「奥さぁぁ~ん。今日残業? 働くねぇ? 花火見ない?」
概要
『仮面ライダー電王』第30話に登場する、「龍」の字が刻まれた作業服を纏った花火職人の男性・寺崎トオルと契約した敵イマジン。身長194㎝、体重119㎏。
寺崎の思い描く、メーテルリンク童話『青い鳥』に登場する「幸せの青い鳥」をモチーフに具現化した。
語尾を伸ばす口調が特徴的で、項目トップの台詞からあの有名司会者がイメージにあるものと思われる。
性格は軽薄かつ嫌味。電王に対しても「お前にも花火見せてやろうか!?」と軽口を叩いていた。
外見
水色の身体をしており、顔にそのまんま鳥籠型のヘルメットがかぶさっているという実に奇抜なデザイン。両肩が滅茶苦茶盛り上がっている。
後にカイが終盤で再召喚するが、こちらではヘルメットが外れている。
能力
鳥のイマジンのため飛行が可能。左手は黒く長い鉤爪になっている。
武器は矢印のような形のサーベルで、左手から火球を放って遠方の敵を攻撃する。
契約者の願い
願い事:「5年前に別れた嫁・杏子に自分の造った花火を見せたい」
生後間もない赤ん坊を抱えているにもかかわらず、花火職人の道を志し無断で会社を辞めた寺崎に杏子は猛抗議。養育費・生活費等の金銭面を気にかける杏子に寺崎は嫌気が差し、大喧嘩の末両者は離婚。寺崎は花火会社「菊井煙火店」の寮に入り、杏子は当時赤ん坊であった子供を連れて家を出ていってしまう。
5年経って自分の造った花火が打ち上げて貰えることになり、妻子を思い出した彼は上記の契約に至ったのだった。
家庭を持つ身でありながら、己の理想のために独断で会社を辞め、妻子を蔑ろにした寺崎だが、「女に男の夢は理解できない」「夢を追っただけの自分が頭を下げて謝る必要はない」と一切口では悪びれた様子を見せず、ゆえに妻子に連絡をとってもいなかった。
彼の行動は身勝手で自己中心的、更には男尊女卑とでも呼べるものだが、元妻に花火大会の連絡を入れる、子供に会っても自分の顔を覚えていないだろうと沈んだ面持ちを浮かべる、大喧嘩して家を飛び出した当時も罪悪感めいた苦い表情を浮かべる等、曲がりなりにも己の行いへの後悔や家族への温情は持ち合わせていたようである。
活躍
寺崎を襲った後気配を感知したモモタロスが良太郎に連絡。とある事情で同行していたデネブと共に現場に急行、
電王ソードフォームの猛攻に押されるも援護射撃としてデネブが放った指鉄砲があろうことか全弾電王に命中してしまい(当然ながらモモタロスは「今俺狙ったろ?狙っただろ!?正直に言え!!」と責め立てていた)、その隙に「じゃあなァ。俺も忙しいからさ」と(それもご丁寧に再度放たれたデネブの指鉄砲に火球で反撃して)撤退。
そして寺崎の望みを叶える為に、全くの無関係である女性が働くオフィスに「残業中のワーキングマザー」という理由だけで殴り込みをかけ、火球を打ち込むという強烈すぎる方法で契約を履行。
花火大会のために無理を押して病院を出た寺崎を上空からかっさらい、「私の契約者だ。返してもらうー!」と、追跡防止を兼ねて空爆を仕掛け、路地裏にて寺崎の過去の扉を開く。
追いかけてきた電王ソードフォームに口から吐く火球で応戦、一切電王を近寄らせない猛威を奮うが、「ナオミにコーヒーを淹れてもらい『美味しい』という感情でモモタロス以外のタロスズ3体の気持ちを統一させる」という良太郎の作戦によりクライマックスフォームに変身成功。
モモタロスは不服がりつつも「ダメージは装甲に対応したイマジンが受ける」というクライマックスフォームの特性を利用し、堂々と闊歩して他の3体に攻撃を受けさせ、全体の主導権を握るモモタロスは一切ダメージを受けないという他3体にとってはたまったものではない作戦で距離を詰められ、最期は『ボイスターズシャウト』を食らって自分が花火となって爆散した。
なおこの際、流石に胸の口からミサイルが出てくるとは思わなかったようで、死に際では大変に驚いていた。
まあ、普通は胸からミサイル出すとは思わんわな。
事態収束後、「龍」と書かれた花火玉を無事打ち上げ、仲間達からも喜ばれた寺崎の元にはかつての妻子が。
微笑む杏子、そして自分を父と呼ぶ息子の姿に、寺崎は「龍!」と呼びかけ涙して息子を抱き締める。
作業着や花火玉に刻んでいた「龍」は生き別れた息子の名であり、寺崎が捨てきれずにいた家族への愛情だったのだ。
涙ながらに龍を、そして杏子を抱き締める寺崎。再結集した家族の側で、花火が高く打ち上がるのだった。
備考
顔はオウルイマジンに似ているが、これはオウルイマジンの着ぐるみ(上半身)を改造したため。
契約者の寺崎トオルを演じた林剛史氏は『特捜戦隊デカレンジャー』にて戸増宝児/デカブルー役で出演していた。
また、元ネタになった青い鳥のモデルはキジバトとされている為、鳩のイマジンとも解釈できる。(単に青い鳥という漠然としたイメージで実体化したのかもしれないが)
声を演じる星野氏は、これが平成ライダーシリーズ初出演となった。
他サイトによっては「ブルーバードイマジンが襲った女性=杏子」と記している場所もあるが、これは間違い。襲われた女性は「シンスケ」「ショウタ」という二人の子供を抱えており、寺崎の子供は前述の通り「龍」という一人息子であるため完全な矛盾が生じている。
演者も全くの別人であり、OPのクレジットによれば、元妻・杏子役は斉藤あかね氏、襲われた女性は木立美鳥氏がそれぞれ演じている(「元妻に花火を見せたい」→「女性の職場に火炎放射」という流れだけ見ると、元妻を標的にしたと勘違いしがちなところではあるが…)。
DVD8巻収録の未使用映像集(カットシーン)では、ブルーバードイマジンが洗濯物を干している別の主婦を襲い、「ファイナルアンサー?」と問い掛けてシーツを燃やすという場面があり、脚本・撮影段階では無関係の主婦を襲っていることがより解りやすく描かれていた。