天音「始さああああああん!!」
演/CV:梶原ひかり
スーツアクター:塚越靖誠
データ
- 身長:201.0cm
- 体重:101.0kg
- 特色/力:ブレイラウザーに似た大剣を使った攻撃/スペードのラウズカードに対応する能力/アンデッドの力の吸収
概要
『仮面ライダージオウ』EP29「ブレイド・ジョーカー!?2019」から登場するアナザーライダーの1人。
モデルは仮面ライダーブレイド。
白ウォズにスウォルツから手渡されたアナザーブレイドウォッチを埋め込まれた2019年の栗原天音が変身した姿。
初の女性が変身したアナザーライダーであり、アナザーリュウガ以来となるレジェンドキャストが変身したアナザーライダー且つ、一度も本編では仮面ライダーに変身していない人物が変身したアナザーライダーである。
天音が押し殺していた「いなくなった相川始に戻ってきて欲しい」という感情が増幅されており、カメラマンであった始の行方を探すため、フォトスタジオなど写真に関係のある場所を襲撃して回っていた。
後のEP30にて、白ウォズが天音をアナザーブレイドにさせた目的は「アナザーブレイドの元に2人のジョーカーを誘導した後、2人からジョーカーの力を吸収した彼女をバトルファイトの勝利者に定め、それによって出現する統制者に世界を滅亡させる」ためである事が明かされた(一応、その前に再度ゲイツに世界の危機を救わせる救世主になってもらうつもりであったようだが、ゲイツがその未来を拒否したため最終的には自分の未来につながらない世界を滅亡させる選択を選んだ様子)。
容姿
仮面ライダーブレイドを歪めたような姿を持つが、肩や太もも等が太く、アンバランスかつ大型の体型をしており、その姿はジョーカー化する直前・全身のアンデッドクレストが膨れ上がったブレイド・キングフォームを思わせる。
また、肩のデザインは本編には登場しなかったアーマータイム・ブレイドアーマーの肩のデザインが裏モチーフとして意匠に組み込まれたのではないかと思われる。
この容姿から、明らかに女性が変身した姿にはとても見えず、正体を知らない黒ウォズからも「彼」と男性が変身者であるように認識されていた。
また、上述した通りかなりマッシブな体型だが、身長・体重はオリジナルである仮面ライダーブレイドの基本形態と共通である。
目は他のアナザーライダー同様に瞳があるが、従来のアナザーライダーの瞳とは異なり複眼型のゴーグルに覆われておらず、瞳も剥き出しで無機質な物ではなく人間の目に近い生物的なデザインをしている。
これに関してはブレイドに多かった面割れを意識しているという説や、人間ではなくなったオリジナルのブレイドに対して純粋な人間が変身していることを強調しているという説、目を見開いて始を探す天音、そして、ジョーカーの本能から始を探し求める剣崎を表しているという説がある。
なお、非常に小さいのでわかりにくいが、口元にはちゃんとクラッシャーも存在している。しかも遠目から見るとまるで轡を噛まされているように見え、さながら壮絶な決意で親友と世界の運命を変えたブレイドとは真逆の「運命に囚われた戦士」である。
頭の装甲は三葉虫とカブトムシ、肩は獣の爪のような形状に、腕の装甲にはアンモナイトが刻印されており、さらに大腿部にはアンデッドに共通する意匠であるレザー生地のような皮膚と刺々しい装飾を持つ。
また胸から腹部にかけての装甲はハートが三つ並んでおり、特に腹部の装甲は赤く縁取られていて、その形も逆さになったハートともスペードともとれる形状となっている。しかも、腹部の紋章の上部には一対の切れ目が入っており、逆さにすると簡略化されたラウズカード「JOKER」の紋章が浮かび上がる。
後のEP30では、剣崎と始からジョーカーの力を吸収した事で右胸に赤いハートの紋章、左胸に緑色のジョーカーの紋章が出現している。
武器の剣にはカマキリの腕のシルエットと先端が鎌のように湾曲したスペードのシルエットが向かい合うように配置されているなど、ジョーカーとなったブレイドとカリスの両方を意識した意匠も見られる。
