バット!
「かつて俺に流れていた血は、燃え盛る野心によって蒸発した」
「もう昔の俺はいない……」
「蒸血」
ミストマッチ!
バット・バッ・バット… ファイヤー!
「戦争の始まりだ」
スーツアクター:渡辺淳
データ
身長 | 197.5cm |
---|---|
体重 | 103.0kg |
パンチ力 | 17.2t |
キック力 | 20.5t |
ジャンプ力 | 一跳び49.0m |
走力 | 100mを4.1秒 |
概要
『仮面ライダービルド』に登場する蝙蝠の意匠を持つ怪人。戦兎からは当初『コウモリ男』と呼ばれていた。
怪人ではあるがダークヒーローのような洗練されたデザインと頭の煙突、蝙蝠型のバイザーが特徴。尚、バイザー部分の下には目が隠れていることが確認できる。
自分の過去を覚えていない桐生戦兎が唯一覚えていた記憶が『ガスマスクの男達によって人体実験を施される自分を、ナイトローグが冷然と眺めている』というものであり、そのことから自分の記憶の鍵を握っているとして戦兎は彼の行方を追っていた。
その記憶からどうやらスマッシュを生み出しているファウストに所属している事と、組織の幹部らしいという事、そして組織のリーダー格という事が窺い知れるが、それ以外の詳しい事は分かっていない。
第7話で判明したその正体は、東都政府首相補佐官兼東都先端物質学研究所所長・氷室幻徳その人であった。やはり敵キャラだった彼であるが、後述の変身動画ではファウストの制作動画にて怖い顔を繰り返してNGを連発するというコミカルな面もみせている。
個人認証機能等は備えていないようで相応のハザードレベル(最低でも3以上と思われる)の持ち主であれば誰でも変身することが可能だが、戦闘能力は変身者によって差が出る模様。
行動
第1話では最後に登場。逃げる戦兎と万丈をスカイウォールの上から見つめていた。
第2話にて『nascita』の地下秘密基地に匿われていた万丈龍我に「恋人に会わせてやる」と伝えて彼を誘い出す。しかし実際は彼の恋人である小倉香澄に人体実験を施しスマッシュとして変貌させ、龍我共々口封じとして消そうと画策していた。
その後、ビルドと龍我の前に姿を現し、ビルドから人体実験について問い詰められるも「モルモットの顔などいちいち覚えていない」と一蹴し、香澄を元に戻そうとするビルドたちに体の弱い香澄から成分を抜き取れば死に至るという残酷な事実を語った。
このように人体実験を施す事やそれによって人間の命が失われる事に何も感じていない冷酷な精神性が窺える。
また、理由は不明であるがフルボトルのベストマッチについても知っているような事を仄めかしている。
第7話で幻徳が変身したため視聴者には正体が明らかになった。戦兎たちが北都へ入るのを阻止するべく乗り気でないスタークを無理やり伴い彼らの前に出現。しかしスタークの攻撃が向かってきたため逃げる戦兎たちを取り逃がしてしまう。
第13話ではブラッドスタークにパンドラボックスを奪われた事で難波重工から援助を打ち切られ、その怒りからブラッドスタークと交戦するもスタークとの実戦経験の差で敗北する。
第15話では奥の手である巨大なコウモリの翼を展開してクローズを変身解除にまで追い込むが、ビルドラビットタンクスパークリングフォームには敗北し、変身解除にまで追い込まれた。
第20話でパンドラボックスを奪って逃走した際は巨大なコウモリの翼で全身を覆い、ドリルのように回転しながら突撃する技を披露したが、これもラビットタンクスパークリングフォームには通じず、またしても敗北を喫する事となった。
その後、幻徳が仮面ライダーローグとなったため、それ以降の出番はネットムービー「7つのベストマッチ」で内海が変身する程度。
後に内海もナイトローグのスーツのリペイントであり、同じくバットフルボトルを用いる仮面ライダーマッドローグとなったため、性能に後れをとるナイトローグに変身する者はいなくなってしまった。
戦闘能力
第2話では短いものの初めて彼の戦闘シーンが描写され、この時はハリネズミタンクとなったビルドの攻撃を素手で難なくいなすなど圧倒的な実力を見せている。
額から突き出た煙突型ユニット「セントラルチムニー」や顎部分の「エアフェイスダクト」、肩部装甲「NRスチームショルダー」には毒性のある気体を散布する機能が備わっている。
