MOMO・URA・KIN・RYU
ウラタロス「いくよ!」
キンタロス「1人で寂しいやろ!」
リュウタロス「踊るけどいい?」
CLIMAX FORM
モモタロス「ギャー!皮が剥けた!!」
スーツアクター:高岩成二他
概要
『仮面ライダー電王』の主役ライダー・仮面ライダー電王の強化形態。初登場は第28話。
デンオウベルトに携帯電話型アイテム・ケータロスを装着し、モモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロスの4人が同時に憑依することで変身する。
劇中ではタロスズにより、もっぱら「てんこ盛り」と呼称されている。
その誕生経緯、外見、爆笑度合いなど、数多の仮面ライダー強化形態の中でもトップクラスに異彩を放つフォームである。
イマジン4人が同じ事を考えないと変身出来ないらしく、習得したての頃はナオミのコーヒーを使うなどの方法を用いて変身していた。同じでさえあれば考えている内容はなんでもいいので、作中では互いのことを「お前ら邪魔!」と4人同時に言い放った直後に変身した事もある。
野上良太郎とイマジン達の絆が固められた頃からはコーヒー無しでも変身出来る様になっている。
戦い慣れているタロスズが集まっているため、戦闘力・戦績ともに設定上の最強フォームであるライナーフォームよりも安定しており、出る度に敵を倒す切り札的扱いも相まってファンの間では『電王の(純粋に戦闘力的な意味で)本編最強の形態』と呼ばれたり、『野上良太郎としての最強フォームがライナーフォーム・仮面ライダー電王としての最強フォームがクライマックスフォーム』という評価をされることが多い。
経緯
そもそもの切っ掛けは俺、誕生!における牙王との最終決戦の際、「人手が足りない」ということで、モモタロス以外の3人が別の時間からかき集められた3人の良太郎に別々に憑依したことであった。
このあまりにも強引な手段を使った結果(更に良太郎が一時的な記憶喪失に陥っていた上に3人とは別行動を取っていた)、3人と良太郎の繋がりが途切れてしまい消滅してしまった(イマジンは契約者の記憶によって存在を保っている。しかし良太郎は一人しか居ないにもかかわらず別々の良太郎を集めた為に良太郎には「モモタロスが憑依して戦った」と言う本来の時間軸の記憶だけが残ってしまい、3人が憑依した時の記憶が残らなかったのである)。この時、彼らの欠片とも表現されたお馴染みの白い砂から良太郎がイメージによって現出させたのがケータロスである。
良太郎「ずっと…繋がっていれたらと思って……」
モモタロス「相変わらずセンスねェな…良太郎」
良太郎「ホント…センスないね……!」
その後、ブラッドサッカーイマジンとの戦いに赴く良太郎とモモタロス。しかし突然の別れの直後に本調子が出るはずもなく、そこまで厄介な敵ではないにもかかわらず苦戦。やけくそのモモタロスは乱暴極まる連撃を繰り出し、ケータロスを握り締めながらいなくなった仲間達に向かって叫んだ。
「おいカメ! クマ! ハナタレ小僧! 勝手にいなくなりやがって…こんのバカヤロォォォォ!!!」
しかしその時、ケータロスから唐突に間の抜けた着信音が鳴り響いた。
わけも分からぬまま、困惑しながらとりあえず電話にでるモモタロス。すると聞こえてきたのは……
ウラタロス「相変わらず乱暴だなぁ、先輩は」
なんと、消滅したはずのウラタロスの声だった。
驚きを隠せないモモタロスと良太郎にウラタロスはケータロスを使用するよう指示。ともかくボタンを押してみると、さらにキンタロスとリュウタロスの声までもが。ビビって取り落としたケータロスが、新たな変身音を響かせる!
