ブラッドスターク
ぶらっどすたーく
ナイトローグと同じく、謎の組織「ファウスト」の幹部として暗躍する怪人(擬似ライダーとも)の一人。専ら『スターク』と呼ばれている。
コブラの意匠が随所に見られ、その名の通り、血の様に赤いワインレッドをイメージカラーとするダークヒーローの様な洗練された容姿をしている。
ファウストの参謀格を務めており、策謀を張り巡らせて相手が自身の手の平の上で踊る様子を眺めて楽しむ傾向を持っている。享楽的で飄々としており、おどけたような仕草や台詞も多い。
目的の為には手段を選ばず、子供をスマッシュへと変貌させるような非道な振る舞いを平気で行うあたりはナイトローグと同じだが、必ずしも彼と目的は一致していない様子。ナイトローグも彼の意図しない行動に度々振り回されており、スタークからの予期せぬ攻撃を受ける事が多い。
戦兎達の北都行きを阻止しようとするナイトローグに「俺は誰の指図も受けない」と逆らってみたり、力づくで同行させられた後も、結局戦兎達の北都侵入の手助けをしたりと、独自の思惑で動いている。
また、戦兎の過去を知る人物・岸田立弥がプレススマッシュにされた事を知って激怒したビルドの戦闘力が上がったのを見て「やっぱり期待通りだった、早くスマッシュを助けてやれ」と告げてみたり、激高したビルドに一方的に殴られながらも愉快そうに高笑いするなど、戦いを通じてビルドの成長を促している素振りもある。
接触する事で相手の強さを「ハザードレベル」という基準で測ることができるが、ビルドや龍我に対してこの測定行為を頻繁に行っている。
第5話ではビルドのハザードレベルを3.2→3.7と測定。
第8話では生身でありながらも戦いの中でハザードレベルが2.4→2.7まで徐々に上がっていく万丈龍我に強い喜びの感情を見せていた。
当初は「ファウスト」の首領格として振舞っていたナイトローグよりも裏の事情に精通し、ナイトローグの思惑や行動さえ把握して手駒同然に操るなど黒幕的な行動を見せている。
トランスチームガンの開発者である葛城巧の研究データによると、ブラッドスタークは仮面ライダーのハザードレベルを上げられる最強のライバルとして誕生した存在であり、変身者の声も自由自在に加工できる事が発覚している。
なお、ナイトローグ、ブロス、カイザーなどスチームガン系のシステムで変身した戦士のスーツはいずれも黒であったが、ブラッドスタークは全身真っ赤である事からなんらかの特別なチューンナップがされている可能性が高い。
基本的にはトランスチームガンを用いた銃撃メインの戦闘を行うが、ゲームメーカーを名乗るだけあって多彩な能力を持ち、それらをフルに活用して戦いを有利に進める。
まず、両腕から伸びる蛇の尻尾状の針「スティングヴァイパー」で相手を牽制したり、相手を跡形も無く分解して溶かしてしまう程に強力な猛毒を注入したり、コブラのように地を素早く這う事などもでき、これらを活用した肉弾戦で戦う。
更には胸部のコブラ状の装甲から巨大なコブラを召喚する事も可能(なお、この巨大コブラはベノスネーカーと同じCGを使用しているが、こちらの巨大コブラはカラーリングが異なり、頭部両脇にベノハーシュが無い)。
そして、人間を一瞬でスマッシュに変貌させる煙を放つスチームブレードや、人間の顔を別の顔へと変化させる力などを利用した、心理的でトリッキーな戦術も用いる。
さらに言えば、片手でビルドの必殺技を受け止めたり、闘志を全開にしハザードレベル3に到達した龍我の渾身の一撃を受けてもふらつく程度で済ませたりと防御も堅く、「強敵」の名に相応しい能力の持ち主である。
第13話でナイトローグと対決した際には、「成長する“ライダー”とは違い、能力上昇の余地がないため互角だ」と言うローグに対し、「能力が互角なら経験の差がものを言う」と言い放ち圧倒するなどかなりの実戦経験を積んでいるようであるが、それがどういった存在との戦闘で培われたものかは不明。
だが、話が進むにつれクローズチャージとグリスの必殺技のぶつかり合いに割り込んだり、いくら見切ったとはいえ二度目のラビットタンクスパークリング戦では逆に優勢に立つ(ナイトローグは二戦目の時点で既に手も足も出ない=ブラッドスタークも同等のスペック差があるはずなのにである)、海賊レッシャーハザードには流石に圧倒されるも苦しむどころかその強さに笑って喜ぶ様子を見せるなど、単なる経験の差とは言い難い底知れなさを垣間見せている。
第30話では遂に本気を出しパンドラボックスの力を自在に操ってみせた。その正体とは…?
