村上「いや!滅ぶのは人間の方だ!
オルフェノクの王さえ覚醒すれば……世界は我々の物だ」
北崎「そうだ!新しいゲームをしようよ。オルフェノクの王を最初に倒した人が、新しい王になる。どう?面白そうでしょ?」
データ
身長 | 216.0cm |
---|---|
体重 | 149.0kg |
特色/力 | オルフェノクに不死を与える、光の鞭、光弾 |
概要
『仮面ライダー555』に登場する怪人・オルフェノクの王であり、バッタの特性を持つオルフェノク。
"九死に一生を得た子供"の中に誕生すると言われており、他のオルフェノクとは異なり肉体その物は変異せず、完全復活するまでは宿主となった子供の中に「寄生」しているような状態になる。
普段は宿主の影に潜んでおり、姿を見せる際は宿主の肉体の主導権を握って現れるが宿主となった子供には全く自覚が無く、完全な操り人形となっている。
初めて現れた際は青年の姿をしていたが、エネルギーを蓄えていった事で完全体となるアークオルフェノクの姿に変貌した。
人類の進化系と言えるオルフェノクだが「急激な進化」の代償として細胞に過負荷が掛かっており、普通の人間より寿命が極端に短くなってしまっている。
アークオルフェノクはその問題を解決できる唯一の存在で、自身が認めたオルフェノクに不死となる恩恵を与えることができる。その方法はオルフェノクから残った人間部分を取り除き完全な怪人とするもので、不死化の代償として二度と人間の姿には戻れなくなる。作中ではロブスターオルフェノクを不死にしている。
『仮面ライダーファイズ超全集 下巻』p.80によれば、流星塾や創才児童園フレンズホームはオルフェノクが死の運命から逃れるためにアークオルフェノクを見つけ出すべく設立された施設である。
戦闘力は極めて高く、仮面ライダーファイズ、仮面ライダーカイザ、仮面ライダーデルタの三人を軽く圧倒する。
ライダーの専用バイクを一撃で破壊する光弾、厚さ1.5mの鋼鉄も破壊する握力、自由自在に空中を滑空するマントの様に靡くマフラー、驚異的な跳躍力や空中浮遊能力等、様々な能力を持ち、「オルフェノクの王」と呼ぶに相応しい実力者。『仮面ライダーファイズ超全集 下巻』p.35では「他のオルフェノクをはるかに上回る、驚異的な身体能力を誇っている」と記されている。
しかし、他のオルフェノク達の寿命の限界を克服させる能力はあってもアークオルフェノク自身も他のオルフェノクと同様に決して不死身の存在というわけでは無い。
覚醒直後は不完全で完全覚醒のために依代になった人間の無意識下で他のオルフェノクを喰らう。餌と見なされたオルフェノクはどれだけ忠義心を見せても問答無用で狙われ、指から伸びる「光の鞭」で石化し、捕食されるという末路を迎える。
花形の推測では「大半のオルフェノクは王に食われる」との事らしく、オルフェノクの絶滅を救う「救世主」でありながら多くのオルフェノクに犠牲を強いるというとんでもなく本末転倒な問題を抱えた暴君であり、餌にされるオルフェノク達にとっては問答無用で命を狙ってくる恐怖の存在である(劇中で捕食のシーンが確認されたのは3回だが、劇中外ではおそらくそれ以上の大量のオルフェノク達が犠牲になったと思われ、実際に村上が目の当たりにした際は完全体の姿となっている)。
ちなみに口腔内は赤く禍々しい空洞のようになっている(ドラゴンオルフェノクを捕食するシーンで確認可能)。
その生態故に当然だが同胞を生贄に捧げ犠牲にする必要がある事、オルフェノクという種族の重大な機密に直結する事など、その存在そのものが種族内における反逆や混乱が起きかねない危険な存在でもあった。
王の覚醒を待ち望む「スマートブレイン」社では王を守るため、アークオルフェノクをモデルに三つのライダーズギア(ベルト)が製作された。ファイズ、カイザ、デルタのベルトは本来なら王を守るために開発されたものである。外見が似ている(特にファイズ)のはこのため。開発理由に関しては、単に反逆者を処刑する為だけでなく、ライダーによる圧倒的な力で支配を拒むものを強制的に従わせる事で、王の存在によるオルフェノク種族内の分断を防ぐ意味合いもあった。