頭部クリアゴーグル「バットナイトゴーグル」内部の超音波センサーや、視覚センサー「ナイトシーカーアイ」の暗視装置によって無視界状態でも普段と変わらない戦闘が可能(ゴーグルにはスキャニング能力もあるようで、内海が変身したナイトローグが使用していた)。
パワーとスピードを兼ね備えた腕部「ダークラッシュアーム」は装着されたブレード「ダークネスウィンガー」を用いて敵を素早く切り刻むことができる。
バトルシューズ「ナイトシーカーシューズ」は無駄の無い静かで素早い動きを得意としており、敵に気付かれることなく背後まで接近できるほか、特殊な蒸気を放つことで麻痺効果を持つキックを繰り出すことが可能。
この他、劇中では背中から巨大な翼を展開して自在に飛行する能力を披露している。
使用アイテム
ナイトローグへの変身アイテム。
トランスチームガンにセットする。
拳銃型の武器。
光弾を発射する他、撤退する時の煙幕も放出できる。
柄の部分と刀身部分を分離させてトランスチームガンに合体、ライフルモードにもなる。
必殺技
- スチームブレイク
詳細は不明。
- アイススチーム
第7話で初使用、スチームブレードに氷の力を纏わせた斬撃。
- エレキスチーム
第7話で初使用、スチームブレードから真っ直ぐ発射した電撃を相手に打ち込む。
第8話では発動直後に振り回して電撃を拡散させ攻撃した。
ガンバライジングでは、黒煙を吹き出して敵を撹乱し、電撃を纏った斬撃を繰り出し、ゴーグル型の斬撃波でトドメを刺す。
- デビルスチーム
第15話で初披露、ブラッドスタークと同様にスチームブレードからネビュラガスを放出し、人間をスマッシュに変貌させる。
- 名称不明のキック技
空中に飛び上がり、飛翔斬のようなキックを放つ。
ガンバライジング
ボトルマッチ1弾にて参戦が決定。キャラクターが定まる前にボイスが収録されたのか、ボトルマッチ1弾時点での変身の掛け声は『蒸血』ではなく『変身』となっている。
シティウォーズ
サービス開始からボスキャラとして実装。ゲームのストーリー設定上、ファウスト時代の時間軸から連れてこられたことになっている。後にローグがプレイアブルキャラクターとして実装され、追加されたストーリーではこの時の人間性を幻徳自身に「我ながら反吐が出る」「不敵にして不遜、自尊心と虚栄心の塊」と散々に吐き捨てられている。
現在、ボスキャラではロード・バロンといった本編のラスボス、エターナルといった映画の敵ライダー、果てはオーマジオウまで実装されているため本編中盤で見向きもされなくなったナイトローグは敵キャラの中では正直格落ち感が否めないのだが、ゲーム内では最凶のボスとも言ってもいいほど凶悪な敵として襲い掛かる。
ゲーム内では比較的厄介な遠距離攻撃タイプでありながら動きがかなり速く、「攻撃しようとしたら蜂の巣にされて倒された」ということがザラ。必殺技のエレキスチームは範囲が狭いため躱しやすいのだが、食らってしまえば麻痺でしばらく動けなくなるため敵キャラの攻撃力が高い極級や覇級ではそのまま蜂の巣にされる、或いは戦闘員に袋叩きにされてゲームオーバーにされることも少なくない。
他の遠距離タイプの敵キャラであるカメバズーカや恐竜グリード、サジタリウス・ゾディアーツとは違い、こいつだけは滅多に微動だにしない。そのため普通のバトルでは先に攻撃対象にしておけば銃撃をかわしながら比較的容易に倒せるのだが、対象が目まぐるしく変わるタイムバトルの中ボスとなると話が変わる。
攻撃の対象を合わせにくいタイムバトルでは銃撃がかわしにくくなるだけではなく、動かないもしくはプレイヤーから逃げていくため雑魚と一緒にまとめて撃破しにくいという凶悪性能を誇る。そのため、「フィールドの端に現れたナイトローグに蜂の巣にされる」という形で戦線離脱という事態が後を絶たない(しっかり操作しているプレイヤーでコレなのだからCPで挑むオート操作で挑んだ場合はお察しである)。
このようなビルド本編のイメージとはとはあまりにもかけ離れた攻撃性能及び妨害性の高さからプレイヤーからは恐れられている(一部ではその戦法から「陰キャローグ」などというあんまりなあだ名で呼ばれていることも)。
内海版ナイトローグ
「どこで道を間違えたんだろうな……俺はただ、他愛のないことで笑って、人のために泣いて……そうやって普通に生きたかっただけなのに」
