「亡…。お前の意思、確かに受け取った!」
ジャパニーズウルフ!
「俺にこじ開けられない物は…何一つ無え!うおおおーっ…!」
Kamen(Warning!)Rider...Kamen(Warning!)Rider...
「変身!」
ショットライズ!オルトロスバルカン!
"Awakening the instinct of two beasts long lost."
概要
『仮面ライダーゼロワン』第44話「オマエを止められるのはただひとり」に登場した仮面ライダーバルカンの特殊形態。
正式名称は「仮面ライダーオルトロスバルカン」。OPのクレジットでは別のライダーの様に正式名称で表記されている。
亡から渡されたジャパニーズウルフゼツメライズキーを恒例のゴリライズでこじ開けて変身する。
当時不破は脳内チップのデータを削除されたことで変身が不可能だったが、チップの空白部分にジャパニーズウルフの「ロストモデル」のデータを強制的に上書きする事で無理矢理変身を可能とした。
変身時にはジャパニーズウルフゼツメライズキーの起動音がプログライズキーの物に近くなる。
英文は意訳すると「長きに渡り失われていた2匹の獣の本能を呼び覚ます」。
外見
形状はほぼアサルトウルフのリペイント。
カラーリングは深縹(こきはなだ)色に黒色のアサルトウルフに対して、新たに仮面ライダー亡の銀色と中縹(なかはなだ)色の配色となっている。「形状はほぼ左右対称ながら配色は非対称」というその特徴的な見た目はむしろシューティングウルフにも近い。
左顔面部は亡と同じく、上からオオカミがかぶり付いた様なデザインになっているのに加え、左複眼に沿って上下に一本ずつ犬歯の様なパーツが足されている。良く見ると左眉に当たる部分がオオカミの目になっているのも分かる。
変身エフェクトもアサルトウルフの物に仮面ライダー亡の吹雪の様なエフェクトが合わさった物になっている。
スペック
身長 | 199.7cm |
---|---|
体重 | 121.3kg |
パンチ力 | 38.2t |
キック力 | 76.7t |
ジャンプ力 | ひと跳び45.3m |
走力 | 100mを1.4秒 |
バルカンの全形態及び仮面ライダー亡の機能が各部に搭載され、バルカンの系譜では最終形態に当たるとされる。
一方でスペックの数値を比較するとランペイジバルカンに全体的に劣っており、本編の最終フォームでありながら最強フォームでは無く、電王のライナーフォームの様な最強フォームが使えない場面での間に合わせフォームといえる。
能力
腕部にはアサルトウルフ同様のマシンガンに加えて仮面ライダー亡と同様の爪の展開が可能になり、より戦況に柔軟に対応する事が可能。
一方で公式の解説によると「バルカンの全形態と仮面ライダー亡の能力が各部に組み込まれている」という事だが、外見・能力共にウルフ系統の要素しか受け継いでおらず、ランペイジバルカンに組み込まれたウルフ以外の能力が反映されているのかは不明。
胸部の攻撃補助装置「タッグバインダー」の特殊レンズは飛電ゼロワンドライバーなどにも備わった照射成形機「ビームエクイッパー」としても機能し、オルトロスバルカンの姿を模したエネルギー体「フラックオブオルトロス」を複数生み出して相手を攪乱する。そのため、ゼロツーを含めた通信衛星由来のライダーシステム以外では唯一ビームエクイッパーを使用出来る形態(ライダー)である(ジャパニーズウルフゼツメライズキー自体は通信衛星アークが滅亡迅雷フォースライザーと共に作成しているが、ビームエクイッパーは搭載されていないので通信衛星由来の仮面ライダー以外でビームエクイッパーを積んでいるのは初となる)。
だがその実態は先述の通り変身要件を無理やり満たしている上、本来は人間にはとても使えた物では無いヒューマギア用(しかも滅亡迅雷.net用)の装備を亡からのリアルタイム調整を受けながら無理矢理運用している。
更にリミッターが無く、フルパワー運用しか出来ないという本来ならば欠陥品とすら言える形態。
