「アンデッドを2体確認、バトルファイトを……再開しろ……」
概要
『仮面ライダー剣』に登場する有史以前にアンデッドたちを生み出し、彼らが行う自身の種の繁栄を掛けたバトルファイトを管理していたゲームマスターにして創造主。
これまで何度も黒い石板『モノリス』を通じてアンデッドたちに戦いを促し、バトルファイトを発動しては生態系を変えていた。
アンデッドたちの真の支配者にして物語の黒幕であり全ての元凶ともいうべき存在でもある。
敗北した者をラウズカードに封印することができ、アンデッドが封印されたカードを吸収することで封印されたアンデッドを解放する能力も秘めている。
その正体は『地球上の生物の“他の種より優れた存在に進化したい”という強い欲望の思念が結合して誕生した思念体』で、バトルファイトというシステムを進行させ発動させるためだけに存在するのである、と烏丸所長は推測しているが、これも彼の推測に過ぎず誕生経緯や姿形、そもそも実態を備えた存在なのかすら謎に包まれている。
神などではなく、一種のシステムのような存在であるため明確な意思や感情などは持ち合わせていないかと思われていたのだが、本編の最終回から300年後の未来を描いた作品公式外伝小説では自身がバトルファイトを再開させるために操作した運命に翻弄される剣崎達を嘲笑うなどの邪悪な意思と形容できる明確な自我を持っていたことが明かされた(バトルファイトが300年も継続したことで『仮面ライダーゼロワン』のヒューマギアのように、後天的に自我が芽生えた可能性もある)。
また、普段はアンデッドにテレパシーらしきもので自身の意思を伝えるが、本気を出せば人類とも意志疎通はできる様子。
本編での活躍
中盤、タイガーアンデッドや相川始ことジョーカーからその存在が語られた。現代におけるバトルファイトは天王路博史が自身の欲望の為に再開させた偽りのものであったため、当初は眠りから覚める事無く事態を静観していたがギラファアンデッドの手により彼が殺された事を切っ掛けに目覚め、本格的に活動を開始。
その結果ジョーカーが勝利者となったため、本人(相川始)の意思に反し、ルールで決められた通り地球上の全ての生命をリセットするため無数のダークローチを生み出し、地球の生きとし生きる全生命体を滅ぼすことを決定する。
しかし剣崎一真の自己犠牲により誕生した新たなアンデッドの誕生を確認したことにより、一時的にその活動を停止。剣崎に戦いを促してバトルファイトを再開させようとするが、彼がその運命を否定し、運命に抗い戦いを続けることを宣言したことで何処かへと去って行ったため、バトルファイトの進行が止まるという事態に陥った。
何とかバトルファイトを再開させるために、今でもどこかで延々と彼に戦いを促し続けていたと思われるが……
仮面ライダージオウでは
EP30「2019:トリニティはじめました!」で登場(原作同様、モノリスの姿としてだが)。
ゲイツが自身の思惑とは逆にソウゴ=ジオウへと接近し、自身の望む未来とは違う方向へと進みだしたことに業を煮やした白ウォズが統制者を利用して世界を破滅させることを画策。
手始めに栗原天音をアナザーブレイドへと変貌させると、これを利用して剣崎と始の2人のジョーカーを再び引き合わせてバトルファイトを再開させ、さらに頃合いを見計らって2人からジョーカーの力を吸収させて、アナザーブレイドを(疑似的な形ではあるが)アンデッドと同等の存在へと仕立て上げることでアナザーブレイドを強引にバトルファイトの勝利者にしてしまった。
これにより、アナザーブレイドの呼びかけに応じて統制者は無数のジョーカーを従えたモノリスを出現させ、今度こそ世界を破滅させようとした。
しかし、最終的にジオウトリニティによってアナザーブレイドが完全に撃破されると従えていたジョーカー共々モノリスは崩れ去るように消滅。
剣崎と始が持っていたジョーカー(=アンデッド)の力はライダーの力と一緒にライドウォッチに封印され、この世界から勝ち残ったアンデッドが存在しなくなったことでバトルファイトは今度こそ終焉を迎え、世界滅亡の危機は去ったのだった(始を含めた全アンデッドが封印された『MISSING ACE』と同様の状況になったとみなされたものと考えられるが、犠牲者達が表れることは無かったのが不幸中の幸いである)。
なお、モノリスは消滅したが、上記の通りモノリス自体はあくまで統制者が自身の意思や命令を伝えるための端末に過ぎないため、統制者自身がどうなったのかは不明。
少なくとも勝者がいなくなったことでバトルファイトは名実ともに終結し、「バトルファイトの管理→世界創造」という自身の最大の使命を果たせなくなったことは事実である。
更にブレイドの物語が消えたことにより、バトルファイトを再開させる存在の付け入る余地もなくなっている。
余談
ひらかたパークで行われた『仮面ライダーゴーストスペシャルショー』では最終回から11年が経ったゴーストの世界にも登場(予算の都合上、ビニール袋に支柱を入れたモノリスのオブジェだけしか登場していない)。
一行にジョーカー2人が戦わないのにしびれを切らし、眼魔を操って剣崎を強引に日本に呼び戻し、始と戦わせようとしたが……
なお、『仮面ライダーゴースト』にもグレートアイという「人類の創始にも関わる」「全知全能の存在」が登場しているが、こちらとモノリスや統制者との関係は明かされていない。
『モノリス』が捻じれた形をしているのは「もう少しひねってくれ」と言われたため、本当に韮沢靖氏が「ひねった」デザインにしたためである(『UNDEAD GREEN BLOOD』pp.103-104)。
この形からファンの間では「ねじりこんにゃく(若しくはねじれこんにゃく)」という渾名で呼ばれている。
『ジオウ』制作時には『剣』撮影当時に使われたモノリスのオブジェは残っていなかったようで、全編フルCGで描写されている。なお理由は不明だが、ねじれ具合が原作の90°から180°にパワーアップしていた。
関連項目
似た者同士
外部リンク
そして最終回から300年後…
以下、小説のネタバレが含まれます‼閲覧にはご注意ください。
『小説仮面ライダーブレイド』
自身の運命と戦い続ける剣崎と始がバトルファイトを一向に再開しないため、遂に業を煮やし、小説で明かされた自身と対を成す存在である破壊者と共に本格的バトルファイトを再開させるために行動を開始。
まず全人類を密かに地球とは別の惑星へと飛ばし、人類の持っている記憶を都合の良い部分のみを残して改竄し、剣崎と始、トウゴとコジロウ、タチハラ、サツキ、そしてコジロウらの運命を操作し、延々と進まないバトルファイトを再開させるための下準備を済ませるという神のごとき力を発揮する。
その後は新たなアンデッドやマザーアンデッドを生み出し、剣崎と始が雌雄を決する戦いを始めるように仕向けようとするが、結局は失敗してしまった(意図的に300年前の出来事、状況を再現させた事もある)。
最終的に最後の手段として延々と進まないバトルファイトを自らの手で終焉させるために、本来は敵対者でありながら元は同じ存在である破壊者と共謀。自分たちが生まれた原初の空間へと7人を誘い、全ての決着を付けるためトウゴを触媒として破壊者と融合し、双頭のアンデッドとなり実体化した。
4人の仮面ライダーへと襲い掛かるが、最後はブレイドとカリス、ギャレン、レンゲルたちの前に敗北。
原初の空間内に封印され、バトルファイトの完全な終局と自身の破滅という形で幕を下ろした(触媒としていたトウゴは無事であった)。
『剣』のキャラクターのその後を描いた作品は少なくないが、統制者に打ち勝ったのはこの小説版だけである。