「テニス… 空手… ベストマッチじゃない…」
演/CV:森大成
スーツアクター:渡辺淳
データ
身長 | 196.0cm |
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体重 | 99.0kg |
特色/力 | 人体を取り込んだ能力吸収/ビルドのフルボトルを使用したかのようなその吸収した能力に応じた特殊攻撃 |
概要
『仮面ライダージオウ』EP01「キングダム2068」から登場するアナザーライダーの1人。TV本編で最初にジオウと対決した。
タイムジャッカーであるウールに見出された、車に轢かれて選手生命を断たれるはずだったバスケット選手が変身する。
モデルは仮面ライダービルド・ラビットタンクフォーム。
その行動原理はひたすら人間を襲って能力を奪い取り、ベストマッチを判別するというもので、言ってみればビルドたる戦兎が持っていた「ベストマッチを見つけることに対する好奇心」。
「ラブ&ピース」を掲げ正義のために戦っていたビルドとは全く異なる性格となっている。
後のアナザーライダー達と違って変身者たるバスケ選手本人の人格が残っているようには見えないが、これは何かしらの事情で現状を変える為にライダーの力を求めたのではなく、彼の場合アナザービルドになる過程で「事故を回避する」目的を達しているためにライダーの力に呑まれてしまったのかもしれない。
後に登場したアナザーゴーストも本人の人格を無視した暴走をしているが、変身者の要素が暴走しているあちらと比べるとこちらは戦兎の要素も強く影響している点で少し異なるとも言える。
この他、アナザーライダー共通の性質として、元となったビルドの力で倒さない限り、撃破しても何度でも復活する。
容姿
ビルド・ラビットタンクフォームを有機的にしてさらに歪めたような容姿をしている。
しかめっ面の人間のような不気味な顔だが、新たな能力を手に入れた際やスマッシュボトルを飲み込んだ(後述)際などは両目と口を大きく拡げてくしゃっとした(?)表情を見せることもある。
瞳はよく見るとビルドの象徴とも言うべき歯車の形状になっていることがわかる。
右胸に刻まれたBUILDのロゴがバスケットボールのユニフォームを思わせる。なお、背中には2017の年号が刻まれている。
その有機的なフォルムはさながら人造人間のようであり、「人体実験」というオリジナルのビルドの負の側面を受け継ぎつつ、機械的なフォルムのオリジナルとは対極の存在であることを示すかのようである。
さらにオリジナルのビルドのアンダースーツに当たる黒色の部分は焼け焦げたような質感のものになっており、ハザードフォームの踏襲であると思われる。
腰には焼けて歪んだようなビルドドライバーがあるほか、体の所々に「戦争」の象徴ともいうべき弾痕のような意匠まであり、その「戦争のために生み出された生物兵器」といった出で立ちは「ラブ&ピース」の為に戦うオリジナルとは真逆の存在だと言えよう。誰が言ったか「憎しみと戦争の使者」「ヘイト&ウォーの兵器」。
後に『ビルド』新世界でも戦争兵器として完全に良心が欠落したある意味アナザービルドと呼べる存在が登場している。
青い複眼は戦車というよりも、ブラッドスタークの目を思わせる外見になっている。
変身する際はオリジナルのように白い煙が体から吹き出す。
視聴者にお披露目するアナザーライダー第一号という事もあってか他のアナザーライダーよりもビルドの原型を残しており、仮面ライダーが歪んだ姿というわかりやすさに振り切ったデザインになっているのが特徴。
能力
ラビットタンクフォームの能力である左足のバネによるジャンプ強化や右足の無限軌道の回転によるキック力の向上といった原典のライダーの力も扱えるほか、物理学者だった本家とは違い、変身者がバスケット選手だったためかバスケットボール型の火炎弾を生み出しての遠距離攻撃を行うことも出来る。
また固有の能力としてエンプティフルボトルにスポーツ選手を吸収してスマッシュボトルにし、スポーツの力(水泳なら地面を液状化させて地中を泳ぐ、野球なら剛速球を投げる、など)を持つボトルに変えることができる。劇中ではテニス・空手・野球・水泳・弓道などの選手を吸収している。
能力はボトルを食べることで使用でき、さらに相性の良い“ベストマッチ”を見つけ出す事で自身の戦闘能力を上昇させることが可能(ベルトを使わないためか自力でベストマッチを判別できる模様)。
