天王路博史
てんのうじひろし
「ご苦労様、仮面ライダーの諸君……。そして、さようなら……」
演:森次晃嗣
『仮面ライダー剣』に登場する、元人類基盤史研究所“BOARD”の理事長にして同組織の創設者である初老の男。
部下であった研究員・広瀬義人の暴走によるアンデッドの解放事件が起きた後はその責任を取るという名目でBOARDを脱退。
隠遁生活をしながら、自責の念から自身のポケットマネーを使って剣崎一真達や彼らをサポートしている広瀬栞に給料を支給するなどライダーたちの後方支援を行っていた。
上記の様に表向きは自身の監督不届きが招いた人類の危機に対して責任を果たしている責任感の強い人物に見える。だが……
実は広瀬義人の暴走によるアンデッド解放事件は彼の計算の内の出来事であり、物語が始まる3年前から開始された現代のバトルファイトを影で支配し運営していた全ての元凶にして黒幕であった。
そのため、本来のゲームマスターである“統制者”は行動を起こすことなく、事態を静観していたため、事態の異常性を認識していたのは当初、金居/ギラファアンデッドのみであった。
途方もない財力をバックに凄まじい権力を持っており、その力は彼のことを調べようとしていた白井虎太郎にとある編集長が「彼を調べようとした人は殺される」との忠告をしたほどである。
その目的は自身の手でバトルファイトを再開させ、最終的には自身が究極のアンデッドとなってバトルに参加し、勝利を収めることにより「万能の力」を得て全人類を消滅させて自身に従う新しい人類を創造し、その支配者になる、所謂“世界征服”という歪んだ野望を実現させることであった。
その為の下準備として、死んだ広瀬義人の記憶を受け継いだトライアルBの記憶を改変し、自身の手駒として様々な改造実験体トライアルシリーズを作らせ人造アンデッド・ケルベロスの製作のためのデータ取りを開始する。
またその一方で改造実験体が完成するまでの時間稼ぎと、自身の野望達成のために邪魔なアンデッドを始末させるために、烏丸啓に表向きは「人間に危害を及ぼすアンデッドの封印目的」と称してアンデッドを封印するためのライダーシステムを再作させるなど暗躍していた。
そして満を持して、究極の人造アンデッド・ケルベロスを生み出すことに成功。
当初はその余りの凶暴さ故、トライアルシリーズとは異なり制御は利かない状態であったが、それも彼の計算の内であり、ケルベロスとライダーたちとをぶつけ合わせてケルベロスを彼らに倒させた直後に自身の手でケルベロスを封印。
左腕に仕込んでいた「カードリーダー」を使ってケルベロスと融合し究極のアンデッドの力を手に入れたケルベロスⅡへと変貌する。
「いいや、私はアンデッドになったのだ!!ハハハハハッ……!」
当初はその圧倒的な力で上級アンデッドであるギラファアンデッドを圧倒し、その強大な力でライダー達を追い詰めるが、途中でギラファアンデッドがライダー側に加勢したことで次第に押されて行き、最後は仮面ライダーブレイド キングフォームの「ロイヤルストレートフラッシュ」と仮面ライダーワイルドカリスの「ワイルドサイクロン」の同時攻撃の前に敗北。
敗北後も往生際悪く、ジョーカーがバトルファイトの勝者となれば人類が滅びることになると称して仮面ライダーカリスを攻撃するように唆して仲間割れを誘い、狂ったような笑いとともに新世界創造の野望を語りながら、ギラファアンデッドの封印をも求めるが、あくまでも世界を自身の種族だけのものにしようと目論む彼に「封印されるのはお前だ」と一蹴され、惨殺されてしまい、赤い血を流しながらその野望は潰えるのだった。
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今回はhttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16767681以来の『剣』から、リクエストのあった黒幕です。不死生物アンデッドをも欺き、全てを手に入れようとしたまさに諸悪の根源ですが、ラスボスではなかった・・・5,777文字pixiv小説作品