第12話で、幻徳の秘書である内海成彰が世間を欺く捨て石として変身した。
しかし実戦に慣れてないのか、駆けつけたビルドが変身した海賊レッシャーには勝てず変身解除され、戦兎に後悔の念を語っている最中に幻徳から銃で撃たれ、川へ落とされた。
その後、ブラッドスタークによって救われた彼は、本編第21話~第22話の間のストーリーである『ハザードレベルを上げる7つのベストマッチ』にて、戦兎がハザードトリガーの暴走停止装置の開発に協力するため再びナイトローグに変身。この時はストロングスマッシュハザードのホログラムを盾にする事でスマホウルフハザードフォームの攻撃をかわし、その隙を突いてハザードトリガーを外し変身解除させるという離れ業を披露した。
関連動画
余談
「ナイトローグ」を英語で綴るとNight Rogueになる(S.H.Figuartsのパッケージより)。
Rogueには「悪漢」の意味があるので、無理やり訳すと「夜の悪人」、「夜盗」などといったところか。
上半身の特徴や能力から「大気汚染」がモチーフの1つと考えられる。
スーツは状態の良いスチーム系素体とミキシングされ、仮面ライダーマッドローグに改造された。
第7話までは前作のゲンムのようにナイトローグもまた「正体」が判明していないキャラクターであったため、様々な人物が候補として挙がっていた。以下は判明前の候補者たち。
葛城巧説
龍我に「殺されたはず」の科学者。
生前はパンドラボックスの担当をしており、誰もが認める天才科学者であったが、裏では「悪魔の科学者」とも呼ばれていた。
1回限りのキャラクターの割にはテレ朝公式ページにて紹介がされていることからも不自然な点がちらほら。
内海成彰説
氷室の部下である内海がナイトローグである説。
組織のNo.2がボスに成り上がったりすることはよくあるため、むしろブラッドスタークの方じゃないかとも言われていたが、第5話で彼が現れた同時間に幻徳共々ガーディアンの指揮に当たっていたため、ブラッドスタークの説は消えた。ナイトローグの説は薄々と残っていたが、第7話でナイトローグと一緒にいた為、それも否定されたどころか氷室がナイトローグである事は周知であった様子。
彼自身も相応のハザードレベルに達していた模様で、上記の通り、第12話では捨て石として幻徳に代わりナイトローグに変身したが、幻徳ほど力を使いこなせてはいなかった。
石動惣一説
戦兎を拾ったカフェのマスター。
第2話で見せた孫の手生成場面から不思議な力を持っている=スマッシュに繋がる人間ではないか?ということから挙がった説。また、現在のところナイトローグは巧妙に戦兎達に対して一歩先手を打っている→戦兎達の行動が把握されているのではないか→一番身近な人物ならそれが可能という考えもある。
仮に敵であるならば戦兎をファウストに連れ戻さず匿った上で全面協力する不自然さやファウストに攫われたことのある娘・美空の存在、何より命を弄ぶファウストを憎んでいるという点で引っかかることも。
だが、第3話で戦兎が毒で攻撃されたあと、すぐナシタに連れて帰り治療したこと、彼がバイトでいない時に現れたこと、軽いノリの口調と仕草からブラッドスタークの可能性が出てきていた(もっとも、ブラッドスタークが平然と子供をスマッシュに変えたり東都の警備員を殺害したりしている様子から矛盾もするが)。
第13話にて、その正体がブラッドスタークだと判明した。
変身時の掛け声の「蒸血」は上記の台詞の意味の他に、「蒸気」と「吸血」等の意味を含む造語と思われる。(詳しくは当該項目参照。)
なお、ガンバライジングでもテレビ本編で正体が氷室幻徳と発覚するまで声が加工されていたが、ガンバライジング2弾以降は加工が解除されている。ちなみにこちらでの変身口上はなんと「蒸血」ではなく、『変身』。これは加工解除後もそのままにされている。
関連タグ
仮面ライダービルド スマッシュ(仮面ライダービルド) ファウスト(仮面ライダービルド) ブラッドスターク
魔進チェイサー:銃で変身する擬似ライダー。変身者が後に紫の仮面ライダーに変身している。
仮面ライダーキバ:コウモリがモチーフでマスクの形状が酷似しており、ひらかたパークでのスペシャルショーではビルドが見間違える一幕があった(勿論すぐに「イヤ…違うな」と認識)。
仮面ライダーエビル:物語序盤は正体不明だった黒いコウモリの戦士。