第3話のラストシーンで初登場。桐生戦兎を毒液で倒し、組織の生き証人である鍋島正弘を攫って行った。なお、何故か氷室幻徳は彼の存在を把握していたようだが、第6話終盤にて彼と繋がっていた事が判明。
第4話ではわざとスマッシュ出現の情報を流してビルドを誘き出し、鍋島が変身させられたスクエアスマッシュと交戦させ、その戦いの最中にネビュラガスを注入し巨大化させた。
仮にスクエアスマッシュがビルドに倒され、鍋島が成分ガスを抜かれて元に戻ったとしても、後遺症で彼の記憶が抜け落ちる事を見越した上での行為らしく、「何故鍋島を始末しなかったのか」とナイトローグから咎められた際は、「自分はあくまでゲームメーカーであり、全ては計画通りだ」として意に介していなかった。
第7話ではナイトローグに力づくで連れられ、戦兎達の北都行きを妨害しようとするが、スカイウォール付近での戦闘ではむしろナイトローグを攻撃し、戦兎達が壁を突破する切っ掛けを作る。
戦兎に続けて北都に乗り込むと、葛城の母親が大切にしている教え子をスマッシュ化させるという非道を行い、戦兎達を激怒させた。子供のスマッシュ化が解かれると、「葛城巧がファウストを創った」という言葉を残し撤退。
第8話では葛城巧の研究データ入りのUSBメモリをやっとの思いで発見した戦兎達を急襲する。
当初はメモリをそのまま持っていくつもりだったようだが、龍我との戦いで考えを変え、「戦いを楽しませてくれた礼」として、一度は奪ったメモリを彼に投げ渡した。
この件についてナイトローグから咎められているが、これにも彼独自の思惑があるようで、曰く「必要なのはデータではなく、データを応用して完成させる物であり、桐生戦兎ならそれを完成させる事ができ、万丈龍我なら完成したそれを使う事ができる」との事。
第9話では石動美空を捕まえようとしていたナイトローグの前に何故か突然現れ、彼の妨害をして美空が捕まるのを防いだ。その後はパンドラボックスを奪う為にガーディアンを率いて東都先端物質学研究所を襲撃する。
続く第10話ではパンドラボックスを持ち出す際、氷室に見られないよう部屋の監視カメラを全て破壊する、予定の逃走ルートとは違うルートから逃走を図る、ビルドをナイトローグごと攻撃するなど意図の読めない独断行動を繰り返していたが、最終的にパンドラボックスはナイトローグの手に渡った。
なお、同話にて相手の顔にかざした手から噴き出す煙で、相手の顔を他人の顔へと変化させる偽装能力を持っている事が判明した(劇中ではプレススマッシュハザードの変身が解けた河合の顔を桑田の顔に変化させるシーンがある)。
その後、第9話で身勝手な行動を繰り返した事から第11話では氷室にパンドラボックスの隠し場所を教えて貰えなかった様だが、続く第12話では難波重工総合科学研究所の隠されていた地下3階でクローズとローグが戦っていたところに現れ、なんとローグを攻撃する(曰く「ファウストはお前の物じゃない」)。更に壁の中に隠されていたパンドラボックスを発見し、そこにビルド海賊レッシャーも介入し乱戦となるが、隙を突いてパンドラボックスを奪取する事に成功し、その場は撤退した。
第13話では記憶が蘇った鍋島の口から、龍我を冤罪にするよう指示したのはスタークである事が明かされる。それと一緒に、鍋島からスタークの正体も知らされた戦兎は…。
その一方、スターク本人はパンドラボックスを取り返そうとローグに戦いを挑まれたが、ローグをも上回る戦闘力で彼を倒す。そして自分が難波重工の新たなパートナーになった事を彼に教え、パンドラボックスの行方が難波重工の重要施設にある事、東都政府の軍隊を動かせば北都や西都と戦争になるという事、自分なら政府とは無関係の人間を利用するといった旨も告げ、幻徳がパンドラボックス奪還の為に戦兎を利用するように誘導した。
後に難波重工の重要施設に乗り込んできたビルドとクローズを迎え撃ち、ビルドとクローズの攻撃を読んで二人を苦戦させたが、ビルドが新たに変身したオクトパスライトは想定していなかったのか、上手く対応できず圧倒される。その事でスタークは20本のフルボトルが全て浄化されたと分かり「目的は達成した」とその場は撤退した。