変身者たる不破への負担の大きさは勿論、ライダーシステム自体への負荷も大きく、エイムズショットライザーにキーをセットした時点で「”Warning!”」と警告音が出た上に最終的に木端微塵に爆発して変身解除となってしまった。
それでも圧倒的なスペックと行動予測能力を誇るゼロツーに食い下がり(ダメージはほぼ無いに等しかったが)必殺技を喰らわせる等、性能の高さは示されている。
何より、この戦いがきっかけで或人はゼロツープログライズキーとゼロツードライバーを介して自分自身を見つめ直し、真の強さを見出して悪意同士の衝突を終わらせるカギが生まれた。
結果としてはその戦い自体が戦績以上に重要な役目を担ったと言える。
必殺技
- オルトロスブラストフィーバー
ショットライザーをバックルにセットしたまま操作して発動。
両腕の爪を展開し、分身と共に高速移動して攪乱しながら強襲を仕掛ける。
だが予測能力を持つゼロツーには通じず、折られた爪で一撃を与えるのみにとどまった。
言及されてはいないが可能性としては、
・かなりの至近距離だったため予測出来ても避け切れなかった(予測=絶対回避ではないのは後に証明されている)
・爪を折る=攻撃出来なくなるという前提で予測したために折れた部分で攻撃する事自体想定外だった
・避ける事は出来たが図星を突いた不破の言葉に思う所があったのか敢えて受けた
といった理由が考えられる。
尚、撃破に至らず技の途中で変身解除されたため、本作特有の必殺技音声復唱と文字の演出が発生していない。
このため劇中の復唱が再現されているメモリアル仕様の玩具版においても復唱や撃破音が収録されていない形での劇中再現となっている。
- オルトロスブラスト
設定上はバックルから外して発動。劇中未使用。
玩具版においては同時収録のメモリアル仕様シューティングウルフに準じた仕様の音声となっており、「バレットシューティングブラスト」と似た技であると思われる。
余談
- 『ゼロワン』に登場する殆どのライダーは現存する動物または絶滅した動物がモチーフ元であるが、この形態は唯一と言って良い空想上の動物を由来とする存在である。
- この形態への変身により、不破は劇中で唯一プログライズキー、ヒューマギアプログライズキー、ゼツメライズキー全てを使用した事となる(或人もヒューマギアの転身システムを使用する際にヒューマギアプログライズキーを、劇場版でゼツメライズキーを使用してはいる)。
- バルカンは変身時の弾丸を砕く際には各フォームで別々のパンチを使っていたが、今回はアッパーカットである。
- pixiv内では仮面ライダー亡が登場する以前に2体の狼を融合させたバルカンのオリジナルフォームのイラストが投稿されたが、奇しくもニホンオオカミの要素が含まれている。
- スーツは胸部・肩部アーマーが後に『仮面ライダーギーツ』に登場する仮面ライダーリガド・仮面ライダーリガドΩのものへと小改造・リペイントされた。
関連タグ
関連・類似キャラクター
- ローンウルフ:Vシネマに登場するゼツメライズキーで変身するバルカンの新たな強化形態。同じく急場凌ぎフォームであるが、こちらはオルトロスバルカンに比べ、負荷がいくらか軽減されている。
- 仮面ライダー001:劇場版で登場した既存アイテムが使えなくなったことで変身したゼロワンの間に合わせの形態。但し、こちらはキーでは無くベルトの方が使用不能になった。
- リアライジングホッパー:ゼロワンの最終形態で最強形態よりもスペックが劣る面が共通。
- ジャスティスサーバル:Vシネマに登場するエイムズショットライザーにゼツメライズキーで変身する同僚の強化形態。負担や無理の通しっぷりもオルトロスバルカンと同等かそれ以上。
- ケルベロス:犬系の幻獣がモチーフ。こちらはアイテムで怪人に変身した人間。
- タテガミ氷獣戦記:次回作の2号ライダーの強化形態。配色は青と白の組み合わせ、氷属性、武器は変身アイテムと兼用である点が共通している。
- ジャマトフォーム:脚本家が同じ作品の人外の敵が使用するアイテムで人間が負荷が掛かる想定外の変身をしたサブライダーの形態。