あえて一言で言い表すなら、アンデッドの寄せ集めのような印象を受けさせる(前述の要素も見方を変えれば、マッシブな体格はエレファントアンデッド、頭部の巨大な角はカブトムシの英語名「“ライノセラス”ビートル」からライノセラスアンデッド、人間のような両目はヒューマンアンデッドの要素と取れるかもしれない)。
この寄せ集めのような姿は始の持つ「ベルトにラウズカードを通せばそのアンデッドへと変身出来る」という特性を表しているともとれる。
一方、ベルトの部分はスペード部分に髑髏が埋め込まれたようなオリジナルのものとアンデッドの要素を掛け合わせたようなイメージを持たせる。初変身時には原点と同じくオリハルコンエレメントを通ってアナザーブレイドに変身している。ただし描かれているのはビートルアンデッドではなくアナザーブレイドの頭部である。
アナザーライダー共通の年号とライダー名は背中にある。
左側にBLADEのライダー名が書かれており、右側には本来なら2004と書かれているはずが、現代の年号の数字である「2019」が書かれている(公式曰く、新たなパラドックスが発生しているようであり、その一つの可能性もある)。
これはタイムジャッカーがそのライダーの活躍した時代でアナザーライダーを生み出すのとは違い、白ウォズが現代の天音にウォッチを埋め込んで生み出した為だと黒ウォズが推測している(ただし、それだけならばアナザー電王やアナザークイズなどの前例も存在する)。
能力
カードトレイの部分が回転鋸のようなデザインになっているブレイラウザーに酷似した剣とも斧ともつかない巨大な大剣を武器としており、大きさ的にはキングラウザーの方が近い。
腹部からオリジナルのディアーサンダーに相当する雷撃を放ったり、武器の切れ味を上昇させて大ダメージを与えるなど、ブレイドの持つラウズカードに相当する能力を使用することが可能。カードを使わなかった辺りはキングフォームの能力に由来していると思われる。
能力発動時にはライトニングソニックやボアタックルの構えを取るなど、ここでもオリジナルの影響が見られる。
また、これまでのアナザーライダーは対応するライダーの力以外で倒されても変身解除される描写があったが、アナザーブレイドはジオウのタイムブレークを受けて倒されても変身解除されず、オリジナルのブレイドが戦ったアンデッドや改造実験体トライアルシリーズの如くすぐさま立ち上がっている。
さらに、本編のジョーカーやケルベロスⅱさながらに他のアンデッドの力を吸収する能力も持っている。
誕生による改変
アナザーブレイドが存在しているにも拘らず、ラウズカードが現在においても機能する状態で存在している点、剣崎と始がライダーに変身している点、2人がジョーカーとして存在し続けている点などから、これまでのアナザーライダーと異なり歴史改変が起こっている様子は見受けられない。
これについて、白倉Pが自身のTwitterで「過去ではなく2019年に生まれたため」「契約者である天音のアナザーブレイドとしての行動原理が、本編の交流を前提としているため」「ウォズの目的のためには改変を起こさずにアナザーブレイドを創る必要があったから」と言う解説を行っている。
活躍
- EP29『ブレイド・ジョーカー!?2019』
スウォルツから渡されたアナザーブレイドウォッチを携えた白ウォズがハカランダに訪れ、天音を無理やり変身させ誕生した(この際、腹部の装甲が54体目のアンデッドが生まれた時のように蠢いている)。
カメラマンだった相川始を求めてフォトスタジオを襲撃して回り、駆けつけたジオウとも交戦するが、この時のソウゴ達は海東大樹/仮面ライダーディエンドにジオウライドウォッチⅡとゲイツリバイブライドウォッチを盗まれていたため撃破には至らなかった。
その後もフォトスタジオを襲っている内に、何度目かで駆けつけたジオウと対峙。鎧武アーマーの剣術に圧倒されるも…
始「その子に手を出すな……!」
声の主は相川始、天音が探し続けていた人物だった。アナザーブレイドの反応にその正体を察し、これ以上ジオウに手出しをさせまいと仮面ライダーカリスに変身。
ライダーの秘密を隠され続けていた天音は驚愕するも、彼女を他所にカリスはジオウを圧倒する。