「Climax Form」
突如空中から出現したロッドフォーム、アックスフォーム、ガンフォームのデンカメンが電王のボディに次々と合体。そしてついにはソードフォームのデンカメンが左右に展開し、ここに全員の力を結集(物理)した、電王の新形態が誕生したのだった(記事冒頭の台詞はこの時のもの)。
ちなみにこの一連の流れの間、ブラッドサッカーイマジンはぶった切られてかなり不自然に画面の外まで転がっていき、変身完了まで大人しくしていた(メタ的に言えばクライマックスフォーム誕生の一連の流れのためだが)
後にオーナーが語ったところによれば「良太郎の強い意志が3人の存在を繋ぎ止めたのではないか」とのこと。
上記の経緯からこのクライマックスフォームは、強敵に対抗する為に獲得した訳では無く、第三者の援助を受けて手に入れた訳でも無く、「戦闘用でも何でもないアイテムを手に入れ」、「必死に頑張って戦っていたら」、「たまたま気合いで変身出来た」等、歴代ライダーで見ても他に類を見ない異色の経歴を持つフォームである。
自力で変身した強化形態と言うだけならば仮面ライダーアギトバーニングフォームや後の仮面ライダーウィザード インフィニティースタイル等の例があるが、シリアス展開の打ち破り方がこれらのフォームとはまったく逆であり、そう言った部分でも異彩を放っている。
変身シークエンス
ケータロスを3→6→9→♯→コールボタンの順番に入力。すると待機状態に移行しケータロス側面の「フォームスイッチ」を押すと後端から伸びたオーラのレールにより、自動的にデンオウベルトのバックル部に合体する(もちろん手動で合体も可能)。
直後に転車台のような胸部装甲「ターンブレスト」や、それを中心として全身に走るレール状のモールド「デンレール」を持つ専用のオーラアーマーが生成され、そこから右肩にロッドフォーム・左肩にアックスフォーム・胸部にガンフォームの電仮面を装着。最後に頭部のソードフォームの電仮面に2度目のリ・バースが発生して複眼部分が横にスライド、皮が剥けたような形状になり変身が完了する(上記の台詞は初変身時の物)。
初変身時はその後、更に全身が発火し、デンライナー・ゴウカがその名の通り燃え盛りながら駆け抜けていった(クライマックスモード)が2回目以降特は登場しなかったため詳しいことは不明。オーナーの様子を見るに車内はかなり暑くなっていたようだ。
4つデンカメンを張り付けた異質な見た目は劇中でも言及されており、ワスプイマジンやピギーズイマジンからは「気持ち悪い」と指摘されるレベル。
スペック
身長 | 190cm |
---|---|
体重 | 119kg |
パンチ力 | 8t |
キック力 | 10t |
ジャンプ力 | 42m |
走力 | 100mを4秒 |
アックスフォームのパンチ力にガンフォームのキック力を備えたいいトコどりフォームで、全てのスペックで基本4フォームを凌駕する(ガンフォームのスペックが総合的に高いため、実はパンチ力以外はガンフォームと同じ)。
デンガッシャーの4モード全てを使用することが可能だが、基本人格がモモタロスであるためほとんどソードモードで戦っている(一度だけガンフォームから変身した流れでガンモードを使用した事がある)。
武器を使わなくても十分強いため、デンガッシャーを使用しないことも多い。
複眼は単に見た目が変わった訳ではなく、最大で7km先の人間の顔を見分け、最小では0.03mmの物体を識別可能。ナイトビジョン機能の認識可能範囲も1.5km先まで延長されている。
電仮面装備箇所付近はそれぞれのイマジンの意識が反映されているため、その部位に攻撃を受けても自分だけダメージを受けず強引に突破する事が可能。モモタロスは「使える」と評しているが、当然他3名からは非難が噴出した。
逆に他の3人が勝手に動くとモモタロスが痛い目に遭う。毎度戦闘終了後に繰り広げられる、一つのボディでタロスズ四人が暴れると言う前代未聞の漫才は、スーツアクターを務めるミスター平成ライダー高岩成二の職人芸あってこその迷シーンであり、ギャグ抜きでも一見の価値ありである。
毎回登場する度に笑いを誘うどこか間の抜けたフォームではあるが、4体ものイマジンの力が結集している事もあってか、その見てくれとは裏腹に凄まじい戦績を有している。本編中及びイマジンに対しての戦闘では無敗の記録を誇っている。本編終了後の映画でも出番が多く、最終フォームであるライナーフォームよりも優遇されている。黒星を献上した『さらば電王』でも、散々良太郎を利用したゴーストイマジンをワンサイドゲームでフルボッコにした。
唯一の黒星は『さらば電王』で仮面ライダー幽汽 ハイジャックフォームによる攻撃で変身解除したのみで、それでも良太郎やタロスズにダメージは殆ど無かった。
欠点は他の形態に比べて変身の敷居が高いこと。
5人全員が戦える状態であり、かつ上記の通りイマジン全員の心がひとつにならなければこの形態にはなれない(後者は初期のみ)。
また良太郎の体に4体のイマジンが入るために非常に窮屈で、外見に関してはハナからも難色を示されていたり…と実績に反して不評が多い。
だが野上良太郎だけは気に入っており、渋るタロスズに変身を促すことすらあった。後に伝説のネーミングを生み出したセンスは、この頃から全開であったようだ。
必殺技