ただし、あまりにも高性能を追求した結果「守れるという事は倒す事も出来る力」となってしまい、皮肉にもライダーズギアは逆に打倒アークオルフェノクの力として使われた。
なお、アークオルフェノクの伝説がどのようにして伝えられてきたのかは不明。オルフェノクの寿命及び王の存在は花形や村上などスマートブレインの社長しか知らない重要なトップシークレットであり、社長以外のスマートブレイン幹部やラッキークローバーも王の噂程度でしか知らない。
伝説を踏まえれば少なくとも先代のアークオルフェノクが存在し、その能力がオルフェノクを不死化させることが確認されていたと思われるが、各媒体での言及はなく存在の有無・末路は不明。
上記の通り情報そのものがオルフェノクという存在を揺るがしかねない為か、花形(ゴートオルフェノク)が情報を隠蔽した可能性等が考えられるが公式には語られておらず謎は多い。
ライダーズギアの開発経緯からも、他のオルフェノク達に打倒されていた可能性もある。
劇中の活躍
劇中の終盤で宿主である九死に一生を得た少年鈴木照夫を通じて不完全ながらも覚醒。
完全な覚醒に備えてオルフェノク達を次々と殺害、捕食していき、仮面ライダーに敗れ瀕死だったローズオルフェノク(村上)やドラゴンオルフェノク(北崎)もまた捕食される事となった。
ただオルフェノクを襲うのみならず狡猾さも見せており、海堂直也(スネークオルフェノク)に対し当初は捕食を試みるが、自らの宿主である照夫を保護していた事から敢えて手を出さなかった。これにより海堂やファイズである乾巧達が照夫を守ろうとしたため、結果的に照夫への危害を未然に防ぎ、自身の存在を気付かせず獲物のオルフェノク達を安全に襲う事が出来た。
のちに巧が照夫に潜む自身の存在に気付き殺そうとした際も、良心の呵責から手が出せず、この時は断念するしかなかった。
また王の覚醒の発覚及びその存在が明らかとなることにより、ベルト設計の目的の頃から懸念されていた通りスマートブレイン内外問わず各オルフェノク達に混乱を生むことになる。
仲間を食われた復讐や恐怖により照夫を独断で始末しようとしたバットオルフェノクやコーラルオルフェノク、追い込まれ覚醒前の王を掌中に収め摂関政治のように操る事を目論んだ村上、人間を憎み死を恐れたが故に王を手に入れようとした木場、「王を倒し新たな王になるか生き残るか」で内輪揉めを起こしたラッキークローバーなど分断と対立が深まることになった。
最終話では照夫が木場勇治に保護(拉致)され、地下施設で浮遊しながら復活の時を待っていた。三原修二が現着してデルタに変身し、照夫の救出を試みるが光の触手で弾き飛ばされ、さらに王の護衛にやってきたラッキークローバーの二人と交戦に入る。しかし、連絡を受け取った海堂たちが駆け付けたタイミングで宿主である照夫を食い破るようにして完全復活。覚醒後、手始めに三原と海堂の救援に駆け付けた巧ファイズを光弾で変身解除に追い込む。
その後、自身に謁見したロブスターオルフェノクの人間の部分を取り除き彼女を不死化させる(その光景に恐怖を感じたセンチピードオルフェノクは逃亡)。
真理たちを庇った三原デルタと答えを求めて駆け付けた木場カイザを一撃で変身解除させた上、巧にファイズブラスターを届けにきたオートバジンの銃撃をものともせずに光弾で粉砕。
それを見た巧が
「見つけようぜ…木場、三原。俺たちの答えを…俺たちの力で!!」
と奮起し、2人を鼓舞したことでファイズ ブラスターフォーム、カイザ、デルタに再変身してトリプルライダーとの最終決戦に突入する。
