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概要

 草葉によくいる昆虫である。

主食がのためとあるところでは害虫扱いである。英語では草むら(grass)で飛び跳ねるもの(hopper)なので「grasshopperグラスホッパー)」と呼ばれる。漢字では『蝗』、または『飛蝗』と表記する。虫の皇帝とはなかなかカッコいいじゃないか。

一般的にバッタというと直翅目のうち、バッタ亜目(雑弁亜目)に属するものを言い、大抵トノサマバッタのような頭の丸いタイプかショウリョウバッタのような頭が尖ったタイプの二種類を指すことが多い。

 脚がとても長く発達しており、体長の数十倍もの距離を跳んで移動する事ができる他、住む場所によって緑色の個体や褐色の個体が確認されている(カワラバッタのように保護色として灰色になる種や、稀に赤やピンク色の個体が確認される事も)。

これはレジリンという弾力のあるタンパク質を脚に内包している為であり、これをバネのように引っ込めてから一気に解き放つ事で高いジャンプ力を実現している。これに翅を広げて飛び立つ動作を加味する事で長大な距離を移動できるというわけである。更に体が小さいためか運動効率も非常によろしい。

 顎もとても発達しており、植物(主にイネ科)の葉を齧り取るように食す他、稀に肉食を行う個体もいたりする(自分が脱皮した時の皮すら律儀に食べる)。実際に食事中に耳を澄ますとバリボリと咀嚼音が聞こえるだろう。

よくある誤解だが、「血吸いバッタ」という種類は現時点では未確認である。大抵それはショウリョウバッタが口から茶色い液体(ゲロらしい)を吐いたり、同じ直翅類だが別系統であるクビキリギスが人の皮を容易く噛み切る事から来た俗称である。

 他の草むらに住む虫達よろしく、オスが鳴く種類も存在する一方で、ショウリョウバッタなど飛翔中に羽を擦り合わせて音を出す種類も存在している。

 産卵は乾いた土の中に腹や産卵管を突き刺して行う。不完全変態の昆虫であり、成長は脱皮をする事で行う。

 天敵はカマキリなどの肉食昆虫や、ヘビ、雑食性の哺乳類など。

 乾燥した草場を好む為か、砂漠地帯に適応したサバクトビバッタといった種類や、アフリカ圏には毒を持ったサイケデリックなカラーリングのバッタが数多く確認されている。一方で熱帯雨林のような樹木が多い環境下に住む種類も確認されている。

表記

言語名称
日本語バッタ/蝗/螇蚸(はたはた)
英語grasshopper
ラテン語Locusta
ギリシャ語ακρίδα
スペイン語saltamontes
フランス語sauterelle

イメージ

 日本で河原や公園などで一般的によく見られる昆虫であり、1971年に放送された『仮面ライダー』のモチーフになった事で人気を博し、同作の影響でヒロイックなイメージが強いが、海外では畑を荒らす害虫としての側面も強く、海外ではヨハネの黙示録登場する程恐れられている昆虫である(幸運の象徴ともされるが)。アフリカ圏では大量に発生しては大移動しながら作物を食い荒らしていく為、あんまりいいイメージは無い様子。勘違いされがちだが、農作物を群れで荒らすのはイナゴではなく、バッタの方である。そのためショッカーが悪のイメージとしてバッタを選んだのは当然という説も一部の専門家から指摘されている。

 ゲーム用語として「ジャンプ行動」を多用するプレイを指すスラングとして用いられる他、バッタがあちこちを転々とする様子が行商人を連想させる事からバッタもんの語源になったとも。

 ちなみにメジャーな昆虫であるものの、昆虫採集が原典とされる『ポケットモンスター』でバッタモチーフのポケモンが登場したのは第9世代とかなり遅めである。

よく混同されがちなイナゴ同様に食用にも利用される。

仮面ライダーといえばバッタ

 この記事で関連キャラが述べられている通り、バッタと聞いて日本人が真っ先に思い浮かべるキャラクターは仮面ライダーである事が多い。そもそも仮面ライダーの前身は骸骨仮面のヒーローであるが、戦中世代であったテレビ局上層部はこれに猛反対。これに対し、石ノ森氏は髑髏とトノサマバッタの顔がよく似ているという共通点から仮面ライダーのモチーフをバッタとした(これでも尚、反対意見が出たものの、バッタは巨大化すれば跳躍力は人間をも凌ぐという反論が出された事や、当時まだ幼かった石ノ森氏の実子が仮面ライダーのデザインを強く推した事から正式に採用へと至る)。