剣崎「始……力を使ったな……!」
そこにラウズカードを使ったことで互いにジョーカーの性質から引き寄せられた剣崎一真/仮面ライダーブレイドまで姿を現し、ブレイドとカリス、2人の「ジョーカー」の運命の戦いが勃発してしまう。
- EP30『2019:トリニティはじめました!』
ブレイドとカリスが戦う中でジオウと戦っていたが、ジオウによってブレイドが繰り出した「ライトニングソニック」の前まで吹き飛ばされてしまい、カリスが庇ったことで完全撃破は免れたものの遂に変身解除される。現れた天音の姿を見て驚いたブレイドも戦闘を中断するが、ライダーであることを知られてしまったカリスは天音の前から姿を消してしまう。
その後、隠れ家に潜んでいた始と再会し、彼がハカランダから姿を消した理由を知る。
しかしそこに白ウォズの未来ノートで剣崎が呼び寄せられ、剣崎=ブレイドと始=カリスが再び戦闘を開始。2人に戦いを止めるよう呼びかける天音だったが、そこに現れた白ウォズにより天音はアナザーブレイドに再変身させられてしまう。
そしてブレイドとカリスを同時に相手取り、天音を相手に本気で戦えない2人を圧倒。2人を変身解除まで追い込んだ末、なんとジョーカーの力を奪い取ってしまった(ブレイドの「アンデッドの封印」とアナザーライダーの「原典ライダーの存在に取って代わる」という、ブレイドとカリスの両方に作用する特性が合わさった産物と思われる)。
2人のジョーカーの力を1つにしてその身に宿したことで、統制者からバトルファイトの勝利者と見なされモノリスが出現。そこから黒いジョーカーに似た異形が大量に発生し、白ウォズの目論見通り世界の滅亡が始まってしまう。
駆けつけたゲイツとウォズ、遅れて駆けつけたジオウすらも寄せ付けない圧倒的な戦闘力を見せつけたが、ソウゴの言葉に動かされた白ウォズから託されたジオウトリニティライドウォッチにより、ジオウトリニティが誕生。
3人分の力を束ねたジオウトリニティには手も足も出ず、手にした大剣も折られてしまい、最後は「トリニティタイムブレークバーストエクスプロージョン」を喰らって爆散。アナザーブレイドウォッチは砕け散り、モノリスも消滅して世界の滅亡は防がれた。
ジョーカーの力を奪われた剣崎と始は肉体が人間に変化しており、2人の力を奪い「最後のアンデッド」となったアナザーブレイドも倒されたため、ついにバトルファイトは完全に終結。
更に順番が逆になったとはいえ「オリジナルのライダーの力を奪い、その存在に取って代わった」というアナザーライダーのルールが適用されたことで「仮面ライダー剣」の物語は(当事者の記憶は残ったものの)歴史から消滅した扱いとなり、バトルファイトを再開させる存在であるアルビノジョーカーが介入する余地も潰えた。
これによって運命から解放された2人は、ついに未来へと歩み出せるようになった。
始と言葉を交わした天音も、未来に進んでいく為の一歩を踏み出したのだった。
一方、アナザーブレイドウォッチと共に排出されたブレイドとカリスのライドウォッチは剣崎によってソウゴの手に託され、ジオウはブレイドの力を手に入れる。
奇しくも、この日こそがソウゴ達の運命を決める「オーマの日」。結果的にこの日にオーマジオウは生まれず、救世主によって倒されることもなかった。
ここからは誰も知らない、新たな歴史が始まる……。
世界を救うため、お互いに会うこともなく、触れ合うこともできなくなった過去があった。
しかし、そして遂に
- EP43『2019:ツクヨミ・コンフィデンシャル』
加古川飛流/アナザージオウⅡが率いるアナザーライダー軍団の一員として再び出現。
一斉にジオウ達に襲い掛かり、6体のアナザーライダー達(アナザークウガ、アナザーキバ、アナザーオーズ、アナザーフォーゼ、アナザーエグゼイド、アナザービルド)と共にゲイツリバイブ疾風やウォズギンガファイナリーと交戦するも、ウォズギンガファイナリーが繰り出した超ギンガエクスプロージョンで纏めて撃破された。
余談
- 「始と再び出会ってはいけないが為に始や仲間の元から離れていったオリジナルの仮面ライダーブレイド、剣崎一真」に対して、「始を探し求めるアナザーブレイド、栗原天音」とみる意見もある。
