がなく、クルマがなければ通勤も出来ないような地域であれば別である)
  • 深夜まで社内のあちこちに明かりが灯っているのが外から見ても分かる(夜勤を伴う警備員や、当直制度がある企業ならば仕方ないが、そうでない場合、深夜まで至るサービス残業の巣窟となっている可能性が大)
  • 社内に社長や役員の私物が多く、しかも乱雑に散らばっている(公私混同の疑いあり)
  • 社内が煙草臭く、社員が場所を選ばず喫煙している(分煙化が進んでいない状態。非喫煙者や健康被害への考慮がされていない可能性あり。とりわけ、嫌煙者には地獄が待っている)

注意編集

単純に「給料が安くて働くのがキツい=ブラック企業」とは言い切れない。そもそも、「キツい」というのは単純にその人にとって「適性がない仕事なので苦痛」(営業向きなのにエンジニアをやらされているとか)であったり「職場の特定の人間関係が悪い」であったりすることもある。仮に給料が安くても残業や休日出勤などの必要な手当が全額支給されており、労働時間が適切であれば必ずしもブラックとも言い切れない。


例えば普段手取りが多いけどボーナスが低い!ブラックだ!というケースは求人票を見てみよう。ボーナスというのは基本給をベースに計算されるためである。


例えブラックでなくとも、仕事というものはどんな職種であっても程度の差はあれキツいもの

そこは世に出て社会人として、自覚(あるいは覚悟)しておこう。基本的に、「違法や脱法行為が日常的に行われているかどうか」や、「残業・休日出勤手当を全額支給しているか」が、ブラックかどうかの判断する、1つの基準となるといえる。


かといって、給料を適正に払いさえすれば、過度な労働はブラックではない、という訳でもない。長い目で見た場合、仮にいくら高給が保証されていようが、過酷な労働で心身を壊してしまっては取り返しがつかない。負担が少なくリカバリも容易な短期労働ならばともかく、長期的な労働を望むのであれば、こうした企業は避けた方が賢明。


心や身体が壊れてしまっては、自分の楽しみのために金を使うことも出来ないから…

心身が磨耗し、退職した後の金銭の使い道が治療費や最悪葬式代という何のための稼ぎであったのかという事態も冗談ではないのである


ではサービス残業が常態化している会社はどうであろう。賃金不払いは違法なのでサービス残業を強いる会社はブラック企業……といいたいところであるが、残業代を払わない・あるいは一定額しか払わない会社は日本においては残念ながら「ごく普通」(寧ろ、やってない会社の方が珍しい。日本はここ数十年間そういう状態である)。サービス残業はまだしも、求人票に「見なし残業代含む」と書いてあるのを見落とすケースもあるのでちゃんと求人票は見ること。


…「ごく普通」といわれてもサービス残業自体が労基法違反の犯罪なので、ここであっさり「これが普通何だな」鵜呑みにすれば良いカモである。


勤務記録を取る編集

在職中に残業時間記録を取っておいて、退職時に請求することを勧める。なお「36協定があるから、30時間以上残業したら残業代は出さない」などという会社もあるが、36協定は残業代支払いの責任を免除するためにあるのではなく、労働者を過重な残業から守るためにあるものであり、雇用主が残業代を支払わなくて良い、という理由とはならない。そもそも36協定(特別条項付36協定)とは労働基準法で定められている法定残業時間を一時的に超過する場合、労組側と協議の上で取決められる物である


定時内ですら最低時給を下回る様な極端な薄給(最低賃金法違反)会社は紛れもなくブラックなので近くの労働基準監督署に相談しよう。最低賃金については、2022年にABEMA放送で「最低賃金も払えない会社は潰れたら良い」という正論が打上げられ、話題となった(参考)。


もしも入った会社がブラック企業であったら…編集

退職する編集

出来るだけ早く退職しよう。「石の上にも3年」「住めば都」は普通の企業でやろう。

大前提として労働基準法違反は「犯罪」である(大事なことなので2度言いました)・


ブラック企業に関する相談を受付けている団体(労組など)があるので、電話などで事前にそこに相談するのを勧める。その際タイムカードがあればそれを用意しておくと良い。とはいえ、そういう悪質な職場ではタイムカードですら当てにならないので、常に自分で出勤時間と退勤時間をメモしておくのも良い。日々の勤務・生活内容を記録して自分の職場のブラック度客観視や後の告発に役立てられる様なノートなども発売されており、それをちゃんと書き残しておく方法もある。


常識的には退職をする際には1ヶ月程前に上司に相談することとされているが、ブラック企業の場合はその必要はない。上記のように退職を申し出た従業員を脅迫・恫喝する会社もあるので、そういった事態が予想される場合は、帰り掛けに上司の机に退職届を置いておく、内容証明郵便で退職届を送り付けてそのまま出勤しないなどの方法もある。仮に無断欠勤となっても良い。退職を認めない会社にあれこれとパワハラや嫌がらせを仕掛けられ、心身の健康を損ねるよりはマシだ。

また現在は退職代行サービスもある。


また、こうした企業を退職する場合、退職金は勿論、それまでの給料支払いも望めないケースも少なくないが、余程の額でない限りは必要経費と割切ろう。給料日に受取れるだけ受取った直後に上記のような退職届提出方法を実行して、金銭的損害を最小限に抑える手もある。勿論、敢えて裁判沙汰などにして徹底的に戦う選択もあるが、時間も費用も掛かる上に確実に勝てる保証もないため、余程の恨みや未払いの賃金が溜まっていない限り、さっさと忘れて次の職を探した方が建設的ではある。