 また、昭和ライダーのモチーフを昆虫とするのは、昆虫(仮面ライダー)を自然の象徴とし、環境破壊(ショッカー)を行う者たちに立ち向かうという石ノ森氏の構想がある為。

また、バッタは大量に発生して草地を更地に変えうる側面も持つ為、環境破壊を起こす人間と自然の象徴である昆虫の混ざり物である仮面ライダーのモチーフとしたのは、これ以上にないキャスティングと言える。

こういったバッタの負の側面は令和ライダー以降、作中で取り上げられる事が増えている。例えば仮面ライダーゼロワンでは天津垓「バッタは本来大群で作物を荒らし最後は共食いまでする獰猛な生物」と発言しているし、シン・仮面ライダーではクモオーグ「古来よりバッタは災いの象徴」と言及、仮面ライダーガッチャードではギギストバッタをモチーフとしたキャラに対し「全てを喰らいつくし、飢饉をもたらす害虫を本質としている」と発言している。

実際には平成以降バッタモチーフの主役ライダーは少数派なのだが、それでも多くの日本人が仮面ライダーを思い浮かべるのはやはり1号の影響が大きいだろう。

バッタをモチーフにしたキャラクター

平成二期

令和ライダー

その他

原典でも初期はバッタ型改造人間という設定だったが、現在はトンボ型ということになっている。

どれもほぼ仮面ライダーじゃないかって? 仕方ないじゃん。

 単体であれば子供達にも親しまれる可愛げのあるバッタだが、特定の条件が揃うことでとてつもない数にまで増殖する。その場合は昆虫に限らず自然を生きる生物全体を見渡しても最凶クラスの悪魔そのものといっても過言ではない害虫となる。

 なぜこれだけ恐ろしさを強調するのかというと、それはひとえに「物量の規模が尋常では無い」から。その数、多い場合でなんと数千億〜十数兆という驚天動地の値である。誇張抜きで国を覆い尽くす規模なのだ。

 そして、彼らは悍ましいまでの物量で押し寄せ、植物という植物を新鮮だろうと枯れていようと(何なら植物以外の繊維も)構わず食う。食って食う。食って食って食いまくる。手近なエサが無くなれば時に共食いまで始める。

 食料が尽きれば次の土地へ移動し、後に残されるのは、文字通りぺんぺん草すら生えない荒野のみ。ダメ押しとばかりに僅かに残った植物の残骸にすら糞を撒き散らして腐らせていく徹底ぶりである。

 「食べればいいじゃないか」と思うかもしれないが、バッタは羽や脚などが硬くて消化しづらく、また大群を形成するバッタは飛行能力を高める為体を軽量化しているので、身もスカスカで大した食いでがない。しかも道中で毒草だろうがお構いなしに食べてる彼らは生物濃縮で体内に毒素を溜め込んでいたりもするので、食するのは全く推奨できない。

 このように、植物という植物を全て食い荒らした末に僅かな残りも腐らせ、当の本人達は食おうに食えないという、農耕社会にケンカを売りに来たとしか思えない呆れた連中だが、実際のところを言うとこの大移動は「新天地への移動」という側面があるようで、元いた場所で食糧危機に見舞われたりした時に「群生相」という長距離移動に適した形態へと変化し、大群を形成する事で天敵から身を守りつつ新たな土地へ移住するという彼らなりの種の生存戦略なのである。ちょっとは加減しろバカ。

 そんなわけで近代以前、バッタの大量発生は敵国以上の脅威であり、しばしば農作物に甚大な被害を出している。与える被害がいかに凄まじいかと言うと、戦争中の二つの国家が領内で大量発生したバッタの駆除のために戦争を中断したケースもあるほどであると言えば理解できるだろうか。日本でも明治時代にバッタの大量発生が記録されており、駆除にあたった陸軍は360億匹ものバッタを捕獲したという。

 そして、忘れてはならないのは、このバッタ達の大発生にはほかならぬ人間自身も加担しているという事である。

 地球温暖化による気候変動や森林伐採による草地の増加、単一大規模栽培による餌となる植物の提供、地雷原による駆除の停滞など、人間の活動によってバッタが異常増殖しやすい環境が作られている現実があるのだ。

 自然というものは、あるバランスが崩れると連鎖的に次々と構造が変化していくものであるため、無思慮にそれを壊すことはどこに核地雷が埋まっているか分からない土地を走り回るのに等しい。それ故、下手に信管を踏み抜くような真似をしない為にも、バッタ達を悪魔に変貌させない為にも、悪戯に環境を改変することは厳に慎まれなければならないのである。

関連タグ

昆虫 イナゴ 785系300番台 飛蝗(表記揺れ)

バッタ娘

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