この項目は『劇場版 仮面ライダーゼロワン』のネタバレが多数含まれます。
ヘルライズ…!
「みんな、ごめん……やっぱりこれしか思い付かなかった……」
オーソライズ!
「ウゥッ……!!あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!」
エス「そのキーを、人間の体で使うのは不可能だ。…死ぬつもりか?」
「世界中の笑顔を、守る為ならな……!!うぉぁあああああああッ!!」
プログライズ!
Hells energy as destroy the world
HELL RISINGHOPPER…
"HEAVEN or HELL it doesn't matter."
概要
『劇場版仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』に登場する仮面ライダーゼロワンの形態のひとつ。
飛電或人が飛電ゼロワンドライバーにヘルライズプログライズキーを装填して変身する。
ゼロワンの劇場版限定フォームにあたり、楽園を意味する仮面ライダーエデンと対照的に、地獄を意味する「ヘル」の名を冠している。
曰く、世界を破壊する力を持っているとされ、またこの形態の存在により、敵と味方が逆転するとされており、実際に予告ではキーを起動しただけで赤黒い電撃が走る、変身しただけで周りの世界が崩壊していくとんでもない危険性が明かされた。
後述する誕生経緯もあって、変身時には生成されたライダモデルを無理やり或人の肉体に捻じ込む様な流れがあり、変身後もそのパワーを制御出来ていない。尚、ヘルライジングホッパーは形態でこそあるが使用しているプログライズキーはヘルライズプログライズキーである為、ゼロワンドライバーに保存されているバッタのライダモデル(恐らくそれがライジングホッパーあるいはシャイニングアサルトホッパーだと思われる)と合わさった形態、またはキーにあったバッタのデータをライダモデルの形で出力した結果成型された形態ではないかと思われる。
※後者の理由として、ヘルライズキーはゼロツープログライズキーのデータを元に作られていること、そして完成時「ヘルズホッパーズアビリティ」とコールしていることが上げられる。近い例に、マンモスのデータを宿せどライダモデルが無かったブレイキングマンモスがある。
変身音声の英文は直訳すると「世界を破壊する地獄のエネルギー」/「天国も地獄も関係ない」。
キー自体がそもそも変身用では無い為か、まるでバグった様な不気味なエフェクトの掛かった音声になっている。
容姿
基本的にシャイニングアサルトホッパーと同一形状。
だがカラーリングは大幅に変更され、ワインレッドとブラックの2色、複眼の色は白に変わっている。
顔部分には塗装による塗り分けでクラッシャー風の意匠が表現される、ボディには地球を模した様な新たな模様、複眼もまるで目が血走った様になっている等、元と比べかなりイメージが異なる様な処理が施されている。胸部にはシャイニングホッパーに存在した「オービタルユナイト」に代わり、地球とネットワークを思わせるマークが刻まれている。
スペック
身長 | 197.1cm |
---|---|
体重 | 106.9kg |
パンチ力 | 60.7t |
キック力 | 116.3t |
ジャンプ力 | 176.61m(ひと跳び) |
走力 | 0.4秒(100m) |
スペックはリアライジングホッパー以上ゼロツー未満となっているが、作中では時空を破壊する程のエネルギーを放出し、相手のからくりの問題もあるとは言えゼロツーですら敗北した仮面ライダーエデンを圧倒する等、絶大な力を秘めている(もっとも、これはキーの破壊を阻止して取り戻す目的があった他、エスが本気で或人を倒す気が無かった可能性も0では無く、変身自体が想定外であるので対応できなかったとも考えられる)。
前述の場面もあり、単純な攻撃力「のみ」で見るならばゼロツーと比べヘルライジングホッパーが上だとも捉えられる様な描写が存在しているが、戦闘能力以外のデメリットが大き過ぎる点と比較した安全性や、形は違えどゼロツーとヘルライジングホッパー(ヘルライズプログライズキー)の力が激突した結果はゼロツーが勝利している事、更には大森プロデューサーのヘルライジングホッパーに関するコメントでゼロツーが今尚最強フォームとして語られている事から、現状も変わらずゼロツーが或人の最強戦力であると考えられる(作中の終盤でこのフォームへの変身に使用されるヘルライズプログライズキーが破壊され現存していない事も本考察の一因)。
このフォームの特徴として、あらゆるモノを閉じ込める閉鎖スペース「ヘルライズ空間」を作り出す事が出来る。この空間は上述にもある様に、周りの世界が崩壊する程の破壊力を秘めており非常に強力であるが、その破壊力は人間が使うには余りにも負担が大き過ぎる代物だった。