第16話以降、北都とも通じていた事実が発覚。北都の協力者として、戦兎達と幻徳の両方と敵対していくこととなる。
ブラッドスタークへの変身アイテム。
トランスチームガンにセットする。
ナイトローグが使用しているのと同じ拳銃状の武器。スクエアスマッシュに追加のネビュラガスを注入するときに使用。その際、発射したネビュラガス入りの弾は不規則な軌道を描いてスクエアスマッシュに向かっており、放った弾を操作できると思われる。
ナイトローグが使用しているのと同じ剣状の武器。
ブラッドスタークはこれにトランスチームガンを合体させたライフルモードを主に使用している。
ビルドNEW_WORLDで使用。クローズチャージがキルバスとの戦いで落とした物を拾って勝手に使用。
スターク「おまえの物は俺の物~」
万丈「俺のもんだ!!」
- スチームブレイク
コブラフルボトルの力を使用した射撃攻撃。
トランスチームガンにコブラフルボトルを装填して発動する。
エネルギー弾を発射して標的を撃ち抜く。
- デビルスチーム
スチームブレードからネビュラガスを放ち、対象に注入する。
バルブを回して発動する。
ライフルモードでも使用可能で、この場合はネビュラガスの弾丸を放つ。
- スチームショット
コブラフルボトルの力を使用した射撃攻撃。
ライフルモードにコブラフルボトルを装填して発動する。
コブラのように曲がりくねるエネルギー弾を標的に炸裂させる。
- スチームアタック
フルボトルの力を使用した射撃攻撃。
ライフルモードにフルボトルを装填して発動する。
ロケットフルボトルで使用した場合、予め定めた標的を執拗に追尾する誘導弾になる。
- アイススチーム
作中では未使用。『ガンバライジング』においてアイススチームによる連続技が存在する。
ボトルマッチ1弾の期間限定イベントや市販のベストマッチパックで先行登場だったが、ボトルマッチ2弾より正式参戦。
名前が英語で綴りがBlood Starkだと仮定すると、「ありのままの血」とか「血まみれ」という風に訳せる。ちなみにstarkという単語はドイツ語にもあり、こちらは「強い、がっしりした」という意味の形容詞。
…がしかし、第11話で葛城が残した映像データ中では「BLOOD STALK」と表記されている。英語でstalkは名詞としては「(植物の)茎」、動詞としては「忍び寄る」といった意味。「ストーク」じゃないのか?と思うかもしれないが、おそらくアメリカ英語的な発音なのだろう。これを訳すとすれば「血管」「忍び寄る血」といったところだろうか。
上半身に見られるパイプの形状が下向きで排水管に見えることや毒を使用する戦い方から「水質汚染」がモチーフの一つと考えられている。ちなみに、漫画版の仮面ライダーでは、コブラ男が公害闘争に参加した人間を葬る役柄で登場しており、そのオマージュなのかもしれない。
声を演じた金尾氏は仮面ライダーBLACK第33話(俳優として顔出し出演)以来29年ぶりの仮面ライダーシリーズ出演となった。それ以外の作品ではスーパー戦隊シリーズの動物戦隊ジュウオウジャーのアミガルドやレジェンダリー版のGODZILLAなどに出演している。
なお、金尾氏は平成ライダーに多い偽装声の類での出演(視聴者に正体を伏せるためのメタ的演出、ではなく怪人の能力として正式に設定されていると言う点では異例だが)と思われていたが……(後述)
因みに第22話ではスタークがアバンタイトルのナレーションを担当したが、この際「いい声してんだろ? 声の仕事は得意なんだよ」という若干メタな発言をしている。この時、ご丁寧に映像内でもわざわざ「\声の仕事してます/」という字幕が追加されており、その後、金尾氏の所属する劇団昴のマネージメント部のTwitterにてこの映像をパロった「\スタークの声やってます/」と言う字幕がついた金尾氏の写真がツイートされている。
モチーフになったのは恐らく火星の天使や赤い蛇との異名を取る悪魔サマエルと思われる。サマエルについて書かれている文書「バルクの黙示録」では葡萄に関連したエピソードが語られており、この葡萄を加工した葡萄酒はキリストの血とされている。ブラッドスタークという名前はここから来ているのかもしれない。
映像ではナイトローグこと幻徳よりも身長が低く見えるが…?
