CV:二見忠男/田中亮一(正義の系譜)/関智一(平成以降の作品)/蒼井翔太(お昼のショッカーさん)/小手伸也(カオナビ)
スーツアクター 小林貞夫(第68話)
「仮面ライダー!今度はイカデビルが相手だ!」
「触るな!俺の頭には誘導装置があるんだ!」
死神博士恐怖の正体?
『仮面ライダー』第68話『死神博士 恐怖の正体?』に登場する黄金バックル怪人の一体にして、ショッカー大幹部死神博士が自らに改造を施した姿。鳴き声は「キィーッ」。
隕石を自由に操って地表へ落下させる能力を有し、「流星怪人」の異名を持つ。
イカの怪人だけあって口から墨を吐く他、触手も武器となる。
新サイクロンのテスト走行をしていた本郷猛を襲撃し、ギリザメスも用いたキック殺しで仮面ライダー1号のライダーキックを弾き返し、歴戦を経た本郷をして「恐ろしい怪人」と言わしめた事から、「ショッカー怪人最強」との説がある(本郷も襲撃された後に、トレーニングを積みさらに強くなったイカデビルと戦うという悪夢にうなされた程であった)。
それに飽き足らず更に自身を強化する為に立花藤兵衛を誘拐し、友人の命をネタに彼を脅迫して特訓相手にさせる(恐らく、ライダーが立花との特訓で新技を会得した事を踏まえているのだと思われる)。
しかし、トレーニング中に頭部の隕石誘導装置が弱点である事を立花の前でうっかり漏らしてしまい、1号との決闘中に現れた立花に因って1号にその弱点を知られてしまい、ライダーチョップを喰らって誘導装置を破壊され、怯んだ後にライダーきりもみシュートを喰らい地面に叩きつけられた上に装置の故障で落下した隕石と共に爆死した。
「俺の誘導装置が故障したー!!!」
ある意味イカ娘の先輩ともいえなくはない。
他媒体でのイカデビル
平成ライダー
『仮面ライダーディケイド』の映画「オールライダー対大ショッカー」では、大ショッカーに洗脳された光栄次郎がイカとビールを掲げて変身する(←こら)。
「イカで!ビール!」
声は関智一氏が当てている。隕石(イカ墨?)を全方向に発射する「イカ爆弾」が武器。技の方向性はファイナルファンタジーを髣髴とさせるが、技名は物凄く昭和っぽい。
最後はディケイド、ディエンド、モモタロスによるFAR同時攻撃を受け爆発、もとの栄次郎の姿に戻った(なお、原作である『仮面ライダー』にもイソギンジャガーやピラザウルスなど、倒されても人間に戻っただけで済んだ怪人もちょくちょく登場している)。戦いの後、栄次郎は「もうイカとビールは懲り懲りだ!」とぼやいていたのだが……。
余談だが、この時剣の達人であるモモタロスは、なぜかブレイドブレードではなくキバアローの発射係だった。
その後も『レッツゴー仮面ライダー』にはガラガランダ共々ショッカーの再生怪人として登場。強いことは強いんだけど……なんか違う。「イカゲソー」って、ちょっと……。
40年間にもわたりしぶとく生き残るも、現代に戻ってきたモモタロスが合体変身した電王クライマックスフォームの攻撃を受けガラガランダもろとも爆死した。
『スーパーヒーロー大戦Z』では、スペースイカデビルなる、駄洒落を連発するインテリジェンス0の強化怪人が登場し、下記すがや版と同様、死神博士以外の素体であることを窺わせた。
『プリティ電王とうじょう!』では、久々に登場し、ショッカー戦闘員と共にデンライナーをどういう経緯かはわからないが乗っ取っている。
過去作と違いスーツが新しくなっている。
漫画
「冒険王」のすがやみつる版『仮面ライダー・新』では当初の設定どおり、死神博士の死後に地獄大使配下としてライダーと闘うものも、その後『仮面ライダーV3』では復活した死神博士の変身態として登場する。
「テレビマガジン」の細井ゆうじ版の漫画『仮面ライダーZX』では、バダンに協力する、ショッカーの生き残りの科学者の変身態として登場。この作品では、黄金狼男、ガラガランダのショッカー大幹部3人の怪人態は本郷猛の改造に関わった3科学者がプロトタイプという設定である。
ZXとの交戦では彼の最大の武器である脚力を奪うものの、最終的には衝撃吸収爆弾の連撃を食らって敗れ去った。
『新仮面ライダーSPIRITS』では、暗闇大使に操られる魂のない怪人として登場。今作では「キック殺し」は烏賊のムチを大量に射出して相手を絡め取る技にアレンジされている。
海中のショッカー基地において、死神博士の姿から変身し、黄金狼男と共に仮面ライダーZXと交戦する。
最終的にはダブルライダーを迎え撃つが、死亡したガラガランダのムチで動きが拘束されたところに、2号のライダーパンチを黄金狼男が、1号のライダーきりもみシュートをイカデビルがそれぞれ受けて空中で衝突、爆破四散した。
ゲーム
FC『仮面ライダー倶楽部』ではショッカータウンのボスである死神博士を倒すとこの姿になって襲ってくる。