ヘルライジングホッパーはヘルライズ空間以外にはクラスターセルやシャインシステムの様な遠距離攻撃手段を持っておらず、主にその拳で敵(及びヘルライズキー)を殴り付ける形でしか戦闘を行っていない(ヘルライズプログライズキー本来の使用用途を考えるとそんな気の利いた能力が備わっていないのも当然と言えば当然ではあるが)。
少々余談だが、リアライジングホッパー以上ゼロツー未満なので、「仮面ライダーゼロワン」としては最高のスペック値を記録するに至っている(ゼロツーは基本的にはゼロワンの系譜として扱われているが一応は別ライダー)。リアライジング共々、ドライバーもしくは変身者に多大な負荷をかける事によりゼロツーのスペックに近付いており、存在自体がゼロワンドライバーの限界を表しているとも言える。また、ドライバーに過負荷をかけるリアライジングより高スペックになったことについては、世界を破壊するエネルギーがゼロワンドライバーに抑え切れなかったとも解釈出来る。
詳細は運用目的の項に譲るが、その超高エネルギーによって数値上はかなりの高スペックとなっただけで、とてもマトモに運用出来るような性能にはなっていない。
使用アイテム
エスが物語中盤、或人から奪ったゼロツープログライズキーとZAIAからのデータ横流しで入手したサウザンドジャッカーを用いて製造したキー。変身用ではない。
或人がエスから奪い取り、変身に使用した。
形状はアサルトグリップを装着したプログライズキーを基にこそしているが、プログライズキーその物は新規造形となっている。
必殺技
「こ゛ォォォわ゛ァァァすゥゥゥゥッ!」
ヘルライズチャージ···!
「う゛ぅ゛っ…う゛ぅ゛…」
ヘルライジングインパクト!
「壊れろォォォォォッ!!!」
グリップのボタンを押し、キーを押し込んで発動。右手にエネルギーを纏わせてパンチを放つ。
シティウォーズでは禍々しい漆黒のエネルギーを纏ったライダーキックを放つ。
技のフォントは滅亡迅雷やアークライダーよりも禍々しい筆文字。
運用目的
ヘルライズプログライズキーそのものは、エスが世界を破壊するために製造した新型プログライズキーであり、元々変身用のキーでは無くサウザンドジャッカーでの必殺技使用以外考えられていなかったと思われる。その事もあってか、プログライズキー単体としてのパワーが今までのどのキーよりも高く常軌を逸しているとも形容出来る。更に1度きりの使用を想定している為か1度起動すると二度と停止しない欠陥仕様である(エスの目的からして停止仕様を設ける必要がないのだが)。
或人は起動されてしまったキーを奪取し破壊するためにキーに闇雲に衝撃を加えるも停止せず、やむを得ず力その自体を利用する事を思い付き、強奪したキーを用いて無理矢理この形態に変身、自滅同然の攻撃を繰り返してキーに内外から負荷を掛ける事で破壊を試みた。
その為、世にも珍しい自害用のフォームとも言える。自滅のリスクを持つライダーは多々あれど、自滅自体が目的の形態は恐らくこれが初。
変身時のエフェクトは、「何処からともなく降って来たバッタのライダモデルがアンダースーツを形成するより早く或人に飛び込む」と、メタルクラスタホッパーとアークワンを混ぜ合わせたかの様な禍々しい物である。一部では「怪人が本来の姿に戻る様」とも言われた。
そして、メタルクラスタホッパーやアークワンと比べるとこの形態の危険性・暴走度合いは半端ではなく、まるで臨界反応したかの様に、赤い装甲部位が赤熱化し、最終的に爆発する分かり易い危険性に加え(実際爆発の余波でエスは変身解除した)、変身中の攻撃は凄惨の一言に尽き、「攻撃のたびに自分の骨が砕け折れる」、「変身中は余剰エネルギーによりありとあらゆる体液が沸騰させられ、ショック死寸前の筆舌に尽くし難い苦痛に苛まれ続ける」等の凄まじい負荷に襲われ、「破損した部位がその都度(激痛を伴って)無理矢理再生される」血の気も失せる程の暴れ方をする他、内部空間の或人は「壊す…壊す…」と悲痛な呻き声を出しながら血塗れの拳を振るうおぞましい状態にあった(何とこのシーンの腕が折れた後無理矢理元に戻るというアクション、CGでは無くSAの縄田氏が行なっておりアフレコをしている高橋氏が戸惑ったとの事。また、「壊す」の呻き声も、台本には具体的な言葉は書いておらず、その場で考えて発しており、劇場で聞くとBGMでかき消されて壊すとしか言っていない様に聞こえるが、高橋氏曰く「壊せ」、「壊れろ」等とも言っているとか)。そして「壊す」対象は最初は装填されたキーであったハズなのに、半ば無意識に目の前で動くエデン→エスへと変わっている点も、その恐ろしさを後押しする形になっている。