- ブレイドを怪人化した姿だが、原典にもある意味ライダーを裏モチーフにした、あるいは歪めたような怪人が登場している。
- ブレイド本編当時に仮面ライダーに変身していた役者達は4人全員がジオウに出演できる可能性が高かった(上城睦月/仮面ライダーレンゲルを演じていた北条隆博氏も俳優からは引退しているものの、「今後もブレイド関連でオファーがあればぜひとも参加したい」との意向を見せており、実際にドラマCDや映画「スーパーヒーロー大戦GP」や「サモンライド!」などでレンゲルの声役で出演している)ということもあってか、誰がアナザーブレイドに変身するのかはファンの間ではかなり議論が白熱していた。
- 中には「ブレイド本編でよく騙されていたあの人がスウォルツに騙されてアナザーブレイドに…」という説も持ち上がっていたほど。
- ちなみに何の因果か、EP29の放送日ではニコニコ動画の東映公式チャンネルにて、彼の演者が7年後に演じた人物の退場回が配信されている。
- アナザーブレイドが剣崎と始からジョーカーの要素を吸収し、最終的に二人を戦いの運命から解放することにつながるという展開は、かつて剣崎が「職業ライダー」から本当の意味での「仮面ライダー」になった最終回を意識していると思われる。
- この場合は「運命に囚われた戦士」から「運命を変えた戦士」になったというところか。
- 他にも「天音が怪物になったことで世界が崩壊の危機を迎える」といった展開や、モノリスからダークローチではなくジョーカーに似たアンデッドが発生している事、さらには統制者が消滅してバトルファイトその物が終焉を迎えるといった要素から、劇場版や小説版の要素も踏襲されていると思われる。
- 原典で二人目のジョーカーを生み出すきっかけとなった『王の力』は今回、ジョーカーの物語を終わらせる形で登場しているのも感慨深い。
- また、アナザーブレイドを始めとするアナザーライダーも元は新たな王を擁立する為の存在である。
- そしてジョーカーは人類の歴史を終わらせる存在でもあり、未来を切り開くジオウ達とはある意味で対になる存在とも言える。
- 最近はEP30の二体のジョーカーの力を吸収した時の姿が「胸にリツイートといいねマークがついているように見える」など、「仮面ライダー剣」の人物たち同様ネタ方面でも愛され始めている。
- 本編でも天音に化けたアンデッドが登場している他、このアンデッドの片割れであるアンデッドは外伝作品で、偽物の仮面ライダーブレイドに化けている。
- ちなみに、偽仮面ライダーブレイドの本来の出典であるハイパーバトルビデオでも、トライアルEの亜種がブレイドに化けている。
- デザイナーの篠原保によると、カッと見開いた両目は『剣』本編で「俺は貴様をぶっ殺す」と叫んだ時の始の顔がモデルになっているとのこと。
- EP29で鎧武アーマーと交戦したが、ブレイドと鎧武は「主兵装として剣を使う」「実在の動植物をモチーフにしたアイテムの力で変身や能力の行使をする」そして何より「人類を守るため人外の存在に変化し、友人や仲間と離れることを選択した」という共通点がある。
- 何の因果か、彼らの最終フォームが金銀で対になっているところも興味深い。
関連タグ
アナザーW:こちらのジョーカーサイドにもアンデッドに見られた意匠が組み込まれている。
アナザー鎧武:同じく大剣を使い、サブライダーの変身者と関係のある人物が変身し、膝から下が共通のデザインのアナザーライダー繋がり。しかし、変身者の事情やモチーフ等は真逆である。
アナザーキバ:同じく変身者が女性であるアナザーライダー。
天王路博史:原点における黒幕。同じくアイテムを肉体に取り込んで怪人に変身していたが、こちらは自らの意思でアンデッドそのものとなっていた。
アルター・ゾディアーツ:担当俳優が過去に演じた怪人。
ノーライダー:アナザーライダーのプロトタイプと思われる怪人。こちらも変身者が女性である。
剣崎一真:現実の仮面ライダーブレイド
CDロストスマッシュ:前作においてライダーの仲間の少女が怪人化したもの繋がり。