ギルガラスより速さが低いため2号でも低レベルでもなんとかなる…と、言う事はなく触手による拘束攻撃で動きを封じて壁に叩きつけてくる。
1撃12ダメージのロケット弾を連発するショッカーランドボスのオオカミおとこと比べると拘束攻撃はえらくショボく感じてしまうが、その実態は動けなくなったライダーを壁ブチ抜きで容赦なく即死させるというガラガランダと並ぶ作中最恐の難敵である。
どんなにHPがあろうとLVが最高だろうと、コイツに出会ったら常にゲームオーバーの危険が伴う。
しかもバリケードで動きを止められるガラガランダと違い、イカデビルはバリケード無効で動きを止める術が無くこちらが付け入る隙がないのも厳しい。コイツに遭遇した時は必ず戦闘前に一人はライダーを逃がしておかないと危険である。
PS2『仮面ライダー 正義の系譜』では1974年で強化体ザンジオーがV3に倒されて後が無くなった死神博士の最後の手段として変身、隕石誘導装置によって流星が降り注ぐ司令室の中を戦う事になる。
PSP『ロストヒーローズ』では敵組織・リジェスに所属するマッドサイエンティストとして登場。ミュージアムのガイアメモリ研究に手を貸し、メガ・リバース計画を支えた。戦闘時にはガラガランダ&テラー・ドーパントと共にヒーローに襲い掛かる。
その他
2017年11月26日に放映された『日曜もアメトーーク!!』の昭和&平成仮面ライダー特集スペシャルの終盤で登場。
ショッカー戦闘員を引き連れて蜘蛛男と共にテレ朝本社を襲撃し、アンガールズ田中を連れ去るが、駆け付けた仮面ライダービルドと仮面ライダーアマゾンのコンビと激突。
最後はビルドのライオンクリーナーフォームで部下の戦闘員を一掃された後、ボルティックフィニッシュを食らって爆散した。
2019年の6月、宝くじ「ボーナスBIG」のCMにも戦闘員を引き連れて登場。BIGをあてて新たにビッグなアジト(イカっぽい建物)を作ろうとするもライダー1号の邪魔が入り、そのまま撤退した。
なお、販売員(演:石田ゆり子)はイカデビルが来てもすごく呑気だった。
余談
他の幹部が猛獣の狼とガラガラヘビの怪人なのに対し、イカというサエない生物がモデルのイカデビル。実は、初期設定では死神博士はもともとその前に登場した鮫怪人ギリザメスに変身する予定だったらしい。そうなれば猛獣トリオが結成されていた(このことを最初に紹介したEB「仮面ライダー大図鑑」の閑話集では「実現しなかったのは本作の大きな損失といえる」と記されている)のだが、軍人気質なゾル大佐や武闘派の地獄大使に比べ、マッドな雰囲気の漂う死神博士には、血に飢えて牙をふるうサメよりも、闇に潜み獲物を狩るイカの方が似合うのかもしれない。
そして、死神博士がヨーロッパ北部で伝承のある海の怪物、クラーケンをモデルにして自らの改造体を選んだとも類推可能である(ちなみに、イアン・フレミング原作の『007ドクター・ノオ』では、ノオ博士が「鮫よりも恐ろしい処刑用動物」として巨大な烏賊をジェームズ・ボンドに差し向けている)。
また、空想科学読本の作者・柳田理科雄は、イカの神経細胞が巨大なので動物実験によく使用されることから、「改造人間研究の第一人者であった死神博士は、自らの体を最初の実験台にしたのだろう。その題材に選ばれたのが、神経細胞を取り出しやすいイカだったのだ!」という珍説を発表したことがある。
※ネタばらしをすると、「主演の藤岡弘、が他局の番組出演が決まったものの、「ライダー」の撮影で拘束されるために出演を断念せざるを得なくなり、役者として悩んだ挙句に失踪した」と言う「主演不在」のアクシデントにより、脚本が変更された為である。
今回よりOPが新サイクロン号に搭乗するものに変更。
クレジットでは修正が間に合わず「怪人ギリザメス」と誤表記されてしまっている(ゲストのクレジットを見ても、前回の分がミスで焼き込まれたわけではない)。
トレーニング場ではサイギャングとカブトロングがイカデビル共々訓練していた。
2014年に行われた『僕たちの好きな「仮面ライダー」怪人ランキング』では6位を獲得し、ショッカー幹部の中では一位の座に輝いた。これも死神博士役の天本英世氏の怪演の賜物であろう。
ちなみに、冒頭での1号との戦いで使ったキック殺しに使われていた映像の中に次の第69話の登場怪人であるギラーコオロギの映像を使っていた。
ドムドムバーガーでは、イカデビルをモチーフとした「イカデビルバーガー」が販売されている。
関連項目
イカ仲間
太字は幹部怪人
昭和ライダー
平成一期
メ・ギイガ・ギ ウィスクラーケン バクラーケン スクィッドオルフェノク
平成二期
令和ライダー
ネオヒマギア ダイオウイカ・デッドマン※ マックラーケン/クラーケンマルガム
※そもそもイカデビルモチーフだと思われる。