時を超えて俺、参上!
時の列車デンライナー、次の駅は過去か?未来か?
概要
メインライターは小林靖子氏が担当する。また、本作以降はこれまでテレビ番組情報誌・テレ朝公式サイト等でしか判明しなかった各話のサブタイトルが、全ての作品で正式に付けられる様になった(サブタイトルが正式に付いていた作品自体は『仮面ライダークウガ』・『仮面ライダー響鬼』といった前例がある)。
本編に登場するライダー人数は2人であり、平成ライダーとしては少なめであるが、それぞれのフォームに別の人格が設定されるのが基本なので、あたかも別のライダーの様に見えて多く感じることがある。
また、映画が多数制作されているため、劇場版限定ライダーが多い。
派生作品においては「時間を渡る」という設定と必ずしも俳優を出す必要がないことが非常に便利なため、横に世界を繋ぐ『仮面ライダーディケイド』と同じく縦に時間を繋ぐ作品として、仮面ライダーシリーズの接着剤として登場することも多い。
2020年(令和2年)8月14日、東映まんがまつり枠で『仮面ライダー電王 プリティ電王とうじょう!』が公開された。
また、『平成一期』の『クウガ』から『ディケイド』にかけて、メインライター・サブライター・散発的な参加など様々な形で携わり、ほぼ全ての作品に関わって脚本を執筆した脚本家の井上敏樹氏が唯一参加していない作品でもある。
あらすじ
西暦2007年、常に運が悪い青年・野上良太郎はある日偶然、時間旅行が出来る列車・デンライナーの乗車券・ライダーパスを拾ってしまい、時を同じくして歴史を改変しようとするイマジンの1人・モモタロスに取り憑かれてしまう。さらに、自分に憑依したイマジンとは別の個体が起こした騒動にも巻き込まれてしまう。
しかし、良太郎は「特異点」という素質を有しており、他の人間とは異なり、自分に憑依したイマジンをある程度制御したり、ライダーパスを用いて仮面ライダー電王に変身することが可能であった。ケンカもからっきしで気も弱い良太郎であるが、とにかく暴れることだけに興味がある奇妙なイマジン・モモタロスと協力しながら歴史を改変しようと企むイマジン達と戦って行く。
総合的な評価
主要キャラに人気声優を多く起用したことも特徴で、声優ファンを取入れたことでも名高い。
全体的にコメディタッチな雰囲気(あくまで雰囲気の話であって、本筋自体はお馴染みの黒靖子によるシリアス路線)もあってストーリー面でも平成ライダーシリーズトップクラスに根強い人気がある。
当時の仮面ライダーファンは子供と一緒に見ていたら自分がハマったという父・母等の大人の視聴者層は幅広かったものの、内容の難解さや暗さもあってか中高生のファンは基本的に男性に偏っていた。
しかし、本作から『カブト』より雰囲気がさらに明るくなったことや上記の人気声優起用等によってこの頃より若い女性ファンも増加して来たと指摘されている。
この点は、当時の男性ファンからは女性向けの雰囲気が強いとされており賛否両論な評価だった。そのためか、視聴率もカブトより少し低下している。
しかし本作で掴んだ若い女性ファンからの人気は非常に根強く、ある程度賛否はあったもののシリーズのファン層を更に広げるきっかけになった作品でもあった。
また、最初からクライマックスなどの台詞がネットミームで流行し、ネット上でも非常に評価が高かった。
これは時代が進むにつれ更に良い影響をもたらしたようで、現在でも人気は衰えていないどころか、当時のファン層の高評価が広まった効果で人気を高めたと思われる部分もあり、2021年(令和3年)に行われた『全仮面ライダー大投票』においては作品部門・仮面ライダー部門それぞれで第1位、音楽部門でも『Climax_Jump』が第5位を獲得した。比率においては、やはり当時と同様に若い女性からの人気が圧倒的に高い。
結果的に本編終了後も映画が制作された他、続編として『超・電王』シリーズが制作されるほど長期間に渡ってブームが続いた。また、声優を起用している点で本人出演がしやすいため、歴代集合やクロスオーバーでは『電王』はほぼ必ずといって良い程何かしらの形で出番があり、尚且つ目立った扱いをされることが多く、『スーパー戦隊シリーズ』や『ウルトラマンシリーズ』の声優が演じるキャラと比較しても出番の回数・頻度が明らかに多い(オマケに、複数の作品からの客演の際、スーパー戦隊シリーズは様々な作品から客演している中、仮面ライダーは70 - 80%を『電王』で独占することも少なくない)。
それに関しては制作側も「見慣れた」と表現をしているため、他作品と比較しても電王若しくはイマジンを出し過ぎている自覚はある模様で、後述も含めた他のライダー及びヒーローとの待遇の格差にオールOKなファンも居れば難色を示すファンも一定層居る他、綺麗に纏まったゼロノス周りの設定が客演だと無視されていることや後日談を描いている割には肝心な問題は解決しないまま終了(『超・電王』で良太郎が子供よなったまま元に戻らないまま完結してしまった)したこと等に対して指摘される場合もある。
さらに、後の現行作品のアイテムであるレジェンドライダーのアイテムで優遇される事もある。特に顕著であったのがオーメダルやロックシード、フルボトルである。オーメダルの場合は電王系やイマジンのメダルが多数出ている事に加えて何故かデンライナーのメダルまで出ている、ロックシードは電王よりも後の作品である『キバ』や『ディケイド』を差し置いて強化フォームのロックシードが出たり、フルボトルに至ってはビルドドライバーとの連動においてディケイドはベストマッチがあるのだがキバを飛ばして電王のベストマッチがある、「電車」の共通点があるからか戦隊ロボの合体要員にも採用されたが、ソレ以降の玩具では流石に優先順位はかなり下がって他のライダーと扱いはほぼ同じになりつつあり、現行に近い作品の方が優先される様になった。
製作側のインタビューにて流石に使い過ぎた結果、訴求力が落ちた(バンダイもモモタロスの立体物を何年か経った後で一般販売した結果がイマイチだった事があった)らしく、ソレ以降は「キャラクターを大事にしていきたい」とも語っており、イマジンの客演が全く無い年も増えて来た。
とはいえ、平成二期以降のライダーの根幹はこの作品で確立されている所があり、ある意味、もはや仮面ライダーの域を超え「電王」独自のジャンルを形成したとも言える。
登場人物
詳細は「仮面ライダー電王の登場人物一覧」を参照。
仮面ライダー
イマジンズ
デンライナー
周辺人物
イマジン側
ライダーとしての説明
情報量が多いため、能力・使用マシン等の詳細はそれぞれの別項目を参照。
野上良太郎と彼に憑依するイマジン達が変身する主役ライダー。
本作は五人のイマジンが主人公に憑依してそれぞれのフォームで戦う。
ライダーとしての能力・使用マシンは当該項目に記載する。
桜井侑斗と彼に憑依するデネブが変身する2号ライダー。
良太郎が住む時代の自分から提供される硬券型パスで変身するが、提供者側の桜井侑斗を知る人物が関わった時の記憶から作るため、変身自体に限度がある。
物語後半では提供者側・桜井侑斗も変身する。
映画第1作『俺、誕生!』に登場する悪の仮面ライダー。
牙王が、所有者であるオーナーから強奪したライダーパスを使用し変身する。
映画第2作『クライマックス刑事』に登場する悪の仮面ライダー。
完璧な悪の組織を築こうとするネガタロスが変身する。
映画第3作『さらば電王』に登場する悪の仮面ライダー。
変身者により、「スカルフォーム」と「ハイジャックフォーム」になる。
野上幸太郎が変身する次世代ライダー。『さらば電王』以降の映画に主役扱いで登場する。
基本的には幸太郎自身の「ストライクフォーム」を主として戦い、テディを始めとした憑依イマジンを武器に変化させて戦うスタイルを取る。
『鬼ヶ島の戦艦』ではデネブが憑依し、「ベガフォーム」となった。
映画第4作『鬼ヶ島の戦艦』に登場する悪の戦士。
自分達の時代を築く為に、未来へ侵攻したオニ一族の兄弟。
映画第7作『超電王トリロジー EPISODE YELLOW』に登場する仮面ライダー。
時間警察で開発された存在。電王達を排除し自分達の秩序を敷こうとする。
- 謎のライダー
小学館から刊行された「仮面ライダー電王超ヒーローファイル3」における石森プロが執筆した漫画に登場する謎のライダーで、稲妻がモチーフ。武器は稲妻状の双刃状のデンガッシャー(組み合わせはロッドモードの最後部だけを外した形となっている)。
イマジン軍団を引き連れて電王たちを襲ったが、ソードフォームの「俺の必殺技パート2」で首をチョンパされて倒された。
正式名称は作中でも明かされなかった。
怪人
イマジン
存在しなくなった未来から来た侵略者。
目的は未来を自分達が存在するイマジンの世界とするべく、現代の歴史を改変すること。
普段は光球の姿をしており、憑依した人間が持っているおとぎ話のイメージを元とした怪人の姿となり、その人間の願い事を叶えるべく行動する。
ただし、その叶え方はイマジン個人の解釈で且つ強引に遂行し、その報酬として叶えた瞬間にフラッシュバックする記憶にタイムスリップする。
その後、その時代で破壊工作を行ってタイムパラドックスを生み、拠点を置く現代を改変する。
ギガンデス
イマジンによっては倒された際に姿を形成するイメージが暴走する場合があり、その際の姿をそう呼ぶ。
その姿によって形成するギガンデスも変わり、
となる。
イマジンのイメージが暴走しているため、稀に複数のギガンデスが生まれる場合がある。
各話リスト
話数 | サブタイトル | 登場イマジン・ギガンデス | 放送日 |
---|---|---|---|
1 | 俺、参上! | バットイマジン | 2007年1月28日 |
2 | ライド・オン・タイム | バットイマジン、ギガンデスヘブン | 2月4日 |
3 | アウトロー・モモタロー | カメレオンイマジン | 2月11日 |
4 | 鬼は外!僕はマジ | カメレオンイマジン | 2月18日 |
5 | 僕に釣られてみる? | クラストイマジン | 2月25日 |
6 | サギ師の品格 | クラストイマジン、ギガンデスハデス | 3月4日 |
7 | ジェラシー・ボンバー | クロウイマジン | 3月11日 |
8 | 哀メロディ・愛メモリー | クロウイマジン | 3月18日 |
9 | 俺の強さにお前が泣いた | ライノイマジン | 3月25日 |
10 | ハナに嵐の特異点 | ライノイマジン、ギガンデスヘル | 4月1日 |
11 | 暴走・妄想・カスミ草 | アイビーイマジン | 4月8日 |
12 | 走れタロス! | アイビーイマジン | 4月15日 |
13 | いい?答えは聞いてない | オウルイマジン | 4月22日 |
14 | ダンス・ウィズ・ドラゴン | オウルイマジン、ギガンデスヘル、ギガンデスハデス | 4月29日 |
15 | 銭湯ジャック・パニック | ホエールイマジン | 5月6日 |
16 | 幸福の星、降伏の犯人 | ホエールイマジン | 5月13日 |
17 | あの人は今!も過去? | ウルフイマジン | 5月20日 |
18 | 時計じかけの婚約者 | ウルフイマジン | 5月27日 |
19 | その男、ゼロのスタート | ジェリーイマジン | 6月3日 |
20 | 最初に言っておく | ジェリーイマジン | 6月10日 |
21 | ケンカのリュウ儀 | トータスイマジン | 6月24日 |
22 | ハナせない未来 | トータスイマジン、ギガンデスヘル、ギガンデスヘブン | 7月1日 |
23 | 王子降臨、頭が高い! | スコーピオンイマジン | 7月8日 |
24 | グッバイ王子のララバイ | スコーピオンイマジン | 7月15日 |
25 | クライマックスWジャンプ | スパイダーイマジン | 7月22日 |
26 | 神の路線へのチケット | スパイダーイマジン | 7月29日 |
27 | ダイヤを乱す牙 | モレクイマジン、ブラッドサッカーイマジン | 8月5日 |
28 | ツキすぎ、ノリすぎ、変わりすぎ | ブラッドサッカーイマジン | 8月12日 |
29 | ラッキー・ホラー・ショー | ワスプイマジン | 8月19日 |
30 | 奥さん花火どう? | ブルーバードイマジン | 8月26日 |
31 | 愛・ニード・侑 | ラビットイマジン、アントホッパーイマジン | 9月2日 |
32 | 終電カード・ゼロ! | アントホッパーイマジン | 9月9日 |
33 | タイムトラブラー・コハナ | クラーケンイマジン | 9月16日 |
34 | 時の間のピアニスト | クラーケンイマジン、ギガンデスヘル、ギガンデスヘブン | 9月23日 |
35 | 悲劇の復活カード・ゼロ | モールイマジン | 9月30日 |
36 | 憑かず、離れず、電車斬り | モールイマジン | 10月7日 |
37 | 俺、そういう顔してるだろ? | レオイマジン、レオソルジャー | 10月14日 |
38 | 電車の中の電車王 | レオイマジン、レオソルジャー | 10月21日 |
39 | そしてライダーもいなくなる | スネールイマジン、パンダラビットイマジン | 10月28日 |
40 | チェンジ・イマジン・ワールド | ゲッコーイマジン、ニュートイマジン | 11月11日 |
41 | キャンディ・スキャンダル | オクトイマジン | 11月18日 |
42 | 想い出アップデート | オクトイマジン | 11月25日 |
43 | サムシング・ミッシング | アルビノレオイマジン、アルマジロイマジン | 12月2日 |
44 | 決意のシングルアクション | アルビノレオイマジン、アルマジロイマジン | 12月9日 |
45 | 甦る空白の一日 | スノーマンイマジン、アルビノレオイマジン、レオソルジャー | 12月16日 |
46 | 今明かす愛と理 | スノーマンイマジン、アルビノレオイマジン、レオソルジャー | 12月23日 |
47 | 俺の最期にお前が泣いた | NEWモールイマジン、再生イマジン軍団 | 2008年1月6日 |
48 | ウラ腹な別れ… | デスイマジン、NEWモールイマジン、再生イマジン軍団 | 1月13日 |
49(最終話) | クライマックスは続くよどこまでも | デスイマジン、NEWモールイマジン、再生イマジン軍団 | 1月20日 |
音楽
- 前期OPテーマ『Climax_Jump』
作詞:藤林聖子/作曲・編曲:鳴瀬シュウヘイ/歌:AAA DEN-O form
後半からはタロスズが歌うDEN-LINER formに変更された。
作詞:藤林聖子/作曲・編曲:LOVE+HATE/歌:野上良太郎&モモタロス(佐藤健&関俊彦)
仮面ライダー電王ソードフォームテーマソング。尚、各キャラクター毎に別バージョンが存在するのが特徴で、
スカ調の『Rod_form』、 演歌調の『Ax_form』、ヒップホップバージョンの『Gun_form』、バレエ風の『Wing form』、ピアノ版『Piano form』など電王だけで完結しているのかと思いきや、『Strike form』といったNEW電王専用バージョンや、『Coffee form』といった女性陣が歌うバージョン…挙げ句の果てには劇場版限定ライダー・ガオウのテーマソングである『GAOH form』なんてものまである。この為、電王の代表曲といえば、これを挙げるファンも少なくない。
残念ながら、幽汽、ネガ電王、G電王のバージョンはない。
作詞:藤林聖子/作曲・編曲:LOVE+HATE/歌:桜井侑斗&デネブ(中村優一&大塚芳忠)
『Double-Action』の派生曲。仮面ライダーゼロノステーマソング。
『Dance Dance Revolution SuperNOVA 2』の収録楽曲「Poseidon」とかなり内容が酷似しているというのは有名な話。
作詞:藤林聖子/作曲:Ryo/歌:野上良太郎(佐藤健)
『Double-Action』の派生曲。ライナーフォームテーマソング。
関連作品
劇場版
2007年8月4日公開。
2008年4月12日公開。
2008年10月4日公開。
2009年5月1日公開。
- 『仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー THE MOVIE 超・電王トリロジー』
- 『EPISODE RED ゼロのスタートウィンクル』
- 『EPISODE BLUE 派遣イマジンはNEWトラル』
- 『EPISODE YELLOW お宝DEエンド・パイレーツ』
2010年5月22日・6月5日・6月19日公開。
2011年4月1日公開。
2018年12月22日公開。
2020年8月14日公開。
※その他、多数の劇場版に本作のキャラクターが客演している。
配信
2022年(令和4年)3月より、YouTubeにて配信。『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』とのコラボレーション動画。
余談
童話と列車という一見、関係がないモチーフに思われる両者であるが、貨物列車の愛称にJR貨物が所有する「桃太郎」や「金太郎」等が実在している。
脚本家が同じ列車がモチーフのニチアサ作品『烈車戦隊トッキュウジャー』とは『仮面ライダー大戦』で共演を果たし、デンライナー・トッキュウオーの合体シーンも披露した。