これまでのフォームとは違い、ベルトにセットされたケータロスの中央のボタンを押して必殺待機状態にしてからライダーパスを開いた状態でセタッチしフルチャージ(『ジオウ』では必殺待機音は省略されパスも閉じていた)、「Charge & Up」の音声と共に放つ(恐らく通常のフルチャージも可能と思われる)。
ロッドフォーム、アックスフォーム、ガンフォームのデンカメンを右足に集中させるとキックモード、左腕に集中させるとパンチモードとなる(デンカメンは身体に張り巡らされたデンレールを伝って移動する)。
ボイスターズキック
ソード以外の電仮面が移動(順番はロッド、ガン、アックス)して、右足で放つ通常のキックの10倍の威力を持つライダーキック。ウラタロスの必殺技。この時ロッドのデンカメンの角が前方に展開し刃になる。実は、本編中では最も撃破数が多かった技である(本編内で複数使った技ではこの技が3体、本編後のメイン必殺技になったポイスターズスラッシュは2体)。
ボイスターズパンチ
ソード以外の電仮面が左手に移動(順番はアックス、ガン、ロッドの順)し、4人のイマジンの力を左手に込めて放つ強力なライダーパンチ。キンタロスの必殺技。この時にアックスのデンカメンの角が前方に展開し刃となる。
ボイスターズシャウト
胸にあるガンの電仮面が開き、そこから大量のミサイルを放って敵を撃滅する。リュウタロスの必殺技。さすがにブルーバードイマジンもこのような攻撃は予想できなかったようで、呆気にとられたリアクションを取っていた。
ボイスターズスラッシュ
ソードフォームの必殺技、エクストリームスラッシュの超強化版。モモタロス曰く「俺の必殺技クライマックスバージョン」「俺達の必殺技超クライマックスバージョン」「俺達の正面突破」が存在する。
演出上ソードフォームの必殺技と然程変わりが無いが、ソードモードの剣先がソードフォームでは赤色のみだったのが虹色に変わっており、上級改造人間であるイカデビルとガニコウモルを一撃で葬り去るなど高い威力を持つ。
デンライダーキック
設定上は全てのフォームで使える必殺技。
明言は無いが、ネガ電王戦で仮面ライダーキバと共にダブルライダーキックとして放ったのは恐らくこっち。
超クライマックスフォーム
ウイングフォームからタロスズが憑依して変身した、イマジン5人が憑依した状態のクライマックスフォーム、「超てんこ盛り」。ウイングフォームの電仮面が背中に増えた。
公式展開ではライナーフォームから代わり、この超クライマックスフォームが電王の「最強フォーム」になったとも言えるが、超クライマックスはどちらかと言うと「究極フォーム」として扱われる事が多い。
そして漫才も更にレベルアップした。
ライドウォッチ
イマジン達の力が集結!電王 クライマックスフォーム!
CLIMAX FORM. クライマーックス!
劇場版「仮面ライダージオウ Over Quartzer」の入場者特典として立体化。
必殺技は「俺達の」。
さらにこのライドウォッチ自体は登場していないが、恐らくディケイドアーマーの状態で電王ライドウォッチを装填すると「ディケイドアーマー電王フォーム」に変身でき、クライマックスフォームの能力を駆使する事が可能と思われる。
客演
良太郎なしでモモタロスが直接変身したソードフォームにウラタロス・キンタロス・リュウタロスの3人が憑依して登場した。ちなみにその時点でモモタロス以外のイマジンはデンライナーの破壊に巻き込まれた筈だったが、ウラタロス曰く「なんかボクらも、ノリで生き返っちゃった」とのこと。まぁデンライナーやオーナーもなぜか復活していたし、電王のノリに不可能は無いのだ。
電王のライドウォッチを常磐ソウゴに継承した事でモモタロスが変身能力を失っていたため、グランドジオウの能力で召喚されたソードフォーム(原典の第18話)にモモタロスが憑依。そこからケータロスでウラタロス・キンタロス・リュウタロスの3人を呼び寄せてクライマックスフォームに変身した。
尚、グランドジオウとはスーツアクターが同じためか、実は同一の画面に映っていない。
余談
- 電仮面が体についているという異様なフォルムは制作側でも物議をかもしたとか。
- 本編後の電王がメインである作品の場合はこの形態が出る事が多いが、『ディケイド』や『ウィザード』、『ジオウ』で最強フォームが揃う時は概ね一貫してライナーフォームが登場している。
- 1度だけ超クライマックスフォームが登場したが、クライマックスフォームが他の最強フォームと並んだ事は殆ど無い(クライマックスフォーム単独ではガンバライジングや『ジオウ』に登場している)。
- ガンバライジング等のカードゲームや、『ジオウ』のキーアイテムである最強フォームのライドウォッチもあちらが最強フォーム扱いで採用されている(一応クライマックスフォームのライドウォッチ自体はあるがライナーフォームが専用の歌があるのと違って普通の強化フォームの扱いである)おり、2021年11月9日から予約が開始された「CSMライダーカードセット EXTRA」でも中間フォーム扱いである。
- 特例として、ライナーフォームや良太郎が登場出来ない場合のゲームではクライマックスフォームが最強形態になる事もある。
関連動画
関連タグ
ジオウトリニティ:デザインや設定に共通点が見られ、実際に作中でモモタロスがその姿を見た(巻き込まれて変身した)時には「てんこ盛りのようなもんか?」と言っていた。