スーツは仮面ライダー雷に改造された。
悪の仮面ライダーと違い、純粋な怪人であるにもかかわらずライダーヒーローシリーズのソフビという破格の扱いである。
変身者は、カフェ「nascita」のマスター=石動惣一。
戦兎は記憶が戻った鍋島の証言でそのことを知り、惣一が存在を知らないオクトパスライトに対応できていなかったこと、スタークとの戦闘後にいつも彼が店に居ないことなどからそれを確信。
そして、戦兎と龍我がパンドラボックスを取り返した日の夜にnascitaからパンドラボックスやパネル、フルボトルを全て回収して出て行こうとしたところを戦兎に発見され、正体が確定した。
なお、正体判明直後は惣一の声のままで会話するシーンもあったが、明確に変身した第14話途中までのかなり短い期間のみであり、それ以降は再び変身時の声に戻っている。正体発覚後もあくまで「ブラッドスターク」としてのみ登場する際は、正体発覚前と変わらぬ声で常時変身した状態で「石動惣一」としては一切登場しないと言う回も多い。
しかし第30話では、惣一の姿のままスタークの声を発しているシーンがあり、この時の惣一は「石動惣一」としての人格と「ブラッドスターク」としての人格が存在しているかのようだった。
また、第31話では「トランスチームシステムはあくまで仮の姿に過ぎない」と言っている他、クローズマグマに覚醒した龍我に対して「ようやく器が完成する……」と呟いている所を戦兎に目撃されている。
正体候補
あっさりと視聴者に正体が明かされたナイトローグに対し、第1クール終盤までは正体は不明で、ボイスチェンジ機能やブラッドスターク自身が他人の顔を変化させる能力を持っている事も相まって手がかりが非常に少なかった。それだけに彼の正体に関する議論も盛り上がりを見せていた。
- 石動惣一説
ナイトローグ同様にブラッドスタークの正体としても候補に挙がっていた。
下手に動かずとも戦兎達の情報が手に入る、9話にて美空がナイトローグに襲われた際に助けに入ったように見えるブラッドスタークから疑惑が濃くなった模様。
しかし鍋島を完全な記憶喪失に追い込んだり、北都の子供をスマッシュに変えたり、東都政府の警備員を容赦なく殺害するなどの非道な行為から「味方サイドにいる人間がそんなことをするとは思えない」という見解も。
とはいえ、スカイウォールの惨劇を引き起こしたり、本人も光の影響でおかしくなったと発言しているので、完全な味方なのかと言われてもそうだと言い切れる状態ではないのが現状。
なお、発表会見時に前川氏は「(変身は)ないです」とマネージャーから言われたことを明かしているが「変身はしないけど蒸血はするんだろ」と突っ込む視聴者も。
上述の通り、第13話で本人と確定した。また、第33話では遂に悪の仮面ライダー・エボルに変身し、念願(?)の変身を果たすことになる。
- 葛城巧説
これまで死んだと思われていた葛城巧が9話で存命であることが告げられたことにより高まった説。
幻徳が父親ではない誰かと電話で話しているシーンから巧が実は生存しているのではと予想されていた。
「悪魔の科学者」である彼なら上記の実験を行っても不思議ではなさそうである。
余談だが彼自身もまた式典に参加しており、パンドラボックスの「光」を浴びていることから人格が変異している可能性が考えられた。
…ただし葛城巧はまた別人の正体である可能性も(特にブラッドスタークの他者を偽装する能力も考慮すると)ありうることも注記しておく。
- 滝川紗羽説
本人とスタークが対面しているので有り得ないが一応候補者に挙がっていた。
過去の事例としてスコーピオン・ゾディアーツの例(変身者は女性だったが、変身後は男声)がある(『フォーゼ』では他にも逆パターンとして正体発覚前:女性声優の吹き替え→正体発覚後:男性俳優の吹き替えのヴァルゴ・ゾディアーツもいる)やダークドライブの例(タブレット端末などで召喚した)があった(その後、7つのベストマッチで内海成彰が実現させた)ので、また今回もと疑われてもある意味では仕方ないが。
ライダーシステムを軍事利用したい難波重工会長が候補者である説。
声優・俳優共に歳の近いキャラクターであり、特に俳優の浜田氏は一つ目タイタンを演じていたため「悪役」というポジでの話ならこれ以上ない組み合わせである。
ただこの場合、幻徳はスポンサーに対して失礼な態度をとりすぎていることになってしまうが……
- 葛城忍説
葛城巧の父・忍が候補者である説。
彼もまた科学者であり、その死後に息子の巧が科学者を目指したことが語られている。
とはいえ、彼はスカイウォールの惨劇のバッシングで自殺したのだが(憶測ではあるが)ブラッドスタークのガス能力で他人の顔を変えて自分に仕立て上げる、なんていう芸当ができてしまうので(ブラッドスターク自身ではないにしても)どこかでこっそり生きている、かもしれない。
- 新キャラ説
どれにも該当しない第三勢力のキャラクターが候補者である説。
日本国内のみならずパンドラボックスが発掘された火星も物語に関わるのでは?と考えている視聴者も多く、「光を浴びたことで好戦的になったのではなく火星人に乗っ取られた」という仮説も。
そういえば声を当てている金尾氏は前にもそんな役をやっていたような…。
そして、第32話では火星である存在に体を乗っ取られたことが明かされ、この説もある意味正しかったことが判明する。
新世界において万丈がキルバスの変身したビルドに追い詰められた際にエボルトの擬態した姿として登場している。
以後、仮面ライダーエボルの力を取り戻すまでブラッドスタークの姿を利用している。
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