また退職は労働者の意思が優先され、特別な条件は一切必要ない。代わりを連れて来る必要もない。バイトテロ級悪ふざけをやった場合を除き罰金や損害賠償を支払う義務もないし、訴えた所で企業側の盛大な自爆である。


労働基準法に違反した内容が労働契約書(雇用契約書)に書かれており、既に署名捺印があったとしても違法な契約は元から無効である。


告発する編集

録音・録画してマスコミは元より週刊新潮を始め週刊誌(女性週刊誌含む)にタレコミ情報として提供する手もある。寧ろマスコミや週刊誌に徹底的に情報提供した方が社会を動かすこともある。最もブラック企業がマスコミのスポンサーである事を確認しないと内部告発者がマスコミに裏切られるリスクもあるので要注意である(最悪のケースでマスコミが内部告発情報をそのスポンサーに情報を見せた事で坂本堤弁護士一家殺害事件に発展した事もあった)。許せない気持ちは分かるが、自分1人がいくら頑張ったところで、その企業に一泡吹かせることなど到底不可能だ。それこそ、死人が出るぐらいの重大事とならない限り、日本は絶対に動かない。極論、凶悪犯罪や悍ましい出来事(勿論アウトであるが)目には目を歯には歯をのような事件事故発生しない限りは・・・。


現在はYoutubeSNSなどにうpして裏切られるリスクのあるマスコミに頼る事なく、告発者の身の安全を護りながら広く知らしめる手もある。完全に真っ黒な場合には有効。


しかしそこまで悪質性の高くない案件の場合、告発した側が「お前が悪い」「労働者として恥だ」と非難を受けるリスクがある。特にそうしたまとめブログに実名顔写真付きで労働争議案件がまとめられた際は、まとめブログのコメント欄で叩かれるなどの精神的苦痛を追うリスクがあり、下手すれば社会的信用に関わる。

忘れて次を探す編集

繰返しとなるが、とっとと忘れて次を探そう。ブラック企業を辞めた後で、良い職場に拾われたり、家業跡取りや年老いた親の介護に立候補したり、といった幸運があった人だっているのから。

退職時に「辞めた人間を雇ってくれる企業なんかねえぞ!」と脅されるかもしれないが、転職して働いている人などザラにいるので、余程のことがなければあまり気にする必要はない。


厳しい言い方となるが、さっさと辞めないと、ちゃんと労働三法などを守っている同業他社やその従業員の利益を不当に圧迫する行為に加担し、世の中に迷惑を掛けることとなる。繰返すが、早急に退職するのが善行であって同僚に迷惑が掛かるからと働き続けるのは寧ろ悪行である。人不足で業務崩壊し、この先そんなブラック事業者が淘汰されて行く可能性だって十分ある。2020年に世界的流行した新型コロナにより大きな影響は出たが寧ろ今までのツケが全て出て来ている。


どうか、過労死や自殺や事故、精神疾患に至る前に無断欠勤し、尚且つ職場からの電話を拒否してでも逃亡した方が、ブラック企業に対する最良の選択となる、ということを理解して欲しい。逃げるは恥だが役に立つはドラマのイトルであるが、ブラック企業への対抗策にも、この言葉はそのまま当てはまる。というよりヤバい相手から逃げても恥ではない。先程も書いたが現在は退職代行サービスもある。


企業側も企業側で、何年もずっと同じ様な体たらくで会社を運営して来たから、社員が1人逃げて辞めたぐらいで何も感じやしないし、しつこく追って来ることもそうそうない。もしどうしても逃げたくない事情があるのなら、労組を結成するか個人加盟出来る合同労組に入るか弁護士等に直で相談するかして欲しい


上記の記述は、今現在もブラック企業で心折れそうになりながらも真面目に頑張っている人にこそ心得て欲しい。ブラック企業は真面目な人程辞めにくいし、企業側も情け容赦なくその真面目さにつけ込んで来る。いじめや痴漢被害者が、我慢すればする程エスカレートして行くのと同じ構図である。真面目にやっている貴方が、そんな最低の場所で自分をすり減らして行くのは社会にとって大損害なのであると、どうか理解して欲しい


以前実在したブラック企業編集


現存するブラック企業編集

詳細はこちら


フィクション上のブラック企業編集

フィクション上のブラック企業の場合、特にバトルものであると敵組織、悪の組織を兼業していることが多い。


主なブラック企業編集

詳細は当該記事を参照。


当初はブラックであったが後に改善されたと思われる編集


ブラック企業故に離反者が相次いだ末に崩壊編集


ブラックであるが離反者がいない編集

  • 真島建設龍が如くシリーズ)→社長がワンマン何てレベルじゃないが誰も辞めてない。面倒見が良いところもあるからか、ただ恐いだけかは不明。

作中でブラックという設定であるがブラックの要素がない・薄い編集


関連タグ編集

会社 企業 就活 悪の組織 違法 法令遵守/コンプライアンス 笑顔の絶えない職場 年中無休

ピンハネ やりがい搾取 サービス残業(違法) 自爆営業(違法)

996 ブラック上司 社畜 搾取 パワハラ セクハラ モラハラ

根性論 強制労働 限界OL 枕営業 自殺 過労死 うつ病 精神崩壊


人手不足 倒産 夜逃げ 訴訟 炎上……ブラック企業の末路候補。

腹黒企業……架空ブラック企業はこちらへ。


会社に行きたくないOLちゃん 新入社員ちゃん 社畜ナンジャモ


対義語編集

ホワイト企業 理想の上司


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