海外に起原がある所謂『スポーツ』と、日本にもともとある『武道』の組み合わせがベストマッチということなのだろうか。ベストマッチの法則が意味不明なのは本家と変わらず。
誕生による改変
- エボルトを始めとしたブラッド族やパンドラボックスの消滅。
- それによりファウスト、スマッシュ、スカイウォールの消滅。
- 桐生戦兎と万丈龍我がツナ義ーズのファンになっている。
- nacitaがツナ義ーズのファンカフェになっている。
- 戦兎が「佐藤太郎顔の葛城巧」として生きている。
活躍
- EP01『キングダム2068』
2017年、とあるバスケット選手が屋外で練習中に車が突っ込んでくる。その瞬間、時を止めたウールが現れ、このままだと車に轢かれて今後の選手生命を失うが、契約すれば事故を回避できると持ちかけられ、それを呑んだバスケット選手はアナザービルドに変身させられる(この際、彼に衝突するはずだった車はウールにふっとばされ別の車に衝突して大破しており、「この車が事故を起こす」歴史自体は保持された)。
その後1年間スポーツ選手を襲い続けていたらしく、連続行方不明事件として新聞にも取り上げられていた。
2018年、常磐ソウゴと同じ高校の空手部員に襲い掛かっていたところをソウゴに発見され、変身したジオウの初陣の相手となる。バスケットボールの能力で翻弄するも、最後はジカンギレードによる「ジオウギリギリスラッシュ」を喰らい爆散。元のバスケット選手の姿に戻ったが…。
- EP02『ベストマッチ2017』
ウールが気を失っていたバスケット選手に再びアナザーウォッチを埋め込んだ事で復活。戦闘中のジオウとゲイツに襲いかかり、何度倒されても復活を繰り返して2人を苦しめる。
2017年、生まれたてのアナザービルドはビルドとクローズと遭遇。この時、本記事冒頭2つ目の台詞を言いながら万丈に抱きつくが、当然の事ながら万丈はそれを拒絶し全力で振り払う。
万丈「なんだ?気持ち悪ぃ!」
戦兎「ちょっと妬けるな…」
万丈「…は?」
ここでタイムマジーンで時を越えジオウ・ゲイツが合流、アナザービルドと4vs1の戦闘を開始する。
しかしビルド・クローズは歴史改変の影響で力を失い、さらにアナザービルドは地面や壁を水中のように潜りながら弓を撃つ「水泳選手×弓道」のベストマッチを発見し戦闘を優位に進める。
だが2018年の戦兎との会話からソウゴが攻略法を思いつき、ジオウ ビルドアーマーの「ボルテックタイムブレーク」とクローズライドウォッチを使ったゲイツのギワギワシュートを同時に食らい爆散。アナザーウォッチは砕け散って消滅、バスケット選手も元に戻った。
なお、元の時間に戻った際もウールがふっ飛ばした車はそのままだったため、結果的にバスケット選手は事故には遭わずに済んでいる(代わりに巻き添えになった別の車は悲惨なことになったが……)。
- EP25『アナザージオウ2019』
冒頭でかつてアナザービルドに変身していたバスケ選手がアナザーオーズに襲われ、彼に宿っていたアナザービルドの力の残滓からアナザービルドウォッチが生成。アナザーオーズはアナザービルドに変身し姿を消した。
その後、かつてのアナザーエグゼイド・飯田を襲った直後にソウゴ・ウォズと遭遇。
倒したはずのアナザービルドが登場した事に対して動揺しつつもソウゴはジオウ・ビルドアーマーに変身、「ボルテックタイムブレーク」を喰らわせるが、爆炎の中からアナザーエグゼイドが出現。ウォズの判断によりソウゴ達は撤退した。
- EP28『オレたちのゴール2019』
加古川飛流/アナザージオウが率いるアナザーライダー軍団の一員として、恐らく無関係の一般人が変身させられたと思われる個体が出現。他のアナザーライダー達と共にソウゴに襲い掛かるも、ジオウⅡが繰り出した「覇王斬り」でアナザーエグゼイド共々倒された。
- EP42『2019:ミッシング・ワールド』
何の因果か、「最低最悪の魔王とレジスタンスとの戦争」が繰り広げられている2019年にて加古川飛流/アナザージオウⅡの配下として再登場。背中の年号が2019に変わっている。
劇中では飛流の命令を受け、アナザーカブトと共にツクヨミを付け狙う。途中で門矢士の妨害を受けたりツクヨミに時間を止められたりしたが、最終的にウールがツクヨミを捕縛し、ウォズがジオウⅡを足止めしている間に城まで撤退した。