しかし、そこはオルフェノクの王。フォトンバスターを片手で弾き、ルシファーズハンマーとゴルドスマッシュを背後から同時に食らっても弾き返す脅威的なパワーを発揮。腕から伸びる触手でカイザギアを破壊して木場に致命傷を負わせる。ブレードモードで斬りかかったファイズもパンチで吹き飛ばしトドメを刺そうとするが、最後の力を振り絞った木場に羽交い締めにされ、隙を狙ったブラスターフォームのフォトンブレイカーと超強化クリムゾンスマッシュを立て続けに受けて爆発。
身体は灰化せずに残り、ロブスターオルフェノク(影山冴子)に回収され、流星塾で復活を望む場面で幕を閉じた。
オンエアではカットされたが、この直後にアークオルフェノクが灰化して消滅する末路を辿っており、ただ一人だけ「完全な化物」であるオルフェノクとなったロブスターオルフェノクは半狂乱になる末路を辿るというシーンが存在した(公式ムック「555補完ファイル」参照)。
他作品での登場
映像作品
『ディケイド』以降の映画では再生怪人の脇役として多く登場。
一応扱いは敵幹部だが台詞などはない事が多く、いざ戦闘シーンとなると扱いは…。
様々なオルフェノクの武器を使用している(設定上もすべてのオルフェノクの武器を使える能力を持っているのかは不明)。
『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』
大ショッカーの一員として登場。
怪人軍団と共にディケイドに挑むも一刀に伏せられてしまった。
最期はイカデビルと共にFAR三連発の巻き添えを喰らい、ヒトツミやシオマネキングと共に仲良く爆死した。
本作ではスクィッドオルフェノクの棍棒を武器にしている。
なお、『ディケイド』テレビ本編では、死したオルフェノクを復活させるという似た能力のタイガーオルフェノクが登場している。
『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』
『仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z』
スペースショッカーの一員として登場した。
ビートルファンガイア、スコーピオン・ゾディアーツら節足動物と共にヒーローと激戦を繰り広げたが、シャリバンクラッシュで三人同時に倒された。
『仮面ライダーウィザード』
魔宝石の世界の怪人の1体で、こちらも通常怪人並み(上級怪人として扱われている)。
同じくバッタやそれに類する昆虫をモチーフにした怪人であるオルタナティブ、バッタヤミーと行動を共にする。
リングから抜け出したライダーを倒すために徒党を組んで襲い掛かるが、仮面ライダーウィザードに倒されて、オルタナティブ共々爆死した。
『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』
ホースオルフェノクと組んで乾巧が変身するファイズや草加雅人が変身するカイザと対峙しているシーンが回想で描かれている。
こちらはクロコダイルオルフェノクの剣を武器としている。
『仮面ライダージオウ NEXT TIME ゲイツ、マジェスティ』
アナザーディエンドに召喚される形で登場。同じく召喚されたスミロドン・ドーパントや恐竜グリードと共にゲイツマジェスティに襲い掛かったが、マジェスティが召喚したウイングランサーやゼロガッシャーボウガンモードの攻撃で撃破された。
こちらでは再生怪人故の弱体化こそ逃れられなかったものの、同じくラスボスだった恐竜グリードと同時に登場したため、一応ラスボスとしての面子は保たれている。
こちらでも、クロコダイルオルフェノクの剣を武器としている。
『仮面ライダーアウトサイダーズ』
ep.0『ゲンムズのおわりと計画のはじまり』で、まさかの復活を果たした。声は『555』ぶりに家中宏氏が演じており、初めて明確に言葉を話す。
スマートクイーンが秘書を務めていることから、スマートブレインの4代目社長に就任したと思われる。
オルフェノクの繁栄を目論んでおり、スマートクイーンが計画を実現するために幻夢無双ガシャットの回収を実行する。しかし、スマートクイーンが檀黎斗に倒されたことで、計画は失敗に終わった。