しかし、或人が下したこの自滅覚悟の選択が、結果的にエスにある人物の思いを伝える事に繋がりかつ、「あるヒューマギア」が一時的に或人に反抗した後で共闘する事となり、真の意味で「敵と味方が逆転する」事になる。
また、ヘルライジングの再生能力により(結果論に過ぎないが)或人は少し回復しており、メタルクラスタVSエデン戦後の立つことすらままならない状態から普通に立っていられるまでには体力が回復している。もしこれがなければヘルライジング変身で更にボロボロになり、その後の決戦に影響を及ぼしていた事が予想されるので、この再生能力には救われた事になる。
尚、企画段階では攻撃の反動で肉体が破壊された或人が死亡→フォームの能力により即座に蘇生して暴れ続ける→その様子を見たエスが己が生み出したものの凄まじさに慄く仮面ライダーアマゾンズ顔負けの凄惨な展開が用意されていたが、流石にコレはどうなのかと懸念が出た事で現在の形に落ち着いた経緯がある。
立体物
アクションフィギュアでは9月21日発売の「装動セイバーbook1」にいきなり収録。
『セイバー』版装動からの変更点には対応しておらず、あくまでも「装動ゼロワン」からの出張であり、フィギュアの仕様も『ゼロワン』基準。 また、装動版シャイニングアサルトホッパーとは違って腹筋パーツが再現されており、シャイニングアサルトホッパーやシャイニングホッパーの腹部に付け替える事も可能。発売日が映画の公開日より大分早く、映画公開時には(売れ残りが無い限り)既に販売終了している可能性があるが、これは本来、夏に映画が公開出来た場合に合わせた発売スケジュールになっていた為だと思われる。
余談
- 正式タイトルと本予告公開まで公式的には変身者は明かされておらず、公式の説明文等でも「本当に或人なのか?」と言及されている事から、当初は別の誰かが変身したゼロワンの可能性も考えられていたが、予告映像で或人がキーを所持していた事で変身者が確定した。
- 近年の劇場版では最強フォームを越えた究極フォームが目玉となる事が増えて来た中、この形態はブラカワニコンボや鎧武・闇、超デッドヒートドライブ、ダーウィン魂等に近い立ち位置で究極フォームには該当しない特殊な立ち位置になっており、新ライダーが複数登場した中でも、仮面ライダーゼロワンの戦力の最強形態はゼロツーで一貫している。
- そもそもこんな悲痛な形態になったのは、制作陣のインタビューによるとゼロツーが出た時点で最強が確定しており、或人が劇場版で歴代主人公の様にポジティブな方向にパワーアップするとゼロツー(とリアライジングホッパー)の優位性が無くなるからネガティブな方向に舵を切った事と、エデンに対抗する為の力として表現する為の理由が込められている(皮肉にもそのエデンが作り出した力だが)。
- 因みに予告等ではヘルライジングホッパーの変身シーンこそあれど、戦闘シーンは映っていなかったのだが、映画を視聴し、上記の惨状を目の当たりにした視聴者から「映さなくて正解」、「ある意味でアマゾンズ以上に悲惨」と言われる程であり、結果的に前例を遥かに凌駕するトラウマを大画面・大音量で植え付ける事になった。
- とある映画館では、子供が泣き叫ぶレベルだった様である。
- ちなみに、遺伝子用語の1つに「ヘルズ遺伝子(Hells Gene)」なる遺伝子が存在しており、「ヘル」の部分は、ここから取られたモノだと思われる。但し、遺伝子の動きその物は病巣に近い物ではあるが…。
- このシーンのアフレコは最後に行われたらしく、演者の高橋氏は「喉が壊れた」と語る程凄まじい熱演っぷりを見せた。
- 仮面ライダーアークワンのような禍々しいダークライダーの様な風貌の為、ビジュアル発表後は悪意に支配されてしまった或人がまた闇堕ちしてしまったのではと噂されていた。だが、実際の所は「世界中の笑顔を守る為」に捨て身覚悟で変身する100%の善意で構築された前向きな理由であり、禍々しい見た目同士であっても経緯は全くの正反対とも言える。実際に制作陣のインタビューでも同じ負のパワーでもヘルライジングホッパーは自己犠牲の変身であり、アークワンとは違う存在であると語られている。
関連イラスト
関連タグ
仮面ライダーゼロワン 劇場版限定フォーム 暴走フォーム みんなのトラウマ
オルトロスバルカン:バルカンの最終フォームで、アサルトグリップを使った形態をリペイントしたフォーム繋がり。変身者に強大な負担を与える、最後に出た形態でありながら、最強形態より性能が劣っているという共通点がある。因みにこのフォームも、復讐鬼となった或人を悪意から解放するきっかけとなった。
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