なお、共にツクヨミの追っ手を務めたアナザーカブトとは原作において「ヒロインが大きな秘密を抱えていた」という共通点がある。
- EP43『2019:ツクヨミ・コンフィデンシャル』
アナザージオウⅡが率いるアナザーライダー軍団の一員として再び出現。
一斉にジオウ達に襲い掛かり、6体のアナザーライダー達(アナザークウガ、アナザーブレイド、アナザーキバ、アナザーオーズ、アナザーフォーゼ、アナザーエグゼイド)と共にゲイツリバイブ疾風やウォズギンガファイナリーと交戦するも、ウォズギンガファイナリーが繰り出した超ギンガエクスプロージョンで纏めて撃破された。
余談
- 水泳と弓道のベストマッチ戦法の元ネタは「水中戦が得意」で「弓を使う」ベストマッチということで海賊レッシャーフォームを想起させる。
- ただし、あちらは地面を泳ぎ回ることはできず、水中戦が得意というのも設定のみだが。
- 作中初めて登場したアナザーライダーだけあって他のアナザーライダーと異なる点が多く、作品初期にありがちな設定が固まっていなかったゆえの描写が散見される…と思いきやよくよく見てみるとあちこちにビルド本編の要素が散りばめられており、リアルタイムでビルドを視聴していたならばピンときた人も多いことだろう。
- 後のアナザーライダーと異なり、自在に変身と変身解除ができず、変身しているうちは言語どころか人格すら失われる。→ビルド本編の「スマッシュ」に近い性質
- 人間を無理やりボトルの成分にしてしまう→ファウストの悪行
- ウールに言われるがままにアナザービルドに変身してしまうバスケット選手→本編における仮面ライダービルドの成り立ち、そして「再始動」の経緯と対照的
- ひたすらにベストマッチを求め彷徨う姿→見方によっては記憶喪失(自分が何者か見失った)のままの戦兎
- 仮面ライダービルドが「創造」の象徴であったように、アナザービルドはアナザーライダーの概念、「今日から君が仮面ライダー〇〇だ」という決め台詞、しいては仮面ライダージオウの物語を「創造」するきっかけとなっている。
- 理不尽な出来事に巻き込まれて人生が終わりかけたスポーツ選手という設定は、戦兎の相棒である龍我に共通するところがある。
- なお、龍我に抱きついたのも単に設定上の相棒というだけでなく、同じ体育会系として何か感じるところがあったからなのかもしれない。
- また、変身者がバスケット選手である事も、肉体派のスポーツ選手と頭脳派の天才物理学者との対比によるものだろうか?
- なお、加えて「龍我に親しげに駆け寄り抱き着くビルド」という構図はちょうど一週間前に放送されたばかりのビルド最終回のラストシーンをなぞっていることがわかる。
- 他のアナザーライダーの契約者達は名前が明かされているのに対し、何故か彼だけは公式でも単に「バスケット選手」としか表記されておらず、個人名が明かされていない。
- これはエボルトの謀略で片手間に命と顔を奪われ、“ヒーローをやらされる役”である戦兎=ビルドを生む素材扱いされた佐藤太郎(=ありふれた名前の一般人)を意識した演出とも取れ、EP02で佐藤が率いるツナ義ーズが大成している描写と対になっている。
- 交通事故の救出を盾にアナザービルドを生み出したウールだったが、EP17では白ウォズによって、時間を何度も止めても再び動く車に轢かれそうになるという因果応報を受けている。
- その後、車をモチーフにしたアナザードライブが登場するEP45でウールが死亡する事となってしまったのも、皮肉の利いた結末と言えよう。
- EP42でツクヨミを追いかける際に、障害物を飛び越えようとするも誤って転倒するシーンがある。
- これらのアホっぽい要素はオリジナルの桐生戦兎が「天才物理学者」であることが反転しただけでなく、原点のビルドの相棒であった万丈龍我、そして彼と一つになったビルドの姿の要素であると思われる。
関連タグ
ラビットフォーム、仮面ライダーメタルビルド:原典によるビルドを歪めた仮面ライダー。
ニードルスマッシュ/ストロングスマッシュ←アナザービルド→ベローサマギア
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アナザービルド→アナザーエグゼイド