ep.3『バトルファイトの再開とゼインの誕生』に登場したアークによると、ゼインに対抗するために財団Xによって復活させられたことが判明した。
そして、2024年11月10日に公開されたep.7『アウトサイダーズと最期の戦い』では、歴代アウトサイダーズが横並びに集結する中、仮面ライダーが並ぶ中怪人なのにしれっと隊列に加わっていた為、外見の違和感の無さも含めファンからの注目を集めた(怪人態のあるデザストやブレンでさえ、仮面ライダーの姿で並んでいるのにもかかわらずである)。
劇中でも何故か「アウトサイダーズ」として扱われており、ベロバの誘いをオルフェノクとしてのプライド故に拒否し、さらに手渡したデザイアカードをある同類の様に灰と化したが(この際、ベロバからも仮面ライダーではないことを指摘されている)、結局ゼイン打倒のために参戦している。
青白い触手で攻撃を行い、拘束をして結果的にライダー達のサポートをこなしていた。
なお、原典との繋がりがどのように描かれているのかは不明。
因みに今回で『仮面ライダーゼロワン』のアークと同じ作品に登場する事となったが、『ゼロワン』にもアークの名を持つボスが登場しており、このうち仮面ライダーアークゼロとは主役ライダーの最強形態のライダーキックを受けて敗北・消滅する繋がりがあり、仮面ライダーアークワンとはバッタがモチーフの白いラスボスでサブライダーの変身ベルトを破壊している繋がりがある。
映像作品以外
ゲーム『戦姫絶唱シンフォギアXD』
『555』とのコラボイベント『アナザー・テスタメント』のラスボスとして登場。なんと本作ではシンフォギアにおいて物語の裏で暗躍してきた風鳴訃堂の正体と言う衝撃設定になっている(そのため、本作では村上峡児の設定を兼ねていると考えられる)。
演じた人物
余談
- 名前の由来は、arch(大天使の冠詞である"大"を意味する)とark(ノアの箱舟)と思われる。
- オルフェノクの王であり、オルフェノク存続の鍵を握っているという意味で相応しい名前だろう。
- オルフェノクは死んだ人間が覚醒するが、アークオルフェノクは生きた人間から誕生する異質な存在である。
- モチーフは仮面ライダー。特に仮面ライダー1号がモデルと思われる(マフラーがそれを彷彿させる)。またラインの様な鱗や肩のパーツ、顔の線がファイズと酷似している。
- この王に仕えるからファイズ達はこういう姿であるというのを逆説的に見せたい、ということで、外見がライダーに似たオルフェノクがラスボスとなった。デザインは巧が変身するオルフェノクのボツイメージをファイズたちに近づけるよう修正したもの。難産だったフォトンブラッドの処理はライダーモチーフということでシンプルにすっきりさせるため、線を増やすようウロコ状のモールドになっている(『完全超悪』p.145)。
- 本来は巧が変身する怪人としてデザインされたが、巧のイメージに合っていない事、面白みがないためボツになったという話もある(『完全超悪』p.143)。
- いずれにせよ彼の正体はオルフェノクだった。
- 『アウトサイダーズ』ep.7予告で注目を集めたのは上述の通りだが、予告が公開する前日にて『仮面ライダー555』の作品の中からS.H.Figuarts化の予告があった為、アークオルフェノクが商品化するのでは?と少し話題になった(実際は乾巧のS.H.Figuarts化であったが)。
関連タグ
仮面ライダー555 オルフェノク ライダー怪人 鈴木照夫 スマートブレイン
創世王(BLACKSUN)...怪人差別がテーマの仮面ライダー作品において王と呼ばれた灰色のバッタ怪人繋がり。彼の存在が種族の存亡に影響する点も共通している。
仮面ライダーリガドΩ:次世代シリーズの4番目の仮面ライダー作品に登場するラスボス。
仮面ライダーオーディン←アークオルフェノク→ジョーカー