「但し、あまり面倒でない奴にしろ」
概要
大企業・鷹山グループを解雇された男・増田明男(演:ムロツヨシ)と契約した敵イマジン。身長196㎝、体重124㎏。
左手の鋏からは光弾を発射し、鋏を地面に刺して地震を起こす事も出来る。
契約者の望みはまともに叶える(最も望み自体はまともでなかった)が面倒臭がりな性格で、契約する時も上記の台詞で念押しする程。
最終話ではモールイマジン等と共に黒幕に召喚され、暴れ回った。
外見
「バッタを採る子供とサソリ」というイソップ童話から蠍の姿で実体化した。全身を茶色い甲殻や鎖で覆っている。身体にはSの文字を模した模様が入っている。
ドクトルGのオマージュも入っているのか、斧も武器としている。
特徴的な口の形状はさそり男を連想させる。
契約者の願い
願い事:「自分を解雇した大企業『鷹山グループ』の会長令嬢・鷹山栞を人質にしたい」
上記の日付の日、増田は鷹山グループを解雇された。それゆえの転落人生と逆恨みゆえ「鷹山の家から金を毟り取りたい」と考えて犯罪に手を染める。そのため願いをより正確に言えば「鷹山家の人間を人質にし、身代金を要求して金を毟り取りたい」となる。
契約前にも鷹山家の赤ん坊・祐介を誘拐していたが、祐介と共に生まれ出たジークが目覚めたことにより祐介はジークと共に場を離れ、動物好きのR良太郎によってデンライナーに招き入れられた。
祐介の失踪により計画が潰れたことで、増田はその母親・栞に目的を変更したのであった。
活躍
手当たり次第赤ん坊を見つけては顔を見るという砂粒でも数えるかのような非効率的な行動を繰り返していたところにエネルギー体が目をつけ、D侑斗として夕飯の買い物をしていたデネブと侑斗が目撃。
増田と契約した後は、言われた通り栞本人を拐うという、イマジンでは珍しくまともな解決方法を行い、その姿を良太郎、ハナ、侑斗に目撃されたことで電王ソードフォームが交戦。
ぶつかり合い劣勢に追い込まれるも、乱擊の影響で発生した瓦礫が偶々栞に向かって落下し、電王が栞を庇いに向かったため、生来の面倒くさがりゆえ撤退した(なお栞は、すんでのところでアックスフォームに交代した電王によって難を逃れた)。
その後、栞を拐えず鷹山グループから金も毟れないと知った増田に八つ当たりされるも、「やると言ってるんだ。黙って待ってろ!」と押し返した。
生来の気質から横着しつつも栞を襲いに鷹山邸に向かい、栞を殴って気絶させる。行動を見越してデネブと共に鷹山邸を張っていた侑斗が駆けつけるも、W良太郎がウイングフォームとなって対峙。しかしジークは祐介のあまりの幼さゆえ消滅しかけており、それに伴う弱体化で変身も長くは保たず、変身解除された隙に栞を拐っていった。
その後増田の元に栞を連れていき、契約完了とみなして過去に移動。ジークの意志を継いだ良太郎がプラットフォームで追跡し、ロッドフォームの一撃一撃当ててくるスタイルに終始劣勢となり、交代を頼んだキンタロスによってアックスフォームに交代されダイナミックチョップで撃破された。
事件解決後、栞を誘拐した罪で増田は警察に連行された。
法的な制裁を加えられることは想像に難くないだろう。
備考
スーツアクターの渡辺氏は前作でもサソリの怪人のスーツアクターを務めた。
攫われた赤ん坊・祐介を演じた渡辺虎雅は渡辺氏の実子(次男)。後に平成ライダー第19作にも出演した。
契約者の増田を演じたのはムロツヨシ氏。電王劇場版第2作にも出演した。当時はまだ「映画や舞台を頻繁に見る人なら知っている」くらいの知名度であり、後の活躍を考えると単発ゲストとはいえ出演俳優の中ではある意味主演級のブレイクを果たしたといえる。
良太郎を捕まえる警官役で田村圭生(『仮面ライダー555』のワームオルフェノク役)、取り調べる刑事役で山中崇史(『相棒』の芹沢慶二役)が出演している。
声を当てた神奈氏は後に『スマイルプリキュア!』で緑川源次を演じたが、モモタロスとキンタロスの演者もプリキュアの父親役で出演していた為に放送当時はよくネタにされていた。
派生作品
『仮面ライダーディケイド』にもRXの世界で登場し、唐突にシームーンファンガイア(クライマックス刑事で『仮面ライダーキバ』と電王が共演したからだろうか)と組んで登場し共にディケイドを襲撃した。そこそこディケイドを苦戦させるも、シームーンファンガイアがディケイドアギトに倒されるとすぐさま逃走。
続いてアポロガイストの側近としてマンティスファンガイアと共に登場。
ディケイドがBLACKの世界に飛ばされると大ショッカーと提携したシュバリアンの同志として再びマンティスファンガイアと共に登場し、二人がかりでBLACKを痛めつける。しかしそこに割り込んできたディケイドファイズアクセルフォームの高速モードに翻弄され、最後に上段回し蹴りを同時に叩き込まれて二人まとめて爆散した。
余談
元ネタになったイソップ寓話「バッタを採る子供とサソリ」はバッタを採集していた少年が間違えてサソリを取ろうとした所、毒針を振り上げた蠍に警告されるという話。この話の教訓は読者の「人を見る目」を戒めているとされる事が多い。
この話ではバッタが登場しているが、生まれたイマジンがバッタとの複合型ではない辺り、増田の記憶には蠍の出る話というインパクトが強く残